【勉強時間予想】診断士試験合格者が簿記1級に合格するには? by せーでんき

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

会計士×診断士『せーでんき』です。
雷は落ちた場所と見る場所との距離によって色が違うことはご存知でしょうか。
これは散乱の度合いが高い色ほど遠くまで届かないため・・・
今回もよろしくお願いします!
- 1. このブログで伝えたいこと
- 2. はじめに
- 3. まずは簿記1級の概要!
- 3.1. Chat-GPTの概要説明
- 3.1.1. 試験概要:
- 3.1.2. 難易度:
- 3.1.3. 必要な勉強時間:
- 3.1.4. 独学と講座:
- 3.1.5. 取得するメリット:
- 3.1.6. 結論:
- 4. なぜ簿記1級は難しいのか
- 4.1. 範囲が広く、計算問題の特性上、反復練習が必要
- 4.1.1. 参考書の数
- 4.1.2. 章立ての数
- 4.1.3. 結論
- 4.2. 相対試験であり、ライバルが強い
- 4.2.1. なぜ相対試験だと難しいのか
- 5. では勉強時間はどれくらい?
- 5.1. 勉強時間の根拠
- 5.1.1. 前提となる勉強時間
- 5.1.2. 簿記2級で学習済の範囲との比較
- 5.1.2.1. 商業簿記
- 5.1.2.2. 工業簿記
- 5.1.3. 診断士試験で学習済の範囲の反映
- 5.1.3.1. 商業簿記
- 5.1.3.2. 工業簿記
- 5.1.4. 結論
- 6. おまけ(2級から上乗せとなる範囲の問題解説)
- 6.1. 商業簿記・会計学
- 6.2. 工業簿記・原価計算
- 7. 最後に
このブログで伝えたいこと

診断士試験も一区切りついたし、簿記1級とか気になったりしていませんか?
簿記1級がどれくらいの難しさか知っていただき、興味がある方はぜひ挑んでください!
一発合格道場15代目 せーでんき
※このブログ内では資格としての簿記は「日商簿記」を指します(他には全経簿記や全商簿記があります。)。
はじめに

簿記って英語で”Bookkeeping”らしい・・・
じゃあ、”Bookkeeping”→「ブッキー」→「ぼき」→「簿記」→「バナナ」ってこと?

みなさまは診断士試験にあたって、簿記は取得されましたでしょうか。
診断士試験の1次試験はよく、各資格の2級くらいの知識を身につけるとか言われていますので、2級まで取得された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、2次試験が終わり、しばし羽を伸ばしたものの、やっぱり何かやってみようかと他資格取得に動き出している方もいらっしゃるかと思います!(尊敬します・・・)
例えば、診断士試験の後に挑戦されることが多いのは以下のような資格かなと思います。
(道場メンバーでも結構持ってる場合が多いですね。改めてこんなに色んな分野の資格を持っている受験生がいる資格は珍しいと感じます・・・)
診断士・診断士受験生と親和性のある資格
- 簿記
- 宅建士
- FP
- 他士業(行政書士・社労士など)
- 応用情報・ITストラテジストほかIT系資格
- ビジネス会計検定
- ビジネス実務法務検定
- 販売士
- QC検定
あえて一番上に簿記を記載しましたが、簿記2級で面白いなと思った方は、1級も気になっていませんか?
診断士2次試験の合格レベルから簿記1級合格まで、どれくらいの勉強が必要か、簡単に書いてみたいと思います。
なお、今回は簿記2級は取得済の前提でお話しします。
2級はまだ取得してないよって方は、ぜひ2級から挑戦してみてください!
(以下のばんの記事をどうぞ!)
また、他の資格も気になる方に、14代目のひろしさんがFPや応用情報技術者について書いてくださっています!
まずは簿記1級の概要!
まずは簿記1級の概要について見ていきましょう!
以下はChat-GPT 4o miniの回答です。

