【サトシの書籍シリーズ】①診断士のコミュニケーション

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みなさん、こんにちは。 火曜日はブログの定休日ですが、この定休日を使って私「サトシ」が、「サトシの書籍シリーズ」をお送りします。
これは私が実際に書籍を出版するつもりで書きました。実際、いつもと違って「第〇章」などと入れています。と言っても、すべて載せると途方もない量の記事になってしまうので、4回に分けてお送りします。1回目の今回は「診断士のコミュニケーション」となります。
書籍シリーズは、私からの合格祝いのつもりで書きました。書籍くらい長い代わりに、合格後すぐに「活躍できる診断士」として動けると思います。もちろん、これは今年の診断士試験に向けて勉強をされている方にも参考になると思います。

それから、この記事から先は仕事モードを出すために私もスーツの似顔絵アイコンにしています。ちょいと痩せたのでそれも反映させています(笑)

噂によると、15,000字くらいあるとか。しかもそれで「本来の予定の半分の量にしてコンパクトにまとめました」って言ってた
そうですね。コンパクト(?)にまとめてみました(笑)
なお、下の目次は出すと長くなるので、折り畳み式を初めて採用しました。
それでは、今回もよろしくお願いします。
- 1. 第1章:社会人としての常識
- 1.1. 診断士でも社会人としての常識は求められます
- 1.2. ビジネスマナー
- 1.3. 診断士はチームでの作業が多い
- 1.3.1. チームの他のメンバーを「支配」する人はNG!
- 1.3.2. 批判・ダメ出しありきはチームプレーとしてNG!
- 1.4. 挨拶はきちんと&こまめにしましょう!
- 2. 第2章:診断士だから気をつけるべきこと
- 2.1. 守秘義務と品質(Q)と納期(D)を守る
- 2.1.1. 守秘義務
- 2.1.2. 品質(Q)
- 2.1.3. 納期(D)
- 2.2. 自信と謙虚さの両方をもつ
- 2.2.1. 合格したら謙虚さがなくなる人が多い
- 2.2.2. 上から目線、マウント取り、大きな態度はNG
- 2.2.3. 学歴・職歴マウントもNG
- 2.2.4. 仕事の自信がない
- 2.2.5. ビビるなよ、楽しめよ、だけどナメるなよ
- 3. 第3章:双方向のコミュニケーション(伴走支援)
- 3.1. 診断士のコミュニケーションは双方向!
- 3.2. 参考:一方向のコミュニケーション
- 3.3. 自分の知識やスキルありきでそれに誘導するのはNG
- 3.4. 専門用語や知識をドヤ顔で出して押し通すことはNG
- 3.5. 双方向のポイントは相手の「需要」とこちらの「供給」を合わせること
- 3.6. 相手企業の状況やニーズの内容ありきで、自分の意見をつける
- 4. 第4章:診断士のコミュニケーションに必要なその他事項
- 4.1. 専門用語はわかりやすく言い換える
- 4.2. 大企業の理屈をもってくるのはNG
- 4.2.1. 助けて「あげる」、教えて「あげる」、御社のような「小規模の」は禁句
- 4.2.2. 中小企業・小規模企業の感覚をつかむトレーニング
- 5. 第5章:診断士の支援で求められていること
- 5.1. 相手の頭の中にあるモヤモヤを明確化すること
- 5.2. 相手が薄々わかっていることに対して太鼓判を押すこと
- 5.2.1. 無の状態から改善策を考えることはない
- 5.3. 当たり前になりすぎていて気づけないことを指摘し、「気づき」を与えること
- 6. おわりに
第1章:社会人としての常識
さて、当たり前ですが診断士でも社会人です。そのため、社会人としての常識は必要になります。
診断士でも社会人としての常識は求められます
「診断士としてのコミュニケーション」と言っても、社会人としての常識はそのまま適用されます。ハラスメントNG、酒のトラブルNG、こまめなホウレンソウ、挨拶や礼儀をきちんとする、コミュニケーション力、ビジネスマナーなど、社会人としての常識は必要です。これがない人は論外です。
政治ネタや、政治思想を伺わせる話はNGです。SNSにも政治関連のことを書くのは危険です(「選挙に行ってきました」くらいならOKです)。
また、他人の悪口・否定すること(ケチをつけること)・ネガティブな話は、一般的な社会人だと飯のタネのように歓迎される場合もありますが、診断士の世界ではあまり出てこないです。診断士の集まりでは、こういう話になると明らかにぎこちなくなります。

