二次試験はロジカルシンキングが試される試験である:その(3)フレームワークを因果でつなぐ

こんにちは。ハカセです。

僕がたどり着いた二次試験の「究極の結論」をシリーズでご紹介しています。

第一回は: 二次試験はロジカルシンキングが試される試験である:その(1)フレームワークを使った修飾語

第二回は: 二次試験はロジカルシンキングが試される試験である:その(2)因果を使った修飾語

今回は最終回は。二次試験はロジカルシンキングが試される試験である:その(3)フレームワークを因果でつなぐ です。

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繰り返しになりますが、僕は「二次試験はルールに従ってゴールにたどり着く試験」だと思っています(こちら)。

ルールとは。事例本文と設問文にある「制約条件」です。

ちなみに、そのルールが「問題用紙の表書き」に書いてある場合もある、という話もしました。それは「受けている事例が 事例 何 なのかによって書くことも変わってくる」という意味でした。

ゴールとは。解答用紙に書くべき結論とその修飾語のことです。

僕の趣旨はこうです。一次試験に通った受験生が必死になって考えているんだから、「結論」は似たようなものになる。また、出題者が「風変りな結論」を模範解答に据えていたとして、みんなが書く「結論」が間違えだとしても、みんなで間違うのなら特に問題はない。むしろ差が出るのは「修飾語」である。つまり、正しい修飾語をルールに従って記述することが出来れば、合格にグッと近づく。これがハカセの考え方です。

では、修飾語とは何なのか。いろいろな修飾語がある中、僕は二つのカタチを提唱します。

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第一回で、MECE(モレなくダブりなく)を実現するために便利なツールとしてフレームワークを紹介しました。

フレームワークは、二次試験では「モレなく」を確認するために使います、というお話です。

たとえば、「売上向上にはどうすればいいか」という設問があったとします。

あなたが「売上を伸ばすためには新規顧客開拓です!」と提案したとします。

でも、社長は「・・・?」という顔をしています。何故でしょうか? どうして社長を説得できなかったのでしょうか?

売上を伸ばすためには色々な「攻めどころ」があるはずです。「新規顧客」もそうでしょうが、「既存顧客の掘り起こし」もあるかもしれません。「売上点数の向上」でも売上は上昇するし、「売上単価の引き上げ」でもよいでしょう。こんなに選択肢があるのに、あなたが「新規顧客開拓」に絞って提案してしまったので、納得感が得られなかった可能性があります。

このように、「モレ」があると説得力を失う可能性があるのです。その「モレ」を防止し、説得力を出すための手助けになるのがフレームワークということになります。

実際に二次試験で「売上向上策を述べよ」と聞かれたら、上記の①~⑤のうちどれかを使うことになるのでしょう。そして、どれを使うと正解なのかは与件文の「制約(ルール)」の中に書いてあることでしょう。

また、「売上低下に悩むB社にアドバイスせよ」という設問なら、簡単に①にパクっとすることなく、上記①~⑤のどれを使うべきかを慎重に検討することになるのでしょう。それが事故防止にもつながります。

もちろん、フレームワークなんて使わなくても助言は出来ます。また、フレームワークを使わなくても二次試験は合格します。また、すべての答えがフレームワークで考えられるものではありません。

でも、「他にないかな」とか、「どんな構成で書けば納得感が得られるだろう」という際のヒントにはなるはずです。これを僕は「思考のフレームワーク」と定義づけました。一つの事象を「並列」に分解することで、モレを防止したり思考を整理する時に活用すると効果的ではないかと考えています。

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第二回では、因果で書くことの重要性を説きました。

何故因果で解くことが重要かというと、その目的はやはり説得力を出すためです。

どんな答案でも、それは社長に対するアドバイスです。百戦錬磨の社長にせっかくお伝えするのですから、社長の心に響くものでなければなりません。

どうしたら社長の心に響くか。それは提案に説得力があればこそです。

説得力を出すにはどうすればいいか。それは因果で結ぶことです。

「どうしてそうなのか?」
「なぜそれをやらなければいけないのか?」
「それをやったらどうなるのか?」
「どんな効果が得られるのか?」

そういう疑問をつぶしてこそ、社長の納得が得られるのです。

既述の「フレームワークが」並列なものであったのに対し、この「因果」は「直列」な関係にあります。これを僕は「記述のフレームワーク」と定義づけました。

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今回はそのまとめです。

二次試験での究極の答案作成は、ずばり、上記の二つを組み合わせることです。

すなわち。

フレームワーク思考で得られた要素を因果でつないで説得力ある提案をすること

です。

もう少し詳しく言うと、

事例のルールに従って、
フレームワーク思考でMECEを実現した要素を
カプセル化してオブジェクトを形成し、
そのオブジェクトを因果で直列接続することによって、
説得力のある提案をすること


です。

こんなゴテゴテした考え方を80分で行うのは困難でしょう。実際、こんなことやっている人はいないのではないかと推察します。ボクもこんなことはやっていませんでした(笑)。

でも、中小企業診断士に合格して、ペパチェさん の研究会(コラムも執筆中)でロジカルシンキングを学び(目から鱗が落ちました)、先輩診断士 のプレゼンを聞き、そしてグロービスの「クリティカルシンキング」を読んでから、ようやく二次試験で何を問われていたのか (=本当は何を書かなければいけなかったのか)がなんとなく分かってきた気がします。合格した後ではありますが・・。

その後、診断実務で「診断書」を作成したり、今年のTACの模試を解く際に、これらの考え方を実践してみると、「こりゃー便利だ」と重宝することになりました。

二次試験の答案作成のプロセスはひとそれぞれです。僕が本番で出来なかったことを皆さんに強要するつもりは毛頭ありません。でも、考え方を整理するヒントになれば、幸いです。

by ハカセ

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二次試験はロジカルシンキングが試される試験である:その(3)フレームワークを因果でつなぐ”へ4件のコメント

  1. ランナー より:

    サイトを時々拝見しています。
    ロジカルシンキングと設問要求に応える事、説得力のある解答の書き方が少しわかったように思います。
    明日はTACの二次チェック模試です。頑張ります。

    1. ハカセ より:

      ランナー様。コメントありがとうございます!ロジカルシンキングが出来ると、設問要求が良く分かり、それにぴったり合致した解答も書きやすくなりますよね。(もちろん、油断は禁物なのですが)。二次チェック模試の結果、期待しております!

  2. ハカセ より:

    ロンドン3さま。ロンドンさんに読んで頂いているとは思いませんでした。感激です! コメントもありがとうございました。恐る恐る書いていましたが、ロンドンさんにそう言って頂けると少し自信がつきました。確かに設問構造にもよるので一概には言えませんね。今後もよろしくお願いします!

  3. ロンドン3 より:

    私のイメージも近いっす!
     あと、設問構造か。

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