【財務】要領のよさで財務の点数アップ
こんにちは。wackyです。
いよいよG.Wも終了し、今週は怒涛の7週間の2週目ですね。G.Wは思う存分勉強できたでしょうか?もし予定通りいかなかった方は、どこかで無理をしないといけなくなるのでまずは覚悟を決めましょう。予定通り、もしくはそれ以上に頑張れた方はその頑張りに自信を持っていいです。そしてその自信は心の支えになるはずです。「自分はこれだけやることができた!!」その自信は絶対本試験で役に立ちます。
では本題・・・に入る前にもう一つ。
とある方から受けた質問「完成答練の復習はいつやればよいでしょうか?」について回答します。
私の場合は、日曜日に完成答練を受けていたのですが、当日中に間違えた論点を整理した資料を作成していました。いわゆるミスノートです。その資料を作成した後は…まったく振り返りませんでした。で、いつ振り返ったかというと、怒涛の7週間終了後模試までの1週間です。ここでようやく間違えたポイントを見直していました。要するに答練が終わった後、結果の分析だけ済ませて次の科目に行くのです。この切り替えは本試験でもとても重要。
参考までに、昨年企業経営理論の答練終了後に作成したミスノートを掲載します。
それではようやく本題の「財務・会計」についてです。
まずは先週の企業経営理論と同様にデータ分析からです。
1.データ分析
まずは過去の平均点と科目合格率についてです。
昨年の財務・会計は難易度がアップしました。難しいというより「知らない論点が多かった」と言えますね。
とはいえ、H21年度がやや易しかったレベルであったと思いますので、昨年もしくはH20年と同レベルの対策をしておけば大丈夫でしょう。
次にランク別の傾向です。
これを見ても昨年の難易度上昇の原因が見て取れますね。Bランクが激減して、Dランクが増加しているので難易度はアップしてます。さらに領域別でみると、会計のほうがやや正答率が高くなっています。これは出題順にも関係あるのではないかと私は考えています。財務(ファイナンス)は問題の後半に出題されるのですが、財務会計では時間との闘いとなるので後半の問題は手つかずとなるケースがあるので正答率が下がるのではないかと思っています。実際私自身は、それぞれの領域で難易度の違いは感じていませんでした。他には簿記経験者の存在により、会計のほうが正答率が上がるのかもしれません。まぁ参考までに。
会計はファイナンスの基礎でもあることや、ファイナンスに比べて難易度が低い傾向にあることから、まずは会計分野を強化することが効率的であるといえますね。
私の昨年の財務会計の成績は、こちらを参照してください。
2.財務会計は解答順で点数に差がつく
財務会計は60分では時間が足りないとよくいわれています。現に本試験の時も、公開模試や答練の時も途中退出する人は他の科目に比べて圧倒的に少ないです。その要因は言わずとしれた「計算問題が多い」ことに起因するのですが。時間切れになってしまったら、解けなかった問題は適当にマークするしかないので当然ながら正答率は下がってしまいます。解けなかった問題にA,Bランクの問題があったらもったいない。ということは、できる問題・簡単そうな問題から取り掛かるだけでこういう取りこぼしを防ぐことができます。よって得点率アップといえるでしょう。まぁ、こんなこと誰でも思いつくしほとんどの人は実行していると思います。でも意外と1問目から正直に解答を始める人多いんですよ。別にどこから解答してもよいのだから、できる問題からやりましょうね。
私の場合は、最初にまずざっと全問題に目を通して問題番号の横に「○、△、×」をつけます。
○:知識が問われる問題で計算なし
△:簡単な計算で対応できる、もしくは自分が自信がある分野の問題
×:大量の計算が必要、もしくはじっくり取り組む必要がある問題
で、○→△→×の順で問題に取り掛かります。×はまぁ最悪できなくてもよいと諦めます。実はこの諦めが重要。道場でも何度も言われていることなんですが、診断士1次試験は100点満点で60点を狙う試験ではなく、80点満点で60点を狙う試験。最初からできない問題が20点あるので、その問題には目もくれずに点を取れる問題を確実に解答することで十分60点は狙える。詳しくはZonEのこの記事を参照してください。