はい、ども
Chat-GPTの概要説明
簿記1級は非常に難易度の高い資格であり、財務や会計のプロフェッショナルとしての証明になります。以下は簿記1級に関する重要なポイントです。
試験概要:
- 試験科目: 商業簿記・会計学、工業簿記・原価計算(各25点ずつ)
- 試験時間: 合計3時間(各科目90分)
- 合格基準: 全体で70%以上の正解、各科目で40%以上の正解が求められます(全体70/100点・各科目10/25が足切りライン)。
- 試験日: 6月・11月(会場受験のみ)
(2025年は6/8(日)・11/16(日)となっています。)
難易度:
簿記1級の合格率は約8〜10%と低く、簿記2級や3級と比べても非常に難しい試験です。合格には広範囲の学習と深い知識が求められます。
必要な勉強時間:
独学での合格を目指す場合、約500〜1,000時間の勉強が必要です。勉強期間を1年とすると1日あたり2〜5時間程度の勉強を確保することが求められます。
独学と講座:
- 独学: 可能ですが、長い勉強時間が必要で、効率的な学習が難しいこともあります。
- 講座受講: 予備校の講座を利用することで、勉強時間を短縮でき、効率的に学習できます。
取得するメリット:
- 就職・転職に有利: 高度な会計知識をアピールでき、他の候補者との差別化が可能です。
- 昇進・昇給: 企業内でも評価され、資格手当や昇進に繋がる場合があります。
- 税理士試験の受験資格: 日商簿記1級を取得すると税理士試験の受験資格が得られます。
(R5から税理士試験の受験資格が若干緩和されています。) - 大学入試の優遇: 多くの大学で簿記1級取得者に優遇があります。
結論:
簿記1級は高度な専門性を持ち、非常に多くのメリットがありますが、難易度も高く勉強時間が長くなります。費用対効果を考慮し、独学で挑戦するか、効率的に学べる講座を利用するかを選ぶことが重要です。自分の学習スタイルや予算に応じて最適な方法を選びましょう。

いかがでしょうか?それっぽい説明ができましたね!
ちなみにこれがすんなり出ればいいのですが、実際には、初回の質問時点では科目名も試験時間も合格ラインも間違っていました・・・
みなさま、これが「ハルシネーション」です!
(一部足らずの箇所についても少し加筆しています。)
その他、もう少し概要が見てみたい方は、各予備校が丁寧に説明してくれていますのでそちらをご参照ください。
なぜ簿記1級は難しいのか
私が考える簿記1級が難しいと言われるゆえんは以下の2点です。
- 範囲が広く、計算問題の特性上、反復練習が必要
- 相対試験であり、ライバルが強い
範囲が広く、計算問題の特性上、反復練習が必要
1点目の範囲の広さと反復練習が必要である点です。
おそらく計算問題の反復練習の必要性は、1次試験の財務会計や2次試験の事例Ⅳで理解されているとおりで、釈迦に説法ですので割愛します。
分かっていることと、できることが違うとよく言われますね。
なお、計算問題の反復にかかる時間は、事例Ⅳがある程度できるようになるまでにかかった時間が目安になると思います。
あくまで簡単な目安程度ですが、事例Ⅳには100時間程度必要と言われており、ご自身がこれよりも短いか長いかも一つの基準として使えます。

ということでここでは範囲の広さについてみていきます。
範囲の広さについて、比較の仕方はいろいろあると思いますが、ここは参考書の数と、章立ての数で比較してみたいと思います。
簿記2級時代に個人的にお世話になったスッキリを使いたいと思います。
簿記1級↓
https://bookstore.tac-school.co.jp/book/detail/062266/
簿記2級
https://bookstore.tac-school.co.jp/book/detail/062706/
参考書の数
参考書の数は以下のとおりです。
級 | 商業簿記 (+会計学) | 工業簿記 (+原価計算) | 合計 |
---|---|---|---|
2級 | 1冊 | 1冊 | 2冊 |
1級 | 4冊 | 4冊 | 8冊 |
簿記2級は各1冊ずつの合計2冊、簿記1級は4冊ずつの合計8冊となりました。
合計金額で言っても、2級は4,000円(テキスト2冊+問題集1冊)に対し、1級は14,000円(テキスト8冊)という状況であり、そんな軽い気持ちで買える値段ではありませんね・・・
ということで、参考書(テキスト)の数は4倍となることが分かりましたね。

