経営戦略いろいろ by AZUKI

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はじめに

こんにちは、AZUKIです!
今日から9月ですね。厳しい残暑が続くとの予報が出ていますが、2次試験まであと56日!残暑に負けずに、頑張