相手企業や社長、従業員の悪口や文句を言うのもダメです
そのばんが言っていたことですが、診断士は「仲間を増やす」も大事ですが、「敵を作らない」も大事です。
政治ネタや悪口を言うと敵を作ってしまうリスクが上がり、人脈・ネットワークや仕事の獲得に悪影響を及ぼす恐れがあります。
また、体形や学歴・職歴などコンプレックスに関わることを言うと相手は恥をかかされた、プライドを傷つけられたと判断し、敵になってしまいます。
そのため、診断士は政治ネタや悪口、コンプレックスに関わることを言うことはタブーになります。
ビジネスマナー
ビジネスマナーは最低限のものでいいので身につけておきましょう。意外と忘れている方も多いと思います。例えば、チームのメンバーを理解し尊重し合うこと、挨拶をこまめにすること、失敗したら積極的かつ迅速に報告すること、先輩から可愛がられること。このあたりは社会人1年目の方が研修などで習うことですが、いかがですか?いつの間にか忘れていたりしませんか?
ビジネスマナーや敬語は、失礼があったら相手は遠のきます。逆に言うと、失礼のないレベルのビジネスマナーや敬語ができればいいということです。
診断士はチームでの作業が多い
診断士は個人で行う仕事もありますが、チームで行う仕事が多いです。合格したら行う実務補習や実務従事はチームで行います。他にも補助金の仕事や本の執筆の仕事など、チームで行う仕事はたくさんあります。これらにはチームプレーが求められます。
チーム作業では他のメンバーへの報告・連絡・相談はこまめに行いましょう。「こまめなホウレンソウ」ってやつですね。そうすることでチーム作業の効率性や生産性が上がります。後でやろうと考えていると忘れてしまい、相手に迷惑をかけることにもなります。
しかし、これができない方が結構多いです。例えば他のメンバーから来た連絡はなるべくすぐに返信するのがマナーですが、なかなか返信しない方がいます。 こまめなホウレンソウの目的は、仕事を前に進めること、要求品質を満たす成果物を出すこと、ゴールイメージを達成することです。これを忘れてホウレンソウを怠る人がよくいますし、「そんなものいちいち聞くな」とか「自分で考えろと言う先輩もたまにいます。普段の仕事もそうですが、怒りや脅しで相手を従わせようとすると、ホウレンソウの頻度は下がり、これらの目的が果たせなくなります。
そのため、チームをまとめるリーダーやファシリテーターの必要性に気づかされます。

チームの他のメンバーとの調整などでチームプレーの大変さを知るのは1年目の診断士あるあるです
チーム作業のリーダーになった方へ
チームのリーダーになった方は、以下のことに気をつけましょう。これらができないとチームがギクシャクして作業の効率が下がります。逆に言うとこれらができるだけでチームのメンバーは満足し、スムーズに作業ができます。
- 自分の都合を押し付けない(リーダー個人の都合は他のメンバーには関係ありません)
- 作業の進め方や段取り、スケジュールを共有する
- 遅れそうな人がいたら進捗を確認する
- 仕事の流れ、目的、最終的な完成形、全体像と各論、スモールステップでの各段階の内容、各段階のゴールイメージと納期を提示する
- ゴールイメージをこまめに設定し、チームのメンバーに伝える(ゴールイメージはチーム内で共有する)
- 失敗やトラブルの責任はリーダーが全面的に負うことをメンバーに宣言する(メンバーのせいにしない)
- メンバーごとにいつまでに何をするかを伝える
- 作業のペースが遅れたら、(メンバーは連絡すべきだが)リーダーはメンバーを信じて待つことも重要
- チームのメンバーの立場や意見も必ず尊重する(リーダーの意見を押し付けるのはダメ)
- ほめてモチベーションを上げる(怒りや脅しでメンバーを従わせるのはダメ)
- 特定の人だけほめて、特定の人は冷遇するようなことはNG(全員を公平に扱う)
- NGなら代替案を示す(ダメ出しだけしてチームの士気を下げるのはダメ)
- やってくれたことにはこまめに感謝の気持ちと労をねぎらう気持ちを表す(やってもらって当然ではありません)
- 後から「あの時言えなかったけど」とか「あの時思っていたけど」と付けてダメ出しするのはNG(これをやると相手は今後、常に「何か後で言われるかも」と警戒してしまい、安心感や信用をなくします)
これはチームのリーダーだけでなく、上司の方にも言えることですが、組織やコミュニティの中で目立つ存在になればなるほど、感謝や相手の労をねぎらう気持ち、謙虚さを備えていることが重要視されます。感謝や相手の労をねぎらう気持ちがある人は謙虚さが滲み出てきますので、人望があり、目立っても出しゃばりにはなりません。
チームの他のメンバーを「支配」する人はNG!
チームでの作業の際、他のメンバーを威圧・支配して自分の考えを無理やり押し通そうとする方がいますが、これは絶対にNGです。
このような人がチームにいると、チームでの作業はうまくいかないことが多いです。支配をしてしまうため他の人が意見を言いにくいだけでなく、チームを振り回されたり間違った内容で話が進んだりして効率性や生産性が大きく下がるからです。品質もかなり悪いものになります。
ちなみに、他のメンバーを支配する人は以下のような傾向があります。
- 自分ができないのは棚に置いて、文句ばかり言う、細かい指摘ばかりする
- 相手の気持ちを考えずに発言し、相手をパシリのように扱う
- 他のメンバーの意見を否定して自分の意見を押しつける
- 枝葉をどんどん動かすから意見がコロコロ変わる。そして周囲を振り回す
その結果、王様のようになってしまい、みんながその人の顔色ばかり伺うようになります。何か意見を言いたくても言い返せずそれに従うしかない状況になってしまいます。だから効率性と生産性が下がってしまいます。
診断士の仕事は、クライアントはもちろん、他の診断士や士業の方、協会の方など、関わるすべての方々と「安心・信頼できて仕事ができること」が重要になります。いわゆる「心理的安全性」ですね。それが人脈・ネットワークや仕事獲得につながります。
「相手を支配しよう、こちらが上だ」というスタンスで仕事をしようとすると、心理的安全性を確保できないため、人が離れていき、先がありません。
批判・ダメ出しありきはチームプレーとしてNG!
チームでの作業の際に他のメンバーの意見や書類に対し批判やダメ出しをしてマウントを取ろうとする人がたまにいますが、これもNGです。
野党の政治家のような、ドヤ顔で批判やダメ出しだけして代案を出さないのは診断士のチームプレーとしてはふさわしくありません。「批判している俺カッコいい」は診断士としてふさわしくありません。
批判やダメ出しだけだと他のメンバーの信頼を失います。「いや、代案を出すのがお前の仕事だろ」とか「批判やダメ出しをすることが代案だ」は通用しません。
批判やダメ出し(良い言い方をするなら「指摘」)をした場合は必ず代案を出しましょう。もしくは「この方向でお願いします」など方向性を示してください。場合によっては「このフレーズはこっちのフレーズに言い換えたほうがいい」など、答えを教えてしまってもいいと思います。
挨拶はきちんと&こまめにしましょう!
これはビジネスマナーと言えますが、挨拶ができない人が本当に多いです。言い方を変えれば、挨拶ができるだけで診断士として差別化ができます。
例えばイベントで知り合いに会ったら「お疲れ様です」だけでもいいのですぐに挨拶をしましょう。毎回会うような人でも面倒くさがらずに毎回挨拶をしましょう。
また、イベントで名刺交換をした人に、イベント後すぐにお礼の連絡はしていますか?こういうお礼の連絡は必ずしましょう。
さらに、感謝の気持ちを伝えることもできない人が多いです。
例えばチームの他のメンバーに何か作業をやってもらったのにお礼を言わないのはNGです。「チームでの作業なのだから、やるのが当然だから、リーダーの俺が指示したものだから、義務だから」は言い訳になりません。
第2章:診断士だから気をつけるべきこと
私は普段の仕事では小規模企業の経営支援の業務を行っています。そのため、個人商店や小規模企業の経営者と話をすることがよくあります。そのときにコミュニケーションの面で気を付けていることをご紹介します。
守秘義務と品質(Q)と納期(D)を守る
守秘義務、品質、納期の3つは絶対に守ってください。相手企業の社長の安心感・信頼・満足度を上げ、行動につなげるためには、この3つを守ることが最低条件です。

