中小企業診断士の実務補習体験記~活動概要編~by池やん

こんにちは、池やんです。
もうすぐクリスマス。すてきな時間を過ごしましょう!

本日は前回に続き、私が7月に大阪地区で受講した実務補習の体験談をお伝えします。

今回はタイトルのとおり、準備が終わってからの実際の活動概要についてです。

あらためて、そもそも実務補習とは何ぞや、という方は先代3chの『実務補習5日間or15日間(中小企業診断士)』をお読みください。

それでは、どうぞ。

実務補習1日目~オリエンテーション・社長ヒアリング~

オリエンテーション

待ちに待った初日。9時に大阪商工会議所に集合しました。

該当班の部屋に入室すると挨拶そこそこに、指導員から名前を確認され、Wi-Fiをポイっと渡されました。

どうやらリーダーが・Wi-Fiを管理するようになっていたようです。しかし、ちょっと大きく毎回持ち歩くのはかさばりましたね~。

まずは、全体でお約束の名刺交換

私の班は私以外会社員で、会社の名刺でご挨拶されていました。

独自の名刺を作っていた方はいませんでしたので、作っていたら印象に残るかもしれないですね。

その後、自己紹介

最初に指導員が自己紹介し、その後「経営戦略(私)⇒財務会計⇒営業マーケティング⇒製造⇒情報・購買⇒人事労務」の担当順に自己紹介行いました。

1分程度で簡単に自己紹介できるといいですね。

私たちの班は、男性5名、女性1名(40代2名、30代4名)の構成でした。

実務補習の経験回数は、1回目3名、2回目2名、3回目1名で、経験値のバランスも良い組み合わせだったんじゃないかと思います。

次に、担当別(↑と同じ)に想定している質問事項を発表して、メンバー同士でフィードバック&指導員からの指導を得て質問事項を整理します。

この時、指導員から「診断先の社長と会うのは今日が初めてで、診断先のニーズは不明」とお聞きしました。指導員が診断企業先に決算書をお預かりに行った際、社長は不在だったことがこの時分かりました。

そうこうしている内に、診断企業先への移動と食事(小籠包)です。

当日はあいにくの急な雨のため、コンビニで傘を購入して向かいました。天気次第では折りたたみ傘を持参しても良いかもしれませんね。

周りを見渡せば、スーツ上着とネクタイは不要だったようです。余計な荷物が・・・。

これも指導員によって考え方が異なるかもしれませんが、事前に確認しとけばよかったと少しばかり後悔しました。

夏の実務補習に参加するときに、指導員から周知がない場合には、服装を事前に確認しておくといいかもしれないですね。

社長ヒアリング

午後はいよいよ社長ヒアリング

担当順に事前にすり合わせした質問事項を社長にお聞きしていきます。

ヒアリングは全然時間が足りません。限りある時間の中で、ポイントを絞った質問をしていき、会話の流れで深掘りしていきましょう。

社長のお話に耳をすませ、相槌を入れ、共感しながらも、聞くべきことはサッサと聞くのが大切です。繰り返しますが、時間がないので。

社長が話し出すと止まらないタイプの場合は気を付けてくださいね。後で確認しておけばよかった、とならないように気を付けてください。

それでも、ヒアリングの時間は足りませんが・・・。

その後は、工場見学(診断先は金属加工業です)。

社長から工場内の説明をして頂きます。

診断先の製造現場における工夫を教えて頂き、なるほどーとみんなで話したのを覚えています。

それから、社長に了承頂いた上で、工場内の作業風景やレイアウトなど、複数個所の写真を撮らせて頂きました。(もちろん、報告書にも使いますよ~)

思ったより工場見学に時間を要したため、当初予定していた会議室に戻って全体でヒアリングを整理するのは翌日に持ち越しとなり、この日は17時前に駅で解散しました。

■社長ヒアリング時のメモ

その後の提案に必要な情報なため、全員でメモを取りましょう。

人によって解釈は異なりますし、MECEに情報整理するためにも全集中です。

私たちの班は、私がPCにメモを取り、他のメンバーはノートにメモを取っていました。

(みんなPCを持ってきているのに、出さないんだな~と思いつつヒアリングがスタート。)

