学びの原点を考える

 

 

「おーい、こっちだよ。」

 

保育園児くらいだろうか、小さな子供を連れた母親がミーティングルームに入ってきた。集まった人数は大人が6名、子供がふたり。今日は先日、私が赴任した職場のミーティングだ。現場長になって2週間がたち、職場のみんなとのコミュニケーションを取りたいと思って始めた企画。24時間営業の赴任先店舗は、今思えば当然なのだが、ずっと営業してるため全員が一堂に会せる時間が無く、皆が情報を共有するミーティングも時間を何回かに分けて実施する。今回は夜勤者ばかりを集めた会だ。
ミーティング開始は朝8時。夜勤明けのメンバーもいれば、このために休日でも集まってくれたメンバーもいる。何の気なしに集まるように指示を出したものの、通常夜勤者は朝8時にはとっくに帰って自宅で仮眠に入る時間。また一人の夜勤者の女性は休日にもかかわらず、子供を連れて参加してくれていた。いつもの出勤時間と違う時間帯でのミーティングのため、預ける先が無くてやむなく連れてきたのだろう、自分の配慮の無さにしばし落胆する。

「今日は集まってくれてありがとう」

みんなの視線が自分に集まる、表情は真剣だ。
考えてみれば当然だろう。新しい現場長が赴任して、その一存で今後の店舗の運営方針が決まる。良い店長であれば売り上げが伸び自分たちの給与が上がるかもしれない、使えない店長なら売り上げ降下、最悪閉店だ。みんなが私の言葉に敏感なのも当たり前だ。

 

みんなの真剣なまなざしに一瞬ひるんだ私は、その表情を悟られないようにと、目線を目の前で無邪気に走り回る夜勤者の子供たちの姿に向けた。その瞬間、ふとした言葉が頭をよぎったのだ。

 

「俺がこの会社で失敗したら、この子たちを路頭に迷わすことになるんだよな」

 

店舗を任されたということは、そこで働く従業員はもちろん、パート社員全員、そしてその家族に対しても少なからず影響力をもつことになるだろう。自分自身に甘えは許されない、無邪気な子供の表情を見ながら、ここで精いっぱい頑張るんだ、と一人心に決めたのだった。

 

それから3日間、早朝から夜まで、寝る時間以外は職場で指揮をとった。自ら接客の最前線に立ち、お客様と対応する日々。誰よりも努力し、誰よりも率先して声を出して商品の販売に努めた。でもその時、ふともう一人の自分が、私にささやく。

 

「これを続けていても、本当に会社は良くなるのか?お前は、本当にこの会社の将来像が見えているのか?」

 

一人で努力して、そのうち周りはついてきてくれる、自分の姿を見て、周りは学んでくれる。でもそこには何か言葉では言い合わらせない違和感があったのも事実。それがなんだかわからない。もし、自分がどう行動すべきか、客観的に説明できるような力が自分にあったのなら…。

 

===

なごです。

今回、最初に変なことを書いてしまい恐縮です。自分自身、40歳を目前としつつ、学びを目指した一端を当時を思い出しながら書いてみました。私にとって、目の前にいる仲間のために自分自身ができること、それを突き詰めた一つの答えが診断士受験でした。そしてその学びを通じ、自分自身の想いはさらに大きくなっていると感じています。
企業にとって人は財産であり礎です。でも中小企業にとって、潤沢な人材に恵まれているケースはほとんど無い。多くの場合、様々な仕事を少ない人数で兼任しているため、日常業務に追われ、本当にやるべき業務が手から溢れています。しっかりと考えれば利益を生み出せるのに、もしくは人さえいれば環境が改善するのに、対応しきれていない企業がたくさんあります。

 

やる気があってもどうしていいか分からない

商品を誰にどう売っていいのか分からない

売上は上がっているのに、なぜか日々の資金が足りない…。

 

そんな中小企業の手助けが出来るのが、私は中小企業診断士だと思っています。また中小企業支援だけでなく、企業内の様々な問題を解決するために、自ら考え行動できるのが(企業内)診断士だと思っています。実際、私が合格してから出会った方々の多くが、日々たゆまぬ努力を重ね、自社の発展ために活躍されています。

想いややる気はあっても何をどのよう行動して良いのかわからない経営者に対し、私たちは的確なアドバイスを与えることによって、成長を支援するのです。
皆さんはなぜ診断士の扉をたたきましたか?人のため?自分自身のため?それとも私たちが住むこの街のため?診断士を目指す皆さん一人一人に、大なり小なり志があり、達成したい夢があるのではと思うのです。診断士試験は単なる通過点に過ぎません。私は仲間を守る知識が欲しかった。職場を運営するための知恵が欲しかった。目の前で無邪気に遊ぶ子供たちの将来を守るために、だからこそ勉強に没頭したと言っても過言ではありません。

 

私が公表している勉強時間には実は通勤中の勉強時間が含まれていません。マイルールとして、勉強机に着席して勉強した時間のみカウントしていたからです。また2年目は過去問5年間分を13回転、さらにもう5年遡った過去問も複数回解きました。回数を重ねるごとに文章の質が上がっていくのが分かり、特に6回目からは毎回、気づきがあったと記憶しています。要領よく試験を通過するテクニックなどはどうでもよく、自分自身を成長させるため少しでも多く勉強したかったのです。

 

ちょうどゴールデンウィークが目前ですね。これまでの勉強の遅れを取り戻そうと計画を立てている方も見えれば、苦手科目をつぶそうと考えている方も見えるかもしれません。私の例を出して恐縮なのですが、サービス業に勤務しているのでゴールデンウィークは毎年全出勤、代休もありませんでした。だからゴールデンウィークで勉強できるといっていた人に対し「絶対負けない努力を平日でやろう」と心に決めていました。今、この記事を読んでいる方で、もしゴールデンウィーク出勤の方が見えるのなら、周りのライバルは恐れるに足りません、たかだか3日間程度の休みが増えるだけです。でもライバルは前に進むわけですから、計画を立てて負けないプランを立ててほしいと思います。

逆にしっかり休める人たちはしっかり学習を進めてくださいね。ゴールデンウィークを休めない人たちは結構、闘志を燃やしているので、さらっと過ごしてしまうとむしろマイナスになりますよ。

 

ゴールデンウィーク直前期だからこそ、なぜ自分が診断士を目指すことにしたのか、自分自身が目指す場所を、もう一度思い出して頂きたいと思います。私の原点はミーティングを実施した時に来てくれたお子さんの笑顔です。皆さんが思う原点、これから新たな勉強のステージに進んでいただくために、学びとは関係ない話題でしたが、お話をさせていただきました。

 

 

皆さんたちに残された日は、一次試験の日まであと106日です。

 

 

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学びの原点を考える”へ1件のコメント

  1. 紫雲和尚 より:

    なごさんのコメント欄お借りして告知します。

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