実務補習体験記~地方編~

こんにちは、平平です。

2013年の二次試験に合格された方、改めて合格おめでとうございます。
年末年始は非常に達成感に包まれた中で過ごすことが出来たのではないでしょうか。
ただ、ご存知のとおり、診断士試験に合格しただけでは、中小企業診断士を名乗ることは出来ません。合計15日間の実務補習または実務従事を行うことで中小企業診断士として登録が可能となり、登録して初めて中小企業診断士を名乗ることが出来るのです。

既に実務補習の申込を済ませた方は、インターネット等で実務補習に関する情報を色々と収集しているのではないでしょうか。そこには、「報告書の作成が大変で徹夜続きになってしまった」、「指導員の先生の要求レベルが高すぎてなかなか報告書が完成できなかった」、「メンバーのレベルが高すぎて自分1人だけが浮いてしまった」などといった、ネガティブな情報がたくさんあります。

そういった情報ばかり見ていると、不安感が増幅されますよね。「自分は実務補習をやり切ることが出来るのだろうか」と。
また、診断士は首都圏に集中しているのでやむを得ないのですが、地方での実務補習に関する情報が少ない気がしました。

そこで本日は、地方での実務補習ってどんな感じ?ということがイメージ出来るように私自身の体験記を書いてみることにしました。
私は仙台地区で5日間コースを2月、7月、9月の3回に分けて受講しました。15日間コースだとまたちょっと違うのかもしれません。それを前提にお読み頂ければと思います。

 

◆事前準備について◆
実務補習に初めて申し込むと、実務補習の案内資料と共にテキストが送られてきます。このテキスト、ちょっと文章が固めで読んでいると眠くなってしまいがちなのですが、ちゃんと準備していることで自分を安心させるためにも、一通り読んでおくことをお勧めします。

だいたい実務補習開始1週間前くらいに、指導員の先生からメールが来ます。
このメールには、診断先の企業についての情報が書かれているので、その情報を元に診断先企業に対するヒアリングの準備を行うことになります。
ただ、この段階で送られて来る情報量には指導員の先生によって違いがあるようで、財務諸表だけ渡される場合もあれば、企業名、業種、その他指導員の先生が事前に診断先にヒアリングした内容まで頂けることもあるようです。これは指導員の先生の考え方によっても違うようですね。

実務補習開始までは、この頂いた情報を元に、企業や企業が属する業界の情報を集めたり、財務諸表の分析を行って課題の仮説を立てることで、診断先企業へのヒアリング項目をあらかじめ作っておくと、ヒアリングの際に効果的な質問が出来るようになると思います。

あとその他の事前準備として強いて挙げるならば、Wordの基本的な使い方は習得しておいた方が良いと思います。これが無いと報告書作成の時に苦労することになります。

なお、インターネット上の情報によれば、この段階で班のメンバーがわかることもあるようなのですが、私は3回ともメンバーは実務補習開始当日まで明かされませんでした。
(とはいっても、地方だと人数が少ないこともあり、3回目にもなるとだいたい誰と一緒になるかはわかるようになりました)

 

◆初日◆
初日は簡単なオリエンテーションを30分程度で行い、その後は班ごとに分かれて自己紹介と簡単な診断先企業の説明が指導員の先生からありました。

そしてリーダーの決定と、各担当パートの仮決め(結局、3回ともここで決めた通りになりました)を行います。
担当パートは自分が得意な分野を選ぶか、あえて苦手な分野を選んで弱みを補強するかで迷うところではありますが、初回は得意分野を選んでおいた方が気は楽です。
また、リーダーは機会があれば是非やってみると良いとよく言われます。ただ、残念ながら私にはその機会がありませんでした。
リーダーは立候補の場合もあるし、指導員の先生から指名される場合もあります。ただ、後で聞いた話だと、立候補の場合でも、ある程度、指導員の先生の方で既に目星は付けていて、上手くその人が立候補するように仕向けているのだとか。

診断先企業へのヒアリングは3回とも初日の午後に行いました。当日は時間が無いため、事前準備無しではまともなヒアリングは出来ないのではないかと思います。東京地区などでは2日目がヒアリングになっていたりもするようですが、たぶん曜日配列が東京地区と若干違っているのでそのせいかなと思います。

診断先企業へは、3回中2回は電車やバスを使って片道2時間近くの移動となりました。
移動中は指導員の先生やメンバーとの交流タイムです。ここでそれぞれのメンバーの性格得意分野などを把握しておくと、後々やりやすくなると思います。

診断先企業では、幸いなことに3回とも親切に対応してくださる社長に当たりました。ヒアリングの際は、各個人がそれぞれ聞きたいことを聞くと重複することも多いので、それぞれが何を聞くかをメンバー間である程度擦り合わせしておくとスムーズになります。

診断先企業へのヒアリングが終了すると、「今日は終了!」な雰囲気になります。
是非、その日の夜はメンバーと一緒に飲みに行って親睦を深めておきたいところですね。
だいたいメンバーの中に1人か2人は飲みに行くのが好きな人がいるものですが、もし誰からもそういった声が上がらないようであれば、あなたから誘ってみましょう。

 

◆2日目◆
個人的にはこの2日目が実務補習中で一番大事な日なのではないかと思っています。
この日のうちに、報告書の方向性を共有し、各パートの分担と内容を概要レベルでよいので決めてしまう必要があります。そうでないと、この後の自己学習期間でさっぱり報告書が書けなくなるか、メンバー間で報告書の整合性が取れず、3日目以降に大変な苦労をするハメになるのでご注意ください。

