2次試験の経験は無駄じゃない!~役立ったと思う2つの出来事~

事例Ⅴ 一発合格道場慰労会

みなさん、2次筆記試験おつかれさまでした!!!
1次試験から長きにわたり、受験勉強本当によく頑張りました。試験の結果はひとまず置いておいて、これまでの疲れを共に頑張った仲間と一緒に飲んで癒しましょう!

●日時 11月27日(土)21:00~23:00
●場所 zoomにて
●募集期間 11月12日(金)12:00~
●参加要件 2021年度2次試験の受験生

こんにちは!よがです。
2次試験を受験された方々は、久々に勉強しなくても良い週末を過ごしたかと思いますが、ゆっくり休めましたでしょうか?

多くの方はこの1週間のどこかで再現答案を作成して、もう一度試験を振り返り「合格している気がしない…」「意外とイケてるかも⁉」と感触は様々かと思います。

試験後にちょっとネガティブになると「こんな2次試験に何の意味があるんだ(-`ω-)」と苛立ってきたりもします。私もそうでした。しかし、2次試験の経験は、診断士としての仕事に関わらず役立ったと感じるところがあります。

今回は「役立った!」と感じた実体験をお話しすることで今後の診断士の活かし方として、参考にしていただけますと幸いです☺

自社のクロスSWOT分析で役立つ!

今までたくさん事例企業でSWOT分析をしてきましたね。でも、皆さんが働いている会社のSWOT分析を自身で行ったことはありますか?

私が勤めているのは企業ではなく、ある法律専門分野の社団法人なのですが、職員は50人未満の中小企業規模の組織です。50年程事業展開している組織である為、ある専門分野においてはまぁまぁ事業をやり尽くしているのではないかとずっと思っていました。

しかし、昨年の診断士試験が終わった後に、真剣にSWOT分析をし、下記のように掛け合わせるクロスSWOT分析をしてみると、意外と採らなければならない戦略が見えてきます。

クロスSWOT分析

私の所属法人のクロスSWOTの結果をお見せしてしまうと、直ぐに身バレしてしまうマニアックな業界なので、SWOTの詳細はここで紹介できないのですが、このクロスSWOT分析によって新たな事業の企画が出来上がりました。偶然にも専務が同じような方向性を模索していたので、とんとん拍子で企画が進み、今はその企画を実現に向けて動いています。

診断士受験生の方々は大手企業にお勤めの方が多く、ご自身でクロスSWOT分析をせずとも、ちゃんとした事業の方向性が練られている企業の方が多いかと思います。しかし、自社が置かれている状況を改めて診断士として整理してみると、頭が整理されて新たな企画などが生まれるかもしれません。

2次試験で洗練されたSWOT分析能力は、試験後の今が実に良く研ぎ澄まされていることと思いますので、今お勤めの企業でお試しください!!!

余談

SWOT分析は意外と全然知られていない?

私の所属している組織は法律専門分野なので、法学部上がりの職員が多いのですが、殆どの職員がSWOT分析の存在自体を知りません。経営学部・商学部・経済学部ご出身の方であれば当り前なのかもしれませんが、SWOT分析を知らない社会人は結構いるのかもしれないと感じます。(私の狭い世界の話なので、普通の社会人であればご存知かもしれませんが…)

ただ、SWOT分析自体を知っていても、いざ会社の同僚とSWOT分析をやってみると「強み」と「機会」がごっちゃになって、上手く使いこなせていないという話も聞きます。もしかすると診断士として勉強してきたSWOT分析の能力は多くの場面で活かせるのではないでしょうか⁉

事業再構築補助金で役立つ!

道場以外の診断士としての初仕事は、事業再構築補助金申請のお手伝いでした。この事業再構築補助金において活かせる能力は正に2次試験だ!と感じるところが多かったのでご紹介します。

事業再構築補助金とは?

事業再構築補助金とは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って事業モデルの転換などに取り組む中小企業に対し、思い切った事業再構築への挑戦を支援するというコンセプトの補助金です。診断士としては、この新しい製品やサービスなどに関する事業計画書の作成をお手伝いすることが多く、私も第2回公募における申請をお手伝いしました。

事業再構築補助金の公募要領には、事業計画書は以下の1~4の項目について作成してもらいたい旨が記載されています。

補助事業の具体的取組内容(8~10ページ程度)

SWOT分析で自社の状況を示しつつ、クロスSWOTにより事業再構築の必要性をアピールします。そして、強みを活かし、どのように差別化して競争力強化が実現するかについて、その方法や仕組みを説きます。

STEP
1

将来の展望(3~5ページ程度)

具体的なユーザー、マーケット及び市場規模を示し、課題やリスクとその解決方法などを説きます。

STEP
2

本事業で取得する主な資産(1ページ以内)

本事業により取得する主な資産の名称、分類、取得予定価格などを説明します。

STEP
3

収益計画(1~2ページ)

本事業の実施体制、スケジュール、資金調達計画などを示し、「付加価値額」の算出根拠を説明します。

STEP
4

尚、ページ配分は採択例から見たおおよその目安を示しています。

ページ配分でもお分かりの通り事業再構築補助金の事業計画書においては「補助事業の具体的取組内容」「将来の展望」が特に重要です。

審査項目を捉える考え方が正に2次試験

事業計画書の構成は上記の通りですが、事業計画書における審査項目は「事業化点」「再構築点」「政策点」「加点項目」が明示されています。(詳細は本ブログ最後の参照をご覧ください)

