試験申込受付中:受験を迷っている皆さんへ
こんにちは。ハカセです。
中小企業診断協会のHP にあるように、中小企業診断士試験の試験申し込みの受付期間となっています。
受け付けの締め切りは 5月31日。
受験生の皆さんは忘れずに申し込みましょう。
■ 申し込み時期と合格率の相関 ■
こちらのグラフは、昨年の ふうじんの記事 に掲載されていたもの。1,000人当たりの合格者数を、受験番号ごとに集計したものです。
非常にはっきりした傾向ですね。「受験番号が若いほど合格者が多い」ことは間違いありません。
ちなみに、受験番号は受験申し込み順に機械的に割り振られると考えられます。つまり早い時期に申し込めば、若い受験番号を入手することになります。
とはいえ、「合格するためには早く申し込めばいいってこと?!」と短絡的に考えることなかれ。
聡明な(冷静な)受験生ならお分かりの通り、一次試験はマークシート方式。どの受験番号であろうが、合否には直接的には無関係と思われます。
上記の「受験番号が若いほど合格者が多い」理由としては、
- やる気のある受験生は真っ先に申し込む
- 昨年までの科目合格者には申込書類が郵送されるため申し込み易い(=若い受験番号には受験経験者が多い可能性あり)
- 迷って申し込んだ受験生が試験当日に欠席する
- 迷って申し込んだ受験生は科目合格狙いに徹している
などが考えられます。要は、母集団の性質に偏りがあるためであり、「合格しやすさ」を示すものではありません。結果的に、偽相関 ということになりますね。
■ 好きな会場を選ぶために申し込みをずらす人も ■
受験番号や居住地によって割り振られる会場には、その設備の善し悪しや、好き嫌いがあり、当日のコンディションに影響する可能性があります。「早く申し込めばあの会場になる」という関係性が明らかでない以上、希望の会場を引き当てるのは難しいのですが、それを念頭に申し込み時期を調整する受験生はいるようですね。
昨年までは「明治大学リバティタワー」が人気の受験会場でした(立地面・設備面)。それまでの実績では、「若い受験番号だとリバティになる可能性が高い」ことが分かっていたので、早めに申し込む受験生が多かったようです。一方で、都会の喧騒の真っただ中にある「フォーラム8(エイト)」などの「イベント会場での受験」には、「立地がよくて便利」、「他のイベントで使い慣れている場所で安心感がある」という意見がある一方で、「机・椅子などの設備がちゃちい」、「トイレが少なすぎる」、「周りで街宣車がうるさかった」と、賛否両論がありました。
とはいえ、結局、一次試験は「ご自身の知識の定着度を測る試験」であることに変わりありません。どの受験番号になっても、どの会場になっても、合格できる実力を備えている人が合格します。そんなことに一喜一憂せず、今はしっかりと実力養成に取り掛かってください。
■ 受験そのものを迷っている方へ ■
受験そのものを迷っている方もいらっしゃるかもしれません。
- とりあえず講座を申し込んでみた、テキストを買ってみたものの、思うように勉強できなかった。(対策不十分)
- どうしても財務会計を克服できず、一次試験に合格できるとは思えない。(全科目合格には届かず)
- 難関だろうがなんだろうが、この歳になって「試験に落ちる」なんて恥ずかしい経験できない。(心理的な回避行動)
どれもよーく分かります。こういう方は大勢いらっしゃると思います。
■ じゃあ、いつ受験するのですか? ■
受験そのものを迷っている皆さん。勇気を出して、まずは受験してみませんか。
- 「受験料14,400円」は、確かに安くありません。分かります。
- 「不合格」という通知を受けるのは確かに気持ちのいいものではありません。えぇ、分かります。
- 「今さらいい年して必死になる」なんて、確かにスマートじゃないかもしれません。よーく、分かります。
もしも「診断士試験の学習内容は自分に必要ない」と判断された上で、受験をやめようと決心されたのなら、それはそれでよい選択なのではないかと思います。
でも、「診断士試験の学習内容そのものは評価しているものの、何らかの理由で今年は受験を回避しようとしている方」に敢えてお伺いしたい。
じゃあ、いつなら受験する(受験出来る)のですか?