財務会計も一緒。全部の問題を解こうと思うから、焦ってしまい計算ミスを誘発して時間を浪費し、結果時間が足りなくなる。だったら最初からやらない問題を決めておけば焦ることもない。じっくり取り組めば計算ミスが減り、時間に余裕ができて捨てるはずの問題にも取り組める。難問だったとしても捨てる予定なのだからあきらめがつく。怖いのは焦ることです。どれだけ恐ろしいかはこちらの記事を読んでください。(財務が超得意なJCでもこんなこと起きるというとてもいい例)
じゃあ、具体的にどんな感じなの?と思う方もいると思いますので、私の場合の分類をお知らせします。
H22財務本試験の場合
○:第1問、第5問、第7問、第13問、第14問設問1、第16問、第17問、第19問、第20問
△:第3問、第4問、第6問、第8問、第9問、第11問、第12問、第14問設問2、第15問、第18問
×:第2問、第10問
○は1分以内目標。△は2分以内。×は残り時間と相談といった感じですね。財務会計では60分で大体25マーク出題されるので、1マークあたり平均2分で解答しなければならない。○で時間を稼いでその分を×に割り当てる感じです。
昨年は第1問が帳簿組織、第2問が工事に関する企業会計とテキストにはない論点が出題されたので、簿記未経験者にはきつかったと思います。これでペースを狂わされたら出題者の思うつぼ。ここをサクッと飛ばせたかどうかで勝負が分かれたと思っています。昨年の財務会計は、後半のほうが難易度が低かったので前半でつまった場合は思うように問題が解けずに苦しんだのではないでしょうか。
このように財務会計では、どの問題から解くかが大事。限られた時間を無駄にしないためにも最初から順に解くのではなく、いったん全体を眺めて取り掛かる問題を決めるほうが結果早く終わります。「急がばまわれ」ってね。
3.計算を楽にして時間を稼ごう
もう一つとっておきの方法。
本試験では電卓を使うことができないので、掛け算や割り算を手計算するのですが、本番の緊張感もあってなかなかスムーズにいかないこともあります。だからなるべく計算しやすいようにすることもコツ。
例えば、
「960×1250÷2」という計算をする場合、そのままやると結構面倒。
この場合は、
「960×(5000/4)×1/2」
とすると、約分できて「120×5000」となるので簡単に計算できる。
他にはこんなやり方も。
(240×4)×(25×50)×1/2
=(240×50)×(25×4)×1/2
=12000×100×1/2
要するに掛け算しにくい数は、分解することで簡単になることもあるってことです。
とくに5の倍数に偶数をかけることで簡単な数字になりますよね。そうすると計算が簡単になることもあるので、是非お試しあれ。
4.秒殺テクニックを身につけよう
さぁここまで来ると上級テクニックです。昨年もハカセの記事にあったように、計算しなくても答えが出せれば大幅時間短縮可能。本試験では時々そのような問題が出ています。もちろん昨年の本試験でも出ましたよ。
第10問
製品X(価格600円、単位あたり変動費360円)と製品Y(価格1,000円、単位あたり変動費700円)の実行可能な販売数量の組み合わせは下図の通りである。利益を最大にする販売数量の組み合わせは下図のとおりである。利益を最大にする販売数量の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
ア Xの販売数量:0 Yの販売数量:3,000
イ Xの販売数量:1,500 Yの販売数量:3,000
ウ Xの販売数量:2,250 Yの販売数量:2,250
エ Xの販売数量:3,000 Yの販売数量:1,250
オ Xの販売数量:4,000 Yの販売数量:500
この問題はいわゆる線形計画法の問題なので、与えられたグラフから式を求めて不等式を解けば解答は求められるがこれは難問。だけどこの問題の正答率はB。なぜか?それは選択肢5パターンのすべての利益額を求めれば必ず解答が得られるから。さらにいうとグラフの図形から(1500,3000)か(4000,500)のどちらかになりそうと予測がつきますしね。5つならまだしも2つくらいなら計算しても大した時間はかからないから何とかなるレベル。
でもこの問題は利益額を計算しなくても解答可能。
まず製品Xと製品Yの1個当たりの限界利益を求めると…
製品Xの限界利益=600-360=240円
製品Yの限界利益=1000-700=300円
つまり製品Xより製品Yのほうが利益額が高いことがわかる。
