【2次対策】事例毎の特徴・お作法を知る~事例②編~
どうも、Tomatsuです。
いつも道場記事を読んで頂きありがとうございます。
(前回までの記事はこちら)
2次試験本番まで残すところ12週間になってきました。
過去問に着手しはじめた人は
「果たして12週間後までに合格レベルに到達できるのか?」
と不安感に苛まれているかもしれません。
ただし、心配は無用です!
去年の私も同じ不安感を抱いていましたが、正しい努力を積み重ねていければ12週間で十分合格レベルに到達できます。
11代目含む道場メンバーも色んな形で表現していますが、正しい努力というのは
「事例着手→課題発見→改善→繰り返し」です。
ただただ事例数をこなすのではなく、「プロセスの振り返り」をしっかり行って自分の課題を抽出していきながら演習を積み上げていってくださいね。
さて、本題に移ります。
本日は前回に引き続き、「事例毎のお作法(ルール)を知る」シリーズをお届けしようと思います。
今日は「事例II」について(事例Iはこちら)。
受験経験がある方々にとっては当たり前の内容も含まれているかもしれませんが、改めて初心に戻るためにも、この記事の内容を参考にして頂ければ幸いです。
【こんな人におすすめの記事】 ✅ 2次試験の学習経験が無い方 ✅ 事例毎の特徴がまだ分かっていない方 ✅ 事例IIのポイント・勉強法が分からない方 |
1. 事例IIの特徴・お作法
事例IIは『マーケティング』に関わる事例。
事例IIで求められているのは、どちらかと言うと狭義な(昔ながらの)マーケティングの考え方で、どうやったら事例企業の「売上が最大化されるか?」という点です。
他の事例と比べて与件文の情報が多く、使わないダミー情報等もたくさん含まれているため、「素早く状況整理する力」と「与件情報を上手く組み合わせる力」が求められます。
事例II対策をする上で大事なポイントを下記にまとめました。
- SWOTを意識
- 助言問題は「誰に?」「何を?」「どのように?」「効果」
- 「誰に?」に関しては「デモ・ジオ・サイコ」を決める
- 有形固定資産が使えるか?考える
- 近隣企業とのパートナリングを使う
2. SWOTを意識
事例IIは第1問として「SWOT(強み・弱み・機会・脅威)」が出題されることが多いのが特徴です。
現に「過去19年間中15回」も出題されています。
[ポイント]
与件文を読む際には、B社のSWOTを意識できると良いですね。
事例企業は、ほぼ全てのケースにおいて「中小企業」ですので、大手参入が「脅威」の代表例となり、戦略のバッティングを避けるための「差別化戦略」を迫られるケースが多いのが特徴。
その際、どのような「強み(自社能力・リソース・外部連携力)」や「機会(新たなニーズ)」を使って差別化を図っていくかが問われます。
[ポイント]
どうやったら競合他社と差別化できるか?これを常に意識しましょう
3. 題意を捉える(4Pの視点)
事例IIは助言問題が多いのが特徴です。
助言問題の中ではB社が採用すべきマーケティング戦略は何か?と問うものもあるのですが、中にはプロモーション戦略や製品戦略、価格戦略など、『4P』ごとの具体的な戦略を問う問題もあります。
ここで問われるのが「題意」をしっかり捉える力です。
例えば設問文では「製品戦略」について聞いているのに「プロモーション戦略」に関する解答を作ってしまうとします。
この場合、例え書いていることが正しかったとしても題意を捉えられなかったがために「0点」を付けられてしまいます。
例としてH28年度の第2問設問1を見てみましょう
これはかなり分かりやすい例ですが、この質問に対しては
- ○○に対して口コミ、POPで訴求し販売拡大を図る → ×
- ○○に対して高付加価値しょうゆを訴求し販売拡大を図る → 〇
後者のように「製品」に関する記述をするのが正解です。
前者は「プロモーション戦略」に関する記述ですね。
[ポイント]
かなり当たり前のことを言っていますが、80分という限られた時間では、題意を捉え間違えてしまうこともあり得ますので、上記は常に意識しておきたいですね。
ちなみに、単に「マーケティング戦略」を問われた場合は、「製品戦略」+「プロモーション戦略」を半々で盛り込んであげるとリスクヘッジになり効果的です。
4. 売上を分解(客単価×来店客数)
事例IIでは、「売上」を細かく分解して「どのような施策を打つべきか?」を考えることが重要です。
このように分解すると、売上を上げる手段として以下の二つの方法があることが分かります。
- 客単価を上げる
- 来店客数を上げる
では、問題文で「売上向上につながる施策」を問われた場合は具体的にどのような助言を行うべきでしょうか?