「安心感・信頼→満足度→納得→行動につながる→結果が出る→リピート利用・口コミによる新規の顧客や仕事の獲得」の流れは、この先もちょくちょく出てきます
守秘義務
守秘義務については、実務補習のときから厳重に管理されます。
また、様々な業務で守秘義務に関する書類にサインをする必要もあり、診断士の活動は守秘義務がかなり多く出てきます。
さらに、他の診断士との会話でも「これはまだ他の人には黙っていて」とか「ここだけの話にしてください」ということを耳にする機会が多くなります。
こういう守秘義務や内緒の話については、他人に話してしまうのは絶対NGです。下手をすると一発レッドカードで人脈・ネットワーク構築や今後の仕事にも悪影響が出てきます。

もちろんSNSでも同じです。SNSに守秘義務や内緒の話を書き込んでしまう人は一気に信用を失います
品質(Q)
品質については改善策の質をイメージするかと思いますが、それだけではありません。要は相手企業の社長の安心感・信頼・満足度につながらなければ「品質が悪い」となってしまいます。
例えば以下のものが「悪い例」です。こういうことがあると相手企業の社長の満足度にはつながりにくいので、「品質が悪い」となります。
- 上から目線の態度だった
- ヒアリングの対応が悪かった
- トラブルが生じた
- 正しいことだけど社長の意見の否定ばかりしていた
- 報告書の誤字脱字が多い、報告書が読みにくい
- 相手企業の社長や協力者の意向を無視して強引に自分の意見を押し通そうとした
ここにある「悪い例」をやろうとする人がとにかく多いです。もちろん私も含めてです。 1つずつでもいいので、「悪い例」をなくしていきましょう。

上から目線については「②診断士のメンタル」でも述べています
納期(D)
納期については絶対に守る必要があります。そのため、診断士の仕事はなるべく早く取り掛かり、早いうちに終わらせてしまいましょう。
チームで作業をしている場合は、納期に遅れそうなときはもちろん、ギリギリの場合でも必ずチームのメンバーに連絡してください。他のメンバーが不安になるし、万が一の事態の準備に取り掛かる時間も必要になります。「納期に間に合えばいいでしょ」はNGです。
納期遅延や納期ギリギリになるのは、あるときに気づいても後回しにしてしまうことが原因です。そうすると忘れてしまいます。忘れないようにするためには、すぐに対応できるものなら仕事中だろうが気づいたときにすぐやってしまうことがポイントです。もちろん対応に長時間かかる場合は仕事優先で仕事が終わってから対応しましょう。
なお、副業で診断士の業務を行っている方は、「本業が忙しいので間に合いません」は言い訳になりません。

