パニックになりそうなとき、どう乗り越えるか

 

なごです。
試験が直前に迫ってきました。ほとんどの受験者が、どんな問題が出るか分からない二次試験に対して不安な気持ちを持っていることでしょう。
ここで「大丈夫だ、頑張れ!」と受験生の皆さんを主観的に応援するのは簡単ですが、ここのサイトは“分析大好き”一発合格道場ですから、道場メンバーとして、少しだけ客観的にエールを送りたいと思います。

 

今日のお題は「パニックになりそうなとき」です。
「パニックになる」とは、「非常にあわてて正常な判断ができなくなる状況」を言い、試験会場などで良く聞かれる言葉です。緊張や不安な気持ちが高揚するあまり、的確な判断ができなくなる、そんな状態ですね。本来、冷静に判断すれば、案外、難なく回避できることができるものでもあります。今日はそんな傾向と対策を考えてみたいと思います。

 
●勉強がはかどらずパニックだ
試験を目前に控え、何をしていいのか分からなくなっているあなた。まずは自分を不安にさせている「要素」を把握しましょう。

【読む力が不安】
文章を読む際、漫然と読み進めていませんか?接続詞、時系列は意識していますか?問題数をこなし、試験慣れしてくると意外に忘れがちな細部へのこだわり。通常だと言わないような言い回しや、同じ話題を2度くり返すなど、与件文には不自然な部分が何か所かあります。そんなポイントとなりそうな場所に意識を集中させる訓練をしましょう。漫然と解く10題より、きちんと読み込んだ5題(決して1題ではなく)をこなすことがこの時期は大切。初歩的なことを言っているようですが、これが最後の仕上げとして一番意識しなくてはいけないことと言えるでしょう。

 

【編集作業が心配】
ある程度キーワードを抜き出すことは出来た、でもどの設問にどのキーワードを当てはめればいいか、どう編集していいかわからない。そんな時は、時系列を意識して、大局をつかむことを意識しましょう。各設問は過去から現在(未来)の順になっていることが多いです。与件文のほうは、段落ごとに時系列をいじっている(真ん中あたりで創業時の話題を出すなど)ため分かりにくい部分もありますが、全体的な時系列を意識して読めば、おのずと答えに当てはめるキーワードも分かってくることがあります。
しかも出題される事例企業は、
(創業)⇒
(いろいろあるけどうまく行く)⇒
(外部環境などの変化で苦しくなる)⇒
(なんとか乗り越える、もしくは今後乗り越えたい)
の構成になっています。頭の中に時系列の枠組みだけ作っておき、全体像をつかみながら設問にキーワードを当てはめていきましょう。

 

 

【書くのが苦手(または得意)】
キーワードを盛り込むことによって、文章を作成する技術。例えば100文字にまとめるのって意外に大変ですよね。主語、述語はきちんとつながっていますか?一度、全く他人の解答を採点する気持ちで自分の文章を見てください。もしくは主語と述語だけ見て、文章が成り立っているか読み直してみてください。意外に何言っているのか分からない(主語と述語がつながっていない)文章を量産しているケースがあります。また主語と述語が遠すぎてなんだかよく分からない文章のケースも多数あります。改めて自分の文章のくせを把握することで、本番に向けた微調整を行っていきましょう。

 

また文章が得意な方(得意と思いこんでいる方を含む)の中で、たくさんの事例を解こうとするあまり、キーワードの抜き出しまでで試験勉強を終えている方が見えます。自分は書くのが得意なので、キーワードさえあればだいたい指定された文字数でまとめられる、そんな自信がある方に限って、結構当日、不意を突かれた問題に四苦八苦し、書くためにどれだけの時間を残したらよいのか分からず、結果的に文章を構築する時間が短すぎて敗北するケースがあります。自分が解答用紙に書くのにどのくらいの時間を要するか、実際に書いてみることで目安となる時間を測りながら、本番に備えることも大切です。

 

試験そのものが不安だ
勉強はそれなりに進んでいる、でも一発勝負である試験自体に不安がある、そんなケースもあるでしょう。特にストレート生は初めての2次試験でもあり気持ちの面でも不安定になりがち。だからこそ事前に不安を取り除きましょう。

