中小企業診断士2次試験 2018年度 事例Ⅱ 与件文解釈


だんだん2次試験の特性が分かってきたと思います。
解答プロセスが固まり始めたら、それを磨いていきましょう。

私がまとめた設問文解釈と与件文解釈を再掲します。(こちらからどうぞ

最近書いた古い年代のものから掲載されていますが、遡っていくと2020年度まであります。

(恐れ入りますが、事例Ⅳはありません。)

一度読んでいただいた方も、改めて読んでいただくと新たな気づきがあるかもしれません。

なお、今回の記事も含めて以下についてご留意ください。

・2020年度2次試験の直前に演習した時の解釈であり、複数回の演習・復習をした後の内容であること

・あくまでも「ひでさんはこう考えた」という私見であり、正解ではないこと

つまり、初見の80分間でここまで読み込んだわけではない、ということをご承知のうえ、「こういうところに目を付けると解答をつくりやすいですよ」という参考にご覧ください。

2018年度 事例Ⅱ 与件文をひもとく

前回は設問解釈(前回記事はこちら)をしました。

私がおすすめする解答プロセスは、設問文を読む前に業種等の確認のため第1段落だけ先に読んでから、設問文を読みこむ方法です。

ですので、先に前回記事をご覧のうえ、本記事をご覧ください。

設問文で「いつの」「何の話」について問われているのかを把握し、与件文の中から、解答のネタとして使える部分を探しやすくするためです。

与件文のチェック方法

与件文中に各設問と対応する部分や関連する部分に同じ色をマークします
※前回記事で設問文をマークした色です。
 第1問 ピンクでマーク
 第2問 青でマーク
 第3問 黄緑でマーク
 第4問 紫でマーク
 
設問文と直接紐づいていないけど気になる部分やポイントと思われる部分に赤ライン

部門名、工程名(事例Ⅲ)に赤四角枠

時制には赤丸 ⇒ コメント文では赤丸を表現できないので、赤文字とさせていただいています。

接続詞に

解答に盛り込むワードに(今回は記入がありません)

なお、上記のマークのつけ方はたまに間違っていることもあります。

また、マークのつけ方はいろいろな手法があり、自分に合った方法を探してください。

与件文・設問文のチェック方法のやり方は人それぞれでいいのです。

マークの種類を増やしすぎると見にくくなるかもしれませんので、「自分のちょうどいいところ」を探してください。

コメント文中で強調したい部分に グレーでマーク しています。

第1段落 B社の概要(人員構成・事業形態)

  • 明治初期に創業
    ⇒ 時制の確認
  • 2年前
    ⇒ 時制の確認
  • 英語に堪能な従業員
    ⇒ インバウンド客対応には英語対応が必須で、B社の強みのひとつだ。
    第2問、第3問の両方に関わりそうだから、緑でもマーク
  • 裏手には大型バス1台、乗用車6台分の駐車場がある。
    ⇒ 第1問の「自社」に関する記述なのでピンクでマーク

