【法務】社長の話を聞け!!―ダメダメなアドバイスのご紹介―

こんにちは、イラサムです。

経営法務も終盤に入っている方も多いと思いますが、過去問まで手がまわせていますか?

経営法務は他の科目と比べて、問題文が長い

この長文に立ち向かわない結果、どうなるかはまっきーの記事をご覧ください。

さて、事実として問題文をちゃんと読むことができなければ、問題と戦うことすらできません

今ふんばっておかないと後で大きなハンデを背負い込むことになっちゃいます(二次試験は長文ばっかり)

 

一方で、ここで逃げずに立ち向かった人は、特典としてもれなくあることに気付くはず

 

それは

”経営法務って案外難しくないじゃん”ということ

 

次からは、読解力のある人にはサービス問題であり、社長の意図を全く無視したアドバイス(選択肢)を過去問からご紹介

 

H20 第4問(設問1)

この問題は、X株式会社の全株所有者である甲社長から、我々中小企業診断士が相談を受けたという設定なっています。では以下ご覧ください。

 

甲社長:「私もだいぶ高齢になったので、そろそろ引退しようと思っているんですが、会社にはどうも適当な後継者がいないんですよ。それで、どうしようかと思っていたら、どうもY株式会社が引き継いでくれそうな感じなんです。

私が持っている100パーセントの株式をY株式会社に譲渡しようかと思ったのですが、当社は、若干ですが、不動産の賃貸業もやっていますから、Y株式会社に引き継いでもらうとしても本業だけにして、不動産の賃貸業は残しておこうかと思うんです。

賃貸業でもちょっとした収入になりますから、私の生活の足しにもなりますし、私一人でできますから。そういったこともできますかね。」

 

我 々:「事業譲渡、会社分割の方法で可能になると思いますよ。」

 

甲社長:「事業譲渡というのは、わかるのですが、会社分割というのを使うとどういう形に進めるわけですか。」

 

我 々:「 A 」

 

(以下省略)

 

さてこの問題では我々はどう答えるかが問われました。この問題を解くポイントは、ズバリ社長は何がしたいのかであり、これをしっかりキャッチできたかが得点の分かれ道

社長の意図をしっかりと認識できましたでしょうか

会話形式なので長くなっていますが、図にあらわすとこんなイメージ

<現状>

 

<ありたい姿>

 

 

ようは、甲社長のもと不動産業を残しつつY株式会社X社本業を譲渡したいというのが社長の意図

さて、上記を踏まえて選択肢見てください(注:時間がない人向けに下に図もご用意)

 

ア、不動産業をX株式会社に残して、会社分割の方法によって、本業を行う子会社を作ります。それから、その子会社の株式をY株式会社に譲渡します。

イ、本業をX株式会社に残して、会社分割の方法によって、不動産業を行う子会社を作ります。その子会社設立と同時に、その子会社の株式全部をY株式会社に割り当てます。

ウ、本業をX株式会社に残して、会社分割の方法によって、不動産業を行う子会社を作ります。それから、X株式会社の株式をY株式会社に譲渡します。

エ、本業を分割して、当然にY株式会社の一部門とすることができますから、その結果、甲社長もY株式会社の株主となることができます。

 

 

社長の意図を具体化できる手法を選べましたでしょうか

図にするともっとはっきりします

 

 

<ありたい姿(再確認用)>

この問題の解答はになります。図を見ていただくと、正解であるア以外の選択肢がいかにとんちんかんなことを言っているのかがわかると思います

イ・ウでは不動産業がY株式会社に移っています。

では甲社長がY株式会社の株主になっていますがそんなこと甲社長からは要望されてません(手続き面でも不備あり。分割の対価の受取主はX株式会社であって甲社長ではありません)

もう社長の意図を完全に無視して、自分の言いたいことだけ言っている感が満載です

きっとのような提案をするコンサルタントには二度と相談がこないでしょう。。。

 

さて、データリサーチによると実はこの問題、ランクはCになっています

ということは、長文を読めるようになるだけかなりのアドバンテージを手に入れることができます

このアドバンテージを手に入れるためには問題と向き合うしか道がありません

 

ちなみに上記と同じ趣旨の問題がH24 第4問で出題されていますので、確認としておススメです

 

社長の意図をしっかりとくみとれる、そういうプロを目指して

今日も頑張っていきましょう!!

by イラサム

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