答えは「与件のヒントに従うこと」です。
[ポイント]
例えば、与件文中に「品単価」を向上させられそうな製品開発が示唆されていた場合は「客単価」を上げる方法を考えるべきですし、過去に「口コミ等」で新規顧客開拓が成功した実績があれば「来店客数」を上げることを考えるべきです。
事例IIは与件情報が多いので、必ず何かしらのヒントがあります。
5. 「誰に」「何を」「どのように」+「効果」
事例IIの助言問題では「誰に」「何を」「どのように」+「効果」の四つのピース埋めることを意識するのが定石です。
問題文によっては一部のピースが埋まっている事もありますが、基本的にこのフレームワークを覚えておけば、助言問題で何を書けばよいか?という迷いはなくなると思います。
例を見てみましょう。
例えば、
こんな問題であれば、
[良い解答例]
戦略は、○○な顧客層に(誰に)、△△な製品を(何を)、××を通して訴求し、□□との関連購買を促し(どのように)、売上向上を図ること(効果)
のように記述することを意識しましょう。
[ポイント]
○○、△△、××、□□に入る文言は極力「与件文の記述」を踏襲することをおすすめします。
そうすることで、採点者に対して「問題のポイント」を理解していることをアピールできるからです。
ちなみに、「誰に」(ターゲット)に関しては、下記の「顧客分析セグメント」ごとのポイントを記述できるようにしておきましょう。
いわゆる「デモ・ジオ・サイコ」というやつです。
- デモグラフィック(人口動態的属性)
- ジオグラフィック(地理学的属性)
- サイコグラフィック(心理学的属性)
これはターゲットを問われているような問題では絶対外してはならない要件です。
例としてH27年度、第1問設問1を見てみましょう。
これに対しては、
[良い解答例]
ターゲットは、商店街周辺の高価格高層マンションに居住している(ジオグラフィック)20代後半から40代後半の子育て世代で(デモグラフィック)、こだわりのある商品に興味をもつ層(サイコグラフィック)である。
のように記述しましょう。
ちなみにデモグラフィック情報は「与件文のグラフ」に記載されていることが多いです。
読み取り方のコツは「グラフ中の特異な点に着目する」ことです。
[ポイント]
「誰に」「何を」「どのように」+「効果」は基本中の基本ですので、しっかり身につけておきましょう
6. その他の重要ポイント
事例IIを解く上で他に抑えておきたいポイントは下記です。
[ポイント]
- 有形固定資産は有効に使うべし
- 積極的に周辺企業・団体と協業
- 「過去に成功した施策」を踏襲
- (使いやすいフレーズ)顧客との継続的な接点を作り、愛顧向上を図り、固定客化を促す
いかがでしたでしょうか?
事例Iと同様、まだまだ書き足りていないことも多いのですが、最低限意識しておきたいポイントについて解説させて頂きました。
合格レベルに達している方は得てして、各事例の特徴について「自分の言葉で説明できるレベル」に到達しています。
言い換えると「事例毎の特徴」を自分の言葉で説明できていない方はまだまだ力が足りていませんので、上記のレベルを目指しましょう。
7. おまけ「全知全ノウの執筆体験」
数ある2次テキストの中に「全知識」「全ノウハウ」という参考書があります。
縁あって、11代目いけちゃんと共にが執筆に関わらせて頂けましたので、みなさまの診断士初年度の活動の参考のために「執筆業務の流れ」についてお話しようと思います。
『活用法』に関しては次回の記事でいけちゃんがたっぷり解説してくれるので、是非そちらも参照くださいね!