 

【物理的な不安】
シャーペンが壊れたらどうしよう、電卓を盗まれたらどうしよう、もし物理的な不安があるのなら、2つ準備するなど、問題をきちんと解消しましょう。電卓が小さく8ケタしか表示されないものを使っているのなら、今からでも買い換えましょう。試験会場への道が分からないなら下見するのも良いと思います。個人的には、全く下見は必要ないと思っていますが、それで気持ちの上での不安が一つ解消されるのなら是非しましょう。なくすことのできる不安要素は全てつぶす。それが心の安定につながります。

 

【精神的な不安】
とても難しい問題が出るのではないか、自分自身の勉強方法が間違っていたのではないか、いろいろな心理的な不安はあると思います。でも不安はあって当然だし、それだけ大きな目標に向かって歩んできたからこそ、良い意味で気持ちの高ぶりがあってしかるべしと私は思っていました。でもどれだけ自分を言い聞かせても、不安な気持ちはなかなか消えることがありません。
そんな時は努力の可視化です。これまで使ってきたノートの山やインクの無くなった使い古しのボールペンの束でもいい、これまでの努力が、目に見えて分かるものを手元に置くだけで「俺はこんなに頑張ったんだ」を自分自身を奮い立たせることができます。
また私自身、ファイナルペーパーを個別には作りませんでしたが、最後の最後まで「全知識」に学んだことを書き込み、備忘録としていました。自分なりの辞書ですね。そんな手あかのついた何か一つを試験会場に持ち込むだけで、こころの拠り所ができ、心理的なパニックが防げます。あと数日あるのなら、そんなファイナルペーパーまがいのものを自分なりに作ってみる時間にあててもいいかもしれません。

 

●試験会場でパニックだ
試験会場に着くと、8月の1次とは様子がだいぶ変わっています。私が地方受験だったからかもしれませんが、会場にいる受験生の数が明らかにまばらで、受験者数が格段に減ったことは一目瞭然で分かりました。受験会場にいる誰しもが“できそうな”雰囲気を持っており、こんな中で自分自身が本当に上位2割に入れるのか疑心暗鬼になってしまいます。
でもそんな不安は大きな間違い。皆さんは問題作成者が想定する解答の6割を獲得すればよいのです。周りにいる人たちは関係ありません。2次の合格水準に達している人が毎年千人に足らず、得点調整で繰り上げ合格させている可能性はありますが、それは結果的に枠が広がっているだけで、まずは目の前の試験で6割取れれば確実に合格できるのです。
そのためにすべきことはなんでしょう。頭の中を整理するためにファイナルペーパーを読むのも良し、想定される事例企業のストーリー(事例Ⅰ、Ⅱ、Ⅲで与件文の傾向が全く違いましたよね)を復習するのも良し、電卓をひたすら叩いてウォーミングアップするもの良いでしょう。(周りの受験生にとっては、ただのうるさい奴になってしまいますが(笑))
唯一、私がダメだと思うのは、友人と談笑して時間をつぶすこと。何気ない一言(例:○○って出そうだよね、と知らないワードをささやかれるetc.)で不安な気持ちになることがありますから、メンタル面を安定させるためにも自分の世界にこもって勉強するのが得策です。

 

 

●試験が始まったらパニックだ
見たことのない問題が出た、今年は出題傾向が変わった、何をすればよいか分からなくなった。問題を見たとたん、固まってしまうこともあるでしょう。でもそんな時、私はむしろ喜べばいいと思っています。難しい問題は誰にも解けない、だからこそ確実に解ける問題だけ間違えずに解けば、得点調整で合格圏に入ることができます。私は財務が大の苦手で、そもそも劣等感がすごいのですが、一昨年の200%定率や植物工場の問題を見たときは唖然としたのを今でも覚えています。でも出来ることを確実にやることで、A判定を取ることができました。
むしろ「読みやすい文章だな」「分かりやすい設問だな」と思った時は要注意。自分が簡単だと思うということは、周りも同じ感覚を持っている可能性があります。そんな時こそ集中力を高め、キーワードを漏らさず当てはめていくことが大切になります。

 

 

