★重箱の隅つつき論点③★法務~日本語で解ける英文解釈

はい、こんにちは。今日の重箱の隅つつきのお話は、
5月連休前後の「和尚の財務祭り」から暖めていたネタです。

「こんなに財務にコキ使われるのはほぼ8年ぶり!!!」の状態で、もうやだやだやだやだやああ財務なんて嫌いだぁ!!な気分のときに思い付いたのが
「そうだ!英語をやろう」
でした。この英語が苦手、というか現在完全domesticな業務に就いているため、英語に接するのは中小企業の海外子会社の決算書見るときくらいで、もう英語なんてとてもとても。。。

という人間が、法務の英文攻略法書きます!!
だからこそ、有効な記事が書けると信じて。

 

1 傾向と対策
アンドロメダさんもここでおっしゃっているとおり、
「労少なくして益多し」の分野ではないかと思います。
ある程度の特殊な単語を覚えて、あとは普通の商取引やライセンスの常識で解ける問題が多いように感じます。

ちなみにここ10年間の出題範囲を見ますと

守秘義務条項H26
貿易実務 H25、18
ライセンス供与にかかる事項 H24、23、22、21、19、17
裁判所管轄の問題 H20

と、圧倒的にライセンスにかかる分野が多くなっています。
が。
ここ2年の傾向を見ますと守秘義務条項(H26)と貿易実務(H25)で、
①どちらも設問2問
②あまり「英語力」が要求されない(常識力もしくは「知識」)
③7ー10点くらいの配点あり(従来1問出題の4ー5点の配点だった)

という特徴があります。

H26年に関しては、過去問傾向からすれば特殊な論点ですが、
設問1は英語読まなくても常識的に国語力でイが正答と感じられます(秘密情報を利用せずに開発した情報は「秘密情報ではない」でしょうから、「秘密情報に該当」としているイがまちがい)。
設問2は、後述「和尚が辞書で調べた中小企業診断士法務に出る(んじゃないかな~)単語(略して出るかも単)」からピックアップ出来れば、と思います。
H25年に関しては、これは後述します。

 

2 ライセンスにかかる契約条項
これも、日本語の選択問題ではないかと感じます。H23年度はアンドロメダさんが解説しているので、そちらもご参考にされてはいかがかと思われますが、
H24年度は結構難しいのではないのかなあ、と思います。

そもそも論で、日本語としても
「・・・知的財産権を侵害しないという保証をしない」(H23)、
「ライセンス対象物に対して特許権を行使しないライセンシーの義務を規定している」(H24)
など、一読しただけでは「日本語でも」何を言っているかわからないものが多いと感じます。

ここは、まずは日本語の意味を咀嚼していただいて、吟味していただきたい、と思います。
ただ、H20年のように、日本語訳を選べという問題で、「東京」という単語が入っているのはエだけというのもあり、即断出来るケースもあります。

以下、和尚が辞書で調べた中小企業診断士法務に出る(んじゃないかな~)単語(略して出るかも単)
これ以外にも、アンドロメダさんもここでまとめておられますので、かぶらないようにピックアップしました。
grant:与える、供与する
exclusive:独占的に
agreement:契約書、合意証書
jurisdiction:裁判管轄
observe:遵守する
rights:権利
wrrant:保証
proprientary:秘密の
disclose:開示
covenant:約款
patent claim:特許請求の範囲、特許クレーム
recipient:受領者
(ライセンシー(サー)、パテントなどはもう日本語だから省略)

3 貿易実務にかかる問題
さて、私平成25年度の法務英文、2/2の満点(9点)でした。
これは理由があって、昔5年ほど外為業務に携わっており、L/Cの発行やらそういうのやってました。
この年ばっちし貨物引渡条件とINCOTERMS2010(私の時代は1990だった・・・(泣))が出まして、これはラッキー問題だったことを覚えてます(ついでに同年第19問も)。

さて、せっかく記事にするのだから、貿易貨物の引渡し条件について。
H18年にも同義の問題が出ていますので。
輸出者と輸入者がどこで貨物の危険負担(正確ではないが≒所有権移転と覚えておいてもたぶん問題はない)を行うか、というところを
いわゆるCIFやらFOBという「所有権の移転の瞬間はどこであるか?」というタームでもってお互いに取り決めている、ということだけです。
詳しくは、ここ に書いてあります(和尚注:結構このサイト、充実してます)。

輸入から輸出までの流れのなかで、どの瞬間が引渡しとなるか、きっちり覚えればいいのですが、
EXW(輸出地の工場を出たら輸入者のもの=壊れたりしたら輸入者が責任を持つ)
FOB(船に載せた時点で輸入者のもの)
CIF(FOBと同じ船に載せた時点で輸入者のものだが、船賃、保険料は輸出者負担)
くらいを覚えておけば、消去法で正解にはたどり着けると思われます。
(私もこのくらいしか覚えてないし、貿易実務でもこれ以外の引渡し条件が出ることはまれでした)。
こういうことをきっちり決めてあるのが前述INCOTERMSです。

あと、出たことない論点ですが、信用状(上記L/C=LETTER OF CREDITという)取引なるものの性質や、決済方式(D/P、D/A、T/T、ユーザンスなど)を問われる問題がでるかもぉ。と申し上げておきますが、確率は低そうなので余裕のある人だけ、ここみておいてください。(和尚が言いたいだけと心得ておいてもらってまず問題はないかと。昔仕事で表作ったんだけどなあ。)

さて、これに伴う参考サイトと参考文献を。
余裕のある人は読んでみてください。「英語読解力」よりも「法的解釈」の方が重要視されているみたいですので、日本語だけ拾い読みしても十分に通用すると思われます。

英文契約書.com

自分で読み書きできる英文ビジネス契約書 野副靖人著

ほんとに珍しく、英語について語る和尚でございました。

合掌。

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