【サトシの書籍シリーズ】②診断士のメンタル

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みなさん、本日2度目の登板のサトシです。
先ほどは1回目の記事として「診断士のコミュニケーション」という内容をお伝えしましたが、2回目の記事として今回は「診断士のメンタル」という内容をお伝えします。
こちらも本を1冊書けるレベルに長いです。どうやら28,000字くらいあるみたいです(笑)でもこれでもかなり字数を削りました(もちろん重要な部分は削っていませんのでご安心ください)。
ですが、自己啓発の本を手あたり次第読んできた私がまとめたものになりますので、メンタルの教本と思っていただければむしろ少ない分量だと思います。
今回の記事は特にメンタルが弱い人や、いわゆる「繊細さん」と言われるHSPの人に向けたものとなっていますが、そうではない人にとってもメンタルを鍛えるために有効な記事となっています。

私、15代目のメンタル弱い代表です
以前はこんな感じでした。ところが今は下のようになっています。このくらい変化しました。
しかし、今はこんな感じのメンタルになっています。
その秘訣をこの記事でご紹介します

いくらコミュニケーション力があっても、中身のメンタルが診断士向けではないものだと、なかなか仕事がもらえません。メンタルが伴ってはじめてコミュニケーションのスキルも生きていきます。また、これは普段の仕事もそうですが、怒られたり失敗したりしたらすぐにメンタルが不調になっていては仕事になりませんよね。
そのため、今回のメンタルの記事もぜひ参考にしてみてください。もちろん今年の診断士試験に向けて勉強をされている方にも参考になると思います。
それでは、後半もよろしくお願いします。

で、今回は28,000字まで削ったって言ってたけど、元はどれくらいの量あったのさ?
原稿の文字数を調べてみたら、45,000字あったね(笑)

- 1. 第1章:診断士のメンタルを身につけよう
- 1.1. 解釈の基本3つ「強気・ポジティブ・楽しい」を優先的に身につける
- 2. 第2章:ポジティブ思考、適当力(ほどほど力)
- 2.1. ポジティブ思考
- 2.1.1. 加点主義
- 2.1.2. 小さな1勝
- 2.1.3. 他人や自分をほめる
- 2.1.4. ネガティブ思考はアリ地獄の性質がある
- 2.2. 適当力(ほどほど力)
- 2.2.1. 真面目さや責任感はほどほどがいい、頑張らなくてもいい
- 2.2.2. 他人はそれほどあなたのことを見ていません
- 2.2.3. 重要なところをやって、重要ではないところは妥協する
- 2.2.4. 全体的・中長期的視点を意識する
- 2.2.5. 管理可能性を意識する
- 2.3. 実は、ここまでのスキルでもかなりメンタルが進化する
- 3. 第3章:精神的・時間的余裕、自己肯定感
- 3.1. 精神的・時間的余裕
- 3.2. 自己肯定感の高さ
- 3.2.1. 自己肯定感が高いことによる効果
- 4. 第4章:相手への敬意など
- 4.1. 「相手への敬意など」の中身
- 4.2. 感謝の気持ち
- 4.2.1. こまめに感謝の気持ちを伝える
- 4.2.2. 感謝の回路ができると不平不満は減ってくる
- 4.3. 当たり前のこと、何でもないことにも感謝の気持ちをもつ
- 4.3.1. チームプレーができない人の共通点
- 4.4. 尊重
- 4.4.1. 腹が立った意見や価値観も尊重する
- 4.4.2. 自分の意見・やり方が唯一無二の絶対正義と思わない
- 4.5. 背景の事情を考慮する、労をねぎらう
- 5. 第5章:「自信・楽しむ心・謙虚さ」の態度3本柱
- 5.1. 自信
- 5.1.1. 強気
- 5.2. 楽しむ心
- 5.2.1. ポジティブで楽しい人はうまくいく
- 5.3. 謙虚さ
- 5.3.1. 診断士としての活動がスムーズでなくなっているときの2大要因
- 5.3.2. 上から目線・プライドの高さの緩和
- 6. 第6章:柔軟なメンタルがあれば無敵
- 7. おわりに
第1章:診断士のメンタルを身につけよう
診断士のメンタルになるには「順序」があります。
メンタルというと、ポジティブ思考や強気の姿勢、前半のコミュニケーションの記事で見たような「自信・楽しむ心・謙虚さ」が含まれます。しかし、これらを並列でマスターしようとすると、なかなか身につきません。
メンタルの項目には「身につける順序」があります。今回はその順序に従ってメンタルの項目を紹介していきます。最終的には「強気・ポジティブ・楽しい」の基本3つの解釈と、「適当力(ほどほど力)」・「背景の事情を考慮」を加えた5つの解釈が使えるようになり、余程のレベルのものではない限りは不快なものをストレスなく解釈できるようになります。
また、今回のメンタルの記事はワークを設けています。これは一度に全部並列で行う必要はありません。何個ずつか段階を踏んでやっていくといいと思います。
メンタルが弱い方やHSPの方の目標・あるべき姿
メンタルが弱い方やHSPの方は、もしかすると「メンタルを鋼のように強くすること」を目標にしていませんか?鋼のメンタルの人を「あるべき姿」にしていませんか?
それは無理です。確かに、世の中には鋼のメンタルの人はいます。しかし、そういう人は鈍感で空気が読めないことが多いです。攻撃が当たっていることに気づいていないだけで、鉄壁の防御力があるわけではありません。
メンタルが弱い方やHSPの方は誰よりも敏感で空気をものすごく読みます。取り組むときも真面目です。そんな方が「メンタルを鋼のように強くし、鋼のメンタルの人になること」は無理ですし、ベクトルが異なります。
メンタルの弱い方やHSPの方は、「メンタルを鋼のように強くし、鋼のメンタルの人になること」ではなく、「ダメージを受けないために柔軟にすること」を目標にしましょう。不快なことがあっても適当に受け流せる柔軟なメンタルを「あるべき姿」にしましょう!
防御力を高めるのではなく、回避力(スルースキル)を高める。それが「柔軟性がある」となり、「折れない心」となり、結果的に「メンタルが強い」となります。
解釈の基本3つ「強気・ポジティブ・楽しい」を優先的に身につける
上記の5つの解釈のうち、まずは「強気・ポジティブ・楽しい」の基本3つの解釈を使えるようになりましょう。目の前のモノや出来事、自分や他人のやり方・価値観に対して強気・ポジティブ・楽しく捉えるようにしましょう。それができるだけでもメンタルのレベルが一気に上がり、回避力(スルースキル)はかなり高まります。「適当力」と「背景の事情を考慮」は余裕があれば身につけるくらいでOKです。
ちなみに、「強気・ポジティブ・楽しい+適当力+背景の事情を考慮」の5本柱の逆は、「弱気・ネガティブ・つまらない+完璧主義+べき思考」です。言い方を変えれば、「弱気・ネガティブ・つまらない・完璧主義・べき思考」があるうちは、メンタルはまだ強化できていません。
第2章:ポジティブ思考、適当力(ほどほど力)
メンタルはこの2つが土台となる捉え方の癖となります。ポジティブ思考は基本、適当力(ほどほど力)は強化パーツでしたね。
ポジティブ思考
いきなり基本3つの解釈のうちの1つが出てきました。これはメンタルスキルの基本中の基本で、メンタルの本や動画ではほぼ100%出てくる内容です。
コミュニケーションの記事でも書きましたが、診断士はポジティブ思考の方が多いです。他人の悪口やネガティブな話は基本的にしません(こういう話になると明らかに会話がぎこちなくなります)。そのため、現時点でネガティブ思考が先行してしまっている方は、意識的にポジティブ思考を取り入れていきましょう!
例えば、ネガティブな解釈の取っ掛かりになりやすい「4D=でも、だって、どうせ、できない」を禁句にするだけでもかなり違ってきます。また、強引にでもいいのでポジティブに解釈してみること(リフレーミング)もいいですよ。

