Dr.サロのダメ解答研究所(前編)

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2次試験本番まであと1ヶ月!
今日は試験勉強を頑張っているみなさんにホッと息抜き。
秋セミナーでお送りした「ダメ解答研究所」をブログでもお送りします。
ダメ解答とは、いわゆる得点の入りにくい解答の典型例のこと。
どのようなダメ解答例があるのかを知り、その原因と対策方法を知っておくことで、ダメ解答を作らない為の気づきを得て欲しい。
そんな願いを込めて設立されたダメ解答研究所。
ダメ解答研究所の設立者 Dr.サロ、人造人間70号 (なおちゃん)、人造人間10000号 (まんちゃん)が研究の成果を紹介していきます。


私がDr.サロじゃ。
このあとすぐ、ダメ解答研究をはじめるぞ。
みなさんも「どこがダメポイントなのか?」、一緒に考えながら読んでくれるとうれしいぞ。
○○をだいぶ余らせてしまっている
~平成30年度 事例Ⅰ 第1問~
研究開発型企業であるA社が、相対的に規模の小さな市場をターゲットとしているのはなぜか。その理由を、競争戦略の観点から100字以内で答えよ。

博士、トップバッターは是非とも私めにお任せを!


私めはこの解答には自信があったんです!
ちゃんと理解してることをアピールするために「余計なことを省いて1本釣り」で仕留めたんですな。
これは、字数をだいぶ余らせてしまっているダメ解答じゃ。
いくら自分の書きたいことは書き切ったといっても、
下の方が空欄のままでは、せっかくの回答欄がもったいないぞ。


なおちゃんはだめね~。
私の解答はこうよ。


回答欄を書くことは自分の言いたいことを採点者に伝えるための唯一の手段なのよ!
回答欄は95%以上埋めて多面的に書く!因果のどちらかが抜けていないかにも注意よ!
さすが、回答欄を使い切っていて、良い解答じゃ。
効果についても書かれており、高得点が期待できるぞ。

回答欄を書くことは、自分の言いたいことを採点者に伝えるための唯一の手段です。
① 回答欄は95%以上埋めましょう!
② 多面的に書きましょう
③ 因果のどちらかだけになっていませんか?(原因と結果のどちらか一方だけ)
○○だけ箇条書き
~令和3年度 事例Ⅲ 第3問~
C 社社長は、自社ブランド製品の開発強化を検討している。この計画を実現するための製品企画面と生産面の課題を120 字以内で述べよ。

博士、私めに挽回のチャンスをください!


私めも、いよいよコツをつかんた気がしますぞ。
「ふぞろい採点」をしたらこの設問は満点でした!
これは、キーワードだけ箇条書きなダメ解答じゃ。
いくらふぞろい採点で満点だったからと言って喜んでちゃいかん。
自分の解答を読み返してみたら、文章として読みにくいことがよくわかるぞ。


なおちゃん、よくもここまでキーワードを詰め込んだわね。


キーワードがたくさん入っていたとしても、文脈として成り立っていない解答は高得点にならないわ!
答案は中小企業診断士が作る報告書を意識して、経営者が一読して理解できる内容で!
体言止めもいいけれど最低限の修飾語や目的語は使った方がいいわ!
さすが、きれいな文章じゃ。
製品企画面と生産面の課題を分けて書いてあるのもよいぞ。

文脈として成り立っていない解答は高得点が得られません。
①答案は中小企業診断士が作る報告書の意識で書きましょう。
②経営者が一読して内容が理解できるものとしましょう。
③体言止めでもいいですが、最低限の修飾語や目的語は使いましょう。
○○が邪魔する
~令和2年度 事例Ⅰ第3問~
現在、A 社長の右腕である執行役員は、従来のルートセールスに加えて直販方式を取り入れ売上伸長に貢献してきた。その時、部下の営業担当者に対して、どのような能力を伸ばすことを求めたか。100 字以内で答えよ。

博士、これは私めの生業である「営業」に関する問題ではないですか!


これだけはしっかり説明させてください!
自社の経営資源を活用した営業スタイル。
ゴルフや接待など自分の経験を生かした多面的な解答ができて、ラッキーちゃん☆
これは、実務経験が邪魔をしたダメ解答じゃ。
なおちゃんは営業専門の人造人間だから、自分の成功体験が書かれておる。
そのせいで、与件から外れてしまっておるぞ。


(さすがの私も「癒着」には言葉を失うわ。。。)


自分の仕事と近い出題ほど注意が必要よ!
どんな時も与件ファースト!社長の想いを読み取ることを意識するのよ!これはどの事例でも言える事ね!
さすが、まんちゃん。
与件ファースト、大事なことを言ってくれたぞ。

自分の仕事と近い出題ほど、むしろ要注意です。
①試験と割り切り、与件ファーストを心がけましょう。
②社長の想いを読み取って意識しましょう。
③どの事例でも要注意!
○○っぽいことを書く
~令和3年度 事例Ⅰ 第4問~
2代目経営者は、プロジェクトごとに社内と外部の協力企業とが連携する形で事業を展開してきたが、3代目は、2代目が構築してきた外部企業との関係をいかに発展させていくことが求められるか、中小企業診断士として100字以内で助言せよ。

先ほどまんちゃんが言ってた「与件ファースト」を気をつけて・・・


「サプライチェーンの強化」「自社の売上拡大」理由と効果を明確に意識しました。
与件文ファーストで読み取って、広い視点で考えたんですな!
これは、他の事例っぽいことを書いたダメ解答じゃ。
与件文から読み取った内容だとしても、事例Ⅰの組織・人事に関係の薄い助言は注意した方がよいぞ。


なおちゃんったら、単純なんだから~。


事例毎の出題内容に沿った解答をすることが大事だわ!
どうしても逸れてしまいそうであれば、幸の日も毛深い猫とかのフレームワークを覚えて使うことも有効よ!
よいな、フレームワークを使うこともオススメじゃな。

事例毎の出題内容に沿った解答を意識しましょう。
事例Ⅰ:組織・人事
事例Ⅱ:マーケティング・流通
事例Ⅲ:生産・技術
フレームワーク(幸の日も毛深い猫など)を覚えて使うことで、他の事例っぽい施策を書くことを避けやすくなります。
○○を超えた投資を助言する
~平成27年事例Ⅲ 第2問~
C社の設備投資は、鋳造工程が優先されてきた。これによって生産工程に生じている問題点と、その改善策を100字以内で述べよ。

私め70号、世を忍ぶ仮の姿は機械屋の営業マン!
お任せあれ!


