【ラストブログ】ATARIYAN STANCE by 一蔵

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みなさんこんにちは。一蔵です。
今日が道場最後の記事になります。

締めくくりに選んだのは前回(1/17)に続きアタリヤン記事。
挨拶はそこそこに最後も受験生の皆さんの試験知識の肥やしになるような内容を少しでもお伝えできたら幸いです。

アタリをつける重要性

最後もアタリをつける意識を日頃から持っておくことの重要性について、最近のニュースでぼくがアタリをつけた事例を用いながら触れていきます。

今回取り上げる法律は、「労働基準法」です。

まだ改正案にもなっていない段階ですが、昨今の多様な働き方を促進する目的で労働基準関係法制研究会というところで見直しの方向性が議論されています。

この中にアタリヤン的に気になるポイントがあったため、これをネタに想像を膨らませてみたいと思います。

あのとき歴史が動いた

あのとき歴史が動いた」シリーズ(全4話)を振り返ってみてもらったうえで、読んだもらえると嬉しいですが、特に2000年以降の20年で労働環境は大きく変わりましたね。

働き方改革、女性活躍推進、健康経営など、就職氷河期世代以前の人たちにとっては信じられないくらい労働環境が一気に整った感じがします。

一方で、働きやすさを追求した“ホワイト企業”の若手人材が働き甲斐を感じられないと次々に離職したりしています。

ないものねだりが人間の特徴とはいえ、一人事担当者として時代に翻弄されている感が否めません。

労基法見直し議論

労働基準関係法制研究会で行われている議論では、「労働者」や「事業」などの定義を含めて見直しが検討されています。

「労働者」は、1985 年の労働者性の判断基準が作られてから約40年が経過し、労働者と非労働者の境界が曖昧になりつつあると考えられています。労働者性の見直しは、今後、さまざまな判断基準に少なからぬ影響を与えていくものとして非常に気になるところです。

割増賃金規制

この研究会議論の中で、アタリをつけておきたい情報が割増賃金規制の見直しとして「副業・兼業の場合の割増賃金」というくだりです。

現在、労働者が副業・兼業を行う場合、健康管理と割増賃金計算の双方で、労働時間を通算しなければならない規定となっており、管理負担が重く、副業・兼業が進まない要因の一つとなっています。

これを見直し、会社員が副業をする際に、本業と通算した労働時間が1日8時間・週40時間を超えた時に割増賃金を払う仕組みは廃止するという方向が示されました。

これはアンテナを張っておくべき情報だと思います。

試験対策的な目的としては大した情報ではないかもしれませんが、労働力の流れに大きな変化が生まれる可能性があり、意志ある中小企業にとって分水嶺となるのではないかと考えています。

水の流れ

ここ数年、副業を促進する動きは3回ほどありました。

  • 1回目はコロナ禍の中、「ワークシェア」を推奨する動きがありましたね。これは「官」による動きでした。サービス業を中心に営業を中止したり、時間を短縮したりする中で、仕事をシェアしてなんとか乗り越えていきましょうというメッセージとして受け止めていました。

    物事にアタリをつけていくうえで、ぼくは力学を水の流れのイメージで捉えるのですが、この官による動きをイメージすると、水門を開けたものの、まだ大して水(副業需給)が流れておらず、大きな動きにつながらなかった。

    という感じでしょうか。
  • 2回目は、テレワークの普及に合わせて柔軟な働き方を推進し、優秀な人材を獲得していこうとする「民(大企業)」による動きでした。

    さまざま規定(規制)する中で家族的な帰属意識を持たせて戦っていくという昭和然とした働き方から脱却し、むしろ、副業を通じて知見を広げてもらうことで、本業にも良い影響をもたらしたいというスタンスです。人的資本経営の文脈にも沿っており、これは明らかに水の流れ=時代の流れとなっています。

    ただし、民が門を開けたものの、枯葉がつまってしまっていて、思うように水が流れてこなかった印象です。
  • そして、3回目が今回の「官」による法改正の動きです。まさに、前述の枯葉を除くための改正ということになります。

    この枯葉こそ、「労働時間を本業と副業で通算しなければならない」という現行の法制でした。

労働時間通算規定

現在は、本業の仕事を8時間行なった後に副業先で働く場合、副業先は最初から割増した賃金(1.25倍)を支払う必要があります

これはまだいいですが、逆に副業先で4時間働いた後に本業の仕事に従事するという場合、本業で8時間しか働かせていないとしても、4時間分の割増賃金を支払う必要があります

