【永久保存版】令和5年度事例Ⅱ 再現答案分析(得点:67/60/51) by たいしん
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みなさん、まいど!
たいしんです。
前回から引き続き、令和5年度2次試験の15代目再現答案を分析して参ります!こちらは9代目だいまつさんの「超高得点シリーズ」の流れを汲んでおり、内容をブラッシュアップしつつ、脈々と受け継がれてきた記事になります。今回は令和5年度の事例Ⅱです!
私にしては超長文です。要注意です。PC閲覧推奨・ブックマークして復習のお供にお使い下さい!
再現答案分析の定義や目的(再掲)
- 完全ネタバレになります。令和5年度の事例を解いてからお読みください。
- 15代目メンバーから3名分(松・竹・梅)の再現答案を使います。
- 「出題の趣旨」と「ふぞろい17」を使って、加点・減点ポイントを分析していきます。
- 加点要素に下線、設問ごとに採点・評価を行います。
- 各設問の評価は、6割以上でA、5割~6割でB、4割~5割でC、4割未満をDとしています。
- 最後にふぞろい採点と実際の得点の乖離も確認します。
- 設問ごとに導き出される「攻略のポイント」を纏めてお伝えします。
令和5年度事例Ⅱの問題用紙・解答用紙、出題の趣旨は、下記からダウンロードできますので、ご活用ください。(*ダウンロード元はAASの過去問ダウンロードサイトになります。)
本日も宜しくお願いします!
解答者紹介
まずは今回の再現答案分析に協力いただいた15代目メンバーを紹介します!今回の切られ役は、私たいしんで御座います。皆を切っている分、ボコボコにしてやります。
おーちゃん(令和5年度事例Ⅱ_67点)
2回目登場のおーちゃん!
合計点もごりと並んで15代目トップの278点!
ばん(令和5年度事例Ⅱ_60点)
センス抜群のDALL-E3使い
優しさも兼ね備えた15代目きってのイケメン
たいしん(令和5年度事例Ⅱ_51点)
事例Ⅱがほんとに苦手なんです
施策が飲み会ぐらいしか思いつかない・・・
第1問
(配点30点)
B社の現状について、3C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)分析の観点から150字以内で述べよ。
出題の趣旨
B社内外の経営環境を分析する能力を問う問題である。
出ました3C分析!令和4年度に続き2年連続です。ここで過去5年分の第1問を整理してみましょう。
令和元年 | SWOT(時制注意) |
令和2年 | SWOT(時制注意) |
令和3年 | SWOT(時制注意) |
令和4年 | 3C(150字) |
令和5年 | 3C(150字) |
毎年SWOTか3Cですね。今年もそうなると思います。SWOTの場合は必ず時制に注意して下さい!そして3Cの場合ですが、顧客・競合・自社と設問文に丁寧に載せてくれています。ここでのポイントは①顧客を述べるときは出来るだけターゲットを多く書く(リスク分散)②競合はより具体的な形容詞を添えてあげる③自社と聞かれれば、強みと弱みを書く、でしょうか。150字の振り分けは、顧客30~40字(3要素ぐらい)・競合30~40字(2要素の形容つき)・自社強み30字~40字(2~4要素)・自社弱み30字~40字(2~4要素)ぐらいでしょうかね。
3C分析を深堀し出すとキリがなさそうなので、先代のお力をお借りします。こちらは12代目masumi姉さん作成のものです。ん~素晴らしく纏まってます。神です✨
そしてSWOTについては、My Brother AZUKIのこちらの記事を是非参照して下さい!