家族従業員3名、パート従業員4名(うち1名は英語が堪能)という体制。
小規模で人的経営資源が限られていますね。

第2段落 B社の概要

  • 創業以来、夕食は提供していない。
    ⇒ 老舗日本旅館で夕食が出ないなら、自分だったら宿泊しないな。
    旅の楽しみの一つがない。
    食材ロスや調理人の人件費を削減するという目的は分かるけど、削ってはいけないものを削っていないか。
  • 宿泊客から夕食を館内でとりたいという要望がある場合は、すぐそばにある地元の割烹料理店からの仕出しで対応している。
    ⇒ 地元企業との連携ができている、という点は強みだな。
  • 現在の宿泊棟は築45年である。客室には基本的にずっと手を加えていない。
    ⇒ 夕食の提供がなく、のちに出てくる各室に設置された洋式トイレとバスにも手を加えてない、大浴場もないとなると、B社に宿泊したいという理由はなんだろうか。
  • 古風な和室
    ⇒ 「手を加えていない」をポジティブに強みと解釈するかネガティブに弱みと解釈するかが微妙。
    「古い」と「古風」はちがうよね。
    インバウンド客には喜ばれそう。
  • 和の風情がある苔むした庭園
    ⇒ 特異表現。
    わざわざ「和の風情がある苔むした」と強調している。
    これはつかえそうなヒントだな。
  • 大浴場はないため、
    ⇒ 個人的には近所に温泉でもなければ、宿泊しないな。
    自分みたいな客層を呼び込むとすれば、B社は何をするべきなのか。
    そもそも、自分みたいな客層は、ターゲット層にならないのか。
  • 歴代の社長たちはみな、芸術や文化への造詣が深く、
    ⇒ マークしていないけど、追加コメント。
    単に好きだとか、趣味のレベルを超えているという強調表現だな。
    ニッチな顧客層が好む強みだな。
  • 歴代の社長たちが支援してきた芸術家による美術品が随所に配置され、
    ⇒ B社ならではの強みだな。
    支援してきたというのは、宿泊料を安くして差し上げたということかな。
  • 文化の香りに満ちた雰囲気である。
    ⇒ きちんと展示してあるんだな。
    並べて置いているだけでは文化の香りに満ちた雰囲気にはならない。
  • 海外でも名の知られた作家や芸術家もいる。
    ⇒ そのような作家・芸術家がなぜB社というかX市を訪れ、滞在したのか気になる。

みなさんは、自分の本業と同じ業種の事例は解きやすいですか?
私は、本業が建築業(住宅メーカー)なので、建築・建物・内装がらみの事例は苦手です。
理由は「中小企業診断士」ではなく「建築業者」の目線になりがちだからです。
事例Ⅰ~Ⅳに共通して「特定の受験生(職業、職種等)しか気が付かないであろうこと」は解答として求められていないと考えたほうが得策です。
与件文に沿って、みんなが書けることを解答しましょう。
ほかに書くべき内容があるはずだと思ってください。

第3段落 X市の概要とB社の立地状況

  • X市は江戸時代から栄えた城下町である。明治時代までは~
    ⇒ X市の略歴が書かれている。
    作家や芸術家がX市を訪れたのは、城下町の雰囲気や文化支援に熱心な土地柄に惹かれたからなんだな。
  • B社は創業時からちょうどこの中央に立地し、これらのエリアはいずれも徒歩圏内にある。
    ⇒ とてもいい立地条件。
    旅先や仕事先では移動時間が少ないほうが充実するよね。
    このような立地条件にもかかわらず、第8段落にある「B社だけがこの(拡大する観光)需要を享受てきていない状態だ」というのは、よほどの原因があるんだろうな。
  • B社から最寄りえきまでは公共バスを利用して20分強かかるが、現在、~
    ⇒ ここで、時制が現在となる。
    ちょっと時間がかかるけど、空港から直接X市に来られるのは、飛行機を利用する国内客、インバウンド客が訪れやすい環境だな。
    ここまでに、インバウンド客の存在を意識させる表現が複数あることから、インバウンド客はメインターゲット層の有力候補だな。

事例Ⅱでよくあるターゲット層
・インバウンド客
・子育て世代
・高齢者
・富裕層
・観光客
・健康志向、高級志向の人など「〇〇志向」の人。
ターゲット層を解答する際には、「ジオ、デモ、サイコ」を意識しよう。
典型的は型は、「〇〇に住む〇〇歳代の〇〇志向な〇〇層」。
型に与件文中のヒントをはめ込みましょう。

