【渾身】経営情報システムの略語を攻略(2022年度版) by どらごん
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どうも、どらごんです。
大型連休は梅雨入りを待つカタツムリみたいに家でジッとしていたいです。
今回は経営情報システムの略語に関する記事です。
経営情報システムは日々、仕事や趣味でITに触れあっているかどうかによって得意・不得意が大きく分かれる科目です。
そんなITは生まれも育ちもアメリカ。そのため他の科目と比較してやたらとアルファベットの略語やカタカナ用語が多いです。苦手科目とされている方はこの略語がなかなか頭に入ってこないのではないでしょうか。
今回はそんな経営情報システムの略語に着目し、略語が苦手な方に(得意な方にも)役立つ情報をご提供したいと思います。それではどうぞ。
経営情報システム略語一覧
まずは、先代が整理した「経営情報システム出題略語一覧(Excel)」を2022年度版に更新しましたのでこちらをご覧ください。
今回、タイトルに【渾身】と銘打っているのは本資料のことを指しています。歴代のIT系道場メンバーに連綿と受け継がれている渾身の資料です。秘伝のタレみたいに毎年少しずつ味を継ぎ足しています。
経営情報システム略語の出題頻度
過去10年間で略語がどれくらい出題されているか、また初出の略語はどれくらい出題されているかを集計すると以下の通りとなりました。
毎年30~50個程度の略語が問題文・選択肢で出題され、そのうち3割前後は過去に出題がない略語であることがわかります。14年間で1回しか出ていない略語も151個もあり、毎年幅広く出題されています。
逆に言えば7割近くは過去どこかで出題されている略語であり、出題頻度が高い略語は優先して理解しておく必要があります。
ただ、ここ数年は略語数も減少傾向です。その分カタカナ語が増えているように思えます。「ビッグデータ」なんかは「BD」とはあまり略さないです。世間一般への認知度を高めるための風潮なのでしょう。
また、AIに関する用語は「深層学習」「教師なし学習」や「技術的特異点」など意外と漢字が多いです。「深層学習」はDL(Deep Learning)、「機械学習」はML(Machine Learning)とも略されますが、中小企業診断士の試験では漢字版の方を採用しているようです。漢字版の方が直感的に分かり易いですね。
令和3年度出題のトピック
令和3年度に出題された略語数21のうち、道場で集計を始めた平成20年度以降で初めて出題されたのは以下の8つです。
BSD | Berkeley Software Distribution |
DX | Digital transformation |
GNU | GNU is Not Unix |
PoC | Proof of Concept |
Python | Monty Python’s Flying Circus |
SoS | System of Systems |
SRE | Site Reliability Engineering |
VDI | Virtual Desktop Infrastructure |
ひとつひとつの略語の詳細説明は割愛します。(資料をご覧ください)
「DX」は意外にも初出だったんですね。今後伸びそうな略語のひとつです。2文字目がなぜ「X」なのかというと、Transformationの接頭辞の「Trans」を英語圏では「X」と書く慣習があるためです。ChristmasをXmasと略記するのと同じようなものです。
「Python」(パイソンと読む)は意外と歴史が古いプログラム言語で、やや悪ふざけに近い形で命名されています(厳密には略語ではないですが…)。YouTubeやInstagramなどに活用されている言語で、AI分野にも強く、2022年現在で人気No.1のプログラム言語です。
そして上記のフレッシュな略語が登場したのとは対照的に、13年連続登場だった「LAN」が姿を消しました。大物演歌歌手が紅白歌合戦を卒業した気分です。まあ普通に再登場するでしょうけど。
一方で「SOA」「RFID」「XP」が10年以上ぶりに登場しました。10年前は新人でしたが、だいぶ年季の入った略語となりました。
【コラム】
上記の「Python」もそうですが、IT用語の中にはノリというかジョークで命名されているものが数多くあります。
例えば同じプログラム言語の「Ruby」は、「Perl」という別のプログラム言語にあやかって6月の誕生石(パール)の次の7月(ルビー)から名付けられました。クックパッド、食べログなどのWEBサービスで使用されているMade in Japanの言語です。
他にも以下のように。(試験には多分出題されません)
- モンキーテスト …ソフトウェアのテストで、その場の思いつきで操作するテスト。サルになった気分で。
- ミッキー …マウスの移動距離の単位。夢の国にいるミッキーの語源もいろいろ説があるとのことで。
- Google …googol(10の100乗)のスペルミス。今頃もしかしたら「ググる」ではなく「グゴる」だったかも。
IT用語も興味を持って調べてみたら色々と発見があって面白いかもしれません。
どうせなら興味を持って楽しく学びましょう。
経営情報システム略語の出題法則
過去14年分、260個の略語を分析するといくつか法則が見えてきます。
末尾「L」はほぼほぼ「Language」
末尾が「L」の略語が20個ありますが、そのうち14個(70%)は「Language」(言語)です。そもそもプログラム言語の略語は末尾「L」が多いです。
試験で分からない略語が出てきて、その末尾が「L」だったときはほぼ「Language」です。
末尾「P」はだいたい「Protocol」
