【合格発表待ち】養成過程座談会 (前編)

診断士試験合格と、養成過程修了の違いは何か?

中小企業診断士の特徴は、「試験合格」「養成過程修了」の複数路線型資格であること。だが受験校は「試験に合格する方法」の指導には熱心でも、養成過程を修了する方法には、当然無関心。

そこで養成過程を修了した現役診断士3名の見解を、座談会形式で紹介。一言で言えば、

目的が違えば、手段が異なる。

コンサルタント発想の基本は「なぜ?」「それで?」 知識を動員して現状分析し、選択肢を複数挙げて妥当な一つを選ぶ。では「養成過程」は自分にとって選択肢の一つになるか?さっそく座談会スタート。

【参加者プロフィール】
I:1次3回、2次1回受験、H大養成過程修了。2013年診断士登録
M:1次2回、2次1回受験、H大養成過程修了。2013年診断士登録
N:1次1回、2次2回受験、T大養成過程修了。2013年診断士登録
F(司会):ふうじん

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◇座談会トピックス◇

【前編】
①自己紹介、1次・2次受験回数、養成過程を選んだ理由等
②診断士試験1次合格まで
③診断士試験2次受験まで
④2次受験後、合格発表までの過ごし方
⑤2次試験の合否をどう考えるか~5,000人受験、1,000人合格

【後編】
①養成過程の応募・選考方法・費用・カリキュラム
②受講から卒業までのエピソード
③養成過程⇔MBA大学院等⇔2次筆記試験合格に違いはあるか
④診断士受験生へのアドバイス

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【前編①~⑤】

■①自己紹介、受験回数、養成過程を選んだ理由■

2次筆記を終え、試験を受け続けるより、養成過程を選択。

F:それでは簡単な自己紹介から。

M:既に独立開業しており、コンサルタントとして活躍するため診断士資格取得を志した。1次2回、2次1回を受験し、2次を受け続けるのでなく短期間で確実に資格を取るため、養成過程を選んだ。

N:コンサルタントになるキャリアを描き、そのために診断士を受験。現在は大手監査法人に転職し、診断士・大学院MBAの知見から公認会計士と異なる視点でのコンサルタント業務に従事。診断士協会支部の活動が営業受注になるメリットもある。1次を1回、2次を2回受験したが、受験2年目までのサンクコストの回収には、1次対策からやり直すのでなく養成過程に進む方が確実と考えた。

I:診断士資格を120%活用している。商店街活性化にもともと興味があり、資格取得後に独立し、公的支援機関関連業務や商店街よろず相談アドバイザーとして活動している。1次を3回、2次を1回受けた時点で、女性ならではの体力的な不安や家族の勧めがあり、「先の見えない1年間」でなく「先の見える1年間」にするため、養成過程を選んだ。

F:ありがとうございます。独立したり、業務と密接に活用しているのが3人の共通点。その点は後半に譲り、前半では診断士試験との関わりからお伺いします。

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■②診断士試験1次合格まで■

どちらかといえば、1次は苦戦、冷や汗モノでの合格。

M:独立後、40過ぎでの1次受験であり、記憶力低下を感じていた。そこで時間を使える強みを活かし、1次試験直前は8時間/h×週6日の48時間/週のペースで勉強した。1年目は「経営」「運営」「情報」を科目合格し、2年目は「経済」「財務」「法務」「中小」を合格。だが「経済」が難化した年であり、4科目計でギリギリの通過だった。

N:T○Cの1・2次ストレート講座に通学。やはり記憶力の低下を感じ、理解を中心の学習にした。試験前1週間は休暇をフルに取り、420点ギリギリではあるが7科目一発合格した。診断士試験は出題範囲が広いため、頻出点を効率良く教えてくれる講師を選んで通った。出題領域の8割を80%当てるイメージだが、そこに絞ったことで60点ギリギリでの合格になった。効率良い受験と自負。

I:自分の実力では2年で1次合格すれば良いと考えたが、2年目の「経営」で見直した2択を全て外すミスを犯し、再挑戦となった。3年目は「法務」「経営」の2科目受験で120点ギリギリ、冷や汗モノの1次合格だった。1年目の7科目受験は体力的にキツイが、受験科目が減る2年目・3年目は精神的な重圧で苦しんだ。