早く取りかかり早く終わらせることについては、私のこの記事もチェック!
自信と謙虚さの両方をもつ
診断士に限らず、士業(税理士や弁護士など)は自信と謙虚さの両方が態度として求められます。これが先ほどの「品質」、つまり社長の満足度にも直結しています。
みなさん、車や家などの大きな買い物をする際に店員が申し訳なさそうな態度を取っていたり、自信なさそうに話していたりしたら、その商品って買いますか?多分買わないですよね。では逆に、自信満々ではあるけど客をナメた態度を取っていたり、上から目線の物言いをしてきたりしたら、その商品を買いますか?やはり買わないですよね。
相手企業の社長も同じです。自信がない診断士だと不安です。逆に、自信はあるけど謙虚さがなく上から目線の診断士だと信頼できません。診断士は自信と謙虚さの両方をもって仕事をする必要があります。両方あってはじめて満足し、「品質が良い」につながります。
合格したら謙虚さがなくなる人が多い
合格前は謙虚だったけど、合格して1年経って謙虚さがなくなってしまう人が多くいらっしゃいます。これは税理士や弁護士なども含め「士業あるある」とされています。
私の周りでも、合格する前は「いつもみなさんに助けられています。ありがとうございます」と常々言っていたのに、合格して1年経ったら「俺の言ってることわかりますか?」とか「まぁ、頑張って合格してくださいね」などと上から目線の態度を取るようになっていた方もいます。

プライドが高い方や承認欲求が強い方ほど、謙虚さがなくなるまでの期間が短い傾向があります
なぜそのようになってしまうのでしょうか?
合格して実際の支援をやると「先生」と言われることもあります。また、合格者として受験生相手にアドバイスをすることもあります。そうすると、いつの間にか自分が上の立場にいるように錯覚してしまい、態度が大きくなってしまうわけです。
士業の方に多いのが、「先生」と言われ続けているうちに謙虚さがなくなり、王様気分になって「自分がルールだ」と言わんばかりにパワハラをするパターンです。こういう士業の方の事務所は従業員の定着率が悪く、入ってもすぐに退職してしまいます(いわゆる「ブラック事務所」です)。

ブラックはいやだ~~~
また、ネタ半分だとしても「オレは王様だ」とか「私がルールだ」みたいな雰囲気を出したり発言をしたりしている人がいたら、必ずトラブルにつながり、うまくいかなくなります。仮にそういう人がいたとしたら、トラブル回避のためにも距離を置いたほうがいいですね。
常に謙虚な対応ができる人はキーマンに可愛がられやすくなり、特別視してもらいやすいです。教えてもらいやすい、相談をしやすい、様々なことに誘われるなど、周囲からの支援や協力を引き出しやすく、結果的に仕事獲得がしやすくなります。

実はサトシ君はこのパターンだったりする・・・らしい
(詳しくは③「サトシのコミュニケーション&メンタル」にて)
上から目線、マウント取り、大きな態度はNG
自信はあっても謙虚さがない診断士は、診断士という資格を盾にマウントを取って自分の意見を一方的に押しつけるやり方や、プライドの高さや態度の大きさ(高圧的な態度を取る、「俺は偉い」感を出している)が見えてしまうことが多いです。
これも診断士に限らず税理士や弁護士もやってしまうことで、「士業あるある」になっています。
「相手より優位なポジションに立つ」という意識があるうちは、診断士の支援はうまくいきません。 上から目線で「俺は先生だ。俺が正しい。だから文句言わずに俺の意見に従え」とか「早く決めろよ」なんて雰囲気を出されたら、相手は満足しないですし、信用も得られませんよね。

大きな態度や一方的な押し付けをする方は嫌な印象しか与えません
学歴・職歴マウントもNG
学歴や職歴を相手に言いふらしてマウントを取ろうとする人もいます。
自己紹介で開口一番、「私は●●大学(超難関大学)出身です!」とか「私は▲▲(世界的に有名な企業)で勤務しています」とドヤ顔で言う人ってたまにいますよね。 本人的には自己紹介の鉄板ネタ、冗談半分という気持ちもあるのでしょうが、下手をすると相手企業の人から敵認定されます。なぜなら、中小企業の社長や従業員は学歴や職歴にコンプレックスをもっている人もいるからです。そんな中で「オレは●●大学卒だ」とか「私は有名なあの企業の出身だ」などと言うと、コンプレックスが刺激されて敵認定され、一切聞く耳を持たなくなってしまうこともあります。もちろん満足度向上はなく、リピート利用もありません。

学歴や職歴は自分から言わず、聞かれたら答えるくらいでいい。お~ん
仕事の自信がない
今度は、謙虚さはあっても自信がないパターンです。
診断士の仕事と聞くと、「そんなもの、経験がないからいきなりはできないよ」とか「うまくやれる自信ないです」という意見が出てきそうですね。
しかし、そんなに難しく考える必要はありません。
基本的には先輩や他の人(前にやった人)のマネをすれば大丈夫です。また、診断士は大抵のものがマニュアル化されています。マニュアルに従えばできるようになっていることが多いです。マニュアルにないことやわからないことがあれば一人で何とかしようとせず他人に聞いたり途中で調べたりすれば問題ありません。私もそうしていますし、先輩からは怒られるどころかむしろ「そうやったほうがいい」と言われます。
診断士の仕事は、最終的に「わかっている」に帳尻を合わせることができればOKです。 消極的になる必要はありません。実力的に少しできないくらいのレベルのものなら、自信がなくても積極的にやってみましょう。

