【渾身】「中小企業経営」に関する統計について

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おはようございます。
いけちゃんです。
(合格体験記はこちら、前回までの記事はこちら

先月開催したオンライン春セミナー(オン春)において、「中小企業経営」に関する統計についてご質問をいただきました。
少々時間が空いてしまいましたが、本日の記事は、白書の「統計」攻略がテーマです。
先代提示の「統計のチェックポイント」の活用方法を例示しつつ、2019年版「中小企業白書」「小規模企業白書」の方向性を象徴する統計をご紹介します。

本記事をお届けしたいのは、このような方々です。

「中小企業経営」分野で出題される統計を攻略したいという方

「つまらない暗記」からの脱却

統計というからには、動向変化の方向性を把握することが肝要ですが、白書に掲載されている統計の数は膨大です。
とはいえ、やたらめったら統計が放り込まれているのではなく、白書のテーマ(経済産業省・中小企業庁が指し示したい方向性)に沿って掲載されており、その点は試験対策上も重要なヒントになります。

以前にもご紹介した方法ですが、統計を「サブタイトル」から読み込み、「つまらない暗記」からの脱却を図ることをオススメします。
無機質でつまらない暗記は、時間が経てばどうせ忘れるインプットです
そんなことのために、限られた時間を費やすのってもったいないなと感じます。
・・・ならば白書のテーマを洗い出しながら、診断先企業の現状把握や課題設定に活用できるように整理出来ないか、ということでまとめてみました。

(参照:初代JC「「中小経営」を押さえこみ!」、初代ハカセ「白書の図表のサブタイトルを攻略せよ!」)

統計のチェックポイント

まずは、統計のチェックポイントを押さえておきます。
先代の記事からの引用となりますが、統計の読み取り方としては、以下に尽きると思います。

 ①イチバンを見る
 ②比較して見る
 ③傾向を見る
 ④自分の感覚とズレているものを見る
 ⑤社会情勢を見る
(参照:8代目なが「【渾身】中小企業経営」)

とりわけ、頻出分野の統計の中で「意外」だと感じる箇所(=④自分の感覚とズレているもの)があれば要チェックです。
誤答のリスクが高いわけですから、試験直前まで見返せるようピックアップしておきます。

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中小企業白書

すでに2020年版「中小企業白書」「小規模企業白書」も公表されていますが、2020年度の中小企業診断士試験においては、2019年版「中小企業白書」「小規模企業白書」からの出題が中心となります。
テーマは「令和時代の中小企業の活躍に向けて」。
図表索引についてはコチラ

第一部 平成30年度(2018年度)の中小企業の動向

第1章:中小企業の動向
2018年の中小企業の経常利益は2017年に引き続き過去最高水準になったことが指摘されています。
また、中小企業の景況感についても、企業規模別業況判断DIを見ると、規模が大きいほど景況感に改善傾向がみられています
一方、大企業との比較感でみれば、設備の不足感が強まっているにも関わらず、設備投資に踏み切れない中小企業の姿も明らかになっています。
IT関連指標である「ソフトウェア投資額・ソフトウェア投資比率の推移」(p.14)をみると、投資規模には大きな開きがあることが見て取れます。
「社長、IT投資すればこんなのすぐ解決ですよ!」と言うのは簡単ですが、予算制約を踏まえて実行支援までやってあげないと、なかなか難しそうだというのが伺われますよね。

第2章:中小企業の構造分析
中小企業が生み出す付加価値額については、2011~2015年の4年間で、存続企業が付加価値を伸ばすことで廃業企業による減少分を上回り、全体で見ると成長しています。
こうしてみると、一定程度「新陳代謝」は進んでいると見ることも出来ますね。

第3章:財務データから見た中小企業の実態
中小企業の業績は、バラつきが非常に大きいことが指摘されています。
また、資産債務超過の企業の場合、「債務超過が大きいほど業績改善が困難であり債務超過が軽微な段階で経営改善に着手することが重要」とされています。
とはいえ、リーマンショック以後の景気回復が長く続いてきたため、「CRDデータから見た、営業利益の黒字/赤字企業の割合の推移」(p.36)を見ると、営業黒字企業は増加を続けています
足元の新型肺炎の影響には注視が必要ですが、2020年度の一次試験においては「営業黒字企業が増加し続けている」という認識で良いと思います。

第4章:人手不足の状況
中小企業は大企業と比較して労働生産性が伸びておらず、賃金や休暇などの待遇面に差があることが指摘されています。
その結果、「業種別従業員数過不足DIの推移」(p.50)を見ると、人手不足感が強い状況となっています。
ここでは、業種に着目して確認しておくべきかと思います。

ところで、「企業規模別従業員一人当たり付加価値額(労働生産性)の推移」(p.56)は、私(いけちゃん)にとってはやや意外な結果でした。
繰り返しになりますが、こうした「自分の感覚とのズレを感じる結果」については要チェックです。


第5章:開廃業の状況
足元の好況や緩和的な資金調達環境を背景に、開業率が廃業率を上回っていることが指摘されています。
「開業率・廃業率の推移」(p.67)をみると、2009年に傾向が転換しています。
但し、国際比較においては、日本は開業率・廃業率いずれも相当程度低い水準にあることから、相対的には新陳代謝が進んでいないということが言えます。

