5問目の質問

 

なごです。

あけましておめでとうございます。そして合格を勝ち得た方々、本当におめでとうございます。今年は新たな門出の年になりそうですね。
さて皆さんはどのような新年を迎えられたでしょうか。このブログを読んでいる方々の中には、診断士試験合格に向けて努力を重ねている方も見えれば、合格発表が終わり、まだ見ぬ新たな人生の一歩に向けて期待を膨らませている方も見えるでしょう。

 

そんな皆さんに一つ質問があります。

日経新聞を開いてみてください。そこには多くの企業の記事が掲載されています。
「A企業が○○に出店」
「B企業では△△の新商品を開発」
「C企業はでインバウンド向けに○○を新設」
「D企業では△△部門を売却」

様々な企業の取組が記載されていますね。
さて質問です。これらの企業は、なぜこのような戦略を取ったのでしょうか。2分程度であなたの考えを答えてください。考える時間は10秒です。

 

(チッ、チッ、チッ、…。時間です)

 

さて、いかがでしょうか。特に口述試験をクリアしてきた方はすっと対応できましたか?

 

このサイトを読んでいる方は、合格しているか否かに関わらず、診断士として「先生」と呼ばれる立場になる(なっている)人たちばかりです。合格すると実感するのですが、今後、皆さんがお会いするであろう社長の方々は、皆さんを「先生」として扱います。そこでは「合格までに費やした年月」「これまでの社会人経験」「合格後の実務経験」など全くの無関係。製造業であろうと、飲食業であろうと、業界のことを熟知したひとりの「先生」として皆さんと接するはずです。

 

またこういう見方も出来るでしょう。上記のような質問を社長との何気ない日常会話の中でしたとします。その時の皆さんの回答如何で、社長は「この人物に自分達の企業の判断を託しても良いか」を判断することもあるでしょう。そういう意味では、上記の質問は、実は診断士として社長に認められるかどうかの「試験問題」でもあると言えるかもしれません。

 

今、このサイトを見ている多くの方は試験勉強をしていますよね。例えば一次試験では7科目ありますが、「俺、製造業じゃないしガントチャートの意味よく分からん」「景品表示法って言われても、いつこの知識を使うの?」「補助金を使うことないし」など、試験勉強として学ぶことにイマイチ実感が持てず、身が入らないことも多数あると思います。

 

でも、皆さんがふとした友人の紹介で、中小企業の社長に出会い「○○先生は中小企業診断士なのですよね。是非アドバイスを。これってどういう風にお考えですか?」と不意に聞かれることだってあるのです。すべてにおいて専門家になることは出来ませんが、言葉を聞いて、ある程度の内容を理解できることはこれからの診断士生活でとても大切になります。社長への回答次第では「ぜひもっと話を聞かせてほしい!」となることも考えられます。社長とともに考えることのできる土壌を自分たちの頭の中に持つ、その礎は一次試験で養われると思うのです。

 

また前にこの記事で、学びを立体的に表現していました。少し表現方法が違うものの、私もその考えに強く同感しています。
私は一次試験が知識としてのx軸とすれば、二次試験が思考としてのy軸、そして実務補習から実践へと続く経験がz軸と捉えており、点が線となり、面が立体となることで中小企業診断士の魅力、そして深みが増すと考えています。

 

今、診断士を目指そうという方は一次試験を通じて多くの知識の醸成を図ってください。二次を目指す人は自分の知識の引き出しを使って文章を構成する思考のトレーニングを積んでください。そして合格した皆さんは、数多くの社長や診断士仲間に出会い、ヒトに感謝されるための鍛練を重ねてほしいと思います。

 

そういう意味では、この前にも話題に上がりましたが、診断士試験合格はゴールでなくスタートですらない、単なる峠に過ぎないかもしれません。でもその峠の頂に立った時、今まで見えなかった部分まで見えるようになり、視界がばっと広がる。そして次なる目標となる新たな道が目の前に見えてくる、それが診断士試験なのかもしれませんね。

 

このサイトを見ている人は、自分たちの企業の上司や仲間内で、また将来出会うであろう社長の方々に(本人が気づいているかどうかはさておき)期待されている方ばかりです。そして自分自身が(自意識があるかどうかはさておき)その期待に応えるため、努力しようと必死に行動している方ばかりのはず。そんな方々へ、このサイトが2016年も学びの一助となれば幸いです。

 

また今回、めでたく合格をされた皆さんにとって、口述試験で経験した4問の事例からの質問は、試験問題であると同時に、試験上での学びでした。これから皆さんに課せられる「5問目」の質問は、直接社長からされる生きた質問になります。その質問の重さに耐えられるよう、これからも学びを深めてくださいね。そしてその学びの先には、相手に感謝されるという、最高の満足が待っていますよ。

 

最後に、このサイトを読む方々一人一人の人生にとって、この2016年が大きな転機の年になることを祈願しています。

なごでした。

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5問目の質問”へ2件のコメント

  1. なご より:

    すくすく様
    いつもコメントありがとうございます。
    相手の真意を考えること、診断士の学びを進める上で知らず知らずのうちに醸成される能力ですね。そしてそれを今後、意識して使えるかどうかは、その人次第。すくすくさんのように意図して行動できること、素晴らしく思います。
    またすくすくさんがおっしゃる通り、企業戦略は企業に携わる全ての人をつなぐ手段にすぎません。そしてその方向性を決めるのは「社長の想い」。そこに志があれば、達成感や充実感、笑顔や喜びという未来の希望をつなぐことができます。
    特に中小企業は「社長の想い」が顕著ではあるものの、具現化するための人材がいないため、診断士が必要。私も含め、日々努力しなくてはなりません。
    一人でも多くの方に笑顔を運ぶために、お互い、頑張りましょうね。コメントありがとうございました。

  2. すくすく より:

    なごさん、こんばんは。
    今日も診断士の与件解釈のように、相手の真意は何かを考えつつ、仕事をしておりました。先日、二次試験の学習会のため東京や横浜に行ったのですが、本質をみる力や、だれかの思いを具現化する力など、これから学ばなければならないことがたくさんあると、思いを新たにすることができました。
    今年もよろしくお願いします。
    追記:今回のなごさんの質問、自分にはその企業や取引先、働くひとたちの「未来」をつなぐことを目的に各企業が戦略という手段を使っているように見えました。自分も、だれかの「未来」をつなぐひとを目指していきたいです。

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