第4段落 X市の現状と地域の祭り

  • この通りは現在でも~
    ⇒ 引き続きX市の略歴が記述されている。
  • 400年以上続くとされている地域の祭りでは、~
    ⇒ 祭りは代表的な観光資源。
    これを町おこしに活用しない手はない。
    第2問でB社は新規宿泊者を増加させたいのだから、この祭りに来る人(=国内・国外の観光客)に宿泊してもらうためにはどうしたらよいか、を与件文・設問文に沿って考える。
  • 夜通し続くこの祭りの見物客は近年、年々増加している。
    ⇒ 年々、増えているということから、祭りの見物客はターゲット層の候補になるよね。
    でも、年間で数日だけ開催されると思われる祭りの見物客をメインのターゲット層にはできないね。
    この人たちは宿泊する可能性が高いけど、今は宿泊していないのかな。
    夜行バスとかで帰っているのかな。
  • 町の一角にはこの祭りの展示施設があり、~山車を引く体験ができる。
    ⇒ 祭り自体は年に数日だろうから、それ以外の時期の観光名所として活用されているんだな。
  • 一方、住民を対象にした店舗もたくさんある。
    ⇒ 逆接の表現。
    観光客を対象にした祭りの展示施設や大型建造物と対比表現になっている。
    この文脈でB社の協業先の候補が連なって記述されている。
    協業先はどの職種でもいいわけではく、設問文の制約や与件文中のヒント、何よりもメインターゲットを獲得するために効果がある相手を、候補の中から取捨選択する。
  • 各種食料品店、和装店、銭湯、劇場、地元の篤志家が建設した美術館などの施設が集積している
    ⇒ 現在のB社に不足しているもの(夕食、大浴場)を補ってくれる相手と、B社の強み(文化の香りに満ちた雰囲気)とのシナジー効果がある相手をピックアップした。
    第4問は、夜の活気を取り込んでB社への宿泊需要を生み出したい、という内容なので美術館は落選と考えた。

一般的に中小企業は経営資源が限られているため、強みを活用したニッチな市場を目指したり、地域の企業との協業によって、事業存続や売上拡大を図ります。
どの市場(ターゲット層)を目指しても、また、どの相手と協業しても望む効果が得られるとは限りません。
与件文中のヒントや、設問文の制約条件を考慮し、外部環境(市場動向)と内部環境(強み・弱み)を分析しましょう。

第5段落 X市の夜間滞在人口が増加した経緯

  • 10年ほど前、~このエリア一体の街並み整備を進めることになった。
    ⇒ 時制を確認。また、「一帯」ではなく「一体」であることに注目。
    地域全体が一丸となって街並み整備に取り組んできたということだな。
  • 名刹は通年で夜間ライトアップを行い
    ⇒ 通年ライトアップは、夜の活気につながるな。
  • 夜間の滞在人口は増加傾向にある。
    ⇒ 街並み整備の効果が着実に表れているんだな。