有馬記念のリベンジで取り返せばテキスト買えるんちゃう?
章立ての数
本の章立ても少し確認してみましょう。
級 | 商業簿記 (+会計学) | 工業簿記 (+原価計算) | 合計 |
---|---|---|---|
2級 | 20章 | 13章 | 33章 |
1級 | 38章 | 28章 | 66章 |
章立ては商業簿記と工業簿記で少しずれがありますが、おおむね章の数は2倍になっており、合計でも2倍になっています。
大まかに、簿記2級でやっていない範囲がさらに倍あると思っていただければ大丈夫です。

競艇は6艇、オートレースは8車、競輪は9名、競馬は18頭が最大出走数やから、やっぱり競馬は難しいんちゃうん?
結論
ここまで分かった情報を以下のとおり記載します。
- 2級と比べるとテキストの数は4倍になる
- 章立ては2倍になる
ということで、上記を総合して分かることを以下のとおり結論付けます。
簿記1級では簿記2級と比べて学ぶ分野が2倍になり、その深さも2倍になる!
一発合格道場15代目 せーでんき

それっぽいんちゃうん?
相対試験であり、ライバルが強い
何となく範囲がどれくらいの広さかのイメージはできましたでしょうか。
次に簿記1級が難しいと言われるもう一つのゆえんである「相対試験である」点です。
なぜ相対試験だと難しいのか
ここからの話は、あくまで簿記1級に特有の話だという前提で読んでいただければと思います。
簿記1級の合格基準は「全体で70%以上かつ足切りなし」となっています。
日本商工会議所は何も言っていませんが、合格率等から一般的に相対試験であると言われています。
直近では少し例外的な16.8%(第165回)という回がありますが、おおむね10%前後で推移しています。
(簿記1級の受験データはこちら)
相対試験である前提に立つと、ライバルたちが強者揃いなのが、簿記1級を難しくしています。
そうです。ライバルは公認会計士受験生や税理士受験生たちです。
商工会議所も簿記1級は「公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門」と謳っており、受験生活の中でマイルストーン的に受験することが多いです。
(私も完全にそのクチです・・・)
例えば、以下のとおりとなり、公認会計士や税理士試験の受験生の数と比べるとちょっと大丈夫かなという数字になります。
試験区分 | 受験者数 | 合格者数 |
---|---|---|
簿記1級 (164回・R5年6月実施) | 9,295名 | 1,164名 |
公認会計士R5年 (第Ⅰ回短答式試験・R5年12月実施) | 12,100名 | 1,304名 |
税理士試験R5年 (簿記論・R5年8月実施) | 16,093名 | 2,794名 |
税理士試験R5年 (財務諸表論・R5年8月実施) | 13,260名 | 3,726名 |
会計士や税理士の受験生の中には、もっと前に簿記1級に合格されている方も含まれているかもしれませんが、例えば、会計士短答式の合格者数の方が、簿記1級の合格者数よりも多くなっています。
会計士試験の合格者が全員簿記1級を持っていると仮定すると、それだけでなかなか付け入るのが厳しそうです・・・
(実際には、11月の簿記1級に合格する方や、会計士で持っていない人もいます。)
いかがでしょうか。
とりあえずここではライバルが強いということをご理解いただければ十分です。

改めて会計士や税理士以外で簿記1級に受かってる人凄すぎ・・・
(先代や道場読者でもいらっしゃいますが、まじリスペクトです!)
では勉強時間はどれくらい?
勉強時間がどれくらいか気になりますよね。
診断士試験に合格した前提でこれから予備校に通わずに独学と仮定します
※とはいっても勉強時間なんて人によってまちまちですし、あくまで読み物としての参考程度でお願いします。
では発表します!
私の予想は
・
・
・