受験するかしないかは、第三者に迫られて決めるものではありません。ですから僕がこれを皆さんに問うのは筋違いです。それは承知しております。ですから、皆さんがご自身に問うてください。 「じゃあ、いつなら受験するのか?」と。
■ モラトリアムからの脱出 ■
皆さんにこんな挑戦的なことを申し上げるのは、実は僕がそうだったからです。
仕事にプライベートにやることの多かった20代、結婚して家庭をもった30代。どんな時代も「やらない理由」を探すのは簡単なことです。
でも、自分の心の中ではどこか「モヤモヤ」していた。MBAに挑戦しに留学するという友人がいれば、「おめでとうぅ!」というメールを打ちつつ、心のどこかで何か鬱屈したものがあった。
「自分もやればできる、でも(今は)やらないだけだ」
こういう言い訳で自分にモラトリアムを与え続けて来た小さな自分がいました。
でも、とても小さなことをきっかけに、「よし、やるぞ」と一念発起することが出来たのです。
そしてその日を境に、自分の人生は一変しました 。いや、正確には「人生そのものが一変した」わけではありません。自分の「歩み方」や「視点」が変わったというべきでしょうか。
僕の場合は、その後モチベーションが全く落ちなかったため、「診断士講座を申し込んだ日」が「人生が変わった日」でした。
受験を悩む皆さんにとって、「診断士受験を決意した日」を「人生が変わった日」にする ことを、ぜひご検討ください。
■ 「とりあえず受験する」という戦略 ■
別の側面からも、「とりあえず受験」はお勧めです。
昨年度合格された TAKUMI さんの「合格体験記」を今一度読み返して頂きたいのです ⇒ TAKUMI さんの合格体験記へのリンク
該当箇所を引用すると:
勉強を始めたのは入社して2年目の2009年の6月からで最初は会社の通信教育を利用しました。最初に試験を受けたのは2009年の8月で、その時点ではテキストを2回通読し、過去問も2年分解いただけという状態でしたが、試験の雰囲気を体験することを目的とし、とりあえず受けてみよう、1科目でも科目合格したら儲けものという軽い気持ちでした。
結果は運良く「運営管理」と「経済学」の2科目が科目合格になりました。(その年は両科目とも平均点が60点以上でしたが)。
それ以外の科目は初日の科目が50点台、2日目の科目が40点台と惨敗でした。
ただこの時「勉強時間さえ確保してしっかり勉強すれば受かる」との実感を得られました。
TAKUMI さんは受験勉強を開始した時期の関係から、2009年度試験をとりあえず受験して2科目の科目合格を獲得し、翌2010年度は残りの科目に集中して学習し、一次試験・二次試験を見事に突破して、ストレート合格を果たしたわけです。
特に合格した科目に注目してください。TAKUMI さんは、比較的簡単だった 2009年度の「経済」を科目合格にできたおかげで、2010年度の ムッチャ難しい「経済」を受けずに済んだわけです。
もしも「2010年度に捲土重来を期すことにしよう」と、2009年度の試験を受けずに、2010年度に初受験することになっていたら、もしかしたら「経済で足切り」という事態だって考えられたはずです。
このようにリスク回避の観点からも「とりあえず受験」は断然オススメです。
■ 資格や合格に色はない ■
診断士試験は、一次試験・二次試験に一気通貫でクリア(ストレート合格)しないと合格できない試験ではありません。まずは科目合格、そして一次試験の合格、二次試験の合格と、3つのステップが用意されています。モーグル斜面だけではなく、初心者用の迂回コースも用意されているのです。ならば、リフトを使ってスゴスゴと降りてくるのではなく、せっかく用意されている「ステップ」を使ってみませんか?
もちろん、最短で合格するに越したことはありません。そしてストレート合格した輩が(本当は大したこと無いくせに)大きな顔しているのも事実でしょう(僕等のように)。でも、中小企業診断士に「一級」とか「二級」があるわけではありません。診断士は診断士です。
それに、そもそも、「診断士資格」が欲しくて勉強している人ばかりではないはずです。実は「国家試験合格」という達成感が目標の方も多いはずです。であれば、ストレート合格にこだわる必要は全くないでしょう。
■ 時間はまだある ■
診断士試験の申し込み締め切りは5月31日です。まだ時間はあります。
そして、本試験は8月6・7日です。まだ数カ月あります。(前述の TAKUMI さんが受験を決意したのも6月でした)。
「なんとなく・・」な理由で受験をあきらめてはモッタイナイです。
今こそ、「エイヤっ」と一念発起して、受験してみてください。
皆さんの「人生が変わる日」がいつか訪れることを、願っております。
by ハカセ