実務補習について

2015年度2次口述試験を受けられた皆さま、合格おめでとうございます!

ご存知のとおり、2次試験合格者が中小企業診断士になるためには経産省へ登録申請する必要があります。登録要件を満たす方法として、試験合格後の3年以内に実務補習を15日以上受けるか、あるいは診断実務に15日以上従事するという二つがあります。

今日の記事は、その二つの方法のうち登録実務補習機関による実務補習に関してです(以下、「実務補習」)。登録実務補習機関は(一社)中小企業診断協会(以下、「協会」)であり、実務補習は協会の主催で実施されます。

協会の資料によれば実務補習の目的は「プロとしての中小企業支援を予行演習する」ことであり、5日間の1企業の診断を1サイクルとし、補習生5名前後(最大6名)が一つの班となって班ごとに指導員のアドバイスを受けながら、協会の選定した中小企業の経営診断を実施するというものです。

実務補習の直近募集としては2月実施の5日間コースと15日間コースがあり、2月上旬から3月中旬までの間で設定されております。
なお、次の実務補習募集時期は例年どおりなら7・8・9月の各月ですが、その時期には15日間コースはなく5日間コースのみです。

以上が実務補習の概要ですが、2月実施の正確な情報および詳細は協会からの案内をご参照願います。

次に実務補習申込上の留意点ですが、直近の2月実施募集の〆切は1月12日(火)と非常にタイトなスケジュールの中で判断しなくてはならないことですね。申込方法はネット経由と郵送の二つがありますが、ネットの予約の場合には12日(火)の夕方5時までという期限があります。

また、申込みを判断して手続きするだけでなく、費用の振込も12日(火)までに完了しなければならない点も考慮する必要があります。費用は5日コースなら5万円、15日コースなら約15万円。資金繰り的にもかなりの負担です。

あと資金繰り的な観点で言えば、実務補習にはノートパソコンは必須であり、もしお持ちでない方で会社や他者等から借用出来ない方は、ノートパソコンを実務補習開始前までに購入しておく必要があります。そのあたりの資金負担も考慮しなければなりません。ノートパソコンは独立・企業内を問わず診断士活動として必携であり、パソコンのスペックとしては多少値段が高くても画面が広く見やすく、打ちやすいのを選択することが大切なポイントだと思いました。

もちろん、資金繰り的な観点だけでなく、ご自身が実務補習に対して仕事との兼ね合いでどれだけの時間がさけるかや労力をかけられるのかの観点から、5日間コースにするか、ありは15日間コースにするかを判断しなければなりません

私の場合、実務従事の選択肢はその当時考えていなかったため、2月実施募集においてとりあえず5日間だけにするか、あるいは15日間で一気にやってしまうかという二つの選択がありました。その選択に申込み期日ギリギリまで迷いましたが、最終的に15日間コースを選択して、3月上旬に何とか無事修了し、4月1日付けで診断士に登録しました。

難しいのは、実務補習の業務の負担感が不明であり、仕事との両立に不安が残りながらも、申込み〆切日の関係上、実務補習のための日程を確定させなければならないという点です。

実務補習の業務負担に関しては、本人の取り組み方や要領の良し悪し次第の側面もありますが、私の場合は恐れていた突発的な仕事増加の発生もあり、約1ケ月半の間は睡眠不足の状態がずっと続くこととなりました。皆様の状況はその時それぞれかとは思いますが、現在の仕事をバリバリされている方も多いと思いますので、15日間コースを選択された方はある程度覚悟しておいた方が良いかと思います。

そんな大変な15日間コースですが、メリットはやはり最短の4月1日で診断士登録が可能であり、士業として診断士を対外的に名乗れることですね。
そのスピード感もさることながら、私の感じる15日間コースの一番のメリットは、15日間は一つの班の中で同じメンバーで活動するため、メンバー間の一体感がより生まれるだけでなく、切磋琢磨によりお互いの成長が実感できるという点ではないかと考えます。
必ずしも15日間コースでないと一体感が生まれないうことはないのだと思いますが、眠い目をこすりながら、お互い励ましあい、短期間で3回の経営診断という成果を分かち合うことで、1回で終わるよりも絆が深まったような気がします。

実務補習の経営診断は、異業種の様々な経験・スキルを有するメンバーがあつまって平等な立場で色々と議論しながら、診断先の経営診断を進めるのですが、つい先日まで学んできた1次試験や2次試験の知識をフル活用し、みんなで知恵を出し合いながら経営診断を進めるということに醍醐味を感じます。このことによる診断結果のレベル感や成果物の価値の高低はともかく、実務補習のような機会でないとこんな経験はなかなかできないなって感じました。

最後に実務補習に関する所感ですが、

勉強したことが、初めて実際に生かせてとても楽しい。

同じ班のメンバーとの絆。その後も時折集まっての情報交換(と称した飲み会)がまた楽しい。

実務補習の心構えとして、

より能動的に、より自主的に

できる限り診断前に事前準備をしつくせば、なお実務補習が楽しい(最初の社長へのヒアリングが肝心!)

さらに、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」的なアドバイスかつ上から目線なコメントで恐縮ですが・・・

班のリーダーは大変ですが、勉強だと思ってやってみましょう

不得意科目(分野)こそ積極的に手を上げて担当してみましょう

ご自身の仕事等の状況もふまえ、体を壊さない範囲で無理のない日程調整により実務補習に取り組んでいただければと思います!

以上、ぽらーの でした

単に情報ですが、診断士大手予備校の実務補習に関する無料動画放映が1月18日より予定されているようです(ご参考まで)。

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