600時間!
※診断士試験合格者が独学と仮定
いかがでしょうか。
長いと感じる方もいれば、案外こんなもんかと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ではこのように予測した根拠についてご説明します!
勉強時間の根拠
本当にざっくりの内容になりますが、勉強時間を算出してみました。
以下の順にご説明します。
- 前提となる勉強時間
- 簿記2級で学習済の範囲との比較
- 診断士試験で学習済の範囲の反映

では順にどうぞ。
前提となる勉強時間
まずは前提となる勉強時間についてです。
各予備校の勉強時間を簡単に記載しました。
予備校 | 勉強時間 |
---|---|
資格の大原 | 500~1,000時間 |
TAC | 500~1,000時間 |
CPAラーニング | 500~2,000時間 |
概ね時間は同じくらいですね。
CPAラーニングは大きい方を2,000時間としていますが、TACも初学者からだと2,000時間という記載もありましたので、2級までの知識がある前提だと1,000時間程度が妥当なラインと推測します。
そして、診断士試験に合格する受験生は一般的には、勉強することに対する能力はどちらかといえば高いことも考慮ししつつ、独学前提ですので若干伸びる方向に調整します。
よって500時間と1,000時間の平均値の750時間に、独学であることの調整50時間を追加して800時間とし、この時間をスタートとします。
また、所要時間はどちらも均等にかかるものと仮定し、400時間ずつを前提とします。
1級の概要において、2級と比較して学ぶ分野が2倍・深さも2倍ということをお伝えしましたのでその内訳として均等と仮定して割振ります。
科目 | 時間 | 追加される分野の時間 | 深く学習する分野の時間 |
---|---|---|---|
商業簿記・会計学 | 400時間 | 200時間 | 200時間 |
工業簿記・原価計算 | 400時間 | 200時間 | 200時間 |
合計 | 800時間 | 400時間 | 400時間 |
簿記2級で学習済の範囲との比較
以下のとおり簿記2級で学習済の範囲と簿記1級で追加されている範囲をプロットしてみました。
まずはご参考までです。
商業簿記
-773x1024.png)
2級で学習しない範囲をオレンジ色で塗っています。
商業簿記では9分野でした。
工業簿記
-837x1024.png)
同じく2級で学習しない範囲は、工業簿記では7分野でした。
ではここに診断士試験で学習した内容を反映していきましょう!
診断士試験で学習済の範囲の反映
商業簿記
2診断士試験反映-773x1024.png)
診断士試験で学習した範囲のものを黄色塗りしてみました。
みなさま大好きなキャッシュ・フロー計算書がありますね。
なお、診断士試験で学習するのはあくまで単体のキャッシュ・フロー計算書ですので、連結は未習の範囲としています。
工業簿記
2診断士試験反映-837x1024.png)
工業簿記はけっこう黄色くなりました。
さすが事例Ⅳといったところでしょうか。意思決定会計系はほぼ学習済の範囲と言えるかと思いますので、5分野が学習済になりました。
一方で予算管理は診断士試験ではあまり学習しないため、未習の範囲としています。
結論
最初に800時間をスタートとしましたので、改めて表を載せています。
科目 | 時間 | 追加される分野の時間 | 深く学習する分野の時間 |
---|---|---|---|
商業簿記・会計学 | 400時間 | 200時間 | 200時間 |
工業簿記・原価計算 | 400時間 | 200時間 | 200時間 |
合計 | 800時間 | 400時間 | 400時間 |
では、ここに先ほど診断士試験で学習した範囲の内容を反映させていきましょう。
商業簿記・会計学
9分野追加されたうち、1分野は学習済でした。
また、後ほどみますが、商業簿記の分野でもNPV的な考え方をしますので、その考え方をすでに理解している点もアドバンテージです。
よって、追加される時間の箇所で1/9≒11.1%程度のため20時間程度削減。深く学習する分野においては、NPVの考え方が跨る分野も多いことから30時間程度の削減を見込みます。
工業簿記・原価計算
7分野追加されたうち、5分野は学習済でした。
これは強いですね。
5/7≒71.4%程度削減が可能です。また、CVP分析も2級よりももう少し深く学習しているであろうことも加味して合計で150時間程度の削減を見込みます。
以上から、200時間程度の削減ができるのではないかと思っています。
科目 | 時間 | 追加される分野の時間 | 深く学習する分野の時間 |
---|---|---|---|
商業簿記・会計学 | 350時間 | 175時間 | 175時間 |
工業簿記・原価計算 | 250時間 | 60時間 | 190時間 |
合計 | 600時間 | 235時間 | 365時間 |
おまけ(2級から上乗せとなる範囲の問題解説)
おまけとして、2級から上乗せとなる範囲について、いくつか参考問題を載せてみました。
なお、簿記1級の過去問は公開されているのですが、無断転載禁止となっていることもあり、類題かつそんなに長くない公認会計士試験から引用します。
商業簿記・会計学
新株予約権付社債(R6第Ⅱ回公認会計士短答式試験)
答えは↓
【答え】
2
【解説】
深く考えずに以下の計算過程を見てみてください。
何か見覚えはありませんか?
そうです。NPV(割引現在価値)です。
実はよく分からないと見せかけて、この問題は普通に割引現在価値を出せば答えが出ます。
(利息と元本を加味することさえ分かれば、解けた方もいらっしゃるかもしれません。)
どうでしょうか。
これは診断士試験のおかげで全く違和感なく入ってくるのではないでしょうか。
簿記2級では、割引計算をやらないので、これはかなり強みです!
実は超細かい話もありますので、参考に下に書いておきます。
(興味のある方だけ読んでいただければ・・・)
※本当はただの社債の問題にしたかったのですが見つけられませんでした・・・
新株予約権付社債は簿記1級でもあまり出ないかもしれませんが、考え方はほぼ同じですので類題ということでご了承ください。
【参考】
「新株予約権付社債」って言葉を聞いたことがない方もいらっしゃるかもしれません。
新株予約権も社債も知ってるけど、一緒になってるのは知らないということもあるでしょうか。
ただ、難しいことはなく、会社が資金調達のために社債を発行しようとした際、新株予約権も一緒に付与します。
細かい話ですが、新株予約権付社債にも2種類あり、「転換社債型」新株予約権付社債と「転換社債型以外の」新株予約権付社債です。
大きな違いは、新株予約権の行使のときに追加の払込が必要かどうかです。
(「転換社債」と「ワラント債」の方が馴染みのある方もいますでしょうか。)
「転換社債型」は追加の払込不要のタイプ⇒社債を返してもらう金額をいくらか放棄して、その会社の株をもらうというパターンです。
「転換社債型以外」は追加の払込が必要なタイプ⇒その会社の株をもらう際には、追加でいくらか払い、社債の金額はそのまま残ります。
取得者の会計処理として、転換社債型は一括処理、転換社債型以外は区分処理が求められており、今回の問題であれば、裏で新株予約権の認識が必要になります。
この他にも真に驚くべき真実があるのですが、この余白はそれを書くには狭すぎるのでこれくらいにしておきます。