第二部 経営者の世代交代

第1章:経営資源の引継ぎ
以前から中小企業白書では、事業承継の重要性が説かれていましたが、2019年度版についても当然重要なテーマとして提示されています。
とりわけ、若い世代への事業承継が企業の業績にプラスの影響を与えること、事業承継や経営資源の引継ぎのためには早めの準備が必要であることがメッセージとして伝えられています。
「事業承継の形態別、後継者を決定する上で重視した資質・能力」(p.91)をみると、役員・従業員承継に特有な事情が提示されています。
この辺はある種、感覚的にも理解できる話なわけですが、あえて記憶しておく必要がないと言えます。

第2章:次世代の経営者の活躍
起業は必ずしも「ゼロイチ」でなくても、既存企業からの経営資源を引き継いでの起業・事業承継も有効な選択肢であり、その際の課題や取組みが提示されています。
また、いわゆる成長企業(売上高の成長や雇用の拡大を志向する企業)の傾向も示されています。
「年齢別に見た、事業承継割合の推移」(p.175)をみると、若い世代が事業承継に意欲を見せるようになっていることが読み取れます。

第三部 中小企業・小規模企業経営者に期待される自己変革

第1章:構造変化への対応
①人口減少、②デジタル化、③グローバル化という構造変化に対して、中小企業や小規模企業の経営者がどのように行動変容すべきかが示唆されています。
例えば、「従業員規模別に見た、ソーシャルメディアサービスの活用目的・用途」(p.283)をみると、中小企業においても、SNSをマーケティングに活用していくべきだという方向性が示唆されています。
近年、二次試験事例Ⅱにおいて、SNS活用がテーマになることが多いのも頷けますね。

第2章:防災・減災対策
日本は自然災害が多い国ですが、防災や減災という視点で見たとき、中小企業の対策は不十分なものと言えます。
リスクの把握はもちろん、財務的なリカバリーに備えた損害保険加入等、事前対策に関する課題が山積みであり、BCP策定すら行っていない先が多いのが現実です。
「従業員規模別に見た、BCPの策定状況」(p.448)をみると、その傾向は顕著です。

小規模企業白書

「小規模企業白書」についても2019年版を見ていきます。
テーマは「令和時代の小規模事業者の活躍に向けて」。
「図表索引」はコチラ

第一部 平成30年度(2018年度)の小規模事業者の動向

第1章:小規模事業者の現状
小規模事業者の経常利益や景況感についても、中小企業と同様に増加・改善していますが、その傾向は緩やかです。
「中規模企業・小規模事業者の経常利益の推移」(p.7)をみると、東日本大震災以後の傾向に違いが見られます。
次章で触れているとおり、小規模事業者数自体が減少していることも影響していると思われます。

第2章:中小企業の構造分析
「企業規模別企業数の増減率の推移」(p.22)をみると、大企業や中規模企業とは異なり、小規模事業者の減少は継続していることが読み取れます。

第二部 経営者の世代交代と多様な起業

第1章:個人事業者の事業承継
個人事業者の減少傾向は相当期間続いており、「個人事業者数の推移」(p.31)によると遂に2016年には200万者を割り込んでいます

第2章:フリーランス・副業による起業
起業の担い手として、フリーランス・副業形態が注目されています。
上記2つの形態は、一般的な形態で起業する場合と比較して開業費用が低いため、今後も増加するだろうことが指摘されています。
その後、事業が軌道に乗ることで従業員を雇用するに至ったり、本業に移行するケースが挙げられています。
「男女別に見た、起業家の年齢構成の推移」(p.78)をみると、50歳未満の女性起業家の割合が増加していることが明らかで、多様な働き方の中で「起業」が選択されることが多くなっている状況が指摘されています。

第三部 小規模事業者の防災・減災対策

第1章:小規模事業者に対する自然災害の影響
日本は、他国と比べても自然災害による被害額が大きく、地震や豪雨において記録的な被害を計上しています。

第2章:小規模事業者における、自然災害への対策状況
中小企業以上にBCPが策定されていない現状については、「小規模事業者におけるBCPの策定状況」(p.202)で指摘されています。
小規模事業者の場合、経営者自身の生活と切っては切れない形で営業を行っているにも関わらず、自然災害への対策は全く進んでいないことが伺われます。
小規模事業者こそ、防災・減災対策が必要といえそうです。

今日のまとめ

① つまらない暗記を関連付けでクリアする
② 2019年度各白書のテーマ「時代の変化・世代交代・自己変革」

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先日、岩塩も紹介していましたが、受験生支援団体タキプロオンラインセミナーを行います!
残席わずかです!ちょっとだけ増員して56名募集としました!)

2019年試験合格者の約10%が加入しているタキプロの強みは「多様な属性」です。
受験歴はもちろん、勤務先の業界やポジション、人生経験(?)も様々なメンバーが集まっています。
あなたと境遇が近かったり、参考にしたい情報を持っているメンバーもきっといるハズです。

テーマ別の「個別よろず相談会」がメインコンテンツですが、合格者=受験生が交流できる懇親会も企画していますので、ぜひご参加くださいね。
受験仲間を作っていただくのも良いですし、合格者とつながっておけば、直接質問したりすることも出来るかもしれません。
当日は、岩塩さとまる、私 いけちゃんも登場します。

タキプロ春セミナー2020

(Zoomオンラインセミナーです)

日時 2020年5月17日(日)16:00開始

プログラム
第1部 個別よろず相談会 16:00~17:30
第2部 オンライン懇親会 17:30~19:00
※第2部はご希望の方のみ

参加費 無料

定員 56

お申し込みはこちらからお願いします

以上、いけちゃんでした!
それでは、体調第一でお過ごしください。今日も一日頑張りましょう!


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