おーちゃん
おーちゃん
顧客は、近隣の公立小中学校と部活チーム、少年野球チーム、買替えの金銭的負担で野球を辞めてしまう子どもの存在。競合は、サッカーやバスケットボールの専門店、大型スポーツ用品量販店。自社の強みは、自社でプリントや刺しゅうする技術力、ニーズに対する提案力。弱みは、野球以外の商品の品揃え不足や価格競争力の低さ。
採点:21/30、評価:A
まず解答の型がいいですね。3Cを問われているので、顧客は~、競合は~、自社(強み・弱み)は~、と要求に答えることが出来ています。これはmustですね。ただ惜しいかな、競合はもう少し装飾してあげても良かったです。字数ギリギリだったので簡潔にまとめたためでしょうが、それでしたら「買替えの金銭的負担で野球を辞めてしまう子どもの存在」を、いっそのこと「保護者」としても良かったかもしれません。ここでふぞろいキーワードでは加点にはならなかったですが、この「買替えの金銭的負担で野球を辞めてしまう子どもの存在」も後の設問に繋がるので、十分な加点要素になったと思われます。
ばん
ばん
顧客は①近隣の公立小中学校②各少年野球チーム③女子軟式野球チーム④個別に買いに来る顧客、競合は①サッカーやバスケットボール専門店②大型スポーツ用品量販店、自社の強みは①ユニフォームの加工技術②オリジナル用品の対応力③体格や技術に応じた提案力④各少年野球チームの指定業者、弱みは、価格面で競合に負ける。
採点:21/30、評価:A
ばんも要求にきちんと答えることが出来ていますね。ただですね、強みで挙げている「各少年野球チームの指定業者」ですが、一見強みっぽく思えます。安定売上を確保できている源泉と捉えれば、強みといってもおかしくない。でも加点要素には入っていません。それは、この後の問題で問われていない(他の問題で解答に繋がっていない)からだと思われます。他の事例でも共通することですが「活かさない強みは、もはや強みではない」ぐらい、2次試験では割り切っておいた方が良さそうです。
たいしん
たいしん
顧客は野球チームの監督や近隣の小中学校で地域住民の野球熱が高い。競合は低価格でチェーン展開している大型スポーツ用品量販店。自社の強みは①加工技術力②オリジナル用品への対応力③体格に応じた提案力。自社の弱みは①大型スポーツ用品量販店に比べ価格面でのメリットがない②ホームページが活用できていない。
採点:21/30、評価:A
要求には最低限答えることが出来ており、点数は上2人と同じですが、大きく違う点が2点。1つは競合相手に「専門店」を書いていないこと、もう1つは弱みにネットの活用不足をいれているところ、です。専門店が競合だからこそ、差別化を図っているのにね。。ここは書かないといけなかったポイントです。やはり3Cは多面的に書くことが最重要かと思われます。あと弱みのネット活用不足は最後の問題で活きてくるので、繋がり考えると入れておくべきポイントでしょうね。
3人とも第1問は30点満点中21点でした。事例Ⅱは差がつきにくいと言われています。この第1問の分析問題は、確実に7割以上を取りたいですね。逆に言えば、事例ⅡでA評価をとるには、第1問で7割未満には落とせません。繰り返しますが「多面的に」「のちの繋がりを考えて」解答すれば大丈夫です!
攻略のポイント
- SWOTの場合は必ず時制に注意
- 3Cの解答の型は、顧客は~、競合は~、自社(強み・弱み)は~
- 3Cの基本は「多面的に書く」こと
- 顧客を述べるときは出来るだけターゲットを多く書く
- 競合はより具体的な形容詞を添えてあげる
- 自社と聞かれれば、強みと弱みを書く
- 活かさない強みは、もはや強みではない
第2問
(配点20点)
低学年から野球を始めた子どもは、成長やより良い用品への願望によって、ユニフォーム、バット、グラブ、スパイクといった野球用品を何度か買い替えることになるため、金銭的負担を減らしたいという保護者のニーズが存在する。B社は、こうしたニーズにどのような販売方法で対応すべきか、プライシングの新しい流れを考慮して、100字以内で助言せよ(ただし、割賦販売による取得は除く)。
出題の趣旨
顧客のニーズに対応した販売方法について、プライシングの観点から B 社に助言する能力を問う問題である。
プライシングの新しい流れって、なんやー!!