第6段落 観光地としてのX市

  • X市は大都市圏とも近く、電車で2時間程度の日帰りできる距離にある。
    ⇒ この後から、X市を訪れる観光客像が記述されている。
    ターゲット層がたくさん住んでいる大都市圏からは、日帰りできてしまう距離なんだな。
    ※マークしていないが、追加コメント。
  • 古き良き時代の日本を感じさせる
    ⇒ インバウンド客や年配の顧客層を意識した記述だな。
  • 観光地
    ⇒ 観光地に来る人は観光客が中心。
    ビジネス客をメインターゲットにする解答方針はないな。
  • 2017年時点で
    ⇒ この事例(2018年度)における直近の情報だということ。
  • インバウンド客
    ⇒ 全体で500万人のうち、20万人だから5%足らず。
    しかし、図を見ると急激に増加していることが分かる。
    わざわざ「社長が」図まで用意しているのに、これを無視したらバチが当たるな。
  • 観光客が回遊しそうな通り時の空き店舗には地元の老舗荘園が出店して~協力体制を敷いた。
    ⇒ 第5段落で、名刹が夜間ライトアップで「地域の動きに協力した」に続いて「協力」と記述されている。
    繰り返しによる強調表現は、社長が日ごろ思っていること、強く意識していることと考えられる。
    つまり、「地元の商店との協力体制」を踏まえて解答することが、社長の思いに寄り添う(応える)ということだな。
    ※マークしていないが、追加コメント
  • 歴史ある街並みに加え、こうした食べ物などは写真映えしSNS投稿に向く。
    ⇒ 第3問では、SNSなどインターネット上での好意的な口コミを誘発するための従業員との交流が問われている。
    「映えてる」写真や動画には「いいね」や「いってみたい」「食べてみたい」等の好意的なコメントが送られるな。
    宿泊客が写真や動画を撮影するときに手伝えば、X市の街並みや商店、B社に対して好意的なコメントを送ってもらうことにつながるかな。
  • そのため、ここ数年は和の風情を求めるインバウンド客が急増している。
    ⇒ 図を使ってまで「和の風情を求める」インバウンド客の増加を強調している。
    求めているものを提供すれば、好意的なコメントや「いいね」につながるな。
    古き良き日本を感じさせる歴史ある街並みのX市で、老舗商店が地域の伝統を思わせる和菓子や食べ歩きできるスイーツなどの販売でにぎわいを創出し、徐々にSNS投稿が増えたと考えられる。
    そして、インバウンド客がその投稿をみてX市を訪れるようになった、ということだな。

同じ言葉が2回以上使われているということは、社長が強調したいということです。
つまり、ヒントである可能性が高いと考えます。

第7段落 B社のビジネス手法と現在の顧客層

  • ▽一方B社のビジネス手法は創業時からほとんど変わっていなかった。
    ⇒ ビジネス手法だから、自社のことだな。
  • 明治時代から仕事や執筆・創作活動のために訪れる宿泊客が常に一定数いたため、大したプロモーション活動を行う必要性がなかったのが理由である。
    ⇒ 固定客のビジネス客が一定数いたために、新規客の、特に観光客向けのプロモーション活動をしていなかったということ。
    つまり、現状においては、観光客向け(特にインバウンド客向け)のプロモーション活動が必要だということだな。
  • B社ホームページを開設した。
    ⇒ ホームページといえば、①情報発信、②情報収集、③双方向コミュニケーション。
    また、販促ツールとしてのホームページは、チラシや雑誌などに比べてリーチの範囲が広く、遠方に住む人たちへ情報発信できる。
    インバウンド客に対して、B社が直接情報発信できるのは、ホームページしかない。
    間接的に情報発信できる方法には、宿泊客・社員によるSNS投稿や、ネット上の旅行サイト(設問文にわざわざ書いてある!)が考えられる。
  • それまで電話のみで受け付けていた宿泊予約も、ホームページから外国語でも受け付けられるようになった。
    ⇒ インバウンド客を受け入れる体制が整ったということだな。
  • 最低限のコミュニケーションが主要な外国語で図れるよう、
    ⇒ 最低限のおもてなしとして当然のことだな。
    でも、ちゃんとホームページ上でアピールしないと、インバウンド客には伝わらないな。
  • 現在、宿泊客は昔なじみのビジネス客が8割、インバウンド客2割であるが、
    ⇒ 顧客についての記述。分かりやすいヒント。
  • なじみ客らは高齢化が進み、減少傾向にある。
    ⇒ 現在8割を占めている客層が減少傾向にあるのは不安。
    新規客獲得の施策が必要なことがよくわかる。
  • 最寄り駅から距離のあるB社には、事前に予約のない客が宿泊することはほとんどない。
    ⇒ 青でもマーク。この後にでてくる「最寄り駅から距離のない」駅前のチェーン系ビジネスホテルには、事前に予約のない客が宿泊しているのだろうか。
    第1問、第2問にも関連して、個人的な感覚だと、日帰り客(事前予約のない客)が、現地に来てから宿泊しようと心変わりするは考えにくい。
    また、いたとしても、高齢化により減少傾向のビジネス客を補うほどの客数があるとは考えにい
    事前に予約のない日帰り客は、B社が増加させたいと考えているメインのターゲット層ではないな。