サトシ君は積極的だから、いろいろ仕事をもらえているらしい
(詳しくは③「サトシのコミュニケーション&メンタル」にて)
ビビるなよ、楽しめよ、だけどナメるなよ
みなさん、同友館から出版されている「企業診断」という雑誌はご存じでしょうか?診断士の受験や実務に役立つ記事が掲載されている雑誌です。
私は「企業診断」の編集長の講義を受けたことがあるのですが、そこで編集長が言っていたことが「ビビるなよ、だけどナメるなよ」です。「ビビるなよ」は自信、「ナメるなよ」は謙虚さのことを指しています。
私はそれに「楽しむ心」を指した「楽しめよ」を入れて心に刻んでいます。つまり、「ビビるなよ、楽しめよ、だけどナメるなよ」と捉えて、「自信・楽しむ心・謙虚さ」の3つの態度を意識しています。

この3つについては「②診断士のメンタル」で詳しく見ていきます
診断士は基本的にポジティブ思考、楽しんでいる感がある人が多いです。これは私も道場14代目メンバー(特にうっかりアッパさん)から言われて身に染みています。
ポジティブで人生(診断士生活)を楽しんでいる人、感じの良い人、謙虚な人には人が集まってきます。逆にネガティブな人、マウントを取る人、感じの悪い人には人は集まりません。

診断士として活躍したいなら、ポジティブで楽しい感じを出していきましょう
第3章:双方向のコミュニケーション(伴走支援)
ここからは「双方向のコミュニケーション」というものを見ていきます。これは2次試験でもおなじみですよ。そして、今は「伴走支援」を国は診断士に求めていますが、それが双方向のコミュニケーションでもあります。
診断士のコミュニケーションは双方向!
双方向のコミュニケーション、「ニーズ把握→ニーズから最適なものを用意→個別提案→満足度向上」という流れのやつですね。2次試験の定番ですが、実は診断士のコミュニケーションでもこれが求められています。
参考:一方向のコミュニケーション
双方向のコミュニケーションの対になるのが一方向のコミュニケーションです。
これは税理士が典型例です。近年は税理士も税務や会計だけでなく、コンサルティングにも手を広げています。しかし、税理士のコンサルティングは一方的に教えることが中心で、一方向のコミュニケーションであることがほとんどです。つまり、双方向のコミュニケーションと比較すると、相手企業の社長や従業員の「ニーズ把握」がなくいきなり「個別提案」なのです。
相手の経営者からしたら、いきなり何も知らないものを出されてそれを受け入れろと言われても困るだけですし、受け入れるわけもないですね。自分のニーズ(意見)は聞いてくれないし、提案されたものも自分のニーズを踏まえたものではなくドヤ顔で一方的に押し付けられただけのものなので、「最適なもの」ではありません。何だかんだ理由をつけられて断られてしまうだけです。
そして、「自分勝手な人だ、上から目線で感じが悪い」という印象になり、双方向のコミュニケーションの効果である「安心感・信頼→満足度→納得→行動につながる→結果が出る→リピート利用・口コミによる新規の顧客や仕事の獲得」の流れは一切享受できません。「失礼」と思われるので、相手が離れてしまうのです。
一方向のコミュニケーションをする人のその他の特徴
一方向のコミュニケーションをされる方は、メールやチャットでも自分の都合を押し付けてくる、上から目線でイラっとする言い方や余計な一言がある傾向があります。
また、自分の意見を頑なに変えない、見方が凝り固まっている傾向もあります。双方向のコミュニケーションだと相手のニーズありきなので、状況に応じて臨機応変・柔軟に変更する必要があるのですが、それができません。
さらに、周りのペースやリズムを無視して急かす人・乱す傾向もあります。自分の言いたいことだけ上から目線のドヤ顔で話して自分の承認欲求を満たすだけ満たして相手には一切話をさせない人って、みなさんの周りにもいると思います。
これらの傾向に当てはまる人は「相手の事情を配慮せず自分の都合を優先して押しつける人、自己中な人」と思われ、満足度やネットワーク・人脈につながることはありません。
自分の知識やスキルありきでそれに誘導するのはNG
これは税理士だけでなく、診断士もやりがちなことなので注意が必要です。
みなさん、受験生のときは2次試験で与件文の内容を重視しますよね。少なくとも与件文の内容を完全に無視して解答を作成する方はいないと思いますし、自分の知識やスキルありきで解答を作っても「アイデア解答」と評価されて点数は低くなっていましたよね。
実は、実際の支援も2次試験で仕組みは同じです。与件文の内容が「相手企業の状況やニーズ(需要)の内容」になっただけです。そのため、実際の支援でも自分の知識やスキルありきで改善策を提案しても、「アイデア解答」となって相手企業の社長から突っぱねられるだけです。しかし、合格した後に診断士が支援を行うと、まぁこれをやる人が多いこと多いこと。。。もちろん私も含めて(笑)