・・私は昨年この変化球についていけず、ここで終わってしまったかもしれないと思いました。。惑わされる語句ですね。でも確りと設問文を読めば、解答の方向性が見えてくるはず!要約すると「保護者のニーズに応える施策を助言しなさい」っていう問題です。
と、ここで。事例Ⅱで施策なんかを問われたら、まず「ダ・ナ・ド・コ」のフレームワークが使えるか検討してみて下さい。少しダナドコについて解説しておきますね。
ダ:誰に→ターゲットを明確にします。その際には「ジオ・デモ・サイコ」で考えること。ジオはジオグラフィック(地理学的属性)で、地域とか場所とか。デモはデモグラフィック(人口統計学的属性)で、年齢とか性別とか。サイコはサイコグラフィック(心理学的属性)で、価値観とか信念とか趣味趣向とかです。特にサイコグラフィックを正確に捉えると、ターゲットの解像度が格段に上がります。
ナ:何を→4PのProductです。自社の強みを活かせる商品・サービスを提供しましょう。
ド:どのように→4PのPromotionです。Promotionとは「顧客とのコミュニケーションによって、顧客を購買行動に導く一連の活動」と定義されますが、どうやって売っていくの?という具体的な記述でもOKかと思います。
コ:効果→代表的なもので「サ・チ・カ・ニ(差別化・地域活性化・関係性強化・ニーズ対応)」がありますが、当然事例Ⅱなので、売上拡大は頭に入れておくべきですね。
ダナドコは非常に大事なとこなのでTipsにしておきます。
で第2問に戻りますが、ダナドコが使えなさそうで、意外と小出しで使えたりします。ポイントは保護者のニーズを正確に拾うことだと思います。保護者のニーズって何でしょうか?はい、書いてある通り「金銭的負担を減らしたい」なのですが、その要因は2つあります。1つ目が「成長で買い替える」、2つ目が「より良い用品への願望で買い替える」です。解答の方向性としては、それぞれのニーズに対応する施策を助言すればいいかと思います。
おーちゃん
おーちゃん
施策は、サブスクリプション制による月々定額の野球用品レンタルサービス、用具の下取りと中古野球用品販売開始により、買替えによる金銭的負担を軽減し野球を辞める子どもを減らすことで、顧客生涯価値を高める。
採点:17/20、評価:A
サブスク書けてます。それだけで素晴らしい!そしてターゲットは設問文に書いてあるので、あえて入れなかったんだと思います。何を・どのようにという4Pの部分は確り書けていますね。「成長で買い替える」には下取り&中古販売(おそらくB社の強みであるリメイク術が施されている)、「より良い用品への願望で買い替える」にはサブスク&レンタルサービスと、それぞれに対応する施策を入れていますね。見事です!それから顧客ニーズへも確り言及し、最後は効果でしめています。ただ「顧客生涯価値を高める」は少々飛躍したかな。単純に「売上拡大を図る」でも良かったし、直前の文章で「野球を辞める子どもを減らす」と謳っているのなら「固定客化を図る」でも良かったと思います。この方が文章の流れとして綺麗ですね。
ここで加点にはならなかったですが、おーちゃんが「野球を辞める子どもを減らす」と書いた部分に注目です!これは第14段落の「買い替えの負担を理由に野球をやめてしまう子供たちもいる」から引用していると思われます。この第14段落や第7段落には、設問文と同じようなくだりの文章が記載されているんです。もうくどいほどに。このように設問文と同じような記載のある与件文の箇所は、解答の大ヒントになる可能性があります。要チェックです。
ばん
ばん
金銭的負担を減らしたい保護者に対し、①古い野球用品の下取り買い替え②ポイントカード制度③ノベルティ配布を実施。以上により顧客ニーズに対応し、愛顧向上・固定客化を図る。
採点:11/20、評価:B
まずばんちゃん。100字使えるのに83字とは勿体ない!100字の時はせめて95字ぐらいは埋めておきたいところです。で解答の方ですが、まずターゲット(ダナドコのダ)をあえて明確にしています。書かなくても良かったですが、設問文の「こうしたニーズ」を具現化して表現しているので加点要素となっているはずです。残念なところでは施策(ダナドコのナド:4P)の②③が少々的外れですね。確かに間接的には金銭的負担が減るかもしれませんが、ニーズに直接対応しきれているかと言えば合ってないかもしれません。効果で締めれているところは良いですね。
