【未合格体験記】ADAAを乗り越えて~ねじさん~
みなさん、こんにちは!うちあーのです。
2月が近づき、道場では平成24年度診断士試験合格者から4代目メンバーを迎え、着々と代替わりの準備中。
ふと、本ページ右手の「執筆メンバー」に目をやると多才な面々の多彩なプロフィールがひっそりとアップ。
舞台袖にて、今や遅しとデビューを待ちわびています。
ますます進化する一発合格道場に、今後とも乞うご期待!!
さて、今日は一発合格を目指し、合格に足る十分な実力をお持ちになりながら惜しくも栄冠を逃したねじさんから貴重な未合格体験記を頂きました。
合格体験記と比較して、未合格体験記は希少。去年同じように涙を飲んだ方にとってはもちろんのこと、今年初めて診断士試験に挑戦する方にとっても参考になると思いますので、是非じっくりとお読みください。
===寄稿ここから===
はじめまして、ねじと申します。
地方住TACストレート本科。31歳独身です。
2012年は初受験ADAA総合Bで不合格でした。
試験が終わったときはぎりぎり合格ラインに滑り込めている感触はあったのですが、事例ⅡでXとYを逆にしたことがどう結果に響くか、と微妙な感じで、悪い意味で予想通りというか判定Dで足きりという状態です。
私のSWOTです。
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強み
・直近3年間1800冊の読書による読解力
・2次を意識した勉強
弱み
・未婚であること
・地方在住による必然的なDVD生であること
脅威
・突然の出張
・業務の繁忙期における連続的な残業
機会
・スクーリングによる生講義
・ネットで知り合う地元の診断士受験生との交流
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私が資格を目指したのは、2011年5月にどこかのHPの占いで、中小企業診断士が一番向いていると判定されたことがきっかけです。
それまでは読書をしていて知らない知識があると読んでも理解できないことが少なくなく、(競争の戦略やマーケティングマネジメントも買って読みましたが理解できなかった^^)体系的に知識習得ができそうだなということが大きかったです。
10月までどうしていいのかわからずもんもんとしていたところ、ネットで知り合った同じ歳の人がTACに通い始め、講義がとても良いと話して、早速次の日にTACへ体験入学し、翌日正式に晴れてTACストレート本科生となりました。
それからは週25時間を2次試験が終わるまで続けました。
(講義一つ一つが面白く、苦しかった記憶が無いのがびっくりです^^)
◆1次試験の勉強法◆
※1次試験は446点程度なので参考にならないと思います。
・DVDの講義の開始日にできる限り聴講する
・講義の区切り毎にまとめノートを作成する
・養成答練まで過去問・スピ問を解かない
こうすることで、地頭としての力と平均的に受験生が取る点数のギャップを知り、自身の弱みを抽出することができる。
・完成答練では過去問をしっかり行う
養成答練や過去問で抽出した弱みの克服ができているか測定できる。
・公開模試を本番とし1ヶ月前倒しのスケジュールを組む
(判定はボーダーラインちょい上程度でしたが^^)
・財務対策の期間を設ける
TACの財務集中特訓で診断士対策としての財務を得意と思えるようになりました。
・本試験直前3日間はどうしても休みたいことを上司や周りの人に事前に伝える
試験当日は出張のため休みは取得不可という状況でしたが、運良く?プロジェクトが中止となり直前1週間休めました。
◆2次試験の勉強法◆
・2次試験に必要な資料を1次試験勉強開始直後に入手。
自分は躓くことで学習するという傾向があるので、いかに躓くことができるかを考慮して学習の計画を立てました。
躓くことで現実と感触のギャップが図れます。
また躓くことで初めて自分の血となり肉となると思います。
解いた過去問を紙という媒体に残すことで、自分のクセが分析できるようになります。
(昨年の2月ごろに解いたH23とH22の自分の解答は今でも宝物です^^)
・72事例を解く
本試験の前日に72事例解き終わりました。
(過去問8年32事例+TAC演習16事例+公開模試(TAC,LEC,大原,MMC)16事例+村井問題集8事例)
・勉強会で学んだ知識を聞く&話す
2次初学者ばかりだったので最初は再現答案のレベルも高くなかったですが、回を重ねるごとに話すレベルも驚くほどに向上し、最終的に大変有意義な勉強会だったと感じます。
個人的には、自分が拾えなかったキーワードをどのようにして拾ったかを教わることが勉強になりました。
・スクーリングを活用し生の講義を受講する
2次試験に関しては、DVDは危険だと思いました。
理由は、会社という枠組みの中で製作されたDVDには話してはいけないことが話せないため、受講する側としては、どうしても模範解答という枠組みに縛られてしまいます。
模範解答は残念ながら数ある解答プロセスの一例にしか過ぎません。
2次試験に関しては、自分の解答プロセスを確立することが必須です。
よって、模範解答が重視され、それによる採点が行われた単なる結果である点数等に振り回されてしまう点が、特にDVDでは危ういと感じました。
スクーリングでは、「この模範解答はいまいち」と明確に話してくれたことが、学習していて自信につながりました。
この点が非常に良かったと感じます。
◆今後◆
・一次試験を受験する
免除されていますが、駆け込んで詰め込んだ知識を定着させる意味でも、再度勉強を行い、合格ラインの420点を目指します。
(昨日H24年度の試験を再TRYしたところ367点(53点不足)という散々なものでした)
・面白かった経済学を勉強する
石川秀樹先生のWEB講義を通しマクロ・ミクロ経済学を自分のモノとする
・2次試験対策
12年分の過去問分析
未消化の計40事例で解答プロセスをチェックする
◆最後に◆
今年の不合格の要因としては、自身の確立した解答プロセスが、(例年当たり前のようにあるであろう)不確実な風にゆさぶられて大きく軌道がずれてしまったこと。
決して、コーズを知らなかったという知識的な面ではない。
今年得られたものは、誰でも必ず合格できる試験ではあるが、原因を内とするか外とするかで、合格までにかかる期間が変わってくるという点。
原因を自分の内に見出せるかどうかがこの試験の鍵だと感じました。
(2012年は様々な”合格までの因”を積んだという単なる要因で勝手に合格するだろうと考えていたことが敗因と思ってます)
ストレート生は勢いで合格可能だと思います。
2次試験で問われていることは非常にシンプルです。
2ヵ月半勢いを保ち続け到達するレベルが合格基準だと思いました。
つまり、今年は2012年の勢いでの合格は不可能。
自分のベーススキルでの合格しかできないと思います。
よって、自分のスキルが増す分、多様な判断ができる中で、唯一ある要求を正しく捉えることの重要性が増し、多年度というプレッシャーも相まって、自分が目指す合格への難易度は上がるだろうと考えています。
勉強以外でも遊びや独立に向けての経験を積み、1年遅れというビハインドを引きづらないようがんばる次第です。
長々とありがとうございました。
===寄稿ここまで===
いかがでしたでしょうか?