はい、私も含めてです。それで何度も失敗しました
具体的には、最初に相手企業の概要だけネットなどで調べて「これが俺の意見だ、解決策だ」とか、「俺がもっているシステムに当てはめて解決策を考えたぞ」とか、「ウチの会社ではこれを使っているのでぜひどうぞ」とか、「他社はこうしているからこれに決まっている」と言って経営者に押しつける診断士が多いのです。
はい、ここまで見てきたみなさんなら、これは「一方向のコミュニケーション」であることは明白ですよね。これらはすべて「自分の意見ありき」になっています。こういうものが先ほどの税理士のコンサルティングでもよく見られる「一方的に教えること=一方向のコミュニケーション」です。ということで、これはやっちゃダメです。気をつけていきましょう!
専門用語や知識をドヤ顔で出して押し通すことはNG
これも一方向のコミュニケーションの例です。2次試験ではこういうことはしませんよね。しかし、実際の支援でこれをやってしまう診断士は結構います。
私も今の仕事に就いて間もない頃、BSCとかEVAなど診断士の講義で習った知識をドヤ顔で使っていました(BSCはバランストスコアカード、EVAは経済的付加価値ですね)。
受験生や診断士なら覚えておくことですが、相手企業の社長はBSCやEVAなんて知りません。それなのに、「いや、BSCはすごいですから必ず役に立ちますよ」などと言って押し通していました。相手の経営者が戸惑っているのに、その思いを無視していました。 そんな中で無理やり押し通していたため、支援の結果は失敗。もう次の契約(リピート利用)はありませんでした。
双方向のポイントは相手の「需要」とこちらの「供給」を合わせること
双方向のコミュニケーションでは、「相手企業の状況やニーズ(需要)」と「こちらの供給」が合っていることが求められます。
2次試験でもそうですが、「自分の知識・ノウハウや経験をベースにして相手企業の話を当てはめる」ではなく、「相手企業の話をベースにして自分の知識・ノウハウや経験を当てはめる」のほうが支援はうまくいきます。あくまで相手企業の状況やニーズの内容が最優先なのです。相手の話を聴き、思いを共有して需要を把握することが求められます。そして、そのニーズ(需要)に合ったものを供給する必要があります。
理屈としては正しくても、質の高い改善策だったとしても、相手の需要にないものを診断士が供給しても意味はありません。
今の時代、理論や教科書的なことはネットでいくらでも仕入れることができます。診断士に必要なのは「相手の需要(ニーズ)に合う提案を供給すること」であり、これができて「双方向のコミュニケーション」になります。相手のニーズを無視(軽視)して自分の意見ありきでそれに誘導することは、「一方的に教えること=一方向のコミュニケーション」です。
相手企業の状況やニーズの内容ありきで、自分の意見をつける
ここまでの双方向のコミュニケーションの内容を見ていくと、こういう意見が出てきそうですね。

なんだ。それなら簡単じゃん。相手の言うことをすべてオウム返しすればいいんでしょ?

社長のイエスマンになればいいだけの簡単なお仕事だね
いいえ。そんなに甘いものではありません。
2次試験でも助言問題で与件文の内容だけで解答を作るってありえませんよね。必ず効果のところなどで自分がストックしている知識を入れているはずです。
実際の支援でも同じです。つまり、相手企業の状況やニーズの内容ありきで、プラスアルファとして自分の意見をつけて提案をするのです。これには他社の事例も含みます(だから中小企業の改善策のネタのストックが必要になります)。これにより「相手の需要とこちらの供給を合わせる=双方向のコミュニケーション」ができます。
つまり、「相手企業の状況やニーズ(需要)」と、「診断士の供給=相手企業のニーズの内容+自分の意見」が合うことで、「双方向のコミュニケーション」ができるようになり、相手が安心感・信頼をもち、満足して納得し、実際に動くことになります。
第4章:診断士のコミュニケーションに必要なその他事項
さて、ここまで来るともうあと少しですよ。この章の内容は「その他」と書いてありますが、ここまでの章と同じくらい重要なことですので、気合いを入れて見ていきましょう!
専門用語はわかりやすく言い換える
先ほど、「専門用語をドヤ顔で出すのはNG」と言いましたが、それに関連する内容です。
テレビ番組の経済コメンテーターって、やたらと専門用語やカタカナフレーズ、「KPI・EPS」などのアルファベットフレーズを使っていませんか?
あれは、「そういうフレーズを使うと専門家っぽく見えるから」です。これはテレビ番組のコメンテーターだけでなく、診断士、税理士、弁護士などでも多く使われていて、いわゆる「士業あるある」になっています。

これからのクライアントに求められるKPIはSDGsに配慮したものでなければなりませんし、社内のイノベーションを起こすために組織間コンフリクトをですね・・・
しかし、こういうものを個人商店や小規模企業の経営者(中小企業の経営者)に対して行うと、「よくわからんよ」とか「そんなわからんのはえぇねん!」と言われます。最初は冗談のように言ってくれますが、何回か続くと明らかに不機嫌になります。そうなると信頼関係にヒビが入ってしまいます。
だからこそ、専門用語やカタカナフレーズ、アルファベットフレーズを好んで使うのは危険です。相手企業の社長からすると専門家ぶった態度がマウント取りや上から目線で鼻につくように思われ、嫌がられます。そういうフレーズは使わず、わかりやすい内容に言い換えましょう(知識があればできるはずです)。
大企業の理屈をもってくるのはNG
これは、最も多くの人が「やってしまうこと」です。
2次試験でも大企業に勤務されている方だと(特に初学者は)やってしまいがちなことですね。例えば事例Ⅰで「人員が足りない」とあったら何も考えずに「人を大量採用する」と解答してしまう、、こういうことをしていませんか?
実務でもこのような大企業の理屈を小規模企業や個人経営の店に当てはめてしまう人が非常に多いです。実際、大企業に勤務されている方の多くが実務補習でそれをやってしまい、指導員に指摘されます。
例えば寂れた町工場に「貴社のノウハウを書籍化しましょう」なんて提案しても、出版社は相手してくれるわけはありません。大企業ならブランドがあるから生産部門などのノウハウを書籍化すればそれなりに売れますが、中小企業(特に小規模企業や個人企業)には無理です。
中小企業は経営資源の質・量が不足しています。これは中小企業経営・政策で習ったと思います。小規模になるほど経営資源だけでなく信用も不足し、お金の借入れや価格交渉など大企業にとっては当たり前にできることができません。
大企業と中小企業にはこのような違いがあります。それを知らずに大企業の理屈をドヤ顔で改善策にもってきても却下されるだけです。
助けて「あげる」、教えて「あげる」、御社のような「小規模の」は禁句
これは大企業勤務の方が小規模企業の支援を行う際に多く見受けられることです。
例えば「御社のような小規模の企業では」とか「我々も良い案を考えてあげたいです」など、大企業勤務の方は相手企業の社長に対して無意識のうちにこのような「相手には上から目線に感じるフレーズ」を言ってしまうことがあります。