たいしん
たいしん
方法は①スポーツ関連用品とのセット販売でプライスダウンを図る②スポーツ関連用品をおまけとしてつける。以上で継続的接点を獲得して固定客化・リピート化を図り、買い替え需要を獲得していく。
採点:4/20、評価:D
はい、やってしまいました!もう最悪です。皆さん、こんなハチャメチャな解答、絶対やってはいけませんよ!ダナドコ以前の問題です。ニーズに対応できていない、新しいプライシングの流れを勘案できていない、文字数も少ない、、。全ては題意を正確に捉えることが出来なかったからだと思います。変化球に戸惑いバッターボックスでの構えを崩してしまいました。最低でも自分で強みに挙げていた「加工技術力」から「中古販売を思いつく」までは、後で振り返るとこぎつけれたように思います。
実はサブスクも頭をよぎったのですが、「サブスクの方がお金かかるやん」と思ってしまって、即omitしてしまいました。ここで設問文を見直してみると「成長」や「より良い用品への願望」って書いてあるんですね。「成長」に対してはある程度の支出が読めても「より良い用品への願望」を叶えるには、突発的な出費になるに違いありません。サブスクのような安定した支出が見込まれる方が、金銭的負担が少ない(精神的負担も少ない)というロジックだと思います。
ここまで読み切れれば、このロジックに辿り着けたかもしれません。やはり設問解釈、超重要です。特に設問文が今回のように少々長いパターン、その中を読み解かないと制約条件(本問では保護者のニーズと背景)を見逃すことになります。この設問文、本当によく出来ています。
攻略のポイント
- 誰に→ジオ・デモ・サイコで考える
- 何を→自社の強みを活かした商品やサービス
- どのように→Promotion戦略
- 効果→サチカニ+売上拡大
- 設問文と同じような記載のある与件文の箇所は、解答の大ヒント
- 100字の問題は、95字ぐらいまで埋めるように
- 設問文が長い場合は、特に設問解釈を重要視して、制約条件をあぶり出す
ちょっと休憩して野球観戦でもしましょう
第3問
(配点20点)
女子の軟式野球チームはメンバーの獲得に苦しんでいる。B社はメンバーの増員のために協力することになった。そのためにB社が取るべきプロモーションやイベントについて、100字以内で助言せよ。
出題の趣旨
B社が新たな顧客を開拓するためのプロモーション戦略およびイベントの実施について、助言する能力を問う問題である。
題意を正確に読みとくと、「女子メンバーの増員」に繋がる「プロモーション」と「イベント」を提案しなさい、ですね。ここで再度masumi姉さんの資料を掲示させて頂きます。
これを頭に入れおくだけで、事例Ⅱへの対応能力がめちゃくちゃあがります!やはり神です✨
おーちゃん
おーちゃん
B社のホームページやSNSで女子野球チームの募集情報を発信し、女子軟式野球の体験教室を女子チームと共同で開催し体験入会を促す。以上でメンバー増員に貢献する事で女子チームとの関係性を築き、顧客化を図る。
採点:9/20、評価:C
まずプローモーション面は「SNSでの発信」、イベント面は「体験教室」と書けています。「何をどのように」を両面から記載し、効果で締める。読みやすさも抜群です。補足で入れるのなら、B社の強みはどこに行ったの?っていう点と、体験教室の連携先ってもっとわかりやすく与件にあるんじゃないの?ってとこです。1つ1つ見ていきましょう。
将来的に顧客化を図るのなら、B社の商品群もアピールしたいところですね。おーちゃんも書いていた「自社でプリントや刺しゅうする技術力」を前面に出しちゃいましょうか!かわいくデコレーションしたユニフォームをきてもらうなんてどうでしょう😊とにかくですね、例えば先に記載したmasumi姉さんの具体的施策例をそのまま使うのではなく、B社の強みに訴求することで、提案の具体性が増しますよね。ここを覚えておいて下さい。
そして協業先ですね。第3段落に、さもここを使って下さい!と言わんばかりの書き方がされています。途中から載せます。