リフレーミング?
不快なことが起きたとき、ついネガティブな面を見て落ち込んだりイラついたりしていませんか?
このとき、無理やりでもいいので、いい部分を見る工夫をしてみましょう。これがリフレーミングです。ポジティブな面を見てそれに感謝をする経験を積んでいきましょう。

阪神が大敗した翌日でも強引にポジ要素を一面にもってくるデイリースポーツはさすがやで

あれを見ると大敗しても気分を切り替えられるって?そらそうよ
どんなに不快なことでも、物事には必ず良い面と悪い面があります。メンタルを強くしたいなら、無理やりでもいいので、良い面を見ていきましょう。

自分はいつも物事の悪い部分ばかりを見てしまうからなぁ。これからは意識して良い部分を見てそれに感謝する練習をしてみるよ
もちろん、言動ではなく態度もポジティブなものを心がけましょう。例えば他人と会うときも含め、普段から意識的に眉や口角を上げて笑顔を心がけましょう。ムスッとしている人と笑顔の人なら、他人が抱く印象は全く異なります(もちろん笑顔の人のほうが好印象につながります)。
悪口に頼らない生活をしよう
悪口を言ってストレス発散をするなら、いつでも誰でも簡単にできます。でもそれではあなたのメンタルは変わりません。
柔軟なメンタルを作りたいなら悪口に頼らない方法を見つけましょう。例えば紙に書く、ポジティブに解釈してみるなどですね。「楽しい」解釈からしても、悪口に頼るのは面白くないですしね。
ワーク
1日3回、意識的に眉や口角を上げて笑顔を心がけることを思い出して実践しましょう。
ワーク
嫌なことが起きたら、今の心境でも嫌なことが起きた原因でも対策でもいいので、紙やスマホ・パソコンのメモ帳に書いてみましょう。その中であえてポジティブな言葉を使ってみましょう。
コツはデイリースポーツの阪神の記事のように、嫌なことやイライラしたことを強引にポジティブに解釈することです。そして、書くことで嫌な気分が浄化されます。
加点主義
ポジティブ思考と切っても切れない関係にあるものが、「加点主義、小さな1勝、ほめること」の3つです。
ポジティブ思考をマスターしようと思ってもなかなかできない方は、この3つのうちどれかができていない可能性が高いです。
加点主義は、できたことやポジティブなことを積み上げる形で物事を捉えることです。
例えば2次試験の演習なら「設問文からこの内容の想起ができなかった、SWOT分析で強みを半分しか答えられなかった、与件文のあの部分を見過ごしてしまった、80分で解けなかった」など、反省点がよく出てきていたと思います。このように物事を捉えることを「減点主義」と言いますよね。
加点主義はその逆になります。つまり、今の例なら「設問文から想起ができたもの、SWOT分析で答えられた強みの残り半分・弱み・機会・脅威の部分、与件文から見つけてきた解答内容の部分、80分で解けた部分」に注目して物事を捉えることが加点主義です。
ポジティブ思考をマスターするにはこの加点主義、つまりできたことやうまくいったことを積み上げて捉えるやり方が必要になります。ポジティブ思考をマスターしようと思ってもなかなかできない方は、減点主義で捉えている可能性があります。
ワーク
ミスしたことや恥をかいたこと、怒られたことなどについて、そこから得られたことを探してみることを5回やってみましょう。
小さな1勝
「小さな1勝」のスキルは、「どんな小さなことでも必ずできたところ、うまくいったところがある」と捉えるスキルです。当然ですが、ポジティブ思考や加点主義とリンクします。
こちらも2次試験の演習で考えてみましょう。例えば100点中5点しか取れなかったとしましょう。それでも、5点分の内容は正答できていたことになります。この「5点分の内容を取れたこと」は小さなものかもしれませんが、「できたところ」になります。こういうものを「小さな1勝」と言います。加点主義はこういう「小さな1勝」を積み上げていくことでできるようになります。
ポジティブ思考をマスターするには、加点主義が必要になります。そして、その加点主義をスムーズにいかせるには「小さな1勝」のスキルが必要になります。ポジティブ思考をマスターしようと思ってもなかなかできない方は、「小さな1勝」の余地を意識的に探してみましょう。
ワーク
1日の中で意識して小さな1勝を10個見つけてみましょう。
そうすると「塵も積もれば山となる」の方式で、大きな勝利になりますよ。
例えば、朝食を無事に食べ終えたこと、満員の通勤電車でイライラしなかったこと、遅刻せずに出社できたこと、上司に怒られずに1日を終えることができたこと、残業せずに帰れたこと、無事に家に帰れたこと、晩酌をおいしく飲めたこと、家族と晩御飯を食べることができたこと、1日健康で過ごせたこと、歯を磨くことを忘れなかったこと。
こんなものでもいいのです。これで「小さな1勝」は10個集まりましたよ。
他人や自分をほめる
ポジティブ思考が身につきやすくするためのトレーニングとして、他人や自分をほめてみることが挙げられます。
私は「ほめ達」という資格を取得しています。そこで習ったほめ達のポイントは、①謙虚さや敬意・感謝の気持ち、②「相手のことを知りたい」という気持ち、③自分からこまめに、④ポジティブマインドです。これらがない上でほめても、単に「ほめるテクニック」で終わってしまいます。逆にこれらをすべて満たすとほめ達のレベルが急激に上がります。
ほめるスキルを高めるために、笑顔やポジティブな解釈、ほめることも1日10回くらいやってみるなど、自分なりに工夫してやってみましょう!

ほめることは、労をねぎらうことでもあります。この「ねぎらうこと」をする人や回数がとにかく少ないのです。「当たり前のことでも、ほめる、ねぎらう、感謝する」。これが「こまめに」できるだけでかなり差別化ができます
コツは、不安や怒りなどネガティブな思いが出てきたら「これは何のチャンスだろう?」と考えてみることです(これはほめ達検定で習います)。
また、加点主義や小さな1勝の余地を意識することも挙げられます。これらは「できているところに注目する」になるので、ポジティブな解釈が出てきやすくなり、ほめることにつながりやすくなります。
他人をほめることはイメージできるかもしれませんが、自分で自分をほめることも対象になります。また、モノや出来事も対象になります。
つまり、どんな些細なことでもいいので、こまめに自分に対し前向きなメッセージを送ったり、前向きな質問を投げかけたりしましょう。嫌なことがあったら自分で自分を励ましてみましょう。そうすると、メンタルが不調になったときでもメンタルの回復がしやすくなり、ポジティブな解釈や笑顔が行いやすくなります。
ワーク
ほめ達の本やほめる系の本を買って読んで、気に入ったスキルを実践してみましょう。
ワーク
嫌なことがあったとき、ポジティブ思考、加点主義、小さな1勝での解釈や自分をほめることをクセをつけていきましょう。
例えばある日の私なら、仕事で作成した資料がすべてやり直しになったことがありましたが、このように解釈したおかげでストレスにはなりませんでした。
- ポジティブ思考:経験を2倍積める
- 加点主義:小さなミスのうちに対処できたから大きな事故につながらなかった
- 小さな1勝:やり直しのおかげで資料の誤字に1つ気づけた
- 自分をほめる:これはおいしいぞ!
ワーク
自分で自分をほめることを1日あたり10回やってみてください。
これは契約を獲得できた、仕事が終わった、演習で高得点が取れたなどの大きなものでなくてもいいです。無理やりポジティブにしたものでもいいし、どんな小さなことでもいいです。ポジティブ思考、加点主義、小さな1勝のスキルを使っていきましょう。
これを毎日、できればネタを変えて自分で自分をほめまくってください。3週間もしたらそれが習慣化されてきます。そして、習慣化されてくると潜在意識がポジティブなものに変わり、自己肯定感が高まりやすくなります。また、他人に自慢などをして他人から承認欲求を満たしてもらう必要性を感じなくなります。この状態になると自己肯定感が高い状態になります。今回の記事ではここも狙っていきます!

