10分で分かる「株式指標」

 

10分でわかる株式指標

今回はちょっとマイナーな論点です。
株式指標とは、PBRとか、PBRなどの暗号(?)のようなアレです。マイナーな論点ではありますが、出題実績を見ると出題頻度は過去5年で5回と毎年出題されされています。

出題実績

H22 第19問 配当性向、配当利回り
H23 第20問 PER PBR
H24 第20問 PER
H25 第20問 PER
H26 第20問 PBR
→ 毎年出題されています。

この株式指標は、マイナーなので、勉強計画から外してステ問としている方も多いと思いますが、これから10分で解説することを理解すれば、十分に本試験で得点可能となるはずです。

それでは、始めます。

 

ポイント

株式指標はパズル問題

試験対策上は、株式指標問題はパズル問題です。深い株式の知識は不要です。
覚えることは、下記の5つの記号だけです。

E:純利益(Earning)
S:株式総数(Share)
B:純資産(Book value)
P:時価総額(Price)
D:配当総額(Dividend)

 

上記の式を実際の指標に当てはめた図は、下記の図です。こちらも参考にしてください。

 

( クリックすると大きくなります。)

 

 

過去問

いつものように、過去問を例題としながら、パズルを解く方法で解説していきます。

過去問 H24 20(改題)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。企業価値の評価手法には、伝統的な企業業績評価手法であるデュポン・システムを応用したものがある。これによれば株価は、1株当たり当期純利益と【A】との積に分解され、さらに1株当たり当期純利益は1株当たり純資産とROEとの積に分解される。
(設問1)
文中の空欄Aに入る用語の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
ア BPS
イ PBR
ウ PER

 

【正解】

【解説】
株価を5つの株式指標で表現すると、時価総額(P)÷株式総数(S)となります。
同じく、1株当たりの当期純利益をこれで表すと、当期純利益(E)÷株式総数(S)となる。
ここまで分かれば、あとはパズルです。


簡単なパズルを解くように、問題を解くことができます。

 

過去問 H25 20
次のデータに基づき、以下の設問に答えよ。

PBR ROE 自己資本比率 配当性向 配当利回り
1.2 10% 60% 36% 3%
(設問1)
自己資本配当率(DOE)として、最も適切なものはどれか。ア 3.6%
イ 7.2%
ウ 21.6%
エ 43.2%

 

【正解】

[難易度B]
【解説】
まず、自己資本配当率(DOE)を考える前に、設問にあるそれぞれの指標を、この表を使って、下記のように分解します。
なんでこうなるのか、順番に説明します。
PBR

これは、5つの記号に従うと、P÷Bになります。

ROE

ROEは今回の5つの記号に当てはまらないのですが、有名な指標なので、これだけは、別で覚えてください。ROEとは、「Return on Equity」の略で、純利益(E)÷純資産(B)になります。

自己資本比率

これは大丈夫ですね。自己資本比率を上記の記号で表すと、純資産(B)÷総資産(Assett)になります。総資産は、使わないのでこれは無視です。

配当性向

配当性向は、純利益に対して、どれくらい配当金を支払うのかの比率です。5つの記号に当てはめると、配当総額(D)÷純資産(E)になります。

配当利回り

最後に配当利回りです。これは、時価総額に対して配当金がどれくらいかの比率です。5つの記号に当てはめると、配当総額(D)÷時価総額(P)になります。

 

次に設問要求である、自己資本配当率(DOE)を分解します。

自己資本配当率(DOE)

自己資本は、B/Sの右下にある純資産(B)のことです。また、もう一つの値は配当総額(D)となり、自己資本配当率は、配当総額(D)÷純資産(B)と表現することができます。

 

ここまででれば、あとはパズルです。
与えられた指標の中から、設問要求である、DBを含んでいる指標を探します。PBRにPBが、配当利回りにDPがあったので、これを

式にしました。


よって答えはアです。 

 

(設問2)
PERとして、最も適切なものはどれか。ア 2倍
イ 3.3倍
ウ 12倍
エ 40倍

 

【正解】

[難易度B]
【解説】
PERは、時価総額(P)÷当期純利益(E)なので、設問1と同様に逆算する。上記の指標の中で、時価総額(P)と当期純利益(E)が含まれている指標を捜します。よって答えはウです。

いかがだったでしょうか?