近隣の強豪社会人野球チームがここを借りて練習しているということで地域住民の野球熱が高く、野球場の数も通常の河川敷に比べるとかなり多い。
第3段落
太字の部分ですが、地域住民の野球熱が高い。で終わっても良くないですか?なのにわざわざ「野球場の数も通常の河川敷に比べるとかなり多い」だなんて、あざとすぎやしませんか?これは「活用しなさい」っていう指示と受け止めます!イベントは「河川敷で社会人野球チームと連携し野球教室を開く」の方がシンプルかな~と思います。
最後に効果記載の点ですが、ふぞろいでは第3問の解答に効果は不要としていて、加点要素にはなっていません。ここが本問の1つのポイントです。ポイントというか意見が分かれるところだと思っています。
出題の趣旨にあるように、B社が「新たな顧客を開拓するための」施策でもあるので、その効果は「女子メンバーの増員+潜在顧客の獲得」になるはずです。個人的にはおーちゃんの解答のような効果記載部分は十分加点になっていると思います。その根拠の1つとして、第20段落があります。2代目社長の思いのところです。
第3に、女子の軟式野球が盛んになってきたことに着目し、女子メンバー獲得に苦しんでいるチームを支援し、女子向けの野球用品の提案力を高め、新規顧客としての女子チームの開拓を行う。
第20段落
ズバリ書いています。なので、
うちの経営資源使ってこんなことやったら、
女子メンバーも増えるし、潜在顧客も掘り起こせるで~♪
が合ってるんじゃないかと思いますが、効果を書くべきか書かざるべきか、意見が分かれるところですね。
ばん
ばん
①女子軟式野球の体験イベント・試合を実施。②近隣小中学校・少年野球の保護者に紹介を促す③SNSを使った動画配信で認知度向上。以上により、女子メンバーを獲得し、関係性強化・新規顧客獲得を図る。
採点:7/20、評価:D
まずイベント面ですね。「体験イベント」と書けていますが、装飾が弱いです。どこと連携するのかどこでやるのか、周りの情景が想像できる記載も必要ですね。そしておーちゃんと同じく、B社の強みを活かしたイベントも入れるべきでした。
プロモーション面では「SNSを使った動画配信」が書けていますが、何を動画配信するの?が抜けています。ばんの解答の方向性をそのまま使うのなら、「体験イベントの様子をSNSで動画配信する」が良いでしょうね。4PのProductとPromotion、ダナドコのナ(何を)とド(どのように)はセットで考えると、伝わりやすくなりますね!
最後に効果の部分は、おーちゃんの解答分析時に述べた通りで、加点にはしていません。
たいしん
たいしん
プロモーションは①SNSでメンバー募集し紹介者へはクーポンを配布②ユニフォーム姿や試合の様子をホームページへ掲載。イベントは地域と連携した野球教室。女子野球の認知度をあげメンバー獲得とチーム開拓を図る。
採点:11/20、評価:B
プロモーションは~、イベントは~、という型はいいです。読みやすいですね。クーポン配布は新規獲得を狙ったものでしたが響かず、地域と連携はもっと具体的な記述が必要でした。
この第3問は非常に大きなポイントでした。3人とも「B社の強みを活かした施策が書けていない」「効果を確りと書いている」という共通点がありました。この部分が実際の点数にどう響いているのか、最後の考察の材料にしましょう。
攻略のポイント
- 具体的施策を述べる時は、B社の強みに訴求する
- 「わざわざ表現」は大ヒント
- 4PのProductとPromotionはセットで考えると伝わりやすい
第4問
(配点30点)
B社社長は、長期的な売上げを高めるために、ホームページ、SNS、スマートフォンアプリの開発などによるオンライン・コミュニケーションを活用し、関係性の強化を図ろうと考えている。誰にどのような対応をとるべきか、150字以内で助言せよ。
出題の趣旨
重要な顧客との関係性を強化するためのオンライン・コミュニケーション戦略について、助言する能力を問う問題である。
求められているのは、「誰に」(何を)「どのように」です。ダナドコのダナドです。
助言問題やのに、効果は書かんでええのん?