追加投資で、機械を増やすか、
最新型を導入すればすべて解決☆
社長さん「機械化で人件費圧縮を図りませんか!?」
これは、中小企業の枠を超えた投資を助言したダメ解答じゃ。
生産工程の能力不足が問題だからと言って、高価な最新装置を導入するのは中小企業ではなかなか判断できないぞ。


なおちゃん、助言する相手は中小企業なのよ!


計画の見直しやマンパワーの向上、5Sでレイアウトの改善
といったお金のかからないことから検討することが大事よ!
そうじゃな、現状の経営資源の範囲で、時間やお金がかからない助言をしたいものじゃな。

助言する相手は中小企業です。
まずは「計画の見直し」→「マンパワーの向上」→「5Sでレイアウトの改善」
などのお金が掛からないことからを検討しましょう。
課題に対して○○を書く
~平成29年度事例Ⅰ 第5問~
「第三の創業期」ともいうべき段階を目前にして。A社の存続にとって懸念すべき組織的課題を、中小企業診断士として、どのように分析するか。150字以内で答えよ。

課題を問われておりますな。
A社ができていないことは何かしら??

これは、課題に対して問題点を書いたダメ解答じゃ。
似てはいるが、その違いはよく理解しておかねばならんぞ。


昭和生まれの私めには、課題と問題点って言われても区別が難しいんです!

こんなのキホンのキよ!
(昭和な表現がうつっちゃったじゃない!)


「問題点」はできていないこと、「課題」は問題点を解決するためにやるべき事よ!
これを間違えると得点に結びつきにくくなるので注意が必要よ!
さすが、まんちゃんじゃ。
よく理解しておるな。

「問題点」というのはできていないことを意味します。
それに対して「課題」というのは問題点を解決するためにやるべきことを意味します。
課題を問われる問題は頻出ですが、間違えると得点に結びつきにくくなるので、注意しましょう。
○○を複数書く
~令和元年度事例Ⅰ第1問~
A社長がトップに就任する以前のA社は、苦境を打破するために、自社製品のメンテナンスの事業化に取り組んできた。それが結果的にビジネスとして成功しなかった最大の理由は何か。100字以内で答えよ。

最大の理由?
私めを困らせようと思っても、わたくしめは動じませんぞ!


最大の理由を①に書いて、その他の理由を②と③に書いたんだよ。
多面的に理由を述べられたと思うよ。
これは、最大の理由に対して複数の理由を並列に書いたダメ解答じゃ。
設問で聞かれた通りに答える必要があるぞ。


最大の理由。たしかに、少々難しいわね。


こんな時は、設問の意図に沿って「最大の○○・・・」で書き始めて、「具体的には・・・」で細かい説明をすると書きやすいわ!
さすが、まんちゃん。この解法の型はよいな。
ナイスなアドバイスじゃ。

「最大の○○」を答える設問は解答の方法が難しいですが、設問の意図に沿って解答をする方が無難と思われます。
「最大の○○は・・・」で書き始めて、「具体的には・・・」で細かい理由を説明すると書きやすいです。
社長の○○を無視
~令和2年度 事例Ⅱ 第4問~
B 社社長は、自社オンラインサイトのユーザーに対して、X 島宿泊訪問ツアーを企画することにした。社長は、ツアー参加者には訪問を機にB 社とX 島のファンになってほしいと願っている。絶景スポットや星空観賞などの観光以外で、どのようなプログラムを立案すべきか。100 字以内で助言せよ。

事例Ⅱと言えば、、、「B社の売上拡大」だよね!


何よりもまずB社の売上拡大に繋がるような施策を書く事が大事っしょ!
これは、社長の思いを無視したダメ解答じゃ。
社長はB社の売上をしたいのはもちろんじゃが、それ以外にアツい思いはなかったかな?


なおちゃん、私の美しい解答をご覧なさい!


こういう時は社長の思いを細分化するのよ!
「訪問を機に」だから現地体験、「B社とX島の」だからB社とX島の強みや魅力という風に社長の思いを捉えて回答していくのよ!
さすが、まんちゃん。
B社とX島のファンになってもらい、地域活性化をしたいという思いを正確に読み取った解答じゃ。

社長の思いを細分化しましょう。今回は設問文の記載から以下の要素に細分化できます。
- 「訪問を機に」
- 現地体験
- 「B社とX島の」
- B社の強み・使える経営資源
- X島の魅力(差別化要素)
- 使える機会、脅威は?(島の風習、農家の減少)
- 「ファン」
- 顧客の満足度向上、顧客との関係性強化
つづきはまた次回・・・
13代目の道場メンバーで集めたダメ解答例、数が多いので残り半分は、次回ブログで紹介します。
試験勉強で大変なときだと思いますが、最後まで読んでいただいてありがとうございました。
このお話は「設問」「解答例」以外は、登場する団体・人物等すべてフィクションです。
あしたはなおちゃん、、、じゃなくてなおの番です。
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