【口ジ力ルシンキング】直感って案外あてにならない? by せーでんき
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会計士×診断士『せーでんき』です。
コピー機は静電気を活用していることはご存知でしょうか。
静電気を帯電させる役割のドラムが・・・
今回もよろしくお願いします!
このブログで伝えたいこと
直感が正しいことってどれくらいありますか?
直感が正しいこともありますが、それだけではないこともご確認ください!
一発合格道場15代目 せーでんき
はじめに
なんかロジカルシンキングがどうとか聞いたことあるけど、よく分からない・・・
バナナを食べればすぐに分かる・・・
みなさまはロジカルシンキングと言われてどんなイメージでしょうか。
2次試験で必要だとか言われることも多いですが、いまいちよく分からないのではないでしょうか。
正直に言って私もよくわかりません・・・
ただ、直感だけで判断するのではなく、因果関係をしっかりと考えて正しいであろう結論を導くということは、診断士試験のみならず実務でも必要なことだと思います。
今回は軽めに、論理的思考の問題として出されるような問題を一緒に考えてみたいと思います。
きっと直感に反する答えが出てくると思いますが、むしろその感覚を大事にしてみてください。
自説が間違っていないと証明するためには、自説に反する事象がないかを確かめることが一番です。
↓15代目メンバーもしんとMakiがロジカルシンキングの話を書いてくれています。大事な考え方がいっぱい詰まっていますのでぜひご一読ください!
では早速問題です!
では早速問題にいきましょう!
今回は私が気分で選んだ4問をお届けします!
有名どころの問題も多いので知っている方も多いかもしれませんが、ご了承ください。
第1問 ラケットとボールの値段
では第1問です。
こちらは比較的簡単な問題ですので、すぐに答えちゃってください!
第1問
【問題】
テニスラケットとボールの合計は1万1,000円であり、ラケットはボールより1万円高かったです。ボールはいくらでしょうか。
答えは↓
【答え】
ボールは500円
【解説】
さて幸先よく答えにたどり着けたでしょうか?
なにも考えずに直感的に答えると1,000円と言いたくなってしまうのではないでしょうか。
では検証してみましょう。
①ボールが1,000円の場合
区分 | 値段 |
---|---|
ラケット | 10,000円 |
ボール | 1,000円 |
見ての通りですが、ラケットとボールの差額は9,000円になっており、問題の前提と異なっていますね・・・
②ボールが500円の場合
冷静に考えてみますと、以下のとおりになります。
区分 | 値段 |
---|---|
ラケット | 10,500円 |
ボール | 500円 |
これで確かにラケットはボールよりも1万円高くなりました。
いかがでしょうか?
まだまだ続けます!
第2問 消えた1ドル
では第2問です。
これも冷静に考えれば分かるのですが、少し問題が長く、最初は訳が分からなくなる問題です。
第2問
【問題】
3人の男がホテルに泊まりました。一部屋で3人泊まれ、値段は30ドルでした。宿の主人が30ドルを受け取ったのですが実は値段が25ドルであることに気が付き5ドル戻すようにボーイに伝えました。しかしボーイは2ドルを自分のポケットにくすね、残りの3ドルを1ドルずつ男に返しました。男は10ドルずつ払っていて1ドル返されたので一人9ドル、払ったことになります。9ドルx3人+2ドル(ボーイがくすねた分)=29ドルとなります。残りの1ドルはどこに行ってしまったのでしょうか。
答えは↓
【答え】
3人が支払った27ドル(9ドル×3人)のうち、ホテルに25ドル、ボーイに2ドル支払われている。
【解説】
一見するとよく分からないですが、少し整理してみましょう。
- 3人は10ドルずつホテルに払った(=ホテルに30ドル払った)
- 宿代は実は25ドルのため、宿の主人がボーイに5ドル渡した
- ボーイは2ドルくすねた
- ボーイは1ドルずつ3人に返した
以上が問題の状況です。
問題文に一つトラップが仕掛けられており、支払側と受取側が混同して書かれています。
「9ドルx3人+2ドル(ボーイがくすねた分)=29ドル」の部分ですね。
前半の「9ドルx3人」は支払側、後半の「2ドル(ボーイがくすねた分)」は受取側の話です。
よって、これらを整理しますと以下の表の通りです。
支払人・受取人 | 金額(支払はマイナス△で表記) |
---|---|
宿泊者男性3人(支払人) | △27ドル(9ドル×3人) |
宿の主人(受取人) | 25ドル(宿代) |
ボーイ(受取人) | 2ドル(くすねた分) |
これで支払側と受取側の金額が27ドル同士で一致しました。
トラップ部分の「+2ドル(ボーイがくすねた分)」が正しくは「-2ドル(ボーイがくすねた分)」だということですね。
何も考えていないと騙されてしまいそうですね・・・
ネコババはダメ・ゼッタイ
ネコババの起源は「猫が、糞 (ふん) をしたあとを、砂をかけて隠す」からきているそうです。