はい、おばりん。この問題に関しては明らかに不要ですね。設問文に「関係性の強化を図って、売上を高める」と書いてありますから。ここは素直に考えましょう。ダナドコの部分活用ですね。
主題の趣旨と合わせると、「ターゲット(既存顧客)を明確にして、ホームページ、SNS、スマートフォンアプリの開発を使った、関係性を強化するコミュニケーション戦略を述べよ」という問題です。そして150字なので、1つのターゲットに50字づつ使ってダナドを記載していくのがシンプルでいいかと思います。
おーちゃん
おーちゃん
後継者の前職を活かし自社スマートフォンアプリを開発し、チーム管理者や保護者に導入を促す。機能は、試合の予定や結果、各選手の成績などを共有できるようにすることで利便性を高め、保護者には子供の身長体重を入力してもらうことで、チームや子どもたちの情報をリアルタイムでB社が共有し、質の高い提案に生かす。
採点:18/30、評価:A
誰にの部分では「チーム管理者」「保護者」に言及し、何をどのようにの部分では「アプリ開発によるデータ管理」「ニーズ収集」「ニーズに合わせた提案」と解答出来ています。題意(誰にどのような対応をとるか?)に適切に対応できていますね。しかし「関係性の強化を図ろうと考えている」社長にとって、ベストアンサーでしょうか?折角ですね、ニーズ収集から質の高い提案に生かすと書ききれているので、ここは「双方向コミュニケーション」を入れると更に良かったですね。
ばん
ばん
既存顧客に対し、①顧客情報を入力する事で、体系や特性に合わせた商品を提案するアプリを開発②イベントの広告やコミュニケーションを図れる掲示板を実装③顧客要望を取り入れサービスを改良していく。以上により双方向のコミュニケーンを強化し、愛顧向上・固定客化を図る。
採点:24/30、評価:A
ばんちゃん、150字に対して128字は少ないって!
・・でも24点取れています。施策の部分が満点なんですね。特に双方向コミュニケーションへ言及している点は素晴らしい!事例Ⅱでは必ずどこかの解答に使うといっても過言ではないでしょう。
ですが「何のツールを使うのか?」がフワフワしています。それとターゲットは確かに既存顧客なのですが、そこを細分化して欲しかったところです。ターゲットは1つじゃない!これは過去問やってたら何度も出てくると思います。シンプルな問いほど多面的に!
ばんの解答、ターゲットを細分化して使用ツールを明確化にし効果を省いた解答に変えてみます。
⇒助言は①野球チームの監督に対し、データ管理アプリを開発し、体系や特性に合わせた商品を提案する②野球チームの保護者に対し、SNSで顧客要望を取り入れ、サービスを改良して双方向コミュニケーションを強化する③野球チームのメンバーに対し、ホームページでイベントの広告掲載や掲示板を実装し情報発信する。(147字)
たいしん
たいしん
野球チームの監督や保護者に対し、コミュニケーション強化の元SNSでニーズを収集し、品揃えに反映させ、データベースを活用して体格や技術に応じた商品を、買い替え時期を狙って提案していく。相談窓口も設置して双方向コミュニケーションを活性化させ、関係性を強化し、顧客満足度を向上させて売上拡大を図る。
採点:12/30、評価:C
ターゲットの部分は、まぁ2つ書けています。ですが施策の部分がめちゃくちゃですね。どのターゲットに対して、何をどのようにするのか、全くわからない解答になっています。双方向コミュニケーションというキーワードを入れるには入れましたが、因果関係が成り立っていない。そして最後は効果の羅列。。恥ずかしすぎて目も当てられない状況です。
効果の羅列は、過去問を繰り返し解いてきた方によくみられる傾向と推測します。「最後は効果で締める」を癖づけてきましたから。まよったら効果を書くぐらいの勢いですよね。でもそこにも因果関係がなければ、何の点数も入らないことは、この通り。
よくいう「因果関係」ですが、「SNSでのニーズ収集から商品開発→双方向コミュニケーションの活性化」だったらまだマシ(因果関係が成り立っている)だったと思います。相談窓口設置が双方向コミュニケーションの活性化に繋がるってのは、勝手な思い込みってことです。論理が飛躍しすぎていますね。絶対マネしちゃダメ解答です。
攻略のポイント
- 双方向コミュニケーションは、どこかで使おう
- ターゲットを求められた場合は多面的に
- 施策や効果を述べる時は因果関係を意識して
実際の点数との比較/追加の考察
ここで、今回の採点と実際の点数を比較してみます。
