おはともの二次試験ドキュメント

2014年10月25日、土曜日の昼下がり。
ひとりの女が東京都文京区の跡見女子大学正門前に立っていた。

「ここか・・・。」

女は腕組みをし、唇を強く引き締めながら心の中でつぶやいた。
女は、ここが自分の戦場になるということを心の中に強く刻み付けていた。
ここで勝負するのだ。ここで私は勝ちを取りに行くのだ、と。

そのとき、中年男性の陽気な声が聞こえた。

「あした受験ですか? この1週間ぐらい、たくさん見に来たよ~!」
大学門前の警備員だった。

・・・・

こんにちは!おはともです。
本日はゆる~く、

昨年二次試験を受験した私の当日ドキュメントをお送りしたいと思います。

受験生の皆さんが試験当日をイメージするのに役にたてば幸いです。

なぜそんなことを言うか。
それは「イメージトレーニング」って大事だと思うからなのです。

ひめ が過去記事で言っているように、
心技体を整えることが試験突破の鉄則。
であれば、私の成功も失敗も糧にして
あらゆる想定外の事象にも平常心で臨めるように
心の準備をしておいてくださいね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

二次試験前日の昼下がり、ようやく時間が取れた私は、
会場の場所を確認するため、跡見女子大学へ。
やっぱり前日に行っておいてよかった。
地図を見ながらでも、「本当にこの道でよいのだろうか」と脳のエネルギーを使っているのが分かる。
これを本試験当日の朝にやるとしたら非常な浪費だ。
場所を確認して、安心して帰宅。あとは落ち着いて明日を待つばかり。

不安だけれどこれ以上何をやっていいかなんてわからない。
さっさと夕食を済ませて布団にもぐった。

翌朝、会場近くの喫茶店でファイナルペーパーの最終確認。
過去問も持ってきているが、この超直前のタイミングではもはやどこを見たらいいのか分からない。
落ち着いて、会場に行こうということだけを考える。

会場に着いてみると、思いのほか落ち着いている自分がいた。
一次試験の会場でも見かけた受験生。
「ああ、あの人も一次に受かったのか。」

受験校の自習室での見慣れた顔もいる。
しかし、今日だけは何も話すまい。
二次試験はメンタルが結果に大きく影響する試験なのだ。
事例Ⅳ試験終了の鐘がなるまで、誰とも一言も口をきくまいと心に決めていた。

事例Ⅰの解答用紙が配られる。
何とも言えない緊張感。

つづいて問題用紙も。
当然だが表紙の下にどんなことが書かれているかは分からない。

机の上の消しゴムとシャープペンシルを確認し、
目を閉じて、額のあたりに意識を集中する。

机の上の道具をもう一度確認する。
いつもと変わらぬシャープペンシルと鉛筆3本。消しゴム2つ、
定規と電卓、マーカー。

「それでは開始してください」
試験官の掛け声とともに一斉に紙をめくる音。
しばらくして、ビーッ、ビーッと問題用紙を破る音が聞こえる。
私も、これまでさんざんリハーサルしてきたとおりシャープペンシルや定規の先端を使って問題用紙のホチキスを外し、
中央から慎重に切り取った。

そして上部に大きく「組織・人事」と書き、大きくページ番号を振る。

予定どおりだ。
はじめて見る問題。でもパターンはいままでと同じ。
最も点数の伸びない事例1だったが、いつもどおりの行動をいつもと同じように行おうとだけ心がけた。
決して動揺すまい。いつもどおりのありきたりな答えを書こう
そう自分に言い聞かせながら。

解答用紙はペラペラの黄ばんだわら半紙。
ああ、これがハーンの記事にあった解答用紙だ。
確かにこの用紙に消しゴムをかけたら普通に破れるだろう。
消しゴムをかけるときは、破かないように細心の注意を払わねば。

そして問題を解きすすみ、最後に残していた第5問に取り掛かった。
ふと、おかしな解答が脳裏に浮かぶ。
いやまてよ。
冷静に考えて、これまで診断士試験でこんな解答が求められたことはない
私の考えていることはおかしいのではないか。

そんな心の葛藤が続いた。
おかしいと思いながら、そのおかしな解答を書きたい!という強い欲求が心に湧きあがり、
最後まで止めることはできなかった。
自分の中から湧き上がる「これを書きたい!」という奇妙な衝動に打ち勝てなかった。