第3問 クラスメイトの誕生日
では第3問です。
これは知っているもしくは計算できる環境がないと計算が厳しい内容になりますので、ご参考程度に予測してみてください。
第3問
【問題】
あるクラスの中に誕生日が同じ人がいる確率が50%を超えるのはクラスの人数が何人以上になった場合でしょうか。
① 23人
② 45人
③ 89人
④ 112人
答えは↓
【答え】
①23人
【解説】
?が浮かんだ方も多いのではないでしょうか。
これはかなり違和感のある数字ではないかと思います。
ですが、一点注意が必要です。
この問題はきちんと問題文を解釈した上で考える必要があり、先入観があると異なった前提を勝手においてしまうことがあります。
注意が必要な事項は、「クラスの中に同じ誕生日の人がいる確率」≠「自分と同じ誕生日の人がいる確率」ということです。
あんた屁理屈ばっか言ってたらあかんで。
こういう問題を見るとおばりんに一定同意できるところはあるのですが、まあ話を戻します。
これは数学的な話にはなってきますが、確率の問題です。
確率の問題で、「サイコロの問題」や「くじ引きの問題」等の記憶がある方もいらっしゃるかもしれませんが、正しく同じ話です。
イメージとしては、サイコロを投げてそれまでに出たものと同じものが出る確率を想定いただければ分かりますでしょうか。
(例えば、サイコロを3回投げて、1,3,4が出て、4回目に1,3,4のどれかが出る確率と思っていただければ大丈夫です。ちなみに4回目で同じ目が出る確率は70%程度です。)
話を誕生日に戻しますと、以下のような式によって求めることができます。
区分 | 計算式 | 確率 |
---|---|---|
3人の場合 | 1-(364/365×363/365) | 0.8% |
4人の場合 | 1-(364/365×363/365×362/365) | 1.6% |
以降も同様に人数を増やして、計算をしていくと23人の時点で50%を超えます。
以下は参考ですが、人数が増えると以下のようになります(計算式は割愛します。)。
区分 | 計算式 | 確率 |
---|---|---|
23人の場合 | – | 50.7% |
29人の場合 | – | 70.6% |
40人の場合 | – | 90.3% |
意外な結果かもしれませんが、40人を超えるとクラスの誰かと誰かの誕生日が同じ確率が9割あるようです。
なお、15代目道場メンバーの13人の場合は19.4%程度です。
残念ながら同じ誕生日のメンバーはいなかったと記憶しています。
また、上記と異なり、自分と同じ誕生日の人がいる確率が50%を超えるのは254人からですので、こちらは感覚どおりでしょうか。
誕生日が同じ芸能人には親近感があったりしますでしょうか。
第4問 モンティ・ホール・ジレンマ
では第4問です。
これは数学者の間でもかなりの議論があった問題です。これを初見で直感的に理解できる方は相当すごいのではないでしょうか。
第4問
【問題】
プレーヤーの前に閉じた3つのドアがあって、1つのドアの後ろには景品の新車が、2つのドアの後ろには、はずれを意味するヤギがいる。プレーヤーは新車のドアを当てると新車がもらえる。プレーヤーが1つのドアを選択した後、司会が残りのドアのうちヤギがいるドアを開けてヤギを見せる。
ここでプレーヤーは、最初に選んだドアを、残っている開けられていないドアに変更してもよいと言われる。
ここでプレーヤーはドアを変更すべきだろうか?
答えは↓
【答え】
変更すべきである。
【解説】
いかがでしょうか。
直感的には「どちらも確率は変わらず」、変更してもしなくてもどちらでもいいような気がしませんでしょうか。
実際には、変更した方が当たりになる確率が2倍になるため、変更した方が当たる確率は高くなります。
まとめると以下のような確率になります。
区分 | 確率 |
---|---|
変えた場合 | 2/3 |
変えない場合 | 1/3 |
最初にも書きましたが、数学者の間でも割れたような問題ですので、感覚的には理解しづらいと思います。
私が理解しやすかったのは、扉の枚数を増やすという考え方です。
- 例えば、問題と同じ状況で、扉が100枚あったとします。
- その場合であれば、プレイヤーが100枚から1枚を選び、その後司会が98枚のはずれを開けてくれます。
- 変える方が得でしょうか。変えない方が得でしょうか。
こう考えれば直感的には分かりやすいのではないでしょうか。
本当はベイズの定理という統計学の分野の話で解ける問題ではあるのですが、あまりにも数学的な話になりますので、今回は割愛します。
(気になる方は「ベイズの定理」や「条件付き確率」を調べてみてください)
なお、この「モンティ・ホール」という名前は、この問題が放送されたテレビ番組の司会者の名前からきています。
私の説明では納得できなかった方は、ヨビノリというYouTubeチャンネルの方が分かりやすく説明してくれています。よろしければこちらもご覧ください(私の説明よりも詳しく、分かりやすく説明してくれています!)。
なんでヤギははずれなんでしょう・・・?