(このように副業と本業が逆転しても本業先の所定労働時間が法定外労働扱いにならないようにする「管理モデル」という考え方があるんですが、今回の主題ではないため割愛します。)

無駄なコスト増ですよね。賃金としてのコストもさながら、副業先での就労時間を正確に把握し、通算管理しなければならない事務コストの問題があります。割増賃金未払いという不名誉な法律違反を犯すリスクを保有しつつ副業を認めるということは容易にできません。

せっかく開けた門に枯葉がつまっていて水が流れていきません。

この枯葉を取り除くための見直しが現在行われているのです。

細かいことをいえば、労働時間には賃金支払いのために管理する時間の他、健康を管理するための時間(健康管理時間)があります。

今回の検討は、賃金支払いのための時間を通算しなくてもよいとするものです。
結果、健康管理時間についてはより厳格な管理が必要となることが想定され、その建付いかんによっては枯葉が残ってしまうことになるかもしれません。

ATARIYAN STANCE その1

法規制の建付いかんによりますが、この「健康管理時間」は新たなビジネスのタネになり得ますね。いろいろ想像を膨らませてみても、“健康管理時間の把握”は企業にとって大きな事務負担となります。
就業システムに付随するサービスが生まれるかもしれませんし、健康経営ビジネスとして健康管理システムのマーケット拡大につながるかもしれません。

副業を一つの就業のあり方とするのであれば、健康管理時間の把握も、本業、副業それぞれが自社における労働時間のみを把握、管理する方向に企画していくでしょう。ここでも根底にあるのは、「あのとき歴史が動いた」シリーズで述べた“労働力不足”です。健康管理義務が制約となって労働力を有効に活用できなくなり、経済力が細くなっていくことは避けなければなりません。

とはいえ、方向性を見定めたとしても一足飛びに進めていくこともありません。
段階的というのが企画のミソで、システム投資や健康経営など新たなビジネスへの波及を考慮しながら、最終的には企業には各社の労働時間の範囲で健康管理強化を求め、通算管理義務は個人が負うようにします。

今度は、どこまでどのように個人に責を課すかが企画の妙味になります。ここでも、新たな保険ビジネスが生まれるかもしれませんし、労災保険や雇用保険制度の見直しにもつながっていくでしょう。

深く考えず書いてしまいましたが、何かの情報に触れるごとにこうした想像を膨らませていく姿勢(アタリヤン・スタンス)を持っているといろいろ都合が良いように感じています。
想像しようと思えば誰でも思いつけることですが、そういうスタンスを持っていなければできません(ランニングと一緒で“普段から”やっていることが大切ですね)。

ATARIYAN STANCE その2

副業は間違いなく浸透していきます。
そうなると、企業内診断士の活躍の場がさらに広がっていくでしょうね。

スキル・ナレッジを有する人材の副業を支援するプラットフォームビジネスがさらに拡大していきます。

そして、士(サムライ)資格の保有価値は、これまでより高まっていくと想像します。金銭的価値が上がるというよりは、便益的価値が上がっていきます。
資格がなくても有能な人もわんさかいますが、プラットフォーム上でその有能さを示す上で、「中小企業診断士」や「社会保険労務士」といった肩書きがあれば、それだけで一定の信頼を得ることができます

どういった規模の会社が副業人材を活用していくでしょうか。大企業は士レベルの有能人材は自社に抱えているでしょうから、システム系の尖った人材の活用などでしょうか。やはり、中堅以下の企業の活用が加速していくでしょう。それこそ、上手く人(リソース)を使っていく会社が強くなっていきますが、リソースは自社内に留まらないというスタンスはさらに広がっていきます。

ここで、中小企業や中小企業診断協会のことが気になります。

プラットフォームといえば、協会自体がその役割を果たしてくれています。
民間レベルで士人材の利活用が進む中、協会を含む既存の中小企業マーケットにどのような影響が及んでいくでしょうね。

中小企業が無償で相談できて一定のサービスを受けられたりするわけですから立ち位置は異なりますが、影響は無縁ではないでしょう。大小に関わらず、強い企業、意志ある企業は、能動的に外部人材を活用していくことになるでしょうし、民間プラットフォームに信頼や情報が蓄積されていけば、中小企業でも効率的に利用していくところが出てくるかもしれません。