まず最初に行ったのが「キックオフミーティング」です。時期的には1月中旬ごろでしたでしょうか。
都内のルノアールに集まってコーヒーをすすりながら、監修者である川口さんと「内容の摺り合わせ」「スケジュール」などについて話し合ったのを覚えています。
他の3名の執筆者の方とも初顔合わせだったのですが、その時にはじめて道場同期の「いけちゃん」と出会いました。
道場のみならず他団体でもリーダーを務めるなどいつ寝ているのか分からないくらいアクティブで凄い方ですね。本当に尊敬しております。
Twitterでも有名人なのでご存知の方も多いかと思います。
また、たまたまその日の午後が「道場のロケットスタートセミナー」だったので、その後一緒にラーメンを食べて道場に流れていったのを覚えています。
そしてその夜は道場懇親会で一部の11代目メンバーと顔合わせ。本当に濃い一日でした。
話が逸れましたね。。。
その後の執筆業の流れはこんな感じです。
- 2月下旬:初稿提出(各自パート)
- 3月下旬:監修者に最終版提出(各自パート)
- 4月初旬:新企画(共通パート)の提出
- 4月中旬:同友館納品
- 4月下旬:ゲラチェック→完成!
- 6月初旬:献本
- 6月中旬:出版!
全知全ノウは4人の執筆者が各々事例I~IVのいずれかを担当するスタイルで、自己完結できる部分がほとんどでしたので、キックオフ後執筆者同士で集まったのも2回のみでかなり効率的に進められたと思っています。
キックオフからわずか5か月間での出版でしたが、受験勉強が無くなった分、時間にかなりの余裕が生まれましたので、全然キツイ感じはなかったですね。
ギャラは。。。。ご想像にお任せしますが。。。本の出版に携わらせて頂いた実績が買われてスタートアップ企業のオウンドメディアコンサル・編集の副業を勝ち取れたので、やはりこの実績はかなり貴重だったと感じます。
ちなみに来年度の執筆者の募集時期は12月の2次筆記試験合格発表後~12月末までです。
また後日アナウンスしますが、もし実績をあげることに興味がある方がいらっしゃいましたら手を挙げる準備をしておいていただければと思います。
それではまた!
☆☆☆☆☆☆☆
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Tomatsu様
まずは、同じ職務バックグラウンド(LNG基地運営)を持ってる方で共感を覚えます。取得理由も想像がつきます。
本日ご教示願いたいのは、事例Ⅱ特有?の質問パターンである(販促)戦略(例:H28年度第2問設問2)を問われた場合に、与件文の範囲内でかつ、やや独創的なアイデアを書くことが許容されるかという点へのお伺いです。
例えば、上記に対する”ふぞろい再現答案例”では、新鮮なアドリブ回答が並びます。
鉄則である、あくまで与件文から離れず、質問の題意に忠実に!を念頭に解答を作るには、どの程度リスクを取って書けばよろしいのか、私見でも結構です、教えて下さい。
ちなみに”ベスト答案”は与件文に忠実路線と見受けました。
今年こそさん、
コメント頂きありがとうございます!
LNG基地運営をなされているんですね。私も入社後一貫してLNGビジネスに携わっておりますので、勝手ながら親近感を覚えました。
機会がありましたら是非お話しさせて頂きたいです。
さて、コメント頂いた件ですが、たしかにH28第2問設問2は比較的に創造性が問われる問題のように見えます。
ただ、私見を述べさせて頂くと、ポイントは与件文に忠実かつ、設問の制約である
(1)設問1で想定したターゲット層に訴求する内容
(2)「プロモーション戦略(Promotion)」ならびに「販売戦略(Place)」に関わる内容
を外さないように書くことに変わりはないかと思います。
本設問の場合は、上記の制約を外していない限り(例えば価格戦略(Price)について書くのはNG)、具体内容は何でもよいと思いますので、
回答を起案された際に、きちんと題意に沿っているかどうか?に注意して頂けると良いかと思います!