合格体験記その2-岡崎教行

こんにちは。牛嶋・寺前・和田法律事務所の弁護士岡崎教行です。

今回は、合格体験記第2回目となります。

1回目はこちらから

では、参ります。

【目 次】
第1 はじめに
第2 合格までの軌跡
1 受験のきっかけ
2 一次試験まで
(1) 一発合格道場との出会い
(2) 試験申込み
(3) 答練開始
(4) 公開模試

・・・・2月16日掲載・・・・
3 一次試験実況中継
(1) 初日
(2) 二日目
4 一次試験の結果
5 二次筆記試験まで
(1) 答練開始
(2) 公開模試
6 二次筆記試験実況中継
7 二次筆記試験の結果
8 二次口述試験実況中継

・・・・以上、今回掲載・・・・
第3 合格の要因
1 合格への気持ち
2 試験の特性を見極めた
3 採点官の気持ちに思いを至らせた
4 勉強テクニック・試験テクニック
(1) 情報の一元化の重要性
(2) 最後の最後まで粘る-直前に見るものを決めておく
(3) 一次試験では説ける問題から解いていく
(4) 肢を1つでも切って確率を高める
5 手を広げすぎない
6 群れない
7 事例の分析方法を確立していた
8 モチベーションの維持
第4 二次試験が不合格だった場合にやろうと思っていたこと
第5 最後に