●試験終盤でパニックだ
試験時間が刻一刻と過ぎ、終了に近づく中で自分自身の回答がきちんと構築されない。それこそパニックになりがちです。そんなときは自分を信じ、抜き出したキーワードを利用して文章を書いていきましょう。長い文章、起承転結がまとまったきれいな文章にする必要はありません。まずは書くこと、そしてポイントは短い文章にすることです。急いで書く文章は主語述語が乱れがち。すると採点する方は全く意味の分からない文章を見て、ばっさりバツをつける可能性があります。だったら短い文章で部分点を拾ってもらえるような文でまとめることも大切です。マス目が埋まらないと言って無理に修飾語などで長文にする必要もありません。マス目が空いたのならそのままにしておくのもいいでしょう。あとからキーワードを見つけて付け足すことも出来ます。最も避けなくてはいけないのが完全空欄、自分なりにタイムリミットを事前に決めておき、万が一時間が足りなくなってきたら、思い切って解答用紙に書き始める勇気も必要です。

 
ざっと思いつくままに「パニックになりそうなケース」を羅列してみました。それ以外にも動揺してしまうケースは多数ありますが、すべてにおいて冷静に対応することが必要です。前にも一度書きましたが、私が別件で試験委員をしている時、採点してみると結構、多くの受験生が簡単な問題でつまずいている。それだけ試験会場は緊張するものなのです。だからこそ自分自身が緊張する場面ごとの癖を知り、冷静に対処法を考えることで問題の多くは解決します。備えあれば憂いなし。これまで頑張ってきた努力を形にしてきてくださいね。みなさんの活躍を期待しています。

 

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パニックになりそうなとき、どう乗り越えるか”へ3件のコメント

  1. 受かりける より:

    なご様

    デーモン閣下のエピソードは面白かったです。
    試験場で運悪く懸念している外部環境の脅威が現実のものとなってしまっても、今回のなご様の助言を思い出し自分の力を出し切ってきたいと思います。

  2. なご より:

    受かりける様
    コメントありがとうございます。
    受かりけるさんは、デーモン小暮さんを知っていますか?彼は世をしのぶ仮の姿の時、某私立大学を一浪で受かっています。
    1年目の時、なぜ落ちたかというと、周りの受験生の集中力を落とそうと、わざわざ試験中に筆記具を落としたり、貧乏ゆすりなどして周りを威嚇しようとした結果、その行為をしようとして逆に自分が緊張してしまい、試験に集中できなかったとのこと。
    これは私が20数年前、大学受験の時にたまたまオールナイトニッポンという深夜番組を聞いていた時に話していたかたコメントです。
    この話を聞いてから、カタカタ音を立てている人を見ると、「こいつは自分の実力に自信が無いから、周りを落とそうと無理してるんだな、まあ俺には効かないけど」と上から見てあげるようにしました。
    そうすると、カタカタしてる人が可愛くなるのと共に、自分以外の周りの人がイライラしていると、「あ、こいつは術中にはまってるな」と結構、冷静に見えたりする副産物もあります。
    私はそう思うことによって、心理的な負担を回避してました。

    あと、もう一つ。
    カタカタ音を出す人は必ず一定数います。いるのが当然、いなかったらすごくラッキー、くらいの気持ちで試験会場に臨んでみてください。
    するとポジティブに試験に臨めると思います。

    そういう気持ちの持ちようも準備のうちの一つ。大切な準備だと思いますので、イメージトレーニングして実際の試験に臨んでみてくださいね。
    受かりけるさんの吉報をお待ちしていますよ。

  3. 受かりける より:

    なごさま

    私は神経質な方なので、自分の実力は棚に置いておき、周り次のような受験生がいたらどうしようかと不安です。
    ・鉛筆やマーカーの持ち替え回数が多くかつ音がうるさい。
     (ある程度は仕方ないと思いますが、バシッと叩きつけるようにする人もいます。)
    ・頻繁に鼻をすすったり、咳をする。

    対策は、耳栓は禁止されているので、下記程度しか思いつきませんが、妙案はありますでしょうか?
    ・そんなことを気にしない程に、集中力を高める。
    ・多くの受験生が見ていそうなこのサイトで、モラルに訴えかけ、お願いする。

    自分も迷惑にならないように気を付けます。

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