二次試験はロジカルシンキングが試される試験である:その(2) 「因果」を使った修飾語
こんにちは。ハカセです。
今回は、二次試験はロジカルシンキングが試される試験である:その(1)フレームワークを使った修飾語 の続編をお伝えします。
「二次試験ではフレームワークが大事です」と、講師、または勉強仲間に教えられた経験はないでしょうか。僕はこれを言われて逆に悩んでしまいました。
◇ フレームワークの限界 ◇
前回 は、「フレームワークで修飾語を探す」ということを説明しました。正確にはMECE(漏れなくダブりなく)を探すことを目的としていますが、二次試験対策では「他に書くことはないかな?」ということを探すためにはフレームワークを使うのが有効だというご紹介です。一方で、このフレームワークで考える際には限界もあります。
例えば、事例IIIにおいて、「生産管理上の課題を挙げよ」という問題があったとします。
生産管理のフレームワーク = Q・C・D だ!その中でDが問題だ!
・・・と思いつくところまではいいのですが、このままでは納期に関する記述を、ダラダラと箇条書きで書くことになってしまいます。箇条書きが悪いとは言いません。でも、まとまりのない文章になる可能性が高いです。
また、上記のように「生産管理のフレームワーク」などとすぐに思いつく場合はいいのですが、「B社の強みは何か」と聞かれた場合、どういうフレームワークを使えばいいのでしょうか。「小売業の強みの5原則」、「製造業の強みの3要素」・・・なんてのがあるのかどうかわかりませんが、フレームワークで回答を満たそうとした場合、無限にフレームワークを用意しなければいけなくなります。これは現実的ではありません。
つまり、一般的に言われている「フレームワーク」に頼って回答を構成するのは限界があります。
◇ 他に「修飾語」はないのか ◇
ところで、他の「修飾語」は見つからないでしょうか。漏れているかもしれません。フレームワークで探してみましょう(苦笑)。
これまで考えてきた「フレームワーク」は主に「並列」を問うものでした。つまり、「生産管理と言えば、Qだけに注目せず、C も D もあるよね」と、ほかの要素をリマインドしてくれるのがフレームワークの強みです。
ここでもフレームワークを用いて考えてみると、「並列」に対して「直列」の修飾語があるはずです。因果関係という修飾語です。
この「直列の修飾語」は、主に因果関係を中心に記述することにより、文章自体に説得力が出てくるようになります。
前回使った例を見てみましょう。
前回は、五感というフレームワークを使って、トマトに関する修飾語を色々と探しました。様々な要素を並列に検討したわけです。
これに対し、これを 直列関係つまり因果の修飾語で40字を満たすとしたらどうなるでしょう。
「今年は天候に恵まれたためB社のトマトも色づきや味が良い」
「B社のトマトは色と形が素晴らしいため他社と差別化できている」
などと説明してくれる人がいるかも知れません。これも立派な「修飾語」です。
◇ 悟りの瞬間 ◇
僕が当初、講師陣や周囲から「フレームワークを使いましょう」と言われた時に、表現できない違和感を感じていたのはココに原因があったように思います。上記の考えに思い至った時に、僕の頭はようやくスッキリしました。「思考のフレームワーク」と「記述のフレームワーク」があったのです。
思考のフレームワーク : QCD や 4P など MECE の「並列の枠」
記述のフレームワーク : 因果や時系列の「直列の枠」
この二つを「フレームワーク」という括りで同一視するのはやや問題があるかもしれません。「もともと違うものじゃないか」、「そこに悩んでいたことがオカシイ」、そういう指摘があるかもしれません。
でも、僕の中で、この二つの「フレームワーク」を意識出来た瞬間、急に、二次試験対策への取り組み方が整理された気がしたのです。二次試験というよりは、「分かってもらう文章を書くコツ」というべきなのかもしれません。どうしたら相手に伝わるか、説得力を持つことが出来るのか。それを知ることが出来たのかもしれません。
これを体得したあと、僕の事例問題への対応は変わりました。その話は 「二次試験はロジカルシンキングが試される試験である:その(3)」をお楽しみに。
by ハカセ