・・・・以上、3月18日掲載予定・・・・

【本文】

3 一次試験実況中継
しかし、平成26年10月に日本経団連の労働法フォーラムという一大イベントがあり、私がその報告者に指名されていたこともあり、その準備で勉強はなかなか進まず、平日は、夜中の2時頃に自宅に帰っては、石川秀樹先生の講義を少しずつ聞き、土曜日に数時間、勉強時間を確保できるかどうかという状況でしたので、結局、一次試験本番までにできたことは、企業経営理論はテキストを全て読むことができた、運営管理もテキストを全て読むことができた、中小企業経営・政策は答練、過去問で出てきた政策は殆ど暗記できた、経営情報システムはテキストを3分の2程度しか読むことができなかった、経済学・経済政策はテキストを70%程度しか読む(You Tubeで講義を受講する)ことができなかったに留まりました。過去問は結局、中小企業政策だけは過去5年分できたもののその他の科目は殆ど出来ませんでした。そのため正直、不安でした。
(1) 初日
① 経済学・経済政策
経済学については、上述のとおり、テキストを読めたのが70%程度でしたが、最初に勉強したマクロ経済については、1回講義を聞いただけで復習も殆ど出来ていませんでした。そのため、前日に総復習しようと思ったのですが、仕事の関係でそれもできなくなり、とても不安でしたが、足切りを避けれればと思っていました。実際受けてみると、分からない問題も多く、できる問題からどんどん解いていき、なんとか40点は確保できて、うまくいけば50点に届くかもしれないなという手ごたえでした。
② 企業経営理論
私の場合、財務・会計が科目免除のため、頭を切り替えて、財務・会計の試験時間中は喫茶店でひたすらテキストを読み直しました。ただ、企業経営理論が終わってから運営管理の試験までの時間が短いことから、財務・会計の試験時間中の殆どを運営管理のスピードテキストの読み直しに費やし、最後に、軽く企業経営理論のスピードテキストを読み直しました。企業経営理論は時間が足りなくなる傾向があるので、あまり迷っている時間はないことを念頭に、60点を目標として取り組みました。何とか時間内に終わらし、50点~60点程度かなぁという手ごたえでした。
③ 運営管理
運営管理については、70点を目標として取り組みましたが、手応えとしては合格点をギリギリ確保できるかなぁという程度で60点あたりかなという手応えでした。
(2) 二日目
初日が終わった後は、情報システムと中小企業経営・政策の総復習をしようと思っていたのですが、仕事の関係で月曜日までに終わらせなければいけない案件があり、初日の試験後は勤務先に行き仕事22時位までこなし、夜中に漸く復習をすることができましたが、時間がなく、中小企業経営・政策だけを行い、科目免除の経営法務のときに情報システムを勉強することにしました。
① 経営情報システム
経営法務の試験時間に喫茶店で経営情報システムのスピードテキストで未読部分を読み、また、少し、過去問をやり、これまで読んだところを復習して試験に臨みましたが、やはり難しく、40点~50点という手応えでした。
② 中小企業経営・政策
中小企業経営・政策については、事前に80点を取れば他の科目をカバーできて、何とかなると考えていました。実際に受けてみて、手応えは抜群であり、70点は確保できたなと思い、うまくいけば90点も夢ではないという手応えでした。
4 一次試験の結果
以上の通りの出来であり、380点~430点の間程度だろうなと考えていたので、一次試験突破の可能性も何とか残されているのではないかと考えました。発表が公表されたら、その当日に採点することは決めていたので、発表された日の夜中に仕事が終わり次第、勤務先で採点をしました。夜中の事務所で一人緊張して採点をしましたが、結果としては、経済学・経済政策60点、企業経営理論62点、運営管理61点、経営情報システム56点、中小企業経営・政策72点、科目免除の財務・会計と経営法務が60点の総合431点と11点オーバーで、何とか合格に至りました。
なお、個人的な見解ですが、正解が発表された場合には、すぐに採点したほうが良いと思っています。司法試験のときも、採点しないという人もいましたが、試験が終わった以上、今更、自分の力で点数をコントロールすることは不可能ですので、速やかに採点をして、合否を知ったほうが良いと思っています。合格しているか、していないかがわからないまま二次試験の勉強をしても、どこか心は浮ついていて効果的な勉強には至らないと思います。
5 二次筆記試験まで
(1) 答練開始
合格が分かったあとは、TACの二次直前パックを受講することを決め、実際に答練を受けることにしました。TAC講師の遠藤先生からは、1日1事例を解くこと、出題委員の著書には目を通しておくことが必要だという話がありましたが、私の場合、仕事の関係上、1日1事例を行うことは不可能でしたので、せめて出題委員の著作だけは全て揃えようと考え、推薦された図書は全て取り寄せました。
仕事や労働法フォーラムの準備の都合もあり、答練全て(各事例3回の合計12回)に出席することはできませんでしたが、事例Ⅰは24点、34点、事例Ⅱは46点、事例Ⅲは39点、32点、26点、事例Ⅳは17点、22点と、これまた一次試験と同様、1回も合格点を取ることができませんでした。
ただ、二次試験は各予備校の過去問の回答が分かれることが多く、何が正解なのかははっきり言ってよくわからないので、勉強量が即結果につながるものではないのだなと認識ができ、どうすれば合格する確率を高めることができるのかを意識して考えるようにしました(何を考えていたかは後述する)。
また、財務・会計の一次試験は免除していたため、一次試験後から財務・会計に実質的に手を付けることになったわけですが、自分としては何をすればよいのか皆目検討もつきませんでしたので、TAC講師の遠藤先生に相談したところ、二次事例Ⅳ特訓という単発講座があるので、最低限それを受けた方が良いとのアドバイスを受け、通信でそれを申し込みました。これは全6回の答練と解説があるのですが、本試験の数日前に、漸く全6回をやりきることができたという状況でした。
(2) 公開模試
また、TACの公開模試も受験しましたが、事例Ⅰは32点(1981位/2757人)、事例Ⅱは29点(2189位/2757人)、事例Ⅲは27点(1899位/2756人)、事例Ⅳは6点(2697位/2737人)で、総合は94点(2621位/2769人)という極めて低劣な成績に終わりました。
6 二次筆記試験実況中継
二次筆記試験は、後述するとおり、ケアレスミスだけは避けることのみを意識して臨みました。また、直前に簡単に見直せるペーパー(作成したものはこちらです)を作成し、さっと見返せるようにしました、
事例Ⅰは精密ガラス加工メーカーとあまり見慣れないものでしたが、回答の方向性が全くわからないという問題はなかったので、手応えとしてはそれなりに出来たかなと思いました。
事例Ⅱは旅行業者でしたが、一問目のPPMについて、問題児と金のなる木という単語は思いだせたものの、残りの二つ(花形と負け犬)の単語が思い出せませんでした。ただ、部分点をどうにか取って点数を稼ごうと頭を振り絞り、思い出せない単語であっても、PPMの枠の中の①乃至④のどれに該当するかは明示することにしました(わかってるんだけど、単語が思い出せないだけだぞ!をアピールするため)。3問目のデシル分析については、そもそもデシル分析すら知りませんでしたが、一世帯あたりの平均総利用金額を客単価で除したところ、デシル1乃至10の全てが小数点第一位で綺麗に割り切れたことから、「これだ!」と、自信をもってリピート率と回答することができました。また、問題文に数値を用いてとあったので、丁寧に数値を示して説明することを心がけました。
事例Ⅲは超精密小型部品メーカーでしたが、3問目の設問2がとても難しく、時間内に生産計画と調達計画をどうするかを十分には分析できませんでした。ただ、回答の方向性として間違ってはいないだろうと思い、全体的にはできたかなという手応えでした。
事例Ⅳは老舗喫茶店でしたが、問題全てに目を通したところ第4問がオプション取引であったので、まず、それについて回答を作成することにしました。円高と円安となった場合のメリット・デメリットを聞かれていたので、答えが逆にならないよう、実際に1ドル100円と仮定して円の価値が95円と105円に変化した場合にどうなるのかを慎重に検討しましたが、間違ってはいけないというプレッシャーからか慎重になりすぎて、やや時間を余計に費やしてしまいました。
次に、第1問の経営分析に手を付け、3つの指標なので、収益性、効率性、安全性に分けた上で検討し、分析途中でいろいろと迷ったのですが、時間もないので、決め打ちで回答しました(各予備校と自分の答えが一致したのは安全性の指標だけでした)。次に、第3問に取り掛かりましたが、ここで大きな問題が起きました。というのも、限界利益率が聞かれていたのですが、限界利益率って限界率を何で除するの?わからない、という事態に陥りました。いろいろ考えた挙句、売上高だろうと腹をくくって設問1を回答し、その上で、設問2に取り組みました。試験中、生産しない商品については個別固定費は不要になるということには思いもいたらず、0.1時間あたりの限界利益を比べ、設問2の回答をしましたが、設問3については時間がなかったので、後で時間があるときに行うことにして、第2問の取替投資に取り掛かることにしました。設問1については半信半疑ながらも一応の回答を作成し、設問2の平成26年度期末に改装した場合の正味現在価値までは回答することができたのですが、それ以外は結局時間オーバーで取り掛かることができず、白紙で提出しました。
試験が終わったときの感想としては、ケアレスミスはなかったと確信できたので、合格するための最低限の要件はクリアしたなと思い、気持ちとしてはやりきった!と思えるものでした。
7 二次筆記試験の結果
二次筆記試験が終わった翌日に再現答案を作成し(再現答案はこちら)、以後は全く勉強しませんでした。ただ、皆がどういう回答をしたのかがとても気になり、2ちゃんねるを眺めては一喜一憂しているという毎日でした。
そして、発表日当日ですが、インターネットで午前10時~午前10時30分頃に発表されると聞いていましたが、当日10時30分から裁判所での期日があったので、それが終わってから確認しようと思っていました。しかし、受験番号をフェイスブックで公開していたため、自分が結果を確かめる前に、友人から、合格しているよ!とメッセージがあり、裁判所で期日前に煙草を吸っているときに、自分の合格を知りました(笑)
そして、二次口述試験までの10日間に、改めて二次筆記試験の事例を検討し、直前に見返せるペーパーを作成(事例1と2はこちら、事例3と4はこちら)し、二次口述試験の前日にはTACの模試を受けて本試験に臨みました。模試では、苦手な事例Ⅳについて聞かれ、財務・会計が殆どわかっていないことが露見しましたので、改めて、二次事例Ⅳ特訓を1日で復習しました。
8 二次口述試験実況中継
二次口述試験にはスーツで行くというのが定番ですが、たまたま私と同じ組の次の人が私服で来ていました。そのため、あぁ、これで大丈夫だな、自分は落ちないなと勝手に解釈し(笑)、自然体で試験に臨むことができました。
私については、事例Ⅰと事例Ⅲについて質問がされ、事前に予想していた質問はなく、しどろもどろ、助け舟で何とか回答できたという感じでしたが、会話自体は成立していたため、まぁ落ちることはないだろうと考えていました。なお、口述試験の再現はこちらです。