ニアリーなんですが、少しばらついています。
まずばんの点数ですが、これは第4問でのターゲット不足により粗点としてはもう少し低かった可能性があります。ふぞろい採点はキーワードを拾いますからね。そこでばんの点数を58点だと仮定すると、各々2~3点ほど実際の点数より低くなっています。
ここで追加の考察です。何故ふぞろい採点より実際の点数が高かったのか。
①全体の合格率を18%前後に持っていくための得点調整(加重を変える)
②第3問での効果記載部分が加点されている
この2点ぐらいかなと。①に関しては知る由もなし。分析のところでも述べましたが、私は②の理由で実際の点数の方が高かったと結論付けます。ここで攻略のポイントに入れておきたい点が「迷ったら効果は書いておく」です。やみくもに羅列しても絶対ダメ、因果関係が成り立っていない記述もダメ、設問解釈が確り出来て自信をもって効果を省くことが出来る時以外は、リスクヘッジの意味を込めて効果を記載すると良いかと思います。
おまけ
おまけでもなんでもないんですけどね。令和5年度の事例Ⅱは、最後に2代目社長の思いが込められている段落が続いています。こういうことたまにあるんですよね。例えば令和元年の事例Ⅲなんかがそうです。この部分は本当に解答要素に使える語句が溢れています。むしろ社長の思いが込められているので、使わなきゃいけないぐらいでもいいです。
ちょっと今回取り上げた事例の第17段落から最終段落までを一緒に見てみましょうか。解答要素に使える部分にアンダーラインを引いておきます。
第17段落
2代目社長は、ICT企業に勤めている30代の長男がB社を事業承継する決意をして戻ってくるのを機に、次のような事業内容の見直しをすることとした。
第18段落
第1に、総合的なスポーツ用品を扱いながらも、1970年代に事業転換したときからの強みである、野球用品の強化をさらに進める。特に子どもたち一人一人の体格や技術、特性に応じた商品カスタマイズの提案力をより強化することで、大型スポーツ用品量販店との差別化を図る。第19段落
第2に、各少年野球チームの監督とのより密接なコミュニケーションを図り、各チームのデータ管理、メンバーや保護者の要望の情報把握、および相談を受けた際のアドバイスへの対応を進める。また、用品に関する買い替えなどの多様なニーズに応えるいくつかの販売方法を導入する。第20段落
第3に、女子の軟式野球が盛んになってきたことに着目し、女子メンバー獲得に苦しんでいるチームを支援し、女子向けの野球用品の提案力を高め、新規顧客としての女子チームの開拓を行う。第21段落
第4に、インターネットの活用の見直しである。現在は店舗紹介のホームページを設けている程度である。今後、このホームページにどのような情報や機能を搭載すべきか、また、SNSやスマートフォンアプリの活用方法についても検討し、顧客との関係性強化を考えている。第22段落
令和5年度事例Ⅱ
B社社長は、自社の強みを生かせる新たな事業展開ができるよう、中小企業診断士に助言を求めた。
やはり、社長の思いに沿って助言することが、ものすごく大事ですね。
本日の攻略ポイント纏め
最後に本日出てきた攻略のポイントを纏めておきます。
本日はここまで!
明日はレジェンド投稿です!
どなたが降臨されるのか、お楽しみに♪
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たいしんさん
こんにちわ。シリーズ第2段ありがとうございます。
「活かさない強みは、もはや強みでない」
力強い言葉です。
助言で使う強みをSWOT、3Cで選ぶとしてましたが、この言葉の方が本試験でも心に残りそうなので、使わしてもらいます。
令和5年の事例Ⅱは第2問、第3問がふぞろいを見ても正解が読み取りにくいですが、強みを活用する点だけは不変だと信じています。
次回も楽しみにしています。
tomiさん
日々の勉強、お疲れ様です!
いつもコメント頂き、ありがとうございます。
tomiさんの心に残る言葉を伝えることができ、嬉しい限りです。
仰る通り「強みを活用する点だけは不変」という考えは、とても共感致します。
2次試験まであと2か月となりましたね。
事例Ⅲの分析記事も然り、最後まで伴走させて頂きます^^
共に走り抜けていきましょう!
横から失礼します。怪盗にっくです。
「活かさない強みは強みでない」
頂きました!
ありがとうございます!
にっく
にっくさん
じゃんじゃん頂いちゃってください!^^