F:興味深いと言っては失礼だが、3人とも実務で活躍する診断士である一方、1次試験は皆ギリギリでの合格。これが試験と実務が違うと言われる一因なのかも。

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■③診断士試験2次受験まで■

2次の学習は楽しい。だが試験では手応えナシ。

M:T○C1・2次上級本科生コースに通ったが、事例演習得点は安定せず、また受験校模範解答にも納得いかなかった。上級生クラスは約70人おり、講師の指導も納得いくものであったが、演習では自信があった事例Ⅳを含め、1回目の2次受験は全く手応えなしに終わった。

N:1年目の2次対策開始は、1次本試験終了後。模試や追加のオプション事例をフルに受けたが、事例Ⅲに苦手感があり、合格手応えなくBBCAの結果に終わった。2年目は講師の指導を信じ、十分な対策・勉強会などの工夫を重ねたが、本番直前に行ったセルフ模試でなぜか「周囲が当てる所を外す」スランプ状態になった。様々なメンタルコントロールを試みたが、2次の評価は前年より悪化し、CACA。

I:診断士になりたい思いが強く、T○Cの他にいくつか2次専門校の指導も仰いだ。3年越しの2次対策を経て臨んだ本試験当日は80分4セットに全身全霊を傾け、試験後は席から立ち上がれないほど。だが結果はB評価(BACBだった…?)

F:2年目以降の2次挑戦は、1年以上十分な対策をして臨むが、1年の努力に足りる手応えを得る人の方が少ないのが現実。ではこの「2次試験対策とは一体何なのか?」という疑問が出てくる。

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■④2次受験後、合格発表までの過ごし方■

合格発表まで7週間。ただ発表を待つのでなく、自分のキャリアを考える。

F:さて、2次本試験日から合格発表まで7週間待たされます。この期間をどう過ごしましたか?

N:答案分析会など、受験校のイベントに参加することが多かった。

M:2次対策の学習自体は楽しかったが、2次筆記は手応えもなく合否への関心は低かった。学習仲間の勧めもあり、養成課程のチラシに目を通すことが多くなっていた。

I:2次受験後すぐ養成過程MBAコースの選択を考えた。念願の2次初受験であったが、体力的に厳しく、またこの試験の合格は水物との感が強まった。家庭・仕事のとのバランスを考え、また大学母校に養成過程MBAがある親近感から、養成過程に進むことを2次合格発表前に決めた

F:なるほど、資格取得狙いでなく、診断士として活動することが目的なら、試験合格発表を待たず、養成過程を積極的に選ぶことが現実的な選択肢になる。

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■⑤2次試験の合否をどう考えるか■

2次合否は努力・実力を反映しない水物。その結果、試験合格が目的化。

F:3人とも、2次合格発表前に養成過程受験を決めています。とはいえ2次筆記の合否についてどう考えますか?

M努力が結果に反映しづらい、水物に思える。2次対策として、解答ノウハウ型の指導もあれば、聞かれたことにシンプルに答えろと指導する講師もおり、その方法が自分に合えば合格に近づくのだろう。

N努力したり、優秀な仲間が不合格になるのを2年間見てきた。一方、合格者がそれより努力したか、優秀かといえば、その限りとは思えない。

I試験に合格することが目的化している傾向は感じる。合格することが目的の人と、診断士として活動することが目的の人で、2次筆記合否に対する考え方は違ってよい。

F名ばかり診断士の立場としては、実務家の指摘は耳が痛い。スト合格者は一般的に、独立するより企業内でそのまま活躍する傾向が強い。試験に合格するテクニック磨きと、それを上回る出題傾向変化のいたちごっこが続くから、試験のあり方に疑問を持つ方は今後増える一方かも知れない。

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■前編まとめ■ 

2次筆記合格発表まであと13日。このタイミングでこの記事が執筆された意図は何か?4択で提示。

ア. 診断士養成過程の実態を紹介する。
イ. 診断士になる為に、試験合格でなく、養成過程の選択肢を提示。
ウ. 養成過程のカリキュラムの充実さを示し、受講をオススメする。
エ. 2次合否は水物。試験合格が目的化している実態を指摘する。

診断士1次を突破した実力者なら、4択見た瞬間に「明らかに間違っている2択を落とす」のは常套手段。ではその答えは?後編に続く。

byふうじん

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