承認欲求は自分で自分をほめることで、自分で満たすようにしましょう!

小さなことをこまめにほめる、こまめに感謝することを意識していきましょう!
ネガティブ思考はアリ地獄の性質がある
ネガティブ思考は、出せば出すほどアリ地獄の要領で重症化する性質があります。ネガティブな解釈が進んでいくと湯水のようにネガティブ思考が出やすくなり、嫌なことが起きたときのメンタルへのダメージがどんどん大きくなっていきます。そして、ダメージが一定以上になると急激に脳が機能しなくなり、いわゆる「うつ症状」になってしまいます。
そのため、不安や焦り、怒りなどのネガティブな感情が出てきたら、「これは何のチャンスか」を考えたり「むしろチャンス」と唱えてみたりしてみるなどして、すぐに気分を切り替えましょう。
どうしても切り替えられなければ、ノリノリの曲を聞いて無理やり手足でリズムを刻んでみてください。そうすると脳内から癒しホルモンと言われるセロトニンが分泌されてストレスが軽減されます。家の中など可能な環境なら大声を出すのもいいですね。そうするとネガティブのアリ地獄から早々に脱出でき、重症化を防ぐことができます。

ノリノリの曲と言えば、サトシがよく言っているユーロビート。
もちろん他のジャンルでもOKだよ
ちなみに、私のストレス発散法については、「③サトシのコミュニケーション&メンタル」で述べます。
ワーク
ネガティブ思考になったら、現時点でネガティブ思考になっていることを認識し、アリ地獄の性質があることを思い出してみましょう。
ワーク
どんなに落ち込んでいるときでも実践できる「ストレス発散の手段」を3つ確保しましょう。健全なものでなくても、酒を飲む、誰かに愚痴をこぼすなどでもOKです。
ちなみに、一蔵ならランニング、かますならジムでのトレーニングがストレス発散手段ですね。
適当力(ほどほど力)
適当力は「ほどほど力」とか「最善主義」とも言われるもので、「白か黒か」ではなくグレーも認めるというものです。イメージは0か100かで考えるのではなく、間の50を考え、そこに照準を定める感じです。
「細かいことは気にしない」とも言えますね。逆に真面目すぎ、完璧主義、細かいところばかりに意識がいく、難しく複雑に考えるのはダメです。

人生、適当が一番です
真面目さや責任感はほどほどがいい、頑張らなくてもいい
診断士として仕事をしていても、先輩から「プロとしての意識を持て」とか「お金をもらっているのだから」と言われることもあります。しかし、適当力のことを考えると、そこまで気にしなくてもいいです。
そういうプレッシャーになることを言ってくる方がいても、意見は尊重しつつ、気にする必要はありません。強気の解釈で振り払ってOKです。「お前は甘すぎる」と言われても勝手に言わせておけばいいのです。そして、「楽しい」や「適当力(ほどほど力)」を優先(重視)して診断士の仕事をしていきましょう。そのほうがストレスなくできると思います。
メンタルが弱い方やHSPの方は、すでに頑張っている
特にメンタルが弱い方やHSPの方なら、上記のような先輩の指摘は全く気にしなくていいです。メンタルが弱い方やHSPの方にとっては、こういう指摘が精神的な重荷になってしまいます。
ほどほどな真面目さをもっているなら、もう「プロとしての意識は持っている、学生気分ではなく真剣に取り組んでいる」と思って大丈夫です。
苦手なことがあったり、負担が大きくなってきたりしているなら、他人に任せてもいいです。もっと他人を頼っていいです。妥協することや他人を頼ることは甘えではないし、プロ意識に欠けることでもありません。
また、責任感も持たなくていいです。もうすでに十分持っていますから。メンタルが弱い方やHSPの方は真面目さから「プロとしての責任感」や「100%本気で取り組まないといけない」など、(客観的に見たら「なぜそんなに抱えてしまう?」とも言える)過剰な責任感をもってしまい、ミスをしたりチームの足を引っ張ってしまったりすると、その過剰な責任感に苦しめられてしまう(当然ネガティブ思考が大きく進む)ことがあります。そのため、こういう方は「自分が感じている責任感の大きさは虚構で自己満だ」と思ってみましょう!
メンタルの弱い方、HSPの方こそ、プロの意識や責任感よりも「お互いに気持ち良く仕事ができること」を意識していきましょう。下手に構える必要はありません。最低限のビジネスマナーさえあれば相手に失礼になることはありません。あとは相手への敬意や労をねぎらう気持ち、感謝の気持ちをもって、ポジティブな雰囲気で相手に接すればうまく仕事ができますよ。
真面目さや責任感はほどほどがいいです。全くないのはまずいですが、過剰な真面目さは責任を抱え込み精神的・肉体的に疲弊させてしまいます。最低限のビジネスマナー(研修や社会人1年目の人用の本で出てくるレベル)さえできていれば、「責任感」よりも「楽しい」や「適当力(ほどほど力)」を意識しても問題はありません。