また、ここで指導員の先生の指導スタイルが表れてきます。私の場合は、この段階ではほぼ口を出さずにメンバーの自主性に任せるタイプ、最初から先生自身が考えていた報告書の方向性に誘導しようとするタイプの2パターンだったと思います。

また、この日にやっておくべき大事なことは、報告書作成のスケジュール共有と、メンバー間の情報共有ツールの設定です。

私は、3日目までにはいったん一通り報告書を書きあげて、3日目は全員の報告書を確認して、指導員の先生からの指摘等も反映した上での調整、修正を行い、4日目は最終チェック、報告書印刷、報告会のリハーサルを行い、5日目の報告会を迎えるといった流れが理想だと考えています。(実際は4日目ぎりぎりまで修正していたこともありますが・・・)
こういう流れで報告書作成を進めましょう、ということをメンバー間で共有しておきましょう。こうすることで3日目になってほとんど報告書が上がっていないメンバーがいて大慌て、といった事態を防ぐことが出来ます。

また、メンバー間の情報共有ツールの設定は、ITに強い人が担当するとスムーズにいきます。他地区ではどうかわかりませんが、私の地区ではだいたいITに強い人が班に1人いるかいないかという感じだったので、元々IT業界で働いていた私は必然的にこの辺の設定を担当することになりました。
ちなみに私たちの班では、メーリングリストにGoogleグループ、ファイル共有にDropboxを使っていました。班によってはskypeやグループウェアなどを活用しているところもあったようです。

この日の終了後は、だいたいみんな疲れています。昼間のディスカッションの疲れもあると思いますが、これから書かなければならない報告書のことが気にかかるからでしょう。私も特に1回目の時は本当に来週までに報告書を書くことが出来るかどうか不安で憂鬱な気分でした。

 

◆自己学習期間◆
この期間で報告書作成を行います。平日仕事しながらだと人によっては本当に大変だと思いますが、他のメンバーに迷惑をかけないためにも、必死でやらなければなりません。
私たちの班では、ルールとして1日1回はメーリングリストで進捗報告を行うことにしていました。また、作業途中のものもDropboxにアップしてもらうようにしていたので、他のメンバーが早くに完成させているのを見ると、「自分も早く書かなくては!」と焦ったものです。

 

◆3日目、4日目◆
自己学習期間で一通り報告書を書きあげていれば、ここでそんなに苦労することは無い・・・と言いたいところですが、実際はなかなかそうもいきません。

やはり1日だけのディスカッションでは不足もあるため、見落としていた点検討が足りない点企業への提案としては不適切な点などが出てきます。指導員の先生からもそれなりの量を指摘されることを覚悟しておいた方がよいでしょう。

それらの修正点対応を遅くとも4日目の昼頃までには終わらせておかないと、その後の報告書合成作業印刷報告会のリハーサルに支障が出てきます。
実際、時間が足りずに、報告会リハーサルの時間を確保出来なかったことがあります。この時は各自帰宅後にそれぞれでリハーサルを行いました。私はその時2回目だったからまだなんとかなったのですが、これが初回だったら報告会で更に緊張していたこと間違いなしです。

また、報告書を印刷する店の閉店時間もきちんと確認しておいた方が良いです。他の班の話ですが、平日と休日で閉店時間が違うことを知らず、原稿持ち込みが閉店時間ぎりぎりになってしまったため、最初は印刷を受け付けてもらえず、粘り強く交渉してなんとか印刷してもらったということがあったようです。万が一、報告書が印刷出来なかったらと思うと恐ろしいですね。

報告書の印刷が終わると達成感で満たされますので、その勢いでメンバーと打ち上げに行きました。本当はまだ最終日の報告会が残っているのですが、遠方から来ているメンバーが多く、最終日は修了証の受領が終わり次第帰りたいという希望も多かったため、このタイミングでの打ち上げとしていました。

 

◆最終日◆
最終日は診断先企業へ行っての診断報告会です。報告書の内容をそのまま読むと時間がかかりすぎてしまうので、要点を絞って話す必要があります。
普段、プレゼンなどで話す機会が多い方であれば、ある程度その場でアレンジしながら話せるのかもしれませんが、私のようにあまり慣れていない方であれば、事前にどのあたりを話して、どのあたりを省略するのかを決めておいた方がよいでしょう。

私たちの時は、3回とも社長が真剣に報告を聞いてくださり、こちらも苦労して報告書を作った甲斐があったと感じました。社長の喜んだ顔を見るとこちらも嬉しくなります。

診断報告会が終わると、修了証授与式を行うための会場へ向かいます。ここは比較的時間の余裕があるため、指導員の先生から今回の実務補習についてのフィードバックを頂いたり、メンバー間で振り返りを行ったりしていました。

修了証授与式は30分もかからず終了。修了証を受け取ったらこれでようやく実務補習が終了となります。

 

以上、いかがでしたでしょうか。

色々書きましたが、実務補習は診断士としての力を身に付けるための絶好の機会だと私は思います。
確かに決して安くは無い費用がかかるし、仕事のスケジュール調整や報告書作成にかかる時間の捻出には苦労しましたが、それ以上に得るものがあると思います。
せっかく受けるのですから、是非、充実した実務補習となるよう頑張ってください。

最後に道場過去記事から個人的にお気に入りの実務補習関連記事をご紹介します。
「思い出の実務補習 その1」
「思い出の実務補習 その2」
「実務補習の思ひ出…」

それでは次回、またお目にかかりましょう。

 

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