その後、合格発表があり、無事に合格し、私の短いながらも充実した受験生活が終わりを告げました。

・・・・ここまで・・・・

次回が最終回となります。次回は、自分なりに考える合格の要因等に切り込みます!

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合格体験記その2-岡崎教行”へ2件のコメント

  1. 岡崎教行 より:

    川上宏司さん

    コメントありがとうございます。弁護士会のキムタク、心は松岡修造(自称(笑))の岡崎教行です。

    「とても楽しく、ニヤケてしまいます」というのをみて、大変嬉しく、そして、広末涼子の「大スキ!」を思い出してしまいました(確か、歌詞の中に、「にやけてしまう~」とあったような)。

    次回は、自分なりに合格の要因を考えたものをまとめた記事になり、総括となります。一つでもヒントになることがあれば幸いです。

  2. 川上 宏司 より:

    岡崎教行さん

    いつも楽しみに、そして楽しく拝見しております。ありがとうございます。

    岡崎教行さんの文章は、素敵な挿し絵やファンシーな絵文字など皆無なのですが、文字と文字が手を取り合って踊るように私の目に飛び込んできます。とても楽しく、ニヤケてしまいます。

    弁護士ということで、当たり前合格=ちょっと別の人と思われる中、また多忙な業務の中、素敵な努力をされたことかと存じます。

    影の努力を全て笑いと愛情に変える、(動画を拝見しました)ルックスからも弁護士会のキ○タクといったところでしょうか。

    最終回、楽しみにしております。よろしくお願いします☆☆

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