「時は金なり」の本当の意味を知っていますか?

財務が得意と自称しているにもかかわらず、なかなか財務にたどりつけない紫雲和尚です。
よく東雲駅や白雲斎や青雲線香に間違えられますが、どれも共通点はありそうですが、違うんです。紫雲和尚です。

さて。今日は法務をちょこっと。
英語で言うところのTime is moneyですね。

イタリア語でいうところの
Il tempo è denaro.
ですね!
(語学は徹底的にできない私が、先般、3代目うちあーの様が名古屋にこられた折、教えていただきました。)

時間はおかねと同様に大切だよ!という意味とどこのことわざ辞典には書いてあります。だから一瞬一瞬を大切にせねば・・・という意味合いで使われますが。。。

ちがうんですちがうんですちがうんでうs。

和尚が言いたいのは、 「時間っていうのはおかねを生むからほぼ同義です!」ということです。

経営法務平成26年第4問(設問1)ですが、みなさん読まれました? 読まれてない方は、手元においていただいて、これに沿って説明します。
こういうやりとりがあります。ちょっと抜き出してみます。

■■■
甲 氏(社長):「Y社が振り出した手形が不渡りになったという情報を聞きました。Y社に対しては、売掛債権が1億円もあるんです。これを回収できないとなると当社の経営に大きな打撃となってしまいます。」
あなた(診断士):「何か担保は取っていなかったのですか。」
甲 氏:「何も取れませんでした。」
あなた:「その売掛債権の内容はどうなっていますか。」
甲 氏:「Y社は、卸売業者です。当社は、取引基本契約書を締結して、Y社に対して当社の製品を販売し、Y社は、これを小売業者に転売しています。当社がY社に対して有する売掛債権は、当社の製品をY社に販売して発生したものです。」
あなた:「その売掛債権について、支払期限は、もう来ているのですか。」
甲 氏:「いや、まだ来ていません。」
あなた:「では、取引基本契約書に、「 A 」として、手形の不渡りが定められていますか。」
甲 氏:「いや、ちょっと分かりません。」
あなた:「ちょっと契約書を見せてもらえますか。」
■■■

さて。Aの答えは「期限の利益喪失理由」ですが、この「期限の利益」っていう言葉、みなさんどうです?しっくり来ますか? 来ませんよね。期限に利益があるの?なーんて。

これね、あまりみなさん意識していないでしょうけど、例えば1百万円を「おと」さんと和尚の誕生日5月20日までの期限でお金を借りたとしましょう。 これ、4月26日(岡崎氏の誕生日)に、いや5月19日に「金返さんかい!」と言ってきたとしても 「返す必要はない」 ということです。
いや、5月19日に財布に0円だったとしても、 大丈夫なんです。あ、説明の仕方がまずい。。。

この言葉「期限の利益」の意味は、 期限が来るまで債務者は返済の義務がない、すなわち原則期限までは、期限を守られる「権利」=「利益」がある、という意味。

なぜ、利益か?それは時間があれば、パチンコでも競馬でも、運用して(笑)もうけることができるではないですか。当然預金や投信や株式でも構いませんし、会社経営のためのおかねでも構いません。

とにかく、「時間ってのはお金を生むから、債務は期限まで請求はできない」という原則があるのです。

でもね。 債務者が上記問題のように不渡りを出したのに、「金は即刻払ってほしいけど期限は「おと」さんと和尚の誕生日である5月20日までだからなぁ」なんて悠長なことを言っていたら、他の債権者に先んじて確保出来る債権を失ってしまう可能性がありますよね(基本的にそういう時は、早いもん勝ちです)。

だから、債務者と債権者の間で、この期限の利益を「場合によっては期限の利益を喪失させる、すなわち即時一括返済を要求できる」状態を規定させる契約を締結することが認められているわけです。

いやあ、法務のこういうロープレ方式の問題は和尚好きだなあ。てかこの会話和尚には生々しく感じます。なぜって1億円焦げ付きそうなのに、契約書の確認をまだしていないし「わからない」なーんて悠長なことを言うような方は多いからです。

契約書ってのは「なにかあったとき」に相手方にペナルティを課せることができる権利を規定している面があります。本件は「不渡り」という事実において、何かしらの請求が出来る、ことは覚えておいて損はないと思います。だから契約書の確認は必須です。

診断士になった暁にはこういう方に冷静に有効なアドバイスを差し上げられるよう、協会でも意識しているのではないか、と思われます。

はい、この前提でもって第4問をお読みください。たぶんこれでなんで問題中の社長と中小企業診断士が焦っているのか、ある程度意味がわかると思います。

ちなみにこの問題、小問2問で計9点の高配点なので、協会としてはかなり重要視している概念かと思います。 和尚がいうような、中小企業のシャチョーさんが知らないことにより、損させないために、潰さないために何ができるか、に直結する知識でもありますし。
本日も結構偏った見方の和尚のお話でございました。

PS「時は金なり」についてファイナンス的な観点からの文章もこの広いネットの世界のどこかでこっそり書くかも知れません。

合掌
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「時は金なり」の本当の意味を知っていますか?”へ3件のコメント

  1. 紫雲和尚 より:

    >きこりんさま
    コメントありがとうございます。
    そうです、「科目ごとのつながりの意識」これ大事です。
    法務オンリーだから・・・という勉強ではなく、他の教科とつなげて考えること。
    これ、記憶の強化に十分有効で、私的には「芋づる式勉強法」と呼んでおります(笑)

    今後とも愛読よろしくお願いします。

  2. きこりん より:

    時が金を生む話、期間利益の喪失のお話、財務の割引率にも繋がりますね!
    中小企業診断士のお金のお話ブログでいろいろ拝見できますのを楽しみにしております。

  3. きこりん より:

    いつもありがとうございます

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