これって診断士試験凄いのでは?
固定資産の減損(R6第Ⅰ回公認会計士短答式試験)
答えは↓
【答え】
5
【コメント】
これはいきなり見ても意味が分からないかもしれませんね・・・
固定資産の減損については、中小企業は特段の対応の必要はありませんので、診断士試験にはこれからも出ないと思います。
(こんなめんどくさいことを中小企業でできるわけありません・・・)
ということで、固定資産の減損に関する理論問題にしてみました。
簿記1級は理論問題も出ますので、対策が必要になります。
理論問題は今回のような選択肢の問題や穴埋め、○×問題等があります。
ただ、このような理論問題の勉強も、診断士試験で財務会計や事例Ⅳが苦手でなければそこまで苦にはならないかなと思います。
固定資産の減損について簡単に説明しておきます。
①会社は固定資産を買った時点では利益が出るつもりで買います。
②しばらくして、「この事業儲からなくなってきた」となったとします。
③将来的に出る利益よりも固定資産の帳簿価額の方が大きい状態になりました。
④固定資産の帳簿価額はこのままでいいのか?
というような流れで、固定資産の帳簿価額はあくまで将来回収できる金額を上限として計上すべきという考え方から、上記のような状態のときに固定資産の帳簿価額を将来的な利益の額まで減らします。
(厳密には利益ではなくキャッシュ・フローを使います。)
ちなみに勉強すれば分かりますが、またまたNPVが出てきます!
【解説】
ア.×
⇒減損会計の目的はその時点でその資産が回収可能な価額を表すように調整するというイメージです(あくまで下げる方向だけ)。金融商品のようにその時点でどれくらいの利益or損失になりそうか、資産にどれくらいの価値があるのかを見たい訳ではありません。
イ.〇
⇒将来どれくらいのCFがあるか見たいので、外貨の場合も直近の為替相場を用います。
ウ.×
⇒使用価値(使用によって得られるCF)は使用後の処分によって得られるものも含みます。
(このあたりは、本当にNPVですね。)
エ.〇
⇒市場販売目的のソフトウェアは実は違う会計基準に基づいて処理するので、少し毛色が違う記載になりますが、正しい記載です。