プライドの高い人、優劣の意識が強い人はさらにやりがちだよね
もちろん、本人は上から目線で言っているつもりはないのかもしれません。しかし、相手企業の社長から上から目線だと思われてしまい、「大企業勤務で絶対安定のこの私が、簡単に潰れそうな小規模企業のあなたに知識やノウハウを教えてあげますよ」のように受け止められてしまいます。そうすると満足度につながらなくなり、せっかくの改善策も採用しにくくなります。
謙虚な診断士になりたいなら、このような「無意識に出る上から目線フレーズ」をなくす必要があります。
そこでコツを紹介すると、診断士の活動について「〜する」ではなく「〜させていただく」と捉えていきましょう。「ヒアリングさせていただく、改善策を提案させていただく」などと捉えるのです。そうすると相手への敬意や感謝の気持ちも出てきやすくなり、「助けてあげる」のような無意識の上から目線のフレーズは出てこないようになります。

相手企業や社長に対して、「貢献してあげる」ではなく「貢献させていただく」の気持ちをもちましょう!
中小企業・小規模企業の感覚をつかむトレーニング
医者だって症例をたくさん見て学びますよね。診断士も実際の事例をたくさん見て学ぶ必要があります。教科書的なことはあくまで基本であり、事例を知らないと基本の実践(応用)ができません。
事例をたくさん見て学ぶためには、中小企業白書・小規模企業白書、J-Net21、はばたく中小企業・小規模企業事業者300社などに掲載されている実際の中小企業・小規模企業の改善事例などを読んで、中小企業や小規模企業が実行できる改善策のネタを集めるといいです。

会計士も財務諸表を見まくったおかげで、すぐに傾向がわかるようになったよ
第5章:診断士の支援で求められていること
相手企業の社長が診断士に求めていることは、具体的には以下の3つしかありません。これは言い方を変えると「相手企業の社長が診断士に支援を依頼する理由」とも言えます。また、伴走支援で求められていることにもなっています。
相手の頭の中にあるモヤモヤを明確化すること
例えばみなさんも、なんかモヤモヤする悩み事ってありませんか?それこそ診断士の1次試験や2次試験のこと、試験勉強のことでモヤモヤしたことはありませんでしたか?
そんなとき、家族や友人に悩み事を話したり、紙に悩み事を書いたりすることで、モヤモヤしていた悩み事が整理された(少し明確化してきた)ということがあると思います。
実際の支援でもこういうことはよくあります。相手企業の経営者は、言葉に明確には表せないけど、何となくぼんやりとした悩みを抱えています。 2次試験では「これが問題点(課題)です」とか「これが社長の思いです」という形で明確に書かれていたと思いますが、実際の支援では問題点(課題)や社長の思いは明確になっていません。
だからこそ、問題点(課題)や社長の思いが表れるように聴く力を駆使する必要があります。共感することはもちろんですが、相手企業の社長が自分の本音や思いを話しやすい場の雰囲気を作り出すことも、経営者の中での悩み事の明確化をさせる上では重要になってきます。

聴く力については、こんな記事もあるで
相手が薄々わかっていることに対して太鼓判を押すこと
先ほども見ましたように、相手企業の経営者は「言葉に明確には表せないけど、何となくぼんやりとした悩み」を抱えています。その中には、改善策まで何となくわかっている(ぼんやりと見えている)場合もあります。ただ、表面化していませんし、解決策の質や成功可能性についても未知数です。さすがにそんな策に対して簡単に実行するわけにはいきません。
だからこそ、自分の判断が本当に正しいのか判断してもらい、専門家の太鼓判をもらって背中を押してほしいのです。
そのため、経営者の頭の中にない全く新しいものを持ってこられても、経営者は興味はありません。一方的に教える「一方向のコミュニケーション」が支援では通用しないのは、このためです。
無の状態から改善策を考えることはない
自分の知識やスキルありきのところでも見ましたが、2次試験でも改善策は与件根拠から導き出せるようになっていますよね。アイデア勝負ではないですよね。2次試験受験生に衝撃を与えた令和5年度の事例Ⅱのサブスクリプション、令和6年度の事例Ⅱの感覚価値・観念価値でさえ、与件文に全く根拠がないわけではありませんでした。
それと同じく、実際の診断士の支援でも、診断士が無の状態(ゼロ)から改善策を考えることはありません。なぜなら改善策は相手の頭の中に(ぼんやりと)あるからです。
また、相手企業の社内や業界のことは相手企業の経営者が最もよくわかっているからです。外部の者がその知識やスキルで経営者を上回ることはありません。
例えば、仏壇や数珠を扱う専門店の支援をするとして、みなさんは仏壇や数珠のことをどれだけ理解していますか?余程の人ではない限りは縁遠い世界ですよね。もちろん、支援をするに当たってネットなどで調べるでしょうが、それでも長年その業界にいる人からすると付け焼き刃レベルです。
そんなレベルの診断士が無の状態から改善策を考え、長年その業界にいる人を相手に提案しても「知ったかぶるな、ウチのことをわかっていない」と一蹴されるだけです。できない理由をあれこれ並べ、断られるだけです。