他のメンバーの様子を見て、ポイントと判断したところはメモするだろうと思ったので、ヒアリング内容は全量タイピングしました。

さすがに手が疲れましたが…

帰宅後はヒアリング内容を整理し、工場見学で撮った写真とセットで、Dropboxにアップして初日の私の活動は終了です。

実務補習2日目~現状分析・課題抽出・提言の検討~

2日目は初日と違う公的施設の会議室でした。

この日は、提言の方向性を固めます。

冒頭、指導員から「リーダー好きに進めてください」と言われたので、「自由だな~」と内心思いながら好き勝手にやらせて頂きました。ありがとうございますm(__)m

ザックリ以下のSTEPで進めました。

①ヒアリングの認識すり合わせ

②SWOT分析

③課題抽出および提言出し

④全体提言内容の可視化

①ヒアリングの認識すり合わせ

前日に私が格納したヒアリング結果の内容をもとに、各自の認識(記憶・メモ)が一致しているか、記載内容に誤りや漏れはないか、の観点でヒアリング結果を整理することから始めました。

ヒアリング内容の確認中に、出てくる問題点に対して一部メンバーから「○○したら」、「いや、△△じゃないか」などの意見が出てくるのですが、その都度軌道修正を図り、ヒアリングの内容を確定させるのに注力します。

まずは、診断企業に対する全員の共通認識を図るのを優先します。

問題点の指摘、改善策を出したい気持ちはわかるのですが、それは先のSTEPです。

②SWOT分析

次にSWOT分析です。(指導員から外部環境分析なしで、SWOT分析をするよう指示がありました)

会議室にあるホワイトボードを使って整理していきます。

ちなみに隣の班では、プロジェクターに投影して進めていました。

強み・弱み・機会・脅威の視点、且つ社長ヒアリングの内容から各担当別に整理を進めます。

そして、機会・脅威については、事前にPEST分析、5フォース分析を行っていたため、それに診断企業のヒアリング結果を考慮してまとめました。

ここではディスカッションをしながら、SWOTの要素をできるだけ多くホワイトボードに書き出すことを意識して進めています。

こうして内容を整理していくのは、2次試験に通じるところがありますね。

ここまでやって午前終了です。

③課題抽出および提言出し

午後は、午前中に取り組んだ内容をもとに課題を抽出し、提言の骨子を考えます。

この時使ったのがクロスSWOT分析です。

担当分野ごとに提言を検討、ディスカッションし、ブラッシュアップして方向性を定めます。

メンバー間で意見が出なくなったタイミングで、指導員からアドバイスを頂き、提言の骨子を仕上げます。

このクロスSWOT分析について、よがは勤務先の事業企画や補助金申請で活用しています。とても興味深いのでぜひご覧あれ。

④全体提言内容の可視化

2日目最後です。

仕上げに各提言の優先順位付けを行い、ホワイトボードに図・矢印を使って、戦略マップを描き、提言全体の繋がりを可視化します。

ディスカッションしながら、取り組む提言を時系列順にナンバリングして、全員の合意を得ました。

最後にホワイトボードに書いた内容を写真で撮って、Dropboxでシェアします。

ここまでで15時をちょっと回ったところです。

残り時間は、担当ごとに作業を進めつつ、必要に応じて各論の中で気になったことをディスカッションしました。

最後に、各担当の暫定版提案書をそれぞれWordで12ページ作成し、4日後(7/7中)にDropboxに格納することに決めます。

ネットで予備知識をつけていましたが、実務補習経験メンバーのアドバイスをもとに、Wordのフォーマットを整備して、形式(フォント、ですます調、英数字は半角全角など)を決めておきます