気持ちよく仕事できたほうが、若い世代にもマッチするよ
他人はそれほどあなたのことを見ていません
あなたが思っているほど他人はそれほど自分のことを気にしていません。「自分のことを気にしている」と考えるのは自意識過剰です。「自分のことを嫌っている、変なふうに思っている」というネガティブな考えはほぼ取り越し苦労です。
自分が思っているほど他人は自分のことを気にしていないのだから、妥協していいのです。手を抜いていいのです。もちろん「手を抜いています」と口や態度に出したらダメですけどね(笑)
ワーク
電車に乗ったときや街のレストラン・カフェに行ったとき、自分が他人のことを気にしているか、気にしているとしてもいつまでも気にしているか振り返ってみましょう。
重要なところをやって、重要ではないところは妥協する
真面目すぎるのは疲れるだけです。全力で取り組むところと、適度に抜くところを意識していきましょう。仕事もそうですが、押さえるべきところ、肝心なところさえ押さえておけば適当・ほどほどでいいのです。求められている品質・納期がきちんと守ることができていればいいのです。
要領の良い人は「力の入れどころ」の見極めがうまいです。常に全力ではなく、20%の重要なタスクはフルパワーでこなし、残りの80%のタスクは適度に労力を配分しています。「力の入れどころ」と「力の抜きどころ」をうまくコントロールしています。そうすることで効率的に目標を達成します。
メンタルが弱い方やHSPの方は、頑張らなくてもいいところで力を入れていることが多いです。力を入れるところを間違えしまうと結果がうまくいかないことが多いです。診断士の試験だって、D・Eランクになるような難しい問題、事例Ⅳの意思決定の問題に全力で取り組んでも合否には関係ありませんよね。
ワーク
「まぁ、いっか」や「しょうがない」、「なんとかなる」、「私はよくやった」、「これくらいでいい」、「これは(D・Eランクのことだから)できなくていい」という「適当力」のフレーズを、1日3回見てみることで適当力を思い出しましょう。
そうするとやがてそのフレーズが口癖になってきます。
全体的・中長期的視点を意識する
適当力(ほどほど力)をつけるのに欠かせないスキルが、全体的・中長期的な視点を意識することです。
メンタルが弱い方やHSPの方に多く見られるのが、不安なことが出てくると視野が一気に狭くなってしまい、ネガティブ思考が進んでしまうことです(先ほどのアリ地獄の性質ですね)。
不快なことが起きたときは「部分的・短期的な視点」ではなく、意識的に「全体的・中長期的視点」で考えていきましょう。大抵の場合、不快なことが起こると視野が狭くなってしまい、短期的なスパンで考えてしまいます。そしてネガティブに考えてしまうのです。こうならないように、あえて全体的・中長期的な視点で考えてみましょう。無理にでも空間的・時間的な視野を広げてみましょう。そして、自分が置かれた状況に応じて自分には何ができるかを考えてみましょう。
ワーク
不安でモヤモヤすること、悩んでいること、釈然としないことがあれば、①「1年後もそれを考えているか」を意識する、②思いの内容を紙に書き「見える化」することを強引にでもやってみましょう。
例えば「見える化」をして、①自分が抱いた感情を言葉にして書く(恥ずかしがらず素直に感情を実況中継する。ここでネガティブな思いが出るのは悪いことではない)、②その背景や原因を分析して因果で結ぶ、③リフレーミングでポジティブに変換する、④改善策を出す、という順序でやってみましょう。そうすると、その過程で「●●すべき」という価値観(固定観念)が見つかります。これが不安やモヤモヤのもとになっているので、少しずつでいいのでその価値観に適当力を適用し、是正していきましょう。
例えば私なら「電車の中では静かにすべき」という認知の歪みがあるので、それを「少しくらいなら話してもいい、たまの気晴らしで話したい人もいる」と解釈するようにしています。
管理可能性を意識する
全体的・中長期的視点とリンクするスキルとして、自分にとっての管理可能性を考えることがあります。
特にメンタルが弱い方やHSPの方に多く見られるのが、自分には管理不能なことに悩んでしまうことです。例えば翌日の上司の機嫌や野球の贔屓チームの勝敗などのことで悩んだり不安になったりします。診断士試験なら1次試験や2次試験の難易度のことで深く悩んでしまいます。
ですが、それは自意識過剰、予期不安(実際には起こらない不安)です。管理不能なことがもたらすことは自分には管理不能です。それなら、管理不能なことにこだわるのはやめましょう。自分が管理不能なことは無視しましょう。そして自分ができることに焦点を合わせましょう。
実は、ここまでのスキルでもかなりメンタルが進化する
ここまでかなり長かったと思います。ここまででも全体1/3ほどです(笑)
しかし、ここまでのスキルができるようになると、メンタルの弱い方やHSPの方でも以下のものが徐々に緩和できるようになり、潜在意識からネガティブ思考が徐々になくなっていきます。
- 0か100かの思考、完璧主義
- 「べき」思考
- 難しく複雑に考えること
- 過度な一般化(1人が言っていたことを世間全体が言っているように捉えること)
- ネガティブな側面だけを見ること(ポジティブな側面を認めないこと)
- 論理の飛躍
- ネガティブな方向での未来予知(被害妄想)
これらがなくなるだけでも、メンタルは飛躍的に進化します!
第3章:精神的・時間的余裕、自己肯定感
ここまでのことできるようになると、おそらくですが心が軽くなる感覚が出てくると思います。そうなると、不快なことが起きてもメンタルが不調になることを回避しやすくなります。そしてそれが、この章の「精神的余裕」や「自己肯定感」につながっていきます。
精神的・時間的余裕
ここまでのメンタルのスキルが使えるようになれば、不快なことが起きたときでも精神的・時間的余裕をもった対応ができるようになります。
例えば不快なことが起きても1回や2回くらいなら「想定済み・織り込み済み」とすることで、心の余裕・待つ余裕をもちやすくなり、柔軟な対応や器の大きな対応ができるようになります。そうなれば不快なことをしてきた相手を許せるようになります。
不快なことが起きてイライラしてしまう人は、精神的・時間的余裕がないことが多いです。例えば電車が遅れたときに駅員に八つ当たりしている人は精神的もしくは時間的に余裕がないから八つ当たりをしてしまうのです。逆に言えば、不快なことが起きてもイライラしないなら、精神的にも時間的にも余裕があることになります。この状態を目指していきましょう!
ワーク
1日1回、精神的・時間的余裕のことを思い出してみましょう。そして、1日5回までならミスや不都合が生じることを織り込み済みにしてみましょう。腹を立てることが少なくなりますよ。
自己肯定感の高さ
ここまでのことができると、ネガティブ思考やひねくれた解釈などをしなくなるため、メンタルが改善し、自己肯定感が高まっていきます。
自己肯定感は「無条件に自分を受け入れて肯定すること」を言います。「できないことがあってもいい。それでもそのままで生きていていい」と考えるのが自己肯定感で、自分の強みやできることはもちろんですが、自分の弱みやできないこと、悩みや不安も含めて「自分」という1つの存在として受け入れることを言います。
自己肯定感は自分の弱みやできないところ、ミスなどを受け容れられる精神的余裕とつながっています。そして、そんな弱みやできないことと向き合い、「それも含めて自分なのだ」と受け容れていくことで自己肯定感が高まっていきます。つまり、自分の弱みやできないところ、能力や環境に左右されず「とりあえず今の自分でいい」と思えていると、自己肯定感が高い状態と言えます。「自分ならできる、うまくいく」と思え、自分への満足度が高く、自分をポジティブに捉えることができる、自分の可能性を信じることができる、というわけです。

自分を大切に扱っていかないと自己肯定感は高まらない
自分のメンタル面の成長をダイレクトに感じることができると、根拠のない自信がついてきて、これが自己肯定感につながります。
そうすると、自分で自分の承認欲求を満たせる(他人に満たしてもらわなくて済む)ようになります。逆に自慢やマウント取りなどで他人に自分の承認欲求を満たしてもらおうとする場合は、自己肯定感が低い状態です。
よくコミュニティいる、王様気分の人や「自分がルール」という雰囲気を出している人、他人を怒りや脅しで従わせている人は、実は自己肯定感が低いのです。
自己肯定感が高いことによる効果
自己肯定感が高いと、他人ではなく過去の自分と比較できるようになります。また、少しくらい嫌なことがあっても強気の解釈やポジティブ・楽しい解釈で容易に吹き飛ばせます。だから自分のミスも素直に認められるし、それで自分の評価が下がるわけではないこともわかっているので、他人の意見(理不尽な批判を除く)も謙虚に聞けるようになります。他人からミスを指摘されても言い訳や不快になることをせずに素直に対応できます。
また、コミュニケーションのレベルが一気に上がります。ポジティブで楽しい雰囲気を出せることはもちろん、自分の話をせず相手の話をひたすら聴くこともできるようになります。これができるようになっていれば、人脈・ネットワークや可愛がられることにもつながり、仕事が舞い込んできやすくなります。
そうすると、よくドラマや漫画のセリフで出てくる「やる気があれば何だってできる」ということも実感できるようになります。自己肯定感が低いうちは「そんなことはないだろ」と思って躊躇してしまいますが、自己肯定感が出てくると徐々に「そういうものだ」とわかってきます。
また、スピリチュアル的なことかもしれませんが、幸運をもたらすこともできます。運勢が良くなるといいますか、明らかに「良い流れ」が来る機会が増えます。私もそれで急に仕事を得たこともあります。