問題文を読むだけで疲れましたね。
連結会計(R6第Ⅱ回公認会計士短答式試験)
※先に断っておきますが解かなくていいです。解くと最低30分はかかります。
答えは↓
【答え】
問題23:3
問題24:5
問題25:2
問題26:4
問題27:4
問題28:3
【解説】
解説は放棄させていただきます・・・
(というかおそらく誰も解かないでしょう・・・)
参考までに解説ページのリンクを貼っておきますので、もし解いてみて解説が見たい方はそちらからどうぞ!
過去の本試験解答解説 |CPA会計学院
【コメント】
さて、簿記2級ではみんな大好きな連結会計です。
診断士試験合格者が簿記1級で苦戦するとすればここだと思います。
今回載せている問題は割とオーソドックスに資本連結・成果連結・在外子会社・包括利益等の問題であり、直近の簿記1級の過去問と比較すると盛りだくさんです。
試しに私も解いてみましたが、そこまで難しい問題ではないものの分量が多いのでしんどいかもしれません。
連結会計については、診断士試験合格者であっても何もアドバンテージはない状態ですので、どうしてもかなりの時間を割く必要があると思います。
他の受験生も最初は苦労するところですので最初は我慢強くやっていく必要があります。

昔は連結会計は簿記2級の範囲に入ってなかったんやで。

Consolidated!
工業簿記・原価計算
補助部門費配賦(R6第Ⅱ回公認会計士短答式試験)
答えは↓
【答え】
2
【解説】
補助部門である、動力部・修繕部・工場事務部をそれぞれX・Y・Zとおいて、配賦基準にはめていきます。
その上で、自部門を除いた配賦基準の合計のうち、それぞれの占める割合を出します。
日本語だけだと分かりにくいので、以下の表のとおりです。
例えば、切削部の機械運転時間であれば、7,000時間/14,000時間=0.5という具合です。
上の表をもとに、連立方程式を作ります。
X=2,050,300+0.15Y+0.2Z
Y=1,549,500+0.1X+0.1Z
Z=630,000
これを解いて、X=2,455,000、Y=1,858,000、Z=630,000が出ます。
あとはこれに基づいて各部門への配賦額も含めた合計金額を出します。
例えば、切削部のXであれば0.5×2,455,000=1,227,500となります。
ということで切削部の部門費は7,968,500となります。
【コメント】
これも1級から出てくるやつで、製造間接費の補助部門費配賦のやり方の一つです。
いかがでしょうか。
簿記2級まででは、直接配賦法と相互配賦法という方法しかやりませんが、簿記1級の範囲になると4種類になりますので、その増える2つのうちの一つです。
この辺りはやり方が分かればできるとは思いますので、そこまで苦労はしないかもしれませんが、こういった原価計算の範囲は改めて全体の中のどこの話をしているかを把握するのが難しいことがありますので、その点で時間を取られるかもしれません。