設定するターゲット層、特にメインターゲット層には一定のボリュームがあることが必要です。
ホームページやSNSは、紙媒体に比べると多くの人に情報を届けることができます。
また、海外を含め遠方の人にも情報を届けられます。
増加傾向にある人達をターゲットに、自社の魅力を分かりやく情報発信し、その人たちが望む商品やサービスを提供することが長期安定的な経営につながります。
このように有用な販促ツールを活用しない理由が見当たりません。
逆にホームページがないと、今のご時勢においては企業イメージや信用度が一般消費者から低くみられると感じます。

第8段落 競合他社とB社の比較

  • B社から距離の離れた駅前にはチェーン系ビジネスホテルが2軒ほどあるが、
    ⇒ 競合に関する記述。立地と宿泊施設としてのスタイルがB社とは異なっている。
  • X市市街地中心部にはB社以外に宿泊施設がない。
    ⇒ バスで20分の範囲には競合がいないということだ。
    夜の活気を楽しんだ後に、バスで20分の宿に戻るよりは、歩いて行けるB社の方が便利だと思うな。
    (人によるか。)
  • B社周辺にある他の業種の店々は、拡大する観光需要をバネに、~
    ⇒ マークなしの追加コメント。観光需要が拡大しているのは機会だ。
    その機会に強みをぶつけたいところだけどB社の何が強みか。
    その強みをどの顧客に訴求すれば最も売上拡大につながるだろうか。
    もう答えは見えてきたよね!
  • B社だけがこの需要を享受できていない状況だ。
    ⇒ みんな拡大する観光需要により潤っていて、宿泊ニーズもあるはずなのにB社だけ観光需要を享受できていないのはなぜだろう。
    第7段落に、固定客が一定数いたから、プロモーション活動していないって書いてあったな。
    つまり、観光客に知られていないからだな。

ビジネス客は、仕事で官公庁や商業地域に来ているうちに地元の人の口コミなどでB社の存在を知って、泊りがけの仕事であればバスに乗らなくていいB社を選んでいた、と考えられます。
一方、遠くに住んでいて、X市に来たことがない観光客は、B社の存在を知る方法がなかったと考えます。
ホームページや旅行サイトは遠くに住んでいる人(国内・インバウンド客)に直接情報発信する販促が可能です。

第9段落 経営刷新するうえでの制約条件

  • 宿泊棟の改築などの大規模な投資は当面避けたいと考えている。
    ⇒ 第2段落を読むと、個室や水回りを新しくしたり、大浴場を整備したくなるけど、この方向性はなし、という制約条件。
  • 宿泊料金の値上げにも着手したくない。
    ⇒ 値上げすると、固定客を駅前のビジネスホテルにとられる可能性がある。
    夕食は出ない、大浴場がないならビジネスホテルと変わらないしな。
  • 日本の朝を感じられる献立に切り替え、器にもこだわってみたところ、多くの宿泊客から喜びの声が聞かれた。
    ⇒ 喜んだのは、固定客?新規客?なじみのビジネス客?インバウンド客?
    どのセグメンとの宿泊客だったとしても、喜んでくれたことをホームページや旅行サイトで情報発信すれば、同じような感性のお客が興味を持ち、B社に宿泊するかもしれないな。
  • こうした様子を目にした8代目は、経営刷新して営業を継続したいと考えるようになり~
    ⇒ 経営刷新とは、結構つよい言葉だな。
    根本的にやり方を変えるくらいの決意が表れている。
    ガラッと変えるということは、なじみの固定客を大事にしながらも、メインターゲットを変えるということだな。

ターゲットの解答にはこだわってください。
なぜその層をターゲットとするか、与件文中の言葉を使って説明してください。
ターゲットは、「ジオ・デモ・サイコ」のパターンで表現しましょう。
繰り返し表現されていることは、筆者(私)が強調したいことですよ!
しかも、昨日こんちゃんもいっている!!

