養成課程の価値

みなさんこんにちは。

お久しぶりです。5代目執筆陣のOzでございます。

実は私、ようやく今年の春に診断士登録を行いました。それまで何をしていたかというと養成課程に通っていたんですね。「あれ!?二次試験合格したんじゃないの?」という読者の皆様もいらっしゃるとは思います。確かに二次試験も合格していたのですが、色々な考えもあり、養成課程にお世話になりました。が、面白いもので、私が当初思い描いていた姿とは全く別の姿を歩んでいます。そこに至る大きな要素として養成課程での時間があったことは間違いありません。私が養成課程で大きく影響を受けた要素は次の3点です。

自分のキャリアを見つめ直す時間が取れたこと
これまで経験のない分野を体験したこと
意外とやれば何でもできると思えたこと

本日はそんな私の養成課程体験談をお話したいと思います。

■ 養成課程??
まず始めに養成課程って何ぞやという方はコチラをご覧ください。ざっくり言ってしまうと「中小企業大学校or登録養成機関が実施する実務カリキュラムを受講すると診断士になれますよ」というものになります。詳細に関してはGoogle先生に聞いてみましょう。道場記事では下記2つがとても参考になると思います。

【合格発表待ち】養成過程座談会 (前編)
【合格発表待ち】養成過程座談会 (後編)

養成課程といっても様々な受講形式がありますが、ベースのカリキュラムは中小企業大学校のものになります。そのカリキュラムに準拠する形で各機関で学習期間や大学院通学などを組み合わせています。お値段はざっと200万円〜250万円くらいでしょうか。私はフルタイムの養成課程に通っていたので、学費+生活費でそれなりのお金が飛んでいきまいした

■自分のキャリアを見つめ直す時間が取れたこと
養成課程に入った途端、修了後どうやって飯を食っていこうということを考えなければなりません。10年後、自分がどのような姿になっていたいのかをたっぷり考えることが出来たのは有意義でした。また卒業生などのネットワークから独立診断士の方々がどのような仕事をされているかを間近に見ることができ、より診断士の仕事がリアルに見えてきました。だって会う人会う人独立診断士なんですもん。その結果、今の自分に必要なことはある経験が必要であると感じ、その経験が積める環境で就職することになりました。

■これまで経験のない分野を体験したこと
私が養成課程で考え続けたことは、「私が顧客からお金を払ってもらえる価値は何か」という点です。どんなに勉強をしたとしても実務ベースでの経験が0では信用を得ることは中々難しい。そう考えるとお金を払ってでも一通り経験させてもらえる実務実習は価値があったのかと思います。私の養成課程はフルタイムでしたので、ほぼ毎日缶詰になりながら一ヶ月間みっちりと報告書を作成します。 様々な分野の経営戦略、会計、法務、製造管理、情報システムについて提言する機会は貴重な経験でした。その経験があるからこそ、小売業出身の私でも製造業絡みの仕事も躊躇することなく受け入れることが出来ています。まぁ、本当は小売関係の仕事の方が得意なのですが…。

■意外とやれば何でもできると思えたこと
一番マインドが変わったのが「意外と世の中行動すればなんとかなる」ということです。調査でどうしてもある情報が欲しいとなった時、ダメもとで海外企業へ取材を申し込んでみると社長が直々に取材に応じてもらえたり、通販試作サイトをテスト運用したら、本当に受注してしまったりという経験がありました。これまで無意識に無難な道を選んでいたマインドからどうやったら自分のしたいことを実現させることが出来るのかをポジティブに考えるようになりました。これらは中小企業の社長さんや独立診断士の方々と接している内にきっとそのようなマインドになったのかと思います。

■養成課程を考えている方へ
こうやってつらつらと書き連ねてきましたが、上記メリットは人によって評価様々だと思います。今から考えれば、独立診断士の仕事ぶりをイメージするなら直接独立診断士の方々にコンタクトをとってヒアリングすれば良かったと思います。また「診断士」でなければ出来ない独占業務もないでしょうし、コンサルタントで食っていくのであれば、資格より実績・経験が重要でしょう。

結論としては、診断士資格にどのような価値を見出すかによって養成課程の価値もまたそれぞれかと思います。私自身は自身は人生の中で確実にターニングポイントになった一年間でしたし、かけがえのない友人達とのつながりもできたので良い経験だったかと思います。それは診断士の資格取得以上に得られたリターンでした。もし仮に養成課程に進むのであれば、資格取得目的ではなく、その後どのように活用するかを事前に考えられる限り想定することをおすすめします。なんだか歯切れの悪い結論ではありますが、本日はこの辺で筆を置きたいと思います。

本年も道場をご愛顧頂きまして誠にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

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養成課程の価値”へ5件のコメント

  1. ryo より:

    わざわざ調べていただきありがとうございます。
    参考になりました。

  2. Oz より:

    ryo様

    コメントありがとうございます。
    ご指摘の通り、大学校ではございません。

    ryo様から質問を頂いたので、各養成課程機関へ問い合わせをしてみました。

    ■実施機関→2次合格者受入可否→先輩独立診断士紹介
    ・法政大学大学院→可→個別紹介可能
    ・中京大学大学院→可→独立診断士の講師を紹介
    ・公益財団法人日本生産性本部→否→説明会の際に独立診断士紹介
    ・東洋大学大学院→否→不明

    上記以外の養成課程機関は回答に時間を要すとのことでした。2次試験合格者の養成課程志望は多分レアケースなんでしょう。

    各機関によって対応が違いますので、養成課程受講を考えておられる方は直接問い合わせをする方が良いかと思われます。

  3. Oz より:

    多年度受験生様

    返信遅くなり申し訳ございません。

    頂いていた質問に対する回答ですが、残念ながら知り合いに大学校や生産性本部の出身者がおりません。

    しかしながら、他年度受験生様の熱意があれば、直接各養成課程本部への問い合わせやお知り合いの方のつながりから独立診断士の方とのコンタクトは取れるのではないかと思います。

    ぜひ悔いのないよう行動に移して頂ければと思います。

  4. ryo より:

    二次試験合格しても通えるのはどちらの養成課程でしょうか?中小企業大学校は入学できないはずですが・・・。

  5. 多年度受験生 より:

    たいへん興味深い記事、拝見しました。
    二次試験の合格者と養成課程出身者とどっちが実践的なコンサルタントに近付けるのか長いこと悩んでいました。

    今年の結果から言いますと二次不合格でした。
    実は一次受験前に養成課程に行くことを決め、それでも二次に全力で取り組んだ結果、勝負にはなったように感じていましたが、発表前も「合格しても今の自分では何もできない。」から養成課程に行きたいと思うようになっていました。

    これまでも先輩診断士数名から実務補習の話は聞いていました。
    逆にその内容では自分としては不安に感じてしまったのです。

    養成課程出身者の方のブログをいくつか読んで、コンサルタントとして踏み出すには、こういう厳しさが自分には必要と感じています。

    すでに中小企業大学校には申し込みはしていますが、当校は金融機関や商工会議所関係の方が優先と知って、民間の私としては書類診査の時点でダメなのでは・・・と不安な日々を送っています。
    場合によっては、生産本部の2次募集も考えています。

    ダラダラと書いてしまいましたが、お知り合いの方で「東京校の事情や生産本部のコースに通った方などで、話をお聞かせ頂けそうな方はないでしょうか?」と思っています。

    困らせてしまったらすみません。回答が難しければ流して下さい。

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