事例企業ってどんな企業?
みなさん、こんにちは!うちあーのです。
日曜日に2次筆記試験を受験された方、本当にお疲れ様でした。
今年も想定通り想定外の問題がいくつか出されましたね。
事例Ⅰは第1問から40字ダブルのちょい変化球。これくらいは序の口。「昔の過去問への回帰」で想定済みだぜぃ。
事例Ⅱはサービス業か小売業、、と思っていたら製造業かい。う~ん、H13のアパレル製造小売業(SPA)、H15のせんべい製造卸売業はあったが。。
事例Ⅲはグラフ登場!これは史上初の出来事。しかも3つも。「ふーん、そうきたのね」ここまで変えてきたら事例Ⅳは直球だろう。
っと思ったら、がーん。経営分析の論述がない!あ、でも予想財務諸表だ。こぐまさん、ありがとう!それにしてもマス目なしの解答欄が続き、、どっひゃー、最後に200字かよ!
もし、自分が今年受験してたらきっとこんなドキュメンタリーを書いていたことでしょう。
「撃沈」「凹んだ」「ボロボロ」「来年がんばる」
試験後の道場OpenDayに寄せられたコメント、受験生ブログ、そして友人たちの話でも悲観的な感想が並びます。
でもご安心を。今、経営者のため、ひいては日本経済のために第一線で活躍している中小企業診断士でも、そのほとんどが受験生時代の2次筆記試験直後には、同様に心折れていたのですから。
再現答案をささっと書いたら、あとは今までできなかったことを楽しみ、また今まで犠牲にしてきた周りの人たちに感謝の気持ちで恩返しをしながら、心穏やかに12月7日の天命を待つのが吉。
◆再現答案の作り方◆
再現答案は出来るだけ早く。当然のことながら日曜日に書いた内容の記憶は日に日に薄れていきます。
さらに各受験校の解答例がアップされたり、他の受験生と試験の振り返りをしたりしていると、ノイズが発生しますます実際の自身の解答のシズル感がなくなってきます。
手順としては、問題用紙に残されたメモを頼りにしながら、
①与件文のどの段落を使い、どのように論述したのか(例えば「3列挙した」とか「どこどこを因果関係で繋いだ」とか)」の大筋で思い出す。 ②どのワードやどのセンテンスを使ったか、あるいは使わなかったか、を整理する。 ③そのまま抜き出した部分、圧縮した部分など細部の表現を振り返りながら、実際記述した字数に合わせていく。 ④解答プロセスやタイムマネジメントなどをメモしておく。悩んだこと、困ったこと、迷ったこと、感想なども書いておくとよい。 |
と進めることで、出来るだけ高い再現性を目指しましょう。
因みに私うちあーのは、試験翌日の月曜日に再現答案を作成しました。当時のブログで晒してますのでお時間のある方は覗いてみてくださいね。
◆再現答案作成後のお楽しみ◆
ところで、2次筆記試験に登場する事例企業って実在する企業なんですよね。
例えば去年H23事例Ⅰの医療品メーカーは熊本県のリバテープ製薬株式会社であったことは有名な話。
では今年は?ということで調べてみたところ、1つ発見!
※注意※
ここから先は、今年の本試験(事例Ⅱ)の与件文にあること、ないことがふんだんに含まれています。再現答案をこれから作成される方にとっては上記の通り、ノイズになる可能性がありますので、作成後にお読み頂くことをおススメします。
また、この事例を解いておらず、今後所見問題としてガチで解いてようと思っている方にとってもネタバレ情報となりますので、解答後にお読み頂くようお願いします。
事例ⅡのB酒造(B社)は1899年創業で現在5代目社長が経営する鹿児島県の「大石酒造株式会社」という会社みたいです。
HPには「こだわりの味を守りながら伝統の技に新しい技術を加え、未来へ続く焼酎をじっくりと作り続けています。まずは、一杯。」とあります。
そして5代目大石啓元社長はこんな人。
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平成五年から蔵を継ぐこととなった五代目啓元は、元エンジニア。 元来の研究熱心で物づくりが好きな性格を生かし、自らが杜氏となって、初代長治郎からの銘柄「鶴見」を守りつつ、たくさんの新しくユニークなブランドを立ち上げてきました。
その五代目のこだわりは、作る側の思い入れを飲む側が認識できるような、差がわかる焼酎。ブランドごとに、原料、製法それぞれに個性をもたせ、バラエティーのある商品をたくさん作り出してきました。
読書家でも知られている五代目は、常に国内外の焼酎の製造に関するあらゆる文献を研究しています。古式かぶと釜蒸留の再現も、その研究と試行錯誤の成果の一例です。自らの手で、古い文献から学んだ製法を再現し、そこに新しいアイデアを加え、満足のいく味が仕上るまで何度も挑戦します。
大石酒造の蔵には、そんな五代目の話を聞こうと訪ねる人が後を絶ちません。
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経営再建のため製造方法の見直しを行った新たな杜氏とは5代目社長自身だったんですね。
第10段落に「B社のこだわりを、製品ラベルや広告、店頭販促において前面に出したことが双方の製品の重要な成功要因」とありますが、例えばメインブランド「鶴見」の原酒、「鶴見・原酒」は林商店という販売店での限定品で、「そのつど度数が違う為、アルコール度数は手書きで書かれています。」とのこと。
う~ん、まさにこだわりの一品。
で、この林商店が垂直的な提携先かな、と思ったのですが、この会社は鹿児島県姶良市というところに1店舗のみなのでZ社ではないようです。
Z社、Y社は未だ特定できず。。
それとこの大石酒造さん、FacebookやTwitterでもイベント情報や地域密着型の情報発信を行っています。
X市は鹿児島県阿久根市ですね。
阿久根市のHPにもしっかり芋焼酎載ってます!