「それってどういうことですか?」、「詳しく教えて下さい」。
こういうことをスムーズに言える人ほど有利になります
診断士の支援の場合、答えは必ず相手がもっています。今はそれが霧の中に隠れているだけです。診断士は全く新しいものを提案する必要はなく、相手企業の経営者の思いに共感しニーズを聞くだけでいいのです。
診断士は聴く力を駆使することで霧を晴らし、相手企業の社長がその答えをハッキリ認識する手伝いや気づきを与えることしかできないのです。これが「伴走支援」であり、「双方向のコミュニケーション」なのです。
それなのに、そんな思いを無視して自分の知識やスキルありきで全く新しいものを解決策として提案されても、経営者は「私の考えていることと全く違うんですけど」と戸惑ってしまいます。納得して受け入れるわけはないです。安心感・信頼や満足度がないのに、こちらの提案なんて聞いてくれるわけがありません。納得するわけもなく、何だかんだ理由をつけて断られるだけです。これは「一方向のコミュニケーション」の典型例です。
当たり前になりすぎていて気づけないことを指摘し、「気づき」を与えること
これは「伴走支援」で重要なカギを握るものになっています。
相手企業の社長には、長年その業界にいるため当たり前になりすぎていて気づけないこと、気づいていないことがあります。また、曖昧には頭の中にあるけどうまく言葉に表せないものがあります。
そういうものは、診断士との対話をしているうちに「気づき」を得ることで出てきます。
みなさんも家族や友人に悩み相談をしたら、どこかのタイミングで「こう思っていたのか」とか「これが頭に引っかかっていたのか」と気づくときってありますよね。このような気づきを得て頭がスッキリすることを、心理学用語で「カタルシス効果」と言います。
診断士はこの「カタルシス効果」を引き出す支援(手伝い・サポート)をしていきます。

僕は酒を飲むと話が進んでカタルシス効果が起こるね
実はこれ、ウケ狙いの話ではなく本当にありますよ。お酒を飲んだほうが本音を話しやすくなることもありますからね。だからこそ、診断士は支援をする相手企業の社長と飲み会を行うこともあります。
おわりに
いかがでしたでしょうか?これが診断士に求められているコミュニケーションの方法です。字数の関係でかなりコンパクトにまとめて書くことになってしまいましたが、重要な内容はすべて入れていますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
と言っても、いきなり明日からやってくださいと言ってもなかなか厳しいものがありますよね。気に入ったものや取り組めそうなものからでいいので、1つずつやっていきましょう。
また、ここから「②診断士のメンタル」、「③サトシのコミュニケーション&メンタル」、「④伴走支援って?」という3つの記事を出していきます。それらの記事を見ると今回のコミュニケーションの内容がさらに取り組みやすくなりますので、3つの記事もぜひご覧いただければと思います。
それでは、今回もありがとうございました。
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サトシさん
超超長文ブログお疲れ様です。
以降のシリーズも含めて、いつ書き上げたのか気になるとこではありますが、コミュニケーションとても大切ですね。挨拶、お礼が重要なことは激しく同意します。
やる方も、やってもらった方もポジティブな気持ちになりますね。
あと、「ビビるなよ、楽しめよ、だけどナメるなよ」すごくいい言葉です。
シリーズ後半の文字数に戦々恐々としてますが、楽しみにしています。
tomiさん、コメントありがとうございます。
また、超超長文を読んでいただき、ありがとうございます。
「ポジティブに、楽しく」というのは一発合格道場の伝統のようになっていて、私も14代目のうっかりアッパさんに教えてもらいました。
挨拶やお礼についても、「こんなの社会人1年目の人が研修で教わるものだろ」と思うかもしれませんが、結構な差別化要素になります。なので、こちらもナメずにやっていきましょう!
大変参考になる記事ありがとうございました。合格に向け学習中の私ではありますが、通常の業務でも大事な事ばかりで大きな刺激になりました。「ゴールイメージをこまめに設定」「自信と謙虚さの両方を持つ」まさに!ですね。社内でチーム作業やタスク管理をする際に、この記事に時折訪れることでモチベーションアップに繋げていきます!
しまんと1号さん、コメントありがとうございます。
診断士試験は謙虚な人ほど合格している印象があります。
なので、合格まで謙虚さを見失わずに突っ切ってください。
次のメンタル編でも謙虚さのことを書いていますので、そちらも合わせてご覧いただけたらと思います。