例えば再構築点の中には「市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの最適化を図る取組であるか」という審査項目があります。この審査項目は、正に2次試験の設問で出てきそうな内容ですよね(笑)

このような審査項目をしっかり踏まえた事業計画を作成することが重要であって、ただ単に好き勝手なアイディアだらけの事業計画では審査が通らない申請です。この審査項目に沿った事業計画書の作成は、設問要求に沿って解答を考える2次試験ととても似ています。

ここに2次試験で培った「設問要求に沿って解答する能力」が役立ったと痛感しました。

強みを引き出す力

この事業計画書作成にあたっては、何度も申請企業の社長や関係者と打ち合わせをし、企業や事業の詳細をヒアリングします。申請企業にもよるかと思いますが、多くの場合、SWOT分析が明確でなく、これからの事業計画も詳細には決まっていない企業が多いようです。

そのため、SWOT分析もヒアリング内容から考えなければならず、特にこの事業計画書で重要になる「強み」や「機会」をひねり出す必要があります。

我々診断士受験生は、2次試験対策において多くの事例企業の与件文を読んできました。この与件文を読む際は「強み」や「機会」になりそうなワードを意識しながら読むように訓練してきていますから、「強み」や「機会」を予想して中小企業の社長に気づかせてあげる力が養われており、この力が役立つのです。

私の担当した申請企業は、新事業につながる「強み」をあまり意識しておらず、ただ単に今後成長が期待できそうなある業界に参入したいという企業でした。そこで、平成29年度2次試験事例Ⅱにおいて強みになっていた「次期社長の保育士経験」を意識して社長の前職経験を調べたところ、正に新事業に繋がる「強み」を発見することが出来たのです。

ここに2次試験を通して養われていた「強み」や「機会」を予想して中小企業の社長に気づかせてあげる力が役立ったと痛感しました。

余談

2次試験と違う診断士業務の面白さ

先程、事業再構築補助金においては審査項目を踏まえた事業計画でなければならず、好き勝手なアイディアだらけの事業計画にはできない旨を紹介しましたが、アイディアばかりになってはいけないということであり、アイディアを入れられないという訳ではありません。社長に対して新規事業におけるアイディアを提案して事業計画に盛り込むこともできます。

私の担当した申請企業の新規事業は私が全く知らない業界であったため、イチから調べて勉強しましたが、その業界における成功モデルを経済産業省HPなどから調べて事業計画に活かせそうなアイディアを探しました。各省庁で公表されている企業のモデルケースは国が求める事業モデルであると考えて、それらを参考に実現可能な範囲でアイディアを盛り込み、事業計画書を社長に提案しましたが、快く提案を受け入れてもらえました。

多くの場合2次試験において、自身のアイディアを盛り込んだ解答は御法度ですが、実際の診断士業務においては皆さんの経験や知識を基にしたアイディアを発揮できるフィールドが広がっています。

私の場合は、今までの経験があまり診断士に活かせていませんが、皆さんの「今までの経験×診断士資格」によって救われる中小企業が沢山いると思いますので、診断士資格取得後は是非、今までの経験を活かした診断士活動を展開していってください!

さいごに

今回は、2次試験対策の経験が「役立った!」と感じた実体験をご紹介しました。合格でも不合格でも、きっとその経験は血となり肉となり、いつか役に立ったと感じる時が来るはずです。

2次試験をただの試験として思わず、いつか活きてくる大切な経験であると思っていただけると嬉しいです☺

明日はアヤカです!お楽しみに~♬

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2次試験の経験は無駄じゃない!~役立ったと思う2つの出来事~”へ3件のコメント

  1. ロム より:

    よがさん、中小企業診断士の実務の記事をありがとうございます。

    クロスSWOT……? と思ってちょっと調べてみましたが、事例ⅡやⅢの最後の助言系の問題にて、自社の強みを機会にぶつけるようなことだったんですね、勉強不足でしたw

    受験生の時は与件文からSWOTを見つけてくればいいですが、実務になるとOやTについてはPEST分析などによって今の時代のタイムリーな部分を自分で見つけてこなければいけないんだよな……と当たり前のことに今更気付きましたw

    事業再構築補助金は一次試験の前に勉強してきましたが、実際に実務でのお話を聞くことができてモチベーションが上がりました! ありがとうございます!

    すみません、1点聞いていいのかどうか分からない質問なのですが、
    事業再構築補助金の申請での事業計画書では、写真やグラフなどはどのくらい使っていいものなのでしょうか?

    1. よが より:

      ロムさん、コメント頂きまして誠にありがとうございます。
      補助金申請が通った際、申請企業の方に喜んでいただくのは本当に嬉しい体験ですので、ロムさんも是非実務でご体験ください!
      また、事業計画書での写真やグラフの使用量は決まっていませんが、個人的には多めに入れてビジュアルからも一目で分かりやすく作成するのが良いかと思っています。審査の方も事業計画書をじっくり読み込まないと聞いたことがあるので、ここも2次試験同様に伝わりやすい内容を写真等を含めて記載することが大切なのだと思います!

      1. ロム より:

        よがさん、返信をありがとうございます。

        そうなると、写真やグラフなどを使った文書作成は早めに練習しておいた方がよさそうですね。

        貴重な情報をありがとうございました!

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