おまけ
モンティ・ホール・ジレンマでヨビノリのご紹介をしたついでに、もう一つおまけで動画のリンクを貼っておきます。
こちらは、「ヒルベルトの無限ホテルのパラドックス」というやつで、論理的思考というよりは数学的な問題です。
無限というものがどういうものか理解しないと、状況が全くよく分からないと思いますので、人によっては全然しっくりこないこともあるかと思います。
せっかくですので、お時間あるときに見てみてください!
じつはタイトルは「ロジカルシンキング」ではないことに気付いていましたか・・・?
(この意味が分かった方はぜひコメント等で教えてください。)
最後に
お疲れ様でした!
もし今回の記事でこういった問題をもう少し解きたいと思われた方は、最近では以下の本が人気ですので、書店などでチェックしてみてください!
では毎度お約束の名言コーナーです。
愚者の最も確かな証拠は自説に固執して興奮することである。
ミシェル・ド・モンテーニュ
(Stubborn and ardent clinging to one’s opinion is the best proof of stupidity.)
今回はモンテーニュです。
『随想録(エセー)』で有名な方ですね。
フランスの法官を務めた後、ボルドー市長として宗教戦争やペストの中、市長としての役割を果たしました。
エセーの冒頭では
「自分のためだけに書いているので、こんなつまらない主題のために時間をつぶされるのは本当にばかげていますよ。さようなら。」
と述べられており、なかなか衝撃的な始まりになっていますね。
Que sais-je?(私は何を知るか)を重視して比較的緩やかな懐疑主義の立場をとり、そんなにはっきりと白黒つけなくてもいいのではないかと言いました。
(がっつりの懐疑主義はもっと「それは違う」みたいなことを前面に押し出すイメージですが、モンテーニュはとりあえず知ってることは受け入れておくくらいのスタンスと理解いただければ。)
今回の名言に戻りますと、直感は案外あてにならないなと思っていただければ、今回の名言もすんなり入ってくるのではないでしょうか。
いろいろな意見に耳を傾けるのも重要だということですね(ただ、モンテーニュ自身は、友人などから助言や批判があり大変ありがたかったが、結局自分を分かっているのは自分であり、自身で判断した方が、良い結果になると思うと言っています・・・)。
どっちやねん・・・
これは勝手な解釈ですが、モンテーニュは今回の名言のように周りの意見を聞くことも大事だと説きつつ、自分に自信がなくても周りの目なんて気にせずに自分らしく生きればいいと言ってくれていると思っています。
以上です。
ありがとうございました!
明日はAREです!
今日は今日で終わり。また明日はゼロから始まる。
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こんにちわ!
いつもありがとうございます。
ロジカルシンキング・・・
圧倒的直観タイプの私には足りない能力と自負があり、たまたま紹介いただいた本を試験後読みました・・・が!
今回出していただいた問題の、誕生日のやつはさっぱりでした・・・w
後は、ロジカルシンキングを出すべき場面で、しっかり活用できるところまで自分に根付かせるのが、てえへんだなあと思っています。
とりあえず、毎日の事例Ⅳ計算の習慣の代わりに、ロジカルシンキングを当てはめて、イケメンインテリバナナおじさんを目指します!!
テセさん、コメントありがとうございます。
本はすでに読まれていたんですね!正直かなり難しい問題が多いなと思っています・・・
誕生日の問題はかなり感覚と乖離するのではないかなと思ってあげてみましたので、そう言っていただけてご紹介した甲斐がありました。
口述試験にもぜひバナナをお供としてお連れいただき、イケメンインテリバナナおじさんが来たと試験官に思わせてください!
こんばんは!
にっくです。
表題の意味、「直感」に対して懐疑的な立場を取っているだけで、「ロジカルシンキング」を肯定する立場に立っているわけではない、ということではないでしょうか?
つまり、もし世界に直感とロジカルシンキングしかなければ、直感を否定することはロジカルシンキングを肯定することになりますが、直感とロジカルシンキング以外の考え方(仮にAとおく)があった場合、直感を否定することはAとロジカルシンキングの両方の可能性を示唆しているに過ぎない、つまり、必ずしも「ロジカルシンキングがいい」とはいっていないということです。
合ってるでしょうか?
にっく
にっくさん、コメントありがとうございます。
また、いろいろ考えて下さってありがとうございます!
表題の件は、表面的なところを意図してしまっていますが、おっしゃっていただいた実質的な中身の面ももちろん合っていると思います!