手順を追えばできるのですが、案外手間取りませんか?
CVP分析(R6第Ⅱ回公認会計士短答式試験)
答えは↓
【答え】
5
【解説】
まずは問題文から分かる情報を整理しました。
個人のやり方にはなりますが、最初は経営レバレッジ係数が出しやすいと思います。
経営レバレッジ係数は安全余裕率の逆数(=分母分子逆にしたもの)ですので、そのまま安全余裕率50%の逆数で2になります。
「経営レバレッジ係数=限界利益/営業利益」ですので、営業利益を分解して、
「経営レバレッジ係数=限界利益/(限界利益-固定費)」となります。
これを変形すれば「限界利益=経営レバレッジ係数×固定費/(経営レバレッジ係数-1)」となり、
ここに経営レバレッジ係数の2を代入して、
限界利益=2×固定費/(2-1)
限界利益=2×固定費
⇒よって限界利益は固定費の2倍になります。
ここまで分かればあとは埋めていくだけかと思いますので、全て埋めると以下のとおりです。
いかがでしょうか。
ちょっとパズルっぽい問題ですね・・・
【コメント】
この問題は診断士試験の知識だけで十分解けますね。
ただこのパターンの問題は簿記では少ないかもしれませんが、簿記1級では診断士試験と似たような出題は多い印象です。
以下の過去問の問題2を見ていただければいけると思われるのではないでしょうか。
最後に

お疲れ様でした!
では毎度お約束の名言コーナーです。
彼れを知り己れを知らば百戦して殆うからず。
孫武
今回は孫武です。
中国の春秋時代の武将として「孫子の兵法」が有名ですね。
現代の経営者からも愛読書として挙げられることもありますね。
孫子の兵法以前は、戦の勝敗は運くらいのノリだったようですが、そんなことはないと従来の考え方を覆しました。
今回の名言については、受験業界では超有名な名言ですので、知っている方も多いと思います。
彼れ(試験の概要や求められるもの)を知って、己れ(自分自身の現状)を知れば、あとはその差を埋めるべくやっていくだけということですね。
この名言は有名ですが、実はこの後ろに「相手を知らずに自分を知っているパターン」と「相手も自分も知らないパターン」にも言及があります。
ちなみに前者は五分五分、後者は絶対ヤバいようです。
とにかく孫武は準備を重視したようで、準備として事前調査することで戦うかどうかの判断もできるし、いかに戦わずして勝つかの判断ができるということのようです。
今回紹介した簿記1級や診断士試験に限らず、しっかりと準備して本番を迎えられたらいいですね。
以上です。
ありがとうございました!

明日はAREです!
応援の赤いタオルをもっともっと増やしたいなと素直に思った。

☆☆☆☆☆
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こんばんは!
にっくです。
簿記1級の記事、ありがとうございました!
ちょうど僕も簿記1級を目指して階段を上っていっている最中だったので、大変参考になりました。
簿記1級、簿記のラスボスにふさわしいたたずまいですね・・・!
心してかかります!
ありがとうございました!
にっく
にっくさん
コメントありがとうございます!
簿記1級を目指されているのですね。
最初はこんなのできるのかと思われるかもしれませんが、山を一つ超えるとまた違った見え方になると思いますので、楽しみながら取り組まれてください!
勉強に当たって記事が参考になっていれば幸いです。
最初は勉強時間をもっと時間を減らしたいと思っていたのですが、実際に(粗々ですが…)計算してみると予想以上に長くなってしまいました。
診断士試験もそうですが、難しければそれだけ希少価値があるということの裏返しでもありますので、ご了承いただければと思います・・・