10月くらいから自己肯定感が高まり、仕事やメンタル面の流れが一気に変わりました
逆に自己肯定感が低いと、他人と比べてしまう(+劣等感や優越感をもってしまう)ことが多くなります。
また、ミスをした自分を認めると自分の評価が下がってしまうと思い、自分を守ろうとして強がり、「自分が正しい」と主張して他人の意見が聞けなくなってしまいます。今まではプライドの高さが邪魔をして、不快感が顔や態度に出てしまいます。また、謙虚さがない発言もしがちです。これらが他人からは「生意気」と捉えられてしまいます。
診断士合格で一気に自己肯定感とメンタルが進化する
月並みですが、診断士に合格すると一気に人生が変わります。
- 信用が増し、ネットワーク・人脈も数倍に広がります。私は得意のフットワークの軽さを活かし、日本全国に診断士のネットワーク・人脈を築けました。そのおかげで多くの診断士仲間を得ることができました
- 診断士に合格して自信をもてた(コンプレックスが取れた)おかげでメンタルも強くなりました。ポジティブで楽しい雰囲気をもつことができるようになり、コミュニケーション力も増しました
- 強みの分析をすることで、自分が何者か、何で貢献ができるかがわかってきます
これらにより、自己肯定感が上がってきます。そうするとメンタルが一気に進化します。
結果的に、伴走支援、受験生支援、教材作成、記事執筆など診断士としての仕事も多くもらえるようになりました。
(詳しくはAZUKIのこちらの記事にあります)
と言っても、合格した瞬間にメンタルが急激に進化するわけではありません。技術革新のS字曲線と同じく、徐々に進化し、どこかのタイミングで一気に進化するイメージです。
おそらく合格して半年、8月か9月くらいになると、メンタルの進化を実感できます。そして11月や12月になると急激に進化して、明らかに変わったことが実感できると思います。
第4章:相手への敬意など
これは謙虚さにつながるもので、精神的・時間的余裕や自己肯定感があるからこそできるものです。そして、診断士のメンタルに欠かすことのできないものになっています。
相手への敬意など(敬意、感謝、尊重、労をねぎらう気持ち+謙虚さ)があるかないかで、診断士としてのキャリアは大きく変わると思っていただいていいです。
相手への敬意などがある方は、多くの人から信頼され、頼りにされます。仕事も来やすいです。一方、相手への敬意などがない方は、たとえ組織のリーダーや権力者だとしても、人が離れていきます。仕事ももらえません。
なお、最初のうちは相手への敬意などがあっても、どこかのタイミングでそれがなくなってしまう方がいます。その場合も、なくなってからは一気にキャリアが悪化します。
この項目に取り組むときは精神的余裕や自己肯定感が高まっているときに行いましょう。そうでないならまずはメンタルの回復を行いましょう。
「相手への敬意など」の中身
相手への敬意などには「相手への敬意、感謝の気持ち、尊重、相手の労をねぎらう、相手の背景の事情の考慮」があります。
それぞれ具体的にはこのようなことを言います。
●敬意:どんな人でもどこかでは役に立っています。どんな人にでも強みはあってその強みをどこかで活かしています。だからこそ、尊敬する余地があります
●感謝の気持ち:強みを活かしているところでは、感謝できる余地があります
●尊重:人々は助け合いで生きています。だから自分の価値観や意見と真逆だとしても相手の価値観や意見を尊重しましょう(不快なことをしてきた人に対しても、その価値観を尊重しましょう)
●労をねぎらう:人々は助け合いで生きています。だから相手の労をねぎらいましょう
●相手の背景の事情の考慮:不快なことが起きた場合、相手には何か事情があるのかもしれません。背景にある事情を意識してみましょう
はい、5つの解釈のうちの1つ、「背景の事情を考慮」が出てきましたね。しかし、これも敬意や感謝、尊重、労をねぎらう意識があることで出せるものです。
相手に敬意や感謝の気持ち、労をねぎらう気持ちをもって接することができるなら、相手に対してマウント取りや「自分のほうが上だ」という意識は出てきません。高圧的で非常識な振る舞いもありませんし、上から目線になることもありません。
逆に相手への敬意などがないと、ハラスメント的なことを言いやすくなります。そうすると心理的安全性が脅かされるので警戒され、人望につながりません。
感謝の気持ち
この記事では5つの解釈が重要と繰り返していますが、それと同じくらい重要なのが「感謝の気持ち」です。コミュニケーションのところでも述べましたが、感謝の気持ちがこまめに出てくるマインドになっているか、なっていないかで、診断士のメンタルはもちろん、診断士のキャリア的にも大きな差がついてきます。私も自己肯定感が高まってから感謝の気持ちをこまめに出せるようになり、診断士としてのキャリアが大きく加速しました。「良い流れが来た」ってやつですね。そのため、感謝の気持ちは重要なスキルになります。
こまめに感謝の気持ちを伝える
みなさん、「ありがとう」と普段から言っていますか?メッセージに書いていますか?
前半のコミュニケーションのところで見たように、日本人は感謝の気持ちを伝える人が少なく、逆に様々なことに不平不満をもったりちょっとしたことで不快になったりしている人が多いです。日頃から誰かを恨む、不平不満を言う、気に入らないことがあるとイラつく、愚痴をこぼすなど、こういう生活を送っていると、潜在意識からそのように染まってしまいます。こんな性格では、幸福な人生など送れません。
感謝の心を持つことを習慣にできれば、感情、思考、振る舞いに大きな変化が起こり、目覚ましい進化を遂げることができます。

「みんながいたからここまでやれた。これからもみんな一緒に頑張っていこう」。こう言ってくれる人がいたら喜んで付いていきたくなるね

鉄道ファンの私としては、こんな「ありがとうきっぷ」というものも使っています

ワーク
メールやチャット、SNSなどに原則として感謝と敬意・労いの気持ちが入ったフレーズを入れてみましょう。
感謝の回路ができると不平不満は減ってくる
この世界は、非常にさまざまなストレスが降りかかってくるストレス社会なので、慌ただしく不安定な現代の中で心の豊かさを失い、心をすり減らしてしまっている人は非常に多いかと思います。
そういう方はいつも不平不満ばかり出てしまいます。物事の悪い部分ばかりを見る癖が潜在意識から身についているため、常に不満を抱き文句や悪口ばかり並べ立てる性格になっています。もちろん自己肯定感も低くなり気分も暗くなりがちですし、周りから人が離れていき、不幸な人生になってしまいます。
逆に、当たり前のことにでも自然に感謝できるような「感謝の回路がある人」は、たとえ嫌なことが起きても物事をポジティブに捉えますし、常に感謝の心を持っています。気分もポジティブで楽しいものになるので、不平不満は減っていきます。自己肯定感が高まって他人の過ちにも寛大になりますし、異なる価値観や意見をもつ他人への尊重もできるようになります。社交的になり、コミュニケーション力も上がります。謙虚さが増し、損得勘定なしでの他人への気遣いも増えてきます。結果的に、周りに人が集まって活発に行動できるようになります。
いわゆる「引き寄せの法則」ですね。良い流れになってポジティブな出来事が集まってきます。
感謝の回路が身につくと、無意識のうちに感謝の気持ちがこまめに出てくるようになります。そうすると、他人への気遣いがしやすくなります。車の運転中に相手に道を譲る、電車で席を譲る、お土産を買っていくなどのことを、損得勘定なしでできるようになります。このように小さなことかもしれませんが、相手への気遣いを見せることで、相手も自分も気分が良くなります。
ワーク
「すいません」の代わりに「ありがとう」を言ってみましょう。これだけでもかなり違ってきます。口に出すのが恥ずかしいなら頭の中で思うだけでもOKです。
日頃から感謝すべき対象を見つけ、心の中でもいいのでこまめに感謝の言葉を言うようにすると、気分良く生きることができます。これに慣れてくると、徐々に物事の良い部分を見る癖がついてきて(ネガティブな面を見る癖が取れてきて)、自然と感謝ができるようになってきます。この段階になると「感謝の回路」が十分なものになります。

まずは形から入ってみよう。
無理にでも「ありがとう」、「お疲れ様」と言ってみよう。
どうしても無理なら心の中で思うだけでもOKです!
当たり前のこと、何でもないことにも感謝の気持ちをもつ
感謝をする際のコツは、「当たり前のこと、あるものに感謝」です。自分がもっていないものではなく、今自分がもっているもの、当たり前にできているものに目を向けてみます。また、「あれが欲しい、 これが欲しい」ではなく、「あれができていることに感謝、これがあることに感謝」という気持ちでいきましょう。