私はこの体験記を読んだ時、合格体験記を読んでいるものと錯覚してしまいました。
文章の端々から垣間見える高い分析力とストイックさ。そして何より密度の濃い試験対策。
ねじさんは、早期から2次試験を見据えた学習を行い、72事例を解き、地元勉強会でDVD生のハンディをカバーしつつ、スクーリングにも目的意識をしっかり持って遠路参加していました。
ねじさんが1年間やってきた試験対策は、合格者のそれと比較してなんら遜色がない。
「ここまでやってもダメなのか」という読者のため息が聞こえてきそうです。
ADAA
この結果が、ねじさんの実力の高さと2次試験の恐ろしさを如実に示しています。
ねじさんは、躓くことで学習し自分の血肉をなして初挑戦ながらAを3つ獲得しました。
そして、本試験で躓いたことで自らの不合格の要因を、
「自身の確立した解答プロセスが、(例年当たり前のようにあるであろう)不確実な風にゆさぶられて大きく軌道がずれてしまったこと。 |
と冷静に分析し、腐ることなく、ぶれない解答プロセスを確立するために走り始めています。
躓くことで人は成長する。
大事なのは躓いた時に下を向くか、前を向くか。
試験である以上、差し当たりの目標は合格。
それを逃したのは残念なことだけども、未合格体験の中にも合格に匹敵する価値があることを教えてくれる貴重な体験記だなぁと思いました。
そんな未合格体験記を寄稿してくれたねじさんの勇気に感謝です。
そして、今年の試験では積み上げたベーススキルをいかんなく解答用紙に反映し、その暁に合格体験記をこの道場に寄稿頂けるよう心から願っております。
Ciao!
By うちあーの
くれよんさん
これから再度2次試験を受けるに当たって、
このたび、くれよんさんに共感してもらえたことが、
ものすごい励みになりそうです。ありがとうございます!
それと、道場に投稿して初めて気づきましたが、
学習方法について具体的なフィードバックをもらえることって、
めったにないですし、それにものすごくありがたいことですね!
このような機会をいただけたことに感謝します。
これからもよろしくお願いいたします。
ねじさん、コメントありがとうございます!
確かに学習方法などについて、自分では気づきにくいこと、評価しにくいことってありますよね。
私自身、道場は診断士を目指す受験生にとっての「気づきの場」でありたいと考えております。
これからもお気軽にコメント頂ければ嬉しいです。今後ともよろしくお願いします!
ねじ様の仰る通り、自分の書いた文章に、見ず知らずの他人がどう反応するかを観察できるのは、貴重な機会ですね。
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>誰でも必ず合格できる試験ではあるが、原因を内とするか外とするかで、合格までにかかる期間が変わってくる
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こちらも同感で、かつ「D判定=合格レベルを超えてしまった答案」と仮定すると、よりスッキリしそうです。
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しかしご指摘の通り、初年度で合格実力に到達してしまうと、むしろ2年目の方が合格難易度が高いのですね。知識・スキルがさらに備わる中、「相手が要求していないことは書かない」ことが、くれよんが言う「Sランク実力」の一つの様な気がします。
くれよんです。素晴らしい未合格体験記をありがとうございました。同じく2次試験を2回受けた者として、2次試験2度目を迎えるに当たっての自己分析及び試験分析が的を得ており共感しました。思わずコメントしてしまいました(^^)
「ベーススキルで合格する」というのが道場で言うところの「Sランク実力」ということになるかと思います。ぜひリベンジを果たして下さい!
くれよんさん、思わずコメントwありがとうございます。
ねじさんのように自己と試験を的確に分析していれば、Sランク入りは時間の問題でしょう。
私も1年目に1次試験で足切りを食らった後、こんな言葉を胸に勉強を続けていました。
「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根をのばせ。やがて大きな花が咲く。」
是非ともモチベーションを高く保ち続け、ゴールを目指して頂きたいと願っています。