【渾身・経済】ビフォア&アフターでグラフ攻略(厚生損失編)

こんにちは、イラサムです
さて4代目プレゼンツ渾身の徹底論点シリーズの2週目も後半です
今日のテーマは、経済学のなかでも押さえておきたい厚生損失を見ていきます

実は、この論点H22,H23,H24と3年連続で出題されてます

さすがに4年連続は出ないんじゃないなんて声が聞こえてきそうですが

しかし、解き方は全部同じなので、ものにしてしまえば得点論点になりますのでしっかり確認しておきましょう

さて、ではまずは過去問のどこで出題されているかを確認です

平成24年 第21問 外部不経済
平成23年 第24問 外部不経済
平成22年 第15問 厚生損失

これらの過去問を見ていくとある共通点が浮かび上がってくるはず

それはズバリ

問題構成は私的限界費用線と社会的限界費用線の対比ばかりであるということ

右脳を使って、2つの図形を対比できたかが得点できたかの分かれ道だったといえます

例えば、課税を開始する前の社会的総余剰を表す図(便宜上、本記事ではビフォアと呼んでます)課税後の社会的総余剰を表す図(アフターと呼んでます)とを、明確にさせてから対比するというプロセスを踏めたかどうか

ここまででイメージつかない方へ

大丈夫です。これから過去問を使って一緒に考えていこうと思います
では早速見ていきましょう

(平成22年 第15問 厚生損失)
ある財の生産において公害が発生し、私的限界費用線と社会的限界費用線が下図のように乖離している。ここで、政府は企業が社会的に最適な生産量を産出するように、1単位当たりt=BGの環境税の導入を決定した。その際、社旗的な余剰は、どれだけ変化するか。最も適切なものを下記の回答群から選べ。

[回答群]
ア 三角形BCE分の増加
イ 三角形CEH分の減少
ウ 三角形CEH分の増加
エ 四角形BCEG分の減少
オ 四角形BCEG分の増加
では、順に見ていきます

①このままだとどうなる(ビフォアの確認)

もし何もしない場合には需要線と私的限界費用線の交点に価格が決まります

つまり、価格=Dとなりまして、社会的限界費用線を無視すれば下の通り、青色の三角形社会的総余剰になります

しかーし、今回は社会的限界費用線がありますので、外部不経済(紫色の三角形)が発生します

そして“青色の三角形紫色の三角形社会的総余剰”ですので、重なっている部分は相殺されて、結局は下のように2つの三角形が共存する形になります。これを公式に表すと“三角形BHI-三角形BCE”となります、文字であらわされるとわかりずらいですが…

さて、ここまでがビフォアになります面倒ですがこれをはっきりさせないと答えを選ぶことが出来ません

では続きましてアフターを見ていきましょう

②1単位当たりt=BGの環境税の導入

環境税を導入するとどうなるでしょうか★さて、本題に入る前に確認事項ですが環境税を払わなきゃいけないのは次のうちどちらでしょうか?

(1)生産者側
(2)需要者側

 

答えはもちろん(1)生産者側です

そのため、環境税導入後は生産者側の負担がBG分増えますので、図のように私的限界費用線が上にスライドします

そして先程と同様に需要線と私的限界費用線の交点で価格(税金込)が決まりますので価格=Aとなります

さて、ここまでやっていよいよアフターの社会的総余剰を考えていきましょう

まずは先程と同じように、社会的限界費用線を無視した場合の社会的総余剰は青色の三角形×2に加えて、黄色い四角形になります
※生産者余剰について、生産者がもらえる価格はFのままですので、生産者余剰は下の方の青色の三角形になります。

この黄色い三角形部分が税金、つまり政府の収入を表します
では、次は外部不経済(紫色の三角形)を考えましょう今回は紫色の三角形は次の通りになります

先程よりも数量が減りましたので、紫色の三角形も小さくなりました。そしていよいよ社会的総余剰です青色の三角形×2黄色い三角形紫色の三角形社会的総余剰”となりますので、重なっている部分を相殺すると次のようになります

アフター

<①ビフォアの図(再確認用)>

2つの図を比べて見たら、一目瞭然ですねアフターの方では、ビフォアと比べて紫色の三角形(三角形BCE)が減っています。紫色の三角形はいわゆるマイナス要素であったため、これがなくなったということは社会的総余剰が増加したことを示します。つまり紫色の三角形(三角形BCE)の分、社会的総余剰が増加しました

※増加か減少かは勘違いミスになりやすいところなのでご注意を!!

さて、ここでもう一度[回答群]を確認します

[回答群]
ア 三角形BCE分の増加
イ 三角形CEH分の減少
ウ 三角形CEH分の増加
エ 四角形BCEG分の減少
オ 四角形BCEG分の増加

もうお分かりですよねそう、答えはア 三角形BCE分の増加になります

まずビフォアを確認してから、アフター見に行くという2つのステップを踏まないと正解を選ぶのは難しい問題です(ランクC)

でも、やり方さえマスターしてしまえばあとは応用で解けちゃいます

同じようにビフォア&アフターで考える問題として「自由貿易の理論」がありますがこの論点はwackyこの記事で解説してくれています

おそらく、「厚生損失」か「自由貿易の理論」のどちらかはH25にも出題されると思います(過去5年間についてはどちらかは出題されていますので)

今のうちに得点論点にしてしまいましょう

では、今日も頑張っていきましょう

by イラサム

Follow me!

【渾身・経済】ビフォア&アフターでグラフ攻略(厚生損失編)”へ2件のコメント

  1. イラサム より:

    おとさん

    いつもコメントありがとうございます。
    がんばってグラフを作ったかいがありました。

    ぜひここの分野、得点源にしてください。
    応援しています!!

    イラサム

  2. おと より:

    イラサムさん

    ありがとうございます!!

    この問題の解説は、どの予備校の解説より分かりやすいです。

    この解説を読んで、ここをマスターして、しっかり得点源にしたいとおもいます。

    本当にありがとうございます。

    おと

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です