ないものねだりより、あるものに感謝!
感謝の心を持つと、すでに自分が何かを持っているということに気づけるようになります。 そして、毎日のように食事ができていること、通勤通学ができていること、健康に過ごせていることなど、当たり前すぎて見落としがちなことに喜びを感じられるようになり、何気ないことにも幸せを感じられるようになります。
例えば、健康で、家族がいて、普通に家があって、働く場所があって、お風呂に入れて、頼んだ商品を届けてくれる人がいて、コンビニやスーパーで物を買って食べることができる。こういうことに感謝をしてみましょう。そうすると「今ある当たり前」を認知し、感謝できるようになります。
当たり前すぎますか?そんなもの感謝する必要はないですか?こっちは客だから役務提供を受けるのは当たり前ですか?
そうです。どれも当たり前のことです。しかし、それがない人だっています。だからこそ、こういう当たり前のことだって感謝をしていくものなのです。
例えば私なら、普通に健康で、住む家があって、普通に働けて、お風呂に入れて、たくさんの仲間や友達もいます。コンビニで好きなものを買いますし、好きな電車にも乗れますし、道場の記事も書けています。
これらは当たり前のこと、小さなことかもしれませんが、支えてくれる会社や人がいるからこそできることです。だからこそ、そういう会社や人に感謝すべきことなのです。
まずはその当たり前のことや小さなことに感謝していきましょう。慣れてきたら、当たり前のことや小さなことの労をねぎらう、尊重することもしてみましょう。
ちなみに、当たり前のことや小さなことに感謝できるようになると、「小さな1勝」や加点主義のスキルを鍛えることにもつながります。逆に当たり前のこと、小さいことに感謝ができず「小さな1勝」や加点主義のスキルがなかなか鍛えられないのは、慣れきって感覚が麻痺してしまっているからです。

今の自分があるのは、知らない人やすでに亡くなっている人を含め、ありとあらゆる人の貢献や協力があるおかげ。こう思えていますか?
チームプレーができない人の共通点
「①診断士のコミュニケーション」でも見ていきました「チームプレー」ですが、これができない人に共通することは、「謙虚さ」や「相手への敬意・感謝・尊重・労をねぎらう気持ち」がないことです。
これは一緒のチームになって仕事をするとすぐにわかります。何となく、雰囲気や言動からにじみ出ているのです。そしてその背景には「精神的・時間的余裕のなさ」があります。これらがないから自分の都合ばかり優先してしまい、チームプレーができないのです。そんな状況ですから、他のメンバーの満足度や安心感・信頼を得られるわけがありません。心理的に壁を作られてしまい、人脈や関係性強化にもつながりません。

「仲間がいること」も当たり前のことだけど感謝することだよね。自分はひとりぼっちではないとわかると、自己肯定感も上がるよ
尊重
「尊重」の意味を辞書で調べてみると、「価値あるもの、尊いものとして大切に扱うこと」となっています。
価値観や意見は人によって異なります。全く同じ価値観や意見の人はいません。
では、価値観や意見の違いとはどういうものでしょうか?これは得意なこと・不得意なことで考えてみるとわかりやすいです。 例えば私は鉄道好きなので、駅の自動券売機の扱いも慣れています。しかし、高齢者や外国人などは自動券売機の扱いに不慣れで、駅員に問い合わせたり長時間占領したりしています。しかし、ここで「早くしろよ!」とか「なんでこんな簡単なことなのにわからないんだよ!」などと思いながらイライラしてしまってはいけないのです。
確かに得意な人からするとそれができない人はイライラするかもしれませんが、そこは価値観の違いを意識しましょう。精神的・時間的余裕をもって、苦手な人のことを考慮しましょう。苦手な人の価値観を大切に扱いましょう。これが「尊重」です。
腹が立った意見や価値観も尊重する
尊重には、相手から言われて腹が立った意見や価値観も対象になります。
もちろん「すべて無条件に受け入れろ」ということはありませんが、「相手にはそういう意見を言う自由がある、そういう価値観もある」ということを理解しましょう。それが「相手の意見を尊重すること」になります。
異なる意見や価値観を尊重しにくいなら、「異なる価値観への興味→面白い→その発想はなかった→勉強になる」という順序で捉えてみると、スムーズに受け入れられます。
ワーク
相手から言われて腹が立ったこと、怒られたことについて、相手の意見を尊重する作業を10回やってみましょう。
自分の意見・やり方が唯一無二の絶対正義と思わない
「尊重」でカギを握ってくるのがこれです。「尊重」ができるかどうかをわかりやすく測れるのが、「他人に自分と異なる意見・やり方を言われたときにイラっとしないか」です。もしイラっとした場合、尊重ができていないことになります。
尊重ができない人は「俺の意見が絶対正義で、他の意見はすべて間違い!」、「私のやり方が唯一無二の正しいやり方だからそれに従え。異論は許さない!」という雰囲気を出してしまいがちです。そして、相手が違う意見・やり方の相談をしたり、提示した意見・やり方に従わなかったりすると、明らかに不快な顔をして真っ向から否定します。
「①診断士のコミュニケーション」でも見ましたが、これは診断士になって様々なところから「先生」と言われ続け、謙虚さがなくなってしまった方が陥りがちなことです。税理士や弁護士にも見られ、「士業あるある」でもあります。常に求人が出ているなどで「ブラック●●士事務所」と言われている事務所は、士業の所長が尊重のできない人であることが多いです。
他の意見・やり方を尊重できなくなってきたら診断士としてNGです。例えば自分が支援の相手企業の社長に意見を言ったとして、社長から別の意見を言われたときに「ふざけるな!」みたいな態度を取ってしまってはNGです。他の意見・やり方を尊重できない人は、長期継続顧客化や口コミによる新規顧客獲得は望めません。
相手の意見・やり方を尊重し、「自分は正しいかもしれないけど、相手も正しい」と思うようにしましょう。「私の意見はこれだけど、社長の意見も一理あるな」とか、「僕の意見とちょっと違うけど、社長がこれでいきたいならこちらの路線で考えよう」と思ってみましょう。そうすると謙虚な対応ができてきます。そしてこれはそのまま社長の満足度、長期継続顧客化や口コミによる新規顧客獲得につながります。
背景の事情を考慮する、労をねぎらう
5つの解釈のうちの1つ、「背景の事情を考慮」が出てきました。
不快なことが起きたとき、「もしかしたら相手には何らかの事情があったのかもしれない」と思い、背景にある事情を想像する(もちろん実際の本人の事情と合っていなくてもOK)ことで、相手の労をねぎらいやすくなり、相手を許しやすくなります。
例えば出張帰りで疲れている新幹線の中でうるさい外国人のグループや酒盛りのおじさん軍団がいるとしましょう。「おいおい、こっちは疲れて寝たいのにうるさいなぁ」と不快に思うでしょう。その場合、「この外国人グループは休暇を楽しむためにわざわざ日本に来てくれたんだな」とか「酒盛りをしているおじさん軍団も俺と同じく大事な仕事をしてきて気分を晴らしたいんだろう。もしかしたら大きな契約を結べて祝杯をあげたいのかもしれないし、逆に大失敗をして今日は飲まなきゃやっていられないのかもしれないな」と思うことで、相手の労をねぎらい、相手のことを許しやすくなり、多少は不快な気分が緩和します。
第5章:「自信・楽しむ心・謙虚さ」の態度3本柱
さて、これで5つの解釈のうち3つ(ポジティブ、適当力、背景の事情を考慮)が出てきました。残りの「強気、楽しい」はこの章で出てきます。それがこの態度3本柱に隠れています。
「①診断士のコミュニケーション」のところで「自信・楽しむ心・謙虚さ」の3つが出てきましたね。覚えていますか?例の「ビビるなよ。楽しめよ。でもナメるなよ」という紹介をしたやつです。
確認ですが、「ビビるなよ」は自信、「楽しめよ」は楽しむ心、「ナメるなよ」は謙虚さのことを指しています。そして、診断士に限らず士業(税理士や弁護士など)では自信、楽しさ、謙虚さの3つが態度として求められます。この3つの態度の中に、残りの2つの解釈(強気、楽しい)があります。
自信
コミュニケーションのところでも見ていきましたよね。自信なさそうな店員から物は買いません。不安な気持ちでビクビクしながらやると相手に伝わってしまい、成果は出ません。そのため、自信をもって仕事やコミュニケーションを行う必要があります。(謙虚さがある前提で)自信をもって接すると、それがオーラのようになり、説得力や相手からの信頼が増します。
強気
さて、ここで基本3つの解釈の1つの「強気」が出てきました。
自信と関連性が高いものとして、強気の心(強気の解釈)があります。2次試験の際にも私の記事でよく出てきましたよね。例の「戦う顔」ってやつです。
例えば、不快なことが起きたら「他人のネガティブな意見は関係ない(言いたい奴には言わせておけ)」、「未来と自分は変えられる」、「この世の悪いことはすべて将来のネタだ」など考えてみましょう。これが「強気の心、強気の解釈」です。
特にメンタルが弱い方やHSPの方にとっては、強気の心(強気の解釈)はかなり抵抗があると思います。しかし、冷たい側面、強気に突き放す側面があってもいいです。相手は自分が思っているほど自分には興味がありません。現実から逃げるようなポジティブ思考をしたって相手は気にしません。強気の姿勢でいていいし、妥協したっていいのです。
自分のことを嫌っている人がいたら放っておく、勝手にさせておく。去る人(去りたい人)がいたら追わない。自分の悪口なら勝手に言わせておく。ネガティブな意見や批判は「数百人のうちのただの1人の意見にすぎない」と捉える。「ふーん、それで?」と適当に聞き流す。こういうことを少しずつやっていきましょう。
ワーク
被害妄想をしそうになったら、強気の姿勢を意識してみましょう。例えば「それがどうした。そんなもん知るか!勝手に決めつけるな」と思えば被害妄想を吹き飛ばせます。
楽しむ心
さて、ここで最後の解釈、「楽しい」が出てきました。これも基本3つの解釈のうちの1つですね。
「楽しむ心、楽しい」のイメージとしては、心地よくなれるように解釈したり、ゲーム要素を取り入れてワクワクできたりするような感じですね。大変なときこそ「面白くなってきたぞ、ワクワクするぞ」と言ってみましょう。これが「楽しい」解釈です。
楽しむ心はポジティブ思考が前提になります。そして、笑顔(口角や眉を上げる)やユーモアな解釈を意識していきましょう。ワクワクしながら行動してみましょう。そうすると「楽しむ心」が醸成され、不快なことが起きても楽しい解釈ができるようになります。

