【経済】最初の1マーク

みなさん、こんにちはうちあーのです。

今週は金環日食あり、スカイツリー開業あり、何かと上を見上げることが多いですよね。

受験生のみなさんは、足元もしっかりと見つめながら現時点で自らが持っている力を見極め、8月4日・5日までにどんな状態になっているべきか、そのために今、何をすべきかをはっきりしておきたいですね。

さて、連日道場を賑わせている「怒7」も4科目目の経済学に入っています。
この科目は、2次試験との直接的な関連もなく以前は1次試験において完全な脇役でしたが、ここ2年間はアンドロメダの記事が示す通り難易度がぐっと上がり、すっかり主役級の存在感を示しています。
何と言っても、1次試験1日目1番目の科目。多くの受験生、特に初めて1次試験を受ける受験生にとって、経済学の「始め!」の合図の瞬間は緊張感マックスの状態になるはずです。
今日は来たるべき「その瞬間」についてお話したいと思います。

◆まずは最初の1マーク◆
「始め良ければ全て良し」という言葉があります。
経済学の試験が始まって、最初に取り組む問題を想定時間内に自信を持ってグリグリとマーク!これができれば、本試験独特の緊張感に包まれた会場の雰囲気に入り込むことができます。それは、その後2日間にわたる長丁場の1次試験の出来を大きく左右する要素ともなり得ます。
私は経済学をH22及びH23の2回受けましたが、ここで述べる「最初の1マーク」への対応がまさに合否に直結したと言っても過言ではないと今でも思っています。

まずはH22の体験談。ご存知の通り、この年の経済学は史上最凶の問題でした。
私は第1問から取りかかったのですが、緊張していたのか、慎重に対応しようとの意識が強かったのか、なかなかマークができずに時間が経過しました。
しばらく経ってから、第1問は後回しにする判断を下し、第2問、第3問・・・と見にいくけどどれもとっつきにくい感じ。
結局あきらめて、また第1問に戻り、意を決してマークした時には試験開始からすでに5分くらいが経っていました。この時に感じた「時間をかけた挙句、自信をもった解答ができていない」という感覚は今でも鮮明に覚えています。
その後に着手する問題もことごとく難しく感じ、確信のないマークが続く。時間の経過とともに焦り、その焦りが更なる焦りを呼ぶ。「こんなはずじゃ。。。」と思いつつ湧き出る脂汗。顔面から血の気が引き、指先に生まれてこの方感じたことのない痺れを感じる。
そして残り3分。まだマークしていない問題が7つもあるではないか!
そこからはさらに冷静さを失い、設問や選択肢を読めば読むほど訳が分からなくなる。残り数秒で残っていた4マーク、全部「ウ」を塗りつぶす。当然全部適当。
そんなこんなで初めての経済学が終了。とんでもない洗礼を受けた精神的ダメージはあまりにも大きく、得意なはずの財務にも影響を及ぼした。出鼻をボキボキッとくじかれたH22は、そのまま失意のうちに敗戦となりました。

そして1年後のH23。3科目受験となった2回目の1次試験。前回の記事でご紹介した解答プロセスに沿って、全問ざっと目を通して各設問の難易度判定から解答順を決めていく作業を半ば機械的に行いました。
その結果、◎をつけた第15問「逆選択」の問題から着手し、2分以内に自信を持ってマーク。上々のスタートをきれたことでスッと肩の力が抜け、○を付けた設問から順次冷静に解き続けることができました。
これにより経済学はもとより、続く財務にも精神的な余裕を持って対峙でき、1次突破への階段を一歩一歩登っていくイメージを描きながら試験を楽しむことができました。

H22の敗北とH23の勝利その明暗は経済学の「始めの一歩」で決まったと言っても決して大袈裟ではないと思います。

◆GDPとGNP◆
ところでH23の第1問はマクロ経済の基本中の基本、GDPとGNPの関係式の穴埋め問題。しかしながら、TACのデータリサーチによるとこの問題はCランク、つまり正答率が40~60%に留まった。実はこれにはからくりがあり、一般的なテキストに掲載されている関係式が