鹿児島だから黒豚・黒牛などの畜産品が前面に出てくるのかと思いきやどちらかというと水産加工品が主な産業としてフォーカスされている感じ。
陶芸に関しては、体験型観光で陶芸体験ができたりするようです。
第13段落に「2000年代中ごろに洪水により大規模な被害を受けたある商店街」とありますが、これは「平成18年7月豪雨」による被害のようです。この豪雨は長野、島根、鹿児島など広範囲で土砂災害や浸水の被害が発生しましたが、この阿久根市では7/15~24の10日間の総雨量が866ミリに達し、特に7/22は一日で509ミリの降雨量を記録したそうです。<気象庁公開情報より>
とめどもなく事例企業と戯れていますが、こうやって調べてみると「やられた感」のある事例でも何となく親近感が湧いてきませんか?こうやって楽しみながらも、合格した暁には最後の砦である口述試験対策になりますよ。
時間と興味のある方は、他の事例も含めて調べてみて、発見などがあればお気軽にコメント頂きたいと思います。
最後に、既に告知の通り来週火曜日に道場オフ会を開催します!
どなたでも参加可能ですので、是非遊びに来てくださいね~。楽しく飲みましょう!
では、今日はここまで。
Ciao!
By うちあーの
私たちも、打ち上げで、一刻者に違いない、と盛り上がりました。
岩崎先生と同世代なので、本格焼酎ブームを楽しみました。
その後、2006年に水害があったり、ロンドン五輪で話題になった話は、打ち上げで飲みながらググりました。
以上よろしくお願いします。
あらふぉお様、
コメントありがとうございます!
打ち上げで既に一刻者で盛り上がるとはすごい察知力ですね。脱帽です。
ロンドン五輪でも話題になったのですね。
与件文を読み返してみると、甲類・乙類にわざわざ注釈をつけるなど、出題者の焼酎に対する並々ならぬ思い入れが感じられます。
今度、店で一刻者を見かけたら是非ともロックで飲んでみたいと思います!
いつも拝見させていただいてます。
上記酒造のストーリーに下記もミックスしているような気がします。
芋焼酎:一刻者
B社:小牧醸造
Y社:宝酒造
*「飲食店で人気」の宝酒造の一刻者は、鹿児島では小牧酒造ブランドです。ラベルも一緒。
本格焼酎ブーム時代、オジサンたちからよく「カメ」の秘話だの製法のこだわりだののウンチク聞かされました。
*小牧醸造HPでは提携商品を紹介していませんが、酒販店のページなどで宝と同じ一刻者が見られます。
メーカーのHP以外でもいろいろな逸話を見られます(アドレスを貼るのは慎みますが)。
ご報告まで。
かず様、
コメント&いつも道場記事を読んで頂きありがとうございます!
なるほど~。新潟の造り酒屋の末裔で日本酒党のうちあーのは恥ずかしながら一刻者を知らなかったんですけど、調べてみたら確かにロックで飲むこだわりであったり、宝酒造もすごく押してたり、と与件文のストーリーとかなりマッチしていますね。
大石酒造は1899年創業で与件と全く同じだったのでB社と推定しました。資本金は見当たりませんが。
小牧醸造は1909年創業で資本金は1600万円でB社とは異なるので、かず様ご指摘の通りミックスなのかも知れませんね。大石酒造とは10年違いなのでおそらく現経営者も5代目くらいだろうし。
おかげでとても勉強になりました。ありがとうございます!