【財務会計】予算は指標のせめぎ合い!?

みなさん、こんにちは!
せんせいです。

いよいよ一次本試験まで、泣いても笑ってもひと月。
ここまで真剣に取り組まれている方には言わずもがな、ですが、
とにかくやるだけですね。

ところで、3月決算の会社では、そろそろ下期予算の季節。

予算といっても、所属部署の間接費管理くらいの方から、
会社の予算数値を纏めている方まで、いろいろだと思います。

営業の受注予算やプロジェクト管理等の視点もありますが、
診断士試験に関係のある予算といえば財務諸表と各種指標

「回転率と言えば…..売上高が…..”分子”!」と覚えるのも
悪くありませんが、二次試験でP/Lが出ても面食らわないように
B/S、P/L、C/Fはしっかり押さえておいて欲しいものです。

今日は、少し「アタマの体操」チックに書いてみます。

■立場変われば、何とやら…..。

営業部長「おう、2013年度の売上、ナンボ行きそうや。」
部下A 「上期の見通しもマズマズ、引き合いも結構あります
ので、前年比110%、11,000百万円と見ています。」
営業部長「ホンマに堅いんかいな。未達やったら、
お前、どうしてくれるんや。」
部下A 「そう言われましても…..。」
営業部長「まあ、エエ。目いっぱい出して上積み要請が来たら
アウトやし、経理には10,200百万円で出しとけ!」

SE部長「今年度の作業高、どのくらい積み上がりそう?」
部下B 「営業からの見積もりもマズマズ来ています。
前年度並みは確保できそうです。」
SE部長「前年度並み?それじゃあ、給料上がらないよ?
下手したら、人手を減らされるよ?
経理には前年比110%で出しときなさい。」

経理部長「各部署からの積み上げ予算はどうなってる?」
部下C 「はあ。それが、どうも….。
売上は前年比102%なのですが、利益は減益です。」
経理部長「何じゃ、それは。営業部長のヤツ、いくら
隠してるんだ。不採算受注でも取っているのか!」
部下C 「積み上げノルマを警戒しているようですね。
営業の同期からは、前年比110%くらいは、と聞いています。
吐き出させますか?」
経理部長「待て!お前はアホか?社長の目標は頭にあるか?
営業利益率6%だぞ。そのまま売上11,000百万円で出したら、
660百万円の利益を出す必要があるぞ。」
部下C 「ですね。但し、昨年は大赤字案件があって、
営業利益550百万円ですから、絶対額、営業利益率ともに
達成可能と見ています。」
経理部長「今年も赤字案件がでないと、お前言い切れるのか?
利益率ははともかく、絶対額で予算未達だったら、
シャレにならんぞ。お前、責任取れるのか?」
部下C 「わかりました。それでは、売上10,200百万円、
営業利益612百万円で予算を作ります。
各所に費用の見直しを依頼します。」

■二次元は駄目よ

どうも、経理部長の落としどころは以下の通り。
この数値で社長に説明に行くようです。

(前年度)
売上   10,000百万円
営業利益   550百万円(営業利益率 5.5%)

(当年度)
売上   10,200百万円
営業利益   612百万円(営業利益率 6%)

低めに出した売上が予算を上回れば、悪くても営業利益の
絶対額612百万円は確保できると睨んでいます。

ところが….社長には叱られてしまいました。

何故でしょうか

■財務諸表は連動している

紙面?の都合上数値を出していないので、わかりにくいと
思いますが、概要は以下の通りです。

経理部長「おい!お前のフザけた予算のせいで叱られたぞ!」
部下C 「部長の承認した予算ですよ。説明しましたよね?」
経理部長「棚卸の指標が悪化してると言われたぞ。
C/Fも伸びていない!」
部下C 「指標の数値は一通り見せてますよね。
作業高や仕入れはある程度確保していて、売上を
低くしたんだから、回転率は悪化するに
決まってるじゃないですか!営業部長と握って
売上を下げるのに同意したのはアナタですよ!
P/Lしか興味がない経理部長だと困るんですよ!」

C君、逆切れです。気持ちはわかりますが、
よく説明しなかったC君にも責任はありますね。

■後始末

結局C君、経理部長の指示で、P/Lを変えずに財務諸表の
予算値を作り直すことになりました。

どうやって?

以下、C君の独り言
「まず、売上予算見合いに棚残を減らすしかないな…。」
「棚残を削って資産を減らすと負債も落とさないとな。」
「あれっ、資産・負債を両方削ると、自己資本比率
良くなりすぎちゃうな。。」
「棚残を落とした分、他の資産に積むしかないか。。
だけど、資産を勝手に積めないよな~。」
「ええいっ、固定資産その他にしてしまえ!」
有形固定資産回転率が悪化したって、誰も見てないだろ!」

どうやら、棚残がヘンな「固定資産その他」に化けたようです。
まあ、現金等の流動資産には積みにくいですしね

負債は「未払い費用その他」か何かに積むのでしょうかね。。

■後日談

決算の結果は以下のようになったようです。

(当年度)
売上   11,200百万円
営業利益   680百万円(営業利益率 6.1%)

当然、棚卸資産回転率も改善

しかし、予算では棚卸資産残高を削っていたため、
回転率は良かったものの、残高は予算を守れなかったようです。

経理部長「おい、回転率だけじゃなくて絶対額も守らんで
どうする?どんな予算組んでるんだ!」

部下C 「…..。」

■まとめ

・P/Lは二次元、B/S・C/Fを加えて三次元。
時間的価値が入ると四次元…的。
・財務諸表に苦手意識のある人は、財務諸表の繋がりを
理解するために、自分で数値を変えて指標の動きを
見てみよう!

ここ2年の事例Ⅳを見ると、基本に立ち返ったような出題。
財務で差をつける意図がなさそう?と感じるだけに、
大きく失点するとだいぶ不利です。

各人の課題はそれぞれですが、B/S、P/L、C/Fで遊べる?
ようになると、診断士試験、強みになりますよ!
H24年度事例Ⅳは丁度良い題材かも知れません。

それでは、今日も頑張って行きましょう!

by せんせい

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【財務会計】予算は指標のせめぎ合い!?”へ2件のコメント

  1. 万年受験生 より:

    非常に楽しく読ませて頂きました。

    営業と生産側の乖離。。。これが私も大変でして、なかなかこれがって感じです。

    また、楽しい記事お待ちしております。

    今年は合格せねば。。。

    1. せんせい より:

      受験生様
      コメントありがとうございます!
      実際にはいろいろな利害が複雑に絡み合って、もっとタイヘンかと思います。でも、エッセンスを抽出すれば、似たようなものかも知れませんね(苦笑)。仕事と学習の両立もやはり大変だと思いますが、ぜひ乗り越えて頂きたいと思います。応援しています!

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