ひでさんが今思う2次試験の解答とは

今回の与件文解釈をご覧いただいて、いかがでしたでしょうか。

実際のところ、初見でしかも80分間のうちの30~40分で、ここまで読み込むことは難しいと思います。

私はできません。だって、今読んでも新しい気づきがあるくらいだから。

みなさんには、私が時間をかけて得た「気づき」を共有することで、本番試験の際に少しでも楽に解答の方向性やヒントを見つけていただきたいと思っています。

何度か触れていますが、2次試験の与件文は社長へのインタビューをまとめた記事です。

設問文はその時の議論のテーマといえると思います。

1次試験を含めた中小企業診断士としての知識を踏まえ、与件文でなぜそのように記述されているのか、つまり、「インタビューで社長はなぜその話をしているのか」、「社長が心の中でうすうす考えている結論は何なのか」を察しましょう。

そして、社長に対し「考えていらっしゃることは、こういうことですよね。」と、もやもやしている社長の頭の中を整理して差し上げて、「こうやればうまくいきますよ!」と、社長が直感的に考えている結論を後押しする報告書として解答をまとめましょう。

その際には社長のもやもやをすっきりさせるために「なぜそのようにいえるのか」の理由を添えましょう。

最も簡単な方法は、与件文に書いある言葉や表現を使うことです。

使えるものがなければ、受験生のほどんどが、与件文の内容から合理的に推測できる内容で理由を添えましょう。

(もちろん、理由を書く必要がない場合は不要です。)

私は、診断士の専門知識の要否をのぞけば、日ごろ仕事でやっていることやご家族との日常会話と似ていると思います。

そう考えるようになって、小難しかった事例問題がちょっと身近に考えられ、フラットな目線で与件文や設問文と向き合えるようになりました。

編集後記

やっと、とりあえず緊急事態宣言が解除されました。

楽しみたい気持ちもあると思いますが、2次試験まではくれぐれも自重してください。

言わずもがな、本番もさることながら残りの勉強期間もベストコンディションで乗り切りましょう。

さて、明日は なゆた です。 

おたのしみに~

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中小企業診断士2次試験 2018年度 事例Ⅱ 与件文解釈”へ2件のコメント

  1. ロム より:

    ひでさん、与件文の分析記事をありがとうございます。

    本記事を読むまで、「ひでさんや他の合格者は本番でここまで細かい分析してるのか、すげぇな……」と思っていたんですが、編集後記にあったように実際は違うんですねw 安心しましたw

    ただ本番はここまで明確に言語化できないにしても、回答を考える材料として意識できるようにはなりたいなぁと思います。

    この問題はもう何度も解いてきましたが、本記事を読んだ後にまた新たな気付きに出会えましたので、二次試験は本当に奥が深いですね。
    今までスルーしておりましたが、ひでさんが仰る通り食事がないんだったら楽しみが一つ減るので利用する気にはなれないなと思いましたw

    1. ひでさん より:

      ロムさん
      いつもコメントありがとうございます!
      初見の80分間では、皆さんそれぞれに読み込める量に限りがあると思います。
      3回の受験でいやというほど経験しております(笑)

      ごく限られた時間の中で、設問文を読み解き、与件文のどの部分を切り取るのかのヒントにしていただければ幸いです。
      個人的な感覚で、和風旅館には夕食や大浴場(温泉)があるのが当たり前と思っています。
      ロムさんもお気づきのように、
      中小企業診断士である自分が、自分の好み合わないとB社を見捨てるわけにいかないので、
      夕食や大浴場がないことを補える魅力(強み)が何で、どのターゲット層に訴求すべきかと、
      この弱みを補う施策、つまり地域の商店との連携策の具体的な提案が必要であると考えます。
      引き続き頑張ってください!

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