【二次試験】事例解答手順の一例(事例4)

こんにちは、平平です。

9月に入りましたね。二次試験本番まで残りあと6週間ちょっとです。
先日はTACの公開模試があったので受けられた方もいらっしゃるかと思います。一次試験終了後から事例演習を開始したスト生の方にとってはまだまだ思うようには解けなかったかもしれません。

なかなかうまく解けるようにならないので苦しいかもしれませんが、ここは踏ん張り時です。特にスト生の場合は本試験直前まで実力は伸び続けます。諦めずにコツコツと事例演習を重ねていきましょう!

さて、本日の記事では、前回に引き続き、私が最終的に本試験で実行していた時間配分と解き方の手順についてお伝えしたいと思います。
前回は事例1~3でしたので、今回は事例4となります。
事例4の解き方手順については、事例1~3と被る部分も多いのですが、事例4特有の注意点などもありますので、今回はそちらを重点的に書いていきたいと思います。

 

◆時間配分の決定◆
事例1~3同様に、試験開始の合図の後はまずは時間配分の決定です。

事例4の場合は、各設問についてどういった解答手順で解答を導き出せばいいのかをざっくり検討した上で所要時間を決めていきます。
というのも、他事例と違って、解答用紙に記入する文字数が少なくても、そこに至るまでの計算等で時間を要する設問があるためです。

各設問に割り当てる時間を決めたら、他事例の時と同様に設問文の横あたりに割当時間を書いておきましょう。
各設問に配分する時間の合計は50~60分が目安になると思います。
与件文、設問文の長さ、設問量の多少、配点の大小などを参考に調整してください。
もちろん状況次第で臨機応変に見直しを行う必要があります。

このプロセスは3分前後で終えます。他事例と比べて長めにとっているのは、設問ごとの所要時間を決めるにあたって、ある程度解答手順なども検討するためです。

 

◆与件文、設問文の読み込み◆
時間配分を決定した後は、与件文、設問文の読み込みに入ります。

他事例では流し読みと精読で与件文、設問文共に、2回ずつ読んでいましたが、事例4の場合は1回のみにします。
その理由としては、事例4の与件文は他事例と比べると短めなので把握がしやすい、時間配分決定のプロセスで既にある程度設問内容を把握している、財務諸表分析にも時間を割く必要がある、といったことです。

読む回数が1回なので、当然、最初から精読することになります。
他事例で行っていた、与件文を対応する設問ごとに区分けする、SWOT要素、その他重要要素に線を引く、といった行為もこのタイミングで行います。

このプロセスは、約10分前後で終えます。

ただ、やはり1回の読み込みだけでは不安ということであれば、他事例同様、流し読み、精読の2回にして、このプロセスにもう少し時間を割いてもよいかもしれません。もちろんその場合は、他プロセスの時間を調整する必要はあります。
このあたりは試行錯誤してみてご自分に合った最適なやり方を見つけて頂ければと思います。

 

◆財務諸表の分析◆
事例4特有のプロセスとして、財務諸表の分析があります。
これは直接的には経営指標を解答する設問対策になりますが、事例企業の財務状況把握を行い、全設問の解答の方向性を定めるためにも必要なプロセスです。

事例企業の財務諸表は年度によって若干の違いはありますが、だいたいは貸借対照表、損益計算書の2期分、または自社と同業他社を並べたもの、あるいはその両方になっています。

これらの財務諸表に対して、収益性安全性効率性の観点から、主要な指標について計算を行い、問題用紙の余白にわかるように記入していきます。
私は概ね次の指標についての計算を行っていました。

●収益性
売上高総利益率、売上高営業利益率、売上高経常利益率

●安全性
自己資本比率、負債比率、流動比率、当座比率、固定比率、固定長期適合率

●効率性
売上債権回転率、棚卸資産回転率、買入債務回転率、有形固定資産回転率

場合によっては、この他の指標についても分析が必要なこともありますが、だいたいの事例では上記指標でひとまずは対応出来ると思います。

また、ここでは単に計算して数字を出すだけでなく、数字から事例企業の経営状況をざっくりで良いので思い描くようにします。そうすることで、事例企業の経営課題が見えてきますし、各設問に解答する方向性も定めやすくなります。

このプロセスは、約10分前後で終えます。

 

◆解答草案の作成◆
他事例同様に、事例4でも原則的には設問の解答を行う際には、いきなり解答用紙に解答文を書いていくのではなく、問題用紙の設問文の下などの余白に解答の草案を書いていきます。
ただし、計算過程を含めて書くような設問の場合は、そのまま解答用紙に書いてしまうこともアリだと思います。無論、計算手順に自信がある場合に限りますが、これにより時間の節約になります。

他事例同様に、それぞれ題意を確認し、設問に対応する与件の確認を行った上で、解答草案を問題用紙の余白に書いていきます。計算問題であれば、後で検算が行えるように計算のプロセスも書いておきましょう。

解答文の作成に必要な時間に気を配りつつ、可能な限り、一発で草案から解答文が起こせるレベルまで草案を仕上げていきます。

なお、この草案作りをしっかりやることで、試験終了後の再現答案作成も容易になります。
再現答案は、合格発表前の自己採点、試験終了後の反省と振り返り、合格した場合の口述試験対策など、色々な用途がありますので、是非作成してみてください。

 

◆解答文の作成◆
他事例同様、解答草案がきっちり出来あがっていれば、解答文の作成はスムーズに行えるはずです。

事例4特有の注意点としては、単位小数点四捨五入等の指定をしっかり確認するということです。せっかく計算が合っていたのに、単位が間違っていて0点、となるのはあまりにも残念です。くれぐれもご注意ください。

もし時間的余裕があれば、計算ミスが無いかどうか、単位等の指定が誤っていないかなど、試験終了前に一通り見直しが出来ると良いでしょう。

 

以上、いかがでしたでしょうか。

事例4については、計算を行う必要がある設問が多いこともあり、計算に不慣れな方だと時間が足りないと感じてしまうかもしれません。計算力を上げるためには、やはり繰り返し手を動かして問題演習を行うのが最も近道かと思います。

事例4は他3事例と異なり、計算問題という正解・不正解がはっきりする問題が多くあるので、計算を速く正確に行う力があれば、スト生でも高得点獲得が可能です。
是非、事例4を強みに出来るよう頑張ってください!

それでは次回、またお目にかかりましょう。

 

 

 

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【二次試験】事例解答手順の一例(事例4)”へ3件のコメント

  1. くろ より:

    全然慣れてませんので、私も計算してから、検討するように組み立ててみます。
    アドバイスありがとうございました!

  2. 平平 より:

    くろ様

    コメントありがとうございます。
    ご質問の件ですが、確かに慣れてくれば計算しなくても特徴のある財務指標にあたりをつけることが出来るようになりますので、そうなれば必要な指標だけを計算するようにしても良いかもしれません。

    ただ、今回ご紹介した指標だけであれば、電卓の操作に慣れてくれば全て計算したとしてもさほど時間は取られないかと思います。
    私は記事中に書いた指標についてはだいたい全て計算するようにしていました。

    ご参考になれば幸いです。

  3. くろ より:

    財務指標については、主要な指標についてはすべて算出し、検討する方がよいのでしょうか?
    本文や設問から、いくつかの指標にあたりを付け、その指標だけ計算し、回答を導きだすのでは危険でしょうか?

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