この「楽しい、ワクワク」を意識するようになってからは、自己肯定感とメンタルが一気に進化しました
ワーク
不快なことが起きたとき、あえて大喜利のように「ユーモアのある解釈、面白い解釈」をしてみましょう。そうすると「楽しい」解釈になります。
ポジティブで楽しい人はうまくいく
「①診断士のコミュニケーション」でも見ていきましたが、やはり発言がポジティブで、診断士の活動を楽しんでいる人はうまく事が運びます。
みなさんの周りにもいませんか?常に人が集まってきて、多くの人から親しまれている人って。こういう方は、話しやすい雰囲気、親しみやすいオーラ、感じの良さがあります。その正体は「楽しむ心」と「ポジティブ思考」です。
診断士は基本的にポジティブ思考の人が多く、仕事や診断士としての活動を楽しんでいます(謙虚さも重要です)。そういう人には周囲の人が集まってきます。そのため、チャンスを得られやすく、活躍もしやすくなっています。
例えば私は関西と名古屋で同日に行われるイベントの両方に参加することがあるのですが、この日は分刻みでのアクロバティック移動になります。こういうのって総理大臣や一流企業の社長しかしないので、こういう人の気分を味わえて楽しいですよ。
また、私は11月に「北海道→九州→令和6年度B社見学」の超弾丸ツアーをやりました。桃鉄のぶっとびカードみたいなこと、一度やってみたかったんですよね!
それから、道場メンバーに黙ってサプライズで会いに行くことがあります。サスペンスドラマの時刻表トリックみたいなことをしていました。
これらのことって、鉄道好きの私からするとワクワクすること、楽しいことです。こういうことが「診断士活動を楽しんでいる」になり、「活躍している」と他人には映ります。
人間はネガティブなことを言う人よりも、ポジティブなことを言う人に心を開きます。いわゆる「ネットワークモンスター」とか「コミュ力オバケ」と呼ばれる人は、発言がポジティブで、診断士の活動も楽しんでいます。そういう人だとみんながポジティブに捉えているため、満足度も上がり、どんどん人脈や関係性強化につながっていき、ネットワークが構築されていきます。もちろん、他の人にその人の話をするとすぐにポジティブな側面の話が出てきます。こういう人がチャンスをつかみ、活躍をしているのです。
一方、チャンスや活躍につながっていない人はこういう発言やオーラがありません。これはわかりやすいくらい差が出てきます。セミナーなどの会場で「俺はお前らとは違うから」みたいな雰囲気を出している人や、一匹狼のオーラを出してとっつきにくい人がいたら、みなさんも話しかけたくないですよね?