GNP = GDP + 海外からの所得 – 海外への所得
あるいは
GNP = GDP + 海外からの要素所得受取 – 海外への要素所得支払

となっていることが多いのに対して、この問題は

GDP = GNP + □

と入れ替えているところにあります。
これにより、これらの関係を理屈で理解するのではなく、単に関係式を棒暗記していた受験生がわなに引っ掛かってしまったため正答率が伸びなかったと考えられます。
一概には言えませんが、診断士1次試験において各科目の第1問というのは一見簡単そうに見えるけれども実はひねった問題だったり、時間を取るような問題を置くことが往々にしてあります。過去問を見ていても、これはもはや出題者の常套手段ですので、安易に第1問に飛びつかず、全体を俯瞰・把握した上で敢えて他の設問から解答する、というルールを決めてもいいくらいだと思います。

因みに、GDPとGNPの関係は図解するとこのようになります。

Aは日本人が日本で稼いだ所得
Bは外国人が日本で稼いだ所得(海外への所得)
Cは日本人が海外で稼いだ所得(海外からの所得)
Dは外国人が海外で稼いだ所得
であり赤枠で囲んだ部分がGDP緑枠で囲んだ部分がGNPです。

ここで、GDPおよびGNPはそれぞれ
GDP = A + B — (a)
GNP = A + C — (b)

(b)をAについて解き、(a)に代入すると、

GDP = GNP + B – C
つまり
GDP = GNP + 海外への所得 – 海外からの所得

このように理解しておけば、変化球が来てもササッと図を書いてクリーンヒットすることが出来ますよね!

◆おまけ◆
今回は消費の理論に関する語呂合わせ。
三大仮説のうち、恒常所得仮説とライフサイクル仮説についてよく混同していたので、こんな風に覚えました。

恒常所得仮説は「フコウヘイ」
ライフサイクル仮説は「モライソウ」

若干力技ですが。。。
=====

それでは、今日はここまで。

Ciao!
By うちあーの

 

 

 

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【経済】最初の1マーク”へ4件のコメント

  1. わか より:

    H23の第1問は、何度やっても正解にたどり着けませんでしたが、いま解かりました。

    また、GDPとGNPの関係の図解
    は、すばらしいですね。

    1. うちあーの より:

      わか様

      こんばんは、うちあーのです。
      コメントありがとうございます!
      診断士試験では「チョイずらし問題」を正解できると点数も安定してくると思います。「チョイずらし問題」とは、この経済学H23第1問のように公式の変形や、グラフの縦軸横軸を入れ替えなどが典型パターンになります。本試験でこれらを獲るために、今一度基本論点をしっかり押さえた上で、テキストと異なる角度でその基本論点を見直してみるとよいでしょう。
      また、わか様がお気づきの通り、図解を使うと文字情報と比べて理解度は向上するし、また記憶も定着しやすくなります。インプットとアウトプットの双方において簡単で構わないので図解する癖をつけると、本番までまだまだ伸びると思いますので是非ともやってみてください。
      応援してます!

  2. nakaiki より:

    うちあーのさん
    ナカイキです。

    最近このサイトを知り(今更???)、特にうちあーのさんの書き込みには興味深く読ませていただいてますよ。

    勉強時間が限定され、かつ自分自身でコントロールが付け難い状態ですが、うちあーのさんほか、先人の知恵を拝借しながら、ある種実践で勉強できる恵まれた環境(?)で効率的に勉強したい限りです。

    これからも、楽しみに読ませていただきます。

    ナカイキ

    1. うちあーの より:

      ナカイキ様、

      コメントありがとうございます。
      また、いつもご愛読を頂き、誠にありがとうございます!とても嬉しいです(^^)
      いよいよ1次本試験まで10週間となりましたね。ここからは本番を意識したアウトプット学習が大切になると思います。朝勉や隙間時間の活用などにより、ご自身の置かれた環境の中で最大限効率的な学習ができるとよいですね。
      これから暑い季節になってきますが、暑さに負けず頑張っていきましょう!

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