(後日談:これが災いし、事例Ⅰでは40点台の低得点を取ることになった。)

続いては事例Ⅱ
頭を切り替えて、「スモールビジネスマーケティング」の切り口を思い出す。
試験官の合図で、80分の闘いが開始された。

なんだこりゃ?やっぱりきたよ、電卓を使う問題が。
問題用紙のページ数もやたらと多い。

しかし、第1問を見ると、単純な知識問題じゃないか。
これは本文から情報を探して書くだけのサービス問題だ。
「これを取るか取らないかが私の合否を分けるな」と考えた。
簡単な問題だからこそ、絶対に落とせない
慎重に慎重を期し、問題文を3回読み直してから、解答用紙を埋めていく。

後半、問題用紙の多さに頭が混乱し、机上もごちゃごちゃになっていった。
私は前述のとおり試験開始と同時に問題冊子のホチキスを外し、中央から2枚に切り離す。

ところが、事例Ⅱでは問題用紙の枚数が多くなり扱いづらくなっていたのだ。
もともと、こんなに問題用紙の枚数が多いのは私は解いた経験がない。

混乱気味だがやはり
「落ち着いて。いつもどおりに。」
「いつものメソッドと違うことはやらない。」
「自分の感覚や思い付きに頼らない」
と自分に言い聞かせた。

試験終了の合図。
ペンを置き、解答用紙の回収を待っているあいだ、
あっ、と気付いた。
試験の途中で、間違った解答を書いたことに気づき
あとで書き直そうと思っていた
ところだ!
書き直すのを忘れた!ああ・・・・

時すでに遅し。

いやいや、これぐらい大丈夫!
気をとりなおして次の事例に行こう~!
すぐに気持ちを切り替えた。

トイレと軽い食事をすませて
次は事例Ⅲ。
これまたいつもどおりの問題。
まるで某受験校の答練みたいだ。

落ち着いて、いつもの論点を思い出し、
いつもどおりに埋めていく。

続いては事例Ⅳ。
疲れてはいたけれど、ぐったりするほどの疲労感はない
いつもどおり淡々とやるだけだ!

解答用紙を見ると、とても大きな解答欄がふたつ。
ああ、これは解答プロセスを書かせる問題か。

採点者が大変だろうから、こういうのはもう出題されないかと思ったのに、
よくこんな問題だすよな~。

私は財務会計が苦手だ。
時間をかけたところで正しい計算結果なんてどうせ出せないことを自分自身が一番よく知っている。

恩師の教えは、絶対に獲る問題と捨てる問題を見極めること。
捨てるべきところを勇気を持って捨てることだ。
それならば、私は正しい計算結果を出すことを捨てよう。
ただし、部分点ねらいで、解答プロセスの途中まででもいいから書こう

2か月前の一次試験も財務会計はぎりぎりで合格している。
問題を解くにも時間がかかる私だ。
とにかく、問題用紙をどんどん埋めていった。
下書きなんてしない。そんな時間ないから。
私の出来る限りの力で、精一杯、集中力の限りをつくして問題文を読み、慎重に調べた。

問2の設問2
「今年改装するか、来年改装するか」つまりどちらのほうが財務上有利になるか、という問題だ。

私にはどうせ正しい数値を出せるはずもない。
過去問の事例Ⅳを思い出した。
事例Ⅳの提案は、「こうあってほしい姿」に向かう傾向にあった。
今年の事例Ⅳもきっと、
「積極的」に「チャレンジ」することをよしとするはずだ。
そして、ストーリー性から考えるに、駅ビル全体の改装計画があるのに、
それを無視してD社が最初の計画にこだわり続けるなんて
なんだか診断士試験ぽくない。
きっと、外部環境に対応して、「今年改装する」という解答になるはずだ。

エイヤと心を決めて、「来年改装する」方向で解答欄を埋めていく。

そして、最後の終了の合図。
「筆記用具を置いてください!」

ああ、長い長い一日が終わった。
失敗もたくさんしたけれど、持てる限りの力は出した。
4事例すべてに、すべての問いに落ち着いていつもどおりの対応はできなかったけど、
これが今の私の実力。

そう思い、試験会場を後にすると
すぐ駅前の喫茶店に入り再現答案の作成を始めた。
さあ、これが終わったら打ち上げだ!!

・・・・・・・

それでは今日も素敵な受験生ライフを!
おはともでした。

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