このように株式指標は、これら5つの指標を覚えるだけで、ほとんどの問題に対応することができます。財務会計の場合、1問あたり4点の配点であることが多いです。419点で泣くことなく、その1点を確実に積み上げて、合格を目指しましょう。

 

まとめ

 

株式指標で覚えるべきは、下記の5つだけ

E:純利益(Earning)
S:株式総数(Share)
B:純資産(Book value)
P:時価総額(Price)
D:配当総額(Dividend)

上記の式を実際の指標に当てはめた図は、下記の図です。こちらも参考にしてください。

( クリックすると大きくなります。)
以上、おとでした。

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10分で分かる「株式指標」”へ4件のコメント

  1. deco より:

    おとさん、

    早速のアドバイスどうもありがとうございます!
    道場メンバーの皆様、お仕事でもお忙しいなか、後進に対してあたたかい指導をしてくださり、本当にありがたいです!このブログと出会えたご縁に感謝です。

    財務の得点アップのコツ、改めてありがとうございます。
    同僚がストレート合格しており、毎日昼休みに財務の問題を解いていたのを覚えています。彼もこのブログを参考にし、財務は毎日やらないとダメなんですと言っていました。

    そして論点を落とさないこと、意識します。
    模試までの間は、スピ問レベルの中に捨て問はないと信じていきます。

    私はカネと数字で仕事が出来るようになりたいので、財務と相思相愛になれるよう、まずは片恋慕からいきます。

    アドバイスありがとうございます!

    1. おと より:

      decoさん

      私も数字を自在に操れる診断士を目指してきます。いつでも気軽に質問して下さい。

  2. おと より:

    deco様

    コメントありがとうございます。
    おとです。

    また、財務については、苦手としている人が多い中、頑張っているようでうれしいです。

    これから1次試験に臨むにあたり、財務の得点アップを2つに絞るとしたら、次の2つです。

    ①財務はコツコツ
    一日に1問でもいいから、毎日コツコツ問題を解く。財務をやらない日を作らない。

    ②頻出テーマを落とさない
    損益分岐点分析や、キャッシュフロー、正味現在価値などの頻出論点は落とさない。一方で、会計制度など費用対効果の低い論点は、手を広げすぎない。

    勉強方法については、decoさんが書かれている方向性で間違っていないとおもいます。細かい点については、手前味噌で申し訳ございませんが、以下の私のブログをご覧ください。

    【渾身】財務・会計~答練で40点でも本試験で60点とるには?~
    https://rmc-oden.com/blog/archives/78051

    投稿者「 おと」の記事
    https://rmc-oden.com/blog/archives/author/otokita

    おと

  3. deco より:

    これ、本当に参考になりました!
    先月一月から、今年合格に向けて勉強を始めました。反転学習でスピ問解いてからテキスト読んでいるのですが、ストンと落ちない問題の場合、こちらのサイトで検索して読むとナルホドーと思います。そして、無駄な力が入らず効果的な型といいますか、そのあとの問題も解きやすい。
    特にこのページは、私にとって即効性がありました。
    あと四ヶ月に向けて、頑張ります!
    とりあえず、財務を得意科目にするため今月25日まではじっくり何度も問題、テキスト、間違えたり悩んだ箇所ふりかえり、また問題とスピ問2回転します。
    それ以外は70点を確実にとれるよう、スピ問のみをやっておきます。時間が限られていることから、A, B問(スピ問範囲?)は確実に正解し、C問も7割正解できるようにします。そして初めて見るような問題は、後回しで行こうと思います。
    ゴールデンウィークからは過去問回転させ、模試に向け、模試が良さそうなら二次準備しながら過去問&スピ問回転をして行こうと思います。

    時間が限られていること、診断士試験は100点とる試験ではないことから、問題集をスピ問と過去問に絞って、選択と集中で行こうと思います。

    もし、アドバイスなどあればいただけるとありがたいです!

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