で、各選択肢の利益額の比較を行うと…
まず選択肢アが最大にならないことは簡単にわかる。(イとの比較で)
次に選択肢イとウを比べると、選択肢ウは製品Xを750増やして製品Yを750減らしているので、イ>ウとなることがわかる(限界利益の違いにより)
次にイとエを比較すると選択肢エは製品Xを1500増やして、製品Yを1750減らしているので当然イ>エとなる。
最後に選択肢イとオを比べると、製品Xが2500増えて製品Yが2500減っているのでこちらも当然イ>オとなる。
というわけで利益額が最大になるのは選択肢イとなる。
このやり方に気づけば秒殺も可能。
製品1個当たりの限界利益額の違いに気づけばこの解法はすぐ思いつくことでしょう。正直に全パターン計算してもよいのですが、上記のような比較により選択肢を消去すれば労力も減らすことができてオ・ト・ク。
こういった秒殺テクニックは解法が理解できていることが前提で、いかに「省略するか」ということを普段から気にしていないと、とても本番でできるようなものではないことも知っていてください。ちなみに、このような「省略化」は事例Ⅳで大きな効果を発揮することを覚えていても損はないです。
5.最後に
財務会計の問題は実はそんなに難しくないです。もし同じ問題で制限時間が90分ならもっと平均点が上がるはず。要するに「60分という制限時間がある」から難しいのです。だけど制限時間が伸びるわけではないので、ちょっとした工夫で時間を有効に使うことで制限時間内に60点をもぎ取ることが可能です。出題者の罠にはまって途中の難問に詰まっていたら、それこそ取れるはずの60点が遠のいていきます。
ちなみに私は、完成答練、公開模試、本試験いずれも5分前にすべて解答し終えたので時間が足りなかったことはありません。計算問題が少なかった本試験なんか10分前に終わりました。過去問も常に45分で解く練習をしていたので時間配分には自信がありました。私は基本的にものぐさで面倒くさがりなので、たくさん難しい計算をするのが嫌いでした。だから上記のような「楽をする方法」を常に考えていたのがよかったのかもしれません。
くれぐれも第1問目の精算表にいきなりとりかからないでくださいね。
by wacky
>かずさん
コメントありがとうございます。
そうですね、なかなかパッと見と実際の難易度が合わないことはあると思います。簡単だと思った問題でも手こずる可能性はあるので、常に時間を気にしたほうがいいですね。2分以上かかっている場合は、途中でも先に行く判断が必要ですね。
とにかく「常に冷静に」を忘れないようにしてください。
Wackyさん、こんばんわ
いつもためになる記事を、ありがとうございます。
私は、Wackyさんと同じように解答する順序を
1.文章問題
2.すぐに解けそうな問題。
3.時間がかかりそうな問題
の順番で解いているのですが、簡単そうに見える問題が以外に時間がかかったり、難解そうに見える問題を飛ばしてあとから見返して見ると、以外に簡単に解けたりします。
まだまだ、練習不足なんだと思うのですが、簡単な問題を見つける嗅覚を身につけるのも大事ですね。
>ハチハチさん
コメントありがとうございます。
ミスノートのポイントは「間違いやすい分野の傾向を知ること」と、なぜ間違えたのか原因分析を行うことにあると思います。是非自分なりのミスノートを作成して対策をしてください。
答練は練習の場ですから、解く順番を試してみるのもオススメです。いろいろと試して本番で「最も効果がでる」ように頑張ってください!!
>はまっちさん
コメントありがとうございます。
やり方はともかく、100点のうち「80点分しか」できる問題はないことに気づくのが重要です。難しい問題にこだわることなく、比較的簡単な問題を確実に取ることが大事です。そのためには基礎力が何より大事。
頑張ってください!!
ファイナンスから解く、面倒そうな問題を後回しにするようにはしていました。でも、「〇・△・×で評価して、8割の問題を確実に狙いに行く」って方法は目からうろこです。自信を持って時間配分できるし、演習の段階から意識していると、解法パターンを身につけるのにも役立ちそうですね! 素晴らしいです。
ミスノート、参考になりました!!(過去問でも活用できそうですね)。また、財務の取りかかるべき問題の優先順位づけ、改めて認識しました。完成答練で実行してみます!!