診断士の活動を楽しめ。これは先輩の道場メンバーからいつも言われていることです。道場メンバー以外でも、診断士活動を楽しんでいる人は多いです
診断士活動がうまくいっている人の投稿はいつも楽しそうで、口角や眉など顔全体の表情が上がり気味です。
逆にうまくいっていない人の投稿は悲壮感や危機感先行か、どうでもいい自慢話になっていて、見ていてもつまらなそうです。
失敗に対して「強気・ポジティブ・楽しい」の解釈をしてみる
メンタルが弱い方やHSPの方は、いきなりはきついかもしれませんが、嫌な体験、ネガティブなことを言われた経験に対して「強気・ポジティブ・楽しい」の基本3つの解釈をしてみましょう。
例えば怒られたときも、強気の解釈を使い「それはその人の意見。数百人いる知り合いの中のたった1人の意見にすぎない。反省すべきところだけ気を付ければ、引きずる必要はない」と捉えてみたらいかがですか?恥をかいたときも「それは長期的には何の影響もないし、この場にいる人以外は知らないからどうでもいい」と捉えてみてはどうでしょう?
また、上司や先輩から怒られたときも、そういう上司や先輩を「自分のメンタル力を上げてくれる講師・コーチ」と捉えましょう。そうすると自分の能力が上がることのワクワクも含めて「楽しい」解釈ができるようになります。
失敗をして大きく落ち込んでしまうこともあるでしょう。その場合でも、全く何もできなかったわけではありませんよね。1つや2つは良いことがあったと思います。それを全力でほめましょう。必ず「小さな1勝」の余地はあります。そうすればポジティブに解釈できます。
解釈の仕方を変えれば、過去の失敗だって変えられます。失敗をたくさん積んできた人のほうが成長できるし、経験に裏付けされたノウハウや自信もついてきます。だからこそ、失敗を歓迎し、失敗をどんどん重ねることができる精神的余裕をもっていきましょう。
また、取り組む前についても「失敗して当たり前なんだし、とにかくやるだけだ!」と強気の解釈をしてみることで、目の前の出来事に大きく不安になってしまうことを防ぎやすくなります。
ワーク
過去の失敗、トラブルや想定外の危機などに対し「強気・ポジティブ・楽しい」の解釈をすることを5回経験してみましょう。
強気の姿勢で、ポジティブに、楽しく捉えてみましょう。 ピンチや逆境はチャンスです。
コツは、「これは何のチャンスか。そしてそのチャンスを享受できる自分はラッキー」と捉えることです。また、嫌なことを言われたとしても、「気のせいだ」とか「これはチャンスだ」と捉えるのもいいですね。
謙虚さ
これは私も気を付けるようにしているもので、2018年度の「謙虚になれ」事件で思い知らされたものです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
2018年度の私のような謙虚さのカケラもないような上から目線の発言や態度はなくしていきましょう。驕り、慢心、増長、傲慢、舞い上がることはNGです。これが出てくるようになると謙虚さはなくなっていきます。私のことを反面教師にし、謙虚な態度を心掛けましょう。
謙虚さは相手への敬意などが前提になります。他の人と接するときは、絶対に相手への敬意をもちましょう。それが謙虚な態度につながります。
いきなりそんなことを言われても難しいとは思うので、まずは相手の労をねぎらいましょう。相手の言動を尊重して肯定的に受け止めてみましょう(否定的には受け止めないようにしましょう)。それだけでも謙虚な対応ができていますし、相手への敬意をもっていることにもなります。
診断士としての活動がスムーズでなくなっているときの2大要因
診断士としての活動がスムーズでなくなってきたとしたら、①メンタルを崩して活動しにくくなっている、②謙虚さがなくなって周囲が離れた、のどちらかです。
メンタルを崩すと「楽しい」の意識がなくなります。そうすると前を向いての活動がしにくくなるため、積極性がなくなり、診断士としての活動がスムーズでなくなります。
謙虚さについてはここまでで述べている通りです。前は謙虚だったのに謙虚さがなくなってしまった人はちらほらいます。謙虚さがなくなると不思議なくらい診断士としての活動がうまくいかなくなり、現状維持が精一杯になります。また、途中で謙虚さがなくなる人は大きな失言をしてトラブルにつながりやすいです。長年築いてきた信頼も失言1つで台無しになってしまうこともあります。
自分の不機嫌、他人に当てたらアカン
相手がイライラしているときに八つ当たりをされた経験ってあると思います。最近は「不機嫌ハラスメント」で「フキハラ」という言葉もあるそうです。
不機嫌を他人に当てるのは診断士としてNGです。仮にイライラしているときでも、自分の不機嫌は相手には関係ありません。これこそ自分の都合を他人に押しつけているだけです。
言い方を変えると、自分が不機嫌なときにいかに塩対応をしないか、いつも通りの対応ができるかが器の大きさを測る指標になります。いつも通りの対応が無理なら、機嫌が直るまで返事は保留するのがいいです。
上から目線・プライドの高さの緩和
相手への敬意などと謙虚さが身につくと、上から目線やプライドの高さが緩和されます。ここが「診断士のメンタル」のゴール地点となります。
まず、「敬意など+謙虚さ」があると上から目線にはなりません。どんなときでも相手への敬意などをもって謙虚に接することができるなら、相手に対してマウント取りや「自分のほうが上だ」という意識は出てきません。そうすると、高圧的な振る舞いもしないし、上から目線になることもありません。また、話のテーマが自分のことになっていて自分が話の中心になっていても、アドバイスをするようなケースだとしても、謙虚な発言で相手をフォローしますし、相手への気遣いもします。ポジティブな発言をして相手を立てます。だから上から目線の雰囲気や話し方にはならず、相手も不快になりません。その結果、相手の満足度が上がります。
また、プライドの高さについても「相手への敬意など」と「謙虚さ」があることで緩和できます。もちろん、仕事やキャリアなどに対してある程度のプライドはもっていてもOKです。しかし、高すぎるプライドはトラブルにもつながります。プライドが高すぎると、不快なことを言われると顔に不快感が出てしまうのです。また、自分のプライドを傷つけた人(恥をかかされた人)、自分より目立つ人がいると敵認定をしやすくなります。さらに、誤解やミスをしたときにすぐ謝ることができません。相手は意外とこれらのことを見ていて、不快感を抱きやすくなります。
例えば、先輩からの指摘やクライアントからの反対意見・不満が出てきた際に、顔に不快感が出ていませんか?腕組みなどして聞いていませんか?敵認定していませんか?舌打ちしていませんか?当然ですが、そういうことをしていたら先輩やクライアントからの評価は下がります。また、素直に受け容れることができないため、自分の成長にもつながりません。さらに、いつトラブルを起こしてもおかしくないですし、周囲からも「面倒くさそうな人だ、あの人には余計なことは言わない方がいい」と思われてしまうため、人脈や関係性強化にはつながりにくいです。
プライドの高さと謙虚さは反対の関係にあります。謙虚な人ほどプライドは高くありません。プライドなどどうでもよくなってきて、素直になることができます。そのため、相手から変なことを言われたとしても不快感が出にくくなり、敵認定もしにくくなります。謝ることも容易にできるようになります。
逆にプライドが高い人ほど謙虚ではありません。怒られたりダメ出しされたり、気に食わないことがあったりすると、プライドの高さが顔や態度に出てしまいます。
第6章:柔軟なメンタルがあれば無敵
ここまで、「強気・ポジティブ・楽しい」の基本の解釈3つと、「適当力」、「背景の事情を考慮」を入れた5本柱の解釈を扱ってきました。解釈の基本は「強気・ポジティブ・楽しい」の3つですが、ここに適当力(ほどほど力)と背景の事情を考慮することを加えると、大抵の不快なことは片付きます。
例えば「お前はこの仕事に向いていない」とか「お前、ウザいんだよ」など、パワハラやモラハラのようなことを言われたとしましょう。この場合、特にメンタルが弱い方やHSPの方は自分のすべてが否定されたように感じてしまいます。しかし、これも5本柱の解釈で乗り切ってみましょう。
- 強気:そんなのたった1人の意見だ。なぜそれに左右されなきゃいけない?馬鹿馬鹿しいわ!
- ポジティブ:「この仕事」以外の仕事は向いている。この人はたまたま相性が悪いだけ(加点主義や「小さな1勝」の余地を入れてもOKです)
- 楽しい:さっさとこの仕事やこの人は切り捨てて次の楽しめる仕事や人に会いに行こう!
- 適当力:こう言ったこの人も今頃はもう呑気にしているだろう。それならこっちも気にするのは馬鹿馬鹿しい
- 背景の事情:こんな言い方をするということは、この前に何か嫌なことがあって僕に八つ当たりをしたかったのかもしれないな
どうですか?このどれか1つの解釈をすれば不快な気分は緩和します。2つ、3つ解釈を思いつけば不快な気分を完全に消し去ることができるでしょう。
ワーク
この他の例で10回やってみましょう。
おわりに
「サトシの書籍シリーズ」の2つ目、「診断士のメンタル」はいかがでしたでしょうか。
でも、具体的に私のメンタルはどうなったのか、気になる方もいらっしゃると思います。そこで、次回は「③サトシのコミュニケーション&メンタル」として、私のコミュニケーション方法とメンタルの具合をご説明いたします。
では、次回もよろしくお願いします。
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1週間かけて少しずつ読ませていただきました。大変心に響く記事ありがとうございました。働きながら学習するだけでも大変な中、こういった考えを持つ(鍛えていく)事そのこと自体が診断士になるに向けての真の学習なのだと感じました。どんなに多忙でも必ず勉強する習慣はつきました☆
しまんと1号さん、コメントありがとうございます。
また、1週間かけて読んでいただいてありがとうございました。
本当に本のようなボリュームでしたよね。
余すところなくメンタルの秘訣をお伝えしたので、ぜひ今後も参考にしていただけたらと思います。