末尾が「P」の略語が32個ありますが、そのうち18個(56%)は「Protocol」(手順、規約)です。いずれもネットワークに関する手順・規約を意味します。
試験で分からないネットワークに関する略語が出てきて、その末尾が「P」だったときは「Protocol」だと思いましょう。
「N」はまあまあ「Network」
末尾に限らず「N」が含まれる略語が27個ありますが、そのうち14個(52%)が「Network」です。
出題回数1位(13回)の「LAN」(Local Area Network)と、同3位(10回)の「VPN」(Virtual Private Network)といった大御所が鎮座しています。
テレワークの普及で今後ますますの登場が期待されます。
一方で同2位(11回)の「DNS」(Domain Name System)といった「Network」でない「N」もベテラン選手として君臨しています。あわせて覚えましょう。
スペルや響きが似た略語
試験では似たようなスペルや響きの略語が同じ問題の異なる選択肢として出題されることが多いです。紛らわしいのでイジワル問題も作りやすいのでしょう。「UFJ」と「USJ」みたいなものです。
以下にいくつか紹介します。太字の部分を中心に効率よく覚えましょう。
S○○P
「S○○P」で正式名称が「Simple なんとか Protocol」である略語は以下の4つです。いずれも過去3回以上出題されている頻出略語です。
SMTP | Mail Transfer | 電子メールを伝送するためのプロトコル |
SNMP | Network Management | ネットワーク機器を監視・制御するためのプロトコル |
SNTP | Network Time | コンピュータの時刻を同期させるためのプロトコル |
SOAP | Object Access | 異なるコンピュータが連携して動作するためのプロトコル |
○○ML
末尾が「ML」で正式名称が「なんとか Markup Language」である略語は以下の5つです。マークアップ言語は、文章をタグなどで囲むことで構造を表現する言語です。
SGML | Standard Generalized | HTMLのもととなった言語 |
HTML | Hyper Text | Webページを記述するための言語 |
XML | Extensible | 拡張性の高いデータ記述用の言語 |
XHTML | Extensible Hyper Text | HTMLをXMLに適合するように定義し直したもの |
DHTML | Dynamic Hyper Text | CSS、JavaScriptを組み合わせた動的なページ構成 |
○aaS
末尾が「aaS」は「なんとか as a Service」の略語で以下の5つです。クラウドサービスで提供される形態を意味します。
SaaS | Software | ソフトウェアのクラウドサービス |
PaaS | Platform | プラットフォームのクラウドサービス |
IaaS | Infrastructure | インフラ(サーバやネットワーク)のクラウドサービス |
DaaS | Desktop | デスクトップ環境のクラウドサービス |
MaaS | Mobility | 交通機関に関するクラウドサービス |
経営情報システム略語の覚え方
歴代道場記事を参考に
歴代道場記事で経営情報システムの略語(用語)の覚え方に関する記事を集めてみました。錚々(そうそう)たるラインナップです。ぜひご一読を。
- 経営情報システム 専門用語の攻略法【中小企業診断士】 by.3ch
- 中小企業診断士1次試験-情報:単語集作成のススメ by.おべんと君
- 【渾身】情報ゴロ合わせ総まとめ! by.かわとも
- 【情報システム】大量の横文字や略語に対応するには by.きゃっしい
- 【経営情報システム】迷いやすい用語を覚えるには by.TOM
正式名称で覚えよう
上記の記事にも記載されていますが、略語は正式名称で覚えたほうが記憶も定着しやすいです。
「DNS」=「Domain Name System」=「ドメイン名とIPアドレスの対応関係を管理するシステム」といった具合に。
また前章の「スペルや響きが似た略語」でも示したように、似たような略語はグルーピングして、正式名称の差異の部分だけを覚えると効率がいいかと思います。
文字の形状や語感から覚えよう
皆さんは「UFJ」の正式名称を知っていますか?「UFO」は?「BTS」は?もっと言えば「電卓」や「経済」などの略語はどうでしょう。
これらの略語からその意味を理解するとき正式名称までは連想しないはず。おそらくは文字の形状や語感(音の響き)などから「銀行」だったり「未確認飛行物体」を想像しているはずです。
何が言いたいかというと、日常生活レベルまで浸透した略語は「習ったというより慣れた」ということです。そして経営情報システムの勉強も意識を高めて日常的に取り組めば、自然と覚えも早くなるのではと思います。
コラムにも書きましたが、どうせなら興味を持って楽しく効率的に学びましょう。
最後に
中小企業にITを導入・活用することによって「生産性の向上」「ビジネスチャンスの拡大」といった効果が期待できることは言うまでもありません。
そして中小企業診断士がITに詳しくない社長にわかりやすくIT投資の重要性などを説明・助言する際には、これまで示した経営情報システムの略語の意味を理解しておく必要があります。
皆さんも中小企業診断士になった後の実務を想定して経営情報システムの略語の理解に取り組んで頂ければと思います。
明日はまよです。お楽しみに。
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