無料だから頼るという姿勢の中小企業と、有料サービスを意志を持って活用していく中小企業があるとすれば、明らかに後者の方が強くなっていきます。

政策としても強い中小企業を増やしていくことをミッションとすると、協会や診断士の在り方も変わっていく必要があると思います。一方で、中小企業が異常に多いわが国としては、いわゆる中小零細企業を温存させ続けていくことも現行秩序の維持のため必要とされるでしょうから、そうした活動を支える仕組みとして現行の枠組みが逆に強化されるかもしれません。

診断士を目指す受験生の皆さんも独立志向、副業志向にかかわらず、この辺りの変化の影響を受けていくことになります。
何にしても資格取得と同時に、尖った経験を蓄積していくことが非常に重要だと思います。

特に診断士の場合、広く浅く知識を保有していることが強みとなっていますが、民間サービスが浸透していく=分業化が進んでいくと、広く浅い知識自体の価値は相対的に低くなっていくと想像します。

企画力、実行力を担保する尖った知識・経験がありつつ、幅広い知識があるという“付随的な価値”に位置付けていく姿勢が大切ですね。

終わりに

想像する内容の確からしさで何かを伝えたいという記事ではなく、
情報に触れるごとに想像を膨らませてみるスタンスが、
診断士試験対策的にも有用だという気持ちで記事をまとめてみました。

一つだけ強く言いたいのは、企業内外に関わらず、個人で生き抜く力がますます求められていく、という水の流れがどんどん加速していくということです。

Z世代の権利意識というのも水の流れの一現象だと思いますが、権利も義務も個人レベルで負っていく時代がきています。
変化の激しい時代ですから、身構えていなければ激流に流されてしまうことになりかねません。

診断士を目指す中で得られる知識は、個人が生き抜いていく上で、一つの武器になることは間違いありません。
診断士資格の有用性はそれとして、ただいま皆さんが懸命に勉強されている姿勢、スタンスこそ、時代を生き抜く上で欠かせない存在力を示すものになるはずです。

面倒に思うとき、辛く思うときもあると思いますが、それこそが人生の楽しみであると認識し、弛まず努力を続けていくのみです。

努力し続ける人たちが代々記事を書き、努力し続ける人たちが読者であるという稀有なブログ記事に参加することができた機会に感謝しています。

読者の皆さま、道場な皆さま、カミさま、ジジさま、テトさま、1年間、ありがとうございました。

一蔵
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かます
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【ラストブログ】ATARIYAN STANCE by 一蔵”へ4件のコメント

  1. にっく より:

    一蔵さん
    1年間ありがとうございました!
    最後の最後まで役に立つ記事、励まされます!
    一蔵さんとともに活躍できる日を夢見て頑張ります!
    ありがとうございました!
    にっく

    1. 一蔵 より:

      にっくさん、最後までコメントありがとうございました!毎回コメントいただけるのが励みになっていました。
      これから世代が更新されますが、是非道場へのご愛顧を引き続きよろしくお願いします!
      にっくさんの成功をお祈りしています‍⬛

  2. テセ より:

    おはようございます!
    1年間ありがとうございました!
    最後までアタリヤン美味しくいただきました!

    副業解禁の流れは士業はじめ一定の資格を持つ人には追い風になりそうですね!
    個人的にはその中でどれだけ柔軟な働き方を進めることができるかが人材確保の第一段階であり、副業・兼業が進む中で帰属意識を高めて色々仕事したけどこの会社が一番!って思ってもらうまでが必要だと感じています。(もろにハーズバーグさんのやつですかね・・・)
    これから人材の流動性が高くなっていく中で人事の重要度はどんどん増していくように感じます!

    一蔵さんとの思い出は、やはり慰労会直前のエレベーターホールの数分は忘れられません笑
    あの時勇気を出して本をガン見していれば、司馬遼太郎作品で一蔵さんや!!っとなったのでしょうか…笑

    人事関係は個人的に色々思うところがあり長文になりすみません!
    1年間本当にありがとうございました!!

    1. 一蔵 より:

      テセさん、最後までコメントありがとうございました。
      ホールでの思い出懐かしいですね!
      今やテセさんは僕にとって忘れがたい道場サポーターの1人です。
      受験生のサポーターでありつつ、受験生にサポートしてもらう関係性はとても心地よかったです!
      今後、テセさんが合格後記事を書く日が来たら、きっとコメントしますね!
      一年間本当にありがとうございました!!!

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