最後の最後に各担当のWordファイルを統合する際に、見直しは入りますが、やってたおかげで最後の手間は減ったと思います。

これで、17時半に2日目解散です。

帰り道に話していると実務補習参加経験のあるメンバーから、これまでと比べて圧倒的に早い、とのこと。

早ければいいとも、夜な夜なディスカッションしたからいいとも思わないですが、担当者視点で見ると余裕を持って報告書作成ができるので仕事や家庭と両立できるという点で助かったみたいです。

2日目以降で役立つのが、タコ足配線です。

これからみんなでPCで作業をする時に、電源がないと困りますよね。

私ともう一名が持ってきていたので、余裕をもって作業ができました。準備しておくとよいですよ。

作業期間【実務補習2~3日目の間】

7/4は2日目に可視化した戦略マップを提言チャートに落とし込みました。

他のパートに影響のある全体戦略なので、早めにメンバーにシェアしたかったですね。

7/5~7/6にかけては、経営戦略パートの資料をまとめていきます。

詳細は割愛しますが、現状分析、課題、提言の3つの章立てでまとめます。

その間、他メンバーの進捗をフォローしつつ、チーム内で質問&回答を行いながら作業を進めました。

途中メンバー間で判断できない点が出た際は、指導員に確認を行い、円滑に進むよう気を配ります。

メンバーが懸命に取り組んだ結果、設定した期限までに全員が資料作成を終えることができました。

7/6の夜は、各担当が作成した資料に目を通し、気づいた点をフィードバックし、7/7には指導員に確認依頼の連絡を入れています。

7/8の朝7時頃に指導員から、「Dropboxに格納している資料はどこ?」って確認の電話がありました。

おいおい、ちゃんと見ろよ、と内心思いつつ大人の対応。すると当日夜には、指導員から担当毎に追加で資料に盛り込むべき視点についてアドバイスを頂きましたので、「やるじゃん」と見直しましたね(笑)

アドバイス内容に納得いかない部分については、指導員に私の考えを伝えた上で報告書の落としどころについて、電話ですり合わせさせて頂きました。

指導員のアドバイスは真摯に受け止めつつも、自分が論理展開していた部分で、どうにも納得いかないことがある場合には遠慮なく議論してよいと思います。診断企業に良い最終報告をするために、少なくとも私の指導員は話を聞いてくれましたよ。

7/8~7/9にかけて、自身の資料の追記・修正および他メンバーからの質問への回答、資料査閲を行い、ようやく後半戦に突入です。

■作業期間中ってそういえば…

振り返ってみると、この7/5~7/8の作業期間中、島根県に出張していました。

仕事が終わるとホテルで作業、を繰り返していました。

逆に、家じゃなかったから捗ったのかもしれないですね(笑)

そして、ちょうど台風が直撃する、という何とも言えないタイミングだったことを覚えています。

出張最終日は一部電車がストップしていたため、翌日の実務補習のため、急遽高速バスを使って大阪に戻りましたが、中々にハードな移動でしたが、それも含めて良い思い出ですね。

実務補習3・4日目~すり合わせと印刷・製本~

久しぶりの集まりです。

常時やり取りをしていたとは言え、やはり顔を合わせてやるほうが議論しやすいですね。

実務補習2日目以降は各自作業をしていたこともあり、まず、全体方針の再確認を行いました。

みんなが作成していた資料は事前に確認していたので、若干ズレてると感じた部分を早めに修正します。

そして、提言の全体戦略から個別パートの各論の優先度をすり合わせました。

各パートの資料を相互チェックし、ディスカッションをしながら報告書の最終修正を行います。

作業の合間に、目次や提言要約表、表紙等も作成します。

表紙は、製造担当の背後から撮った工場の様子がわかる写真を全体に使った、白黒調のカッコいい仕上がりです。

最終日に表紙を見た社長からナイスリアクションを頂いたときは嬉しかったですね~。

私にmasumiのようなセンスはありませんが、いい仕事をしたなと一人悦に入ってました(笑)

4日目のPM15時前には会場を出発し、梅田のキンコーズで印刷・製本依頼し、17時半に資料を受領しました。

最初にテストとして、表紙のみ印刷したところ資料の端が切れていたのに気づき、その場で修正しました。

PDFにした際、枠の中にうまく収まらなかったようです。同じことにならないよう十分ご確認ください。

当初は、製本の待ち時間にカフェタイムをする予定だったのですが、この時間帯の梅田は凄く混んでいたため、16時に解散です。

私は製本を受け取るために一人残りますが、これで4日目終了です。

実務補習最終日~社長報告~

ついに最終日です。

午前は資料をもとに担当者がプレゼン練習(1回)を行い、各自が気づいた点(良い点、改善点)を発表者にフィードバックします。

事前練習は大事ですね。

練習では時間をオーバーしていたので、本番までに再度話すことを整理して臨むことができました。

早めに移動して、初日と同じ場所で昼食です。

移動中や食事中に指導員がどうやって仕事をしているのか、バックボーンなど色々とお聞きすることもでき、面白かったですよ。

午後はいよいよ社長プレゼン

冒頭、社長から表紙に対する喜びのコメントを頂き、和やかな雰囲気の中、ほとんどのメンバーがほどよい緊張感をもって最終報告ができたと思います。

社長に喜んでいただけるよう全力でプレゼンすれば気持ちは伝わりますので、その瞬間を楽しんでください。

私たちの報告内容に対して社長も十分に満足されていなかったと思いますが、うなずきやコメントを頂き、最後は笑顔で感謝の言葉を頂きました。

最後は全員でマイドーム大阪に行き、資料を提出して実務補習終了です。

さいごに

いかがだったでしょうか。

振り返ると反省点は色々でると思いますが、チームで一つのことをやり遂げる実務補習は貴重な時間です。

倒れるときは前のめり、の精神でやってみると結果なんとかなっているものです。

前向きに一生懸命取り組んで、あとは思いっきり楽しみましょう!

あなたが2次試験合格後、実務補習を受講される際の参考になれば幸いです。

さてさて、気づけば2021年も今日を含めて残り10日。

今日が私の年内最後のブログでした。

元気に楽しく、笑顔で新年を迎えましょう!

明日はよがです。お楽しみに!

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中小企業診断士の実務補習体験記~活動概要編~by池やん”へ2件のコメント

  1. ロム より:

    池やんさん、実務補習の体験記事をありがとうございます。

    各日の詳細な行動、作業内容などをリアリティに溢れていて、非常に楽しく読ませて頂きました。
    他のブログでの実務補習記事との比較になりますが、池やんさんは非常にスムーズに実務補習が進んだように思えました。
    細かい注意点や用意すべきものも教えて頂いたので、自分が実務補習を受ける前には本記事を読み直して準備を行いたいと思います!

    池やんさんの今年最後の記事とのことで、お疲れ様でした。
    試験勉強期間中の記事だけでなく、試験後も実務補習記事や養成課程の記事など、大変貴重な情報満載で、楽しく記事を拝見させて頂きました。
    今年一年、お疲れ様でした。
    よいお年をお迎えください。

    1. 池やん より:

      ロムさん

      コメントありがとうございます。

      2次試験後に実務補習の記事を書こうと思っていたので、
      実務補習期間中にしたことをリアルタイムでPCにメモとっていました。
      楽しんで頂いたみたいでよかったです。

      私たちの班は集合した日も時間内に解散していたので、
      他の班と比べると早かったと思います。
      こればかりは偶々、診断企業、指導員、メンバーの巡りあわせなんでしょうね☆
      ロムさんが実務補習をされる際に
      メンバー間で深く議論し尽くして笑顔で最終日を迎えられるといいですね。

      ロムさん、12代目メンバー全員に日々コメント頂き、
      本当にありがとうございましたm(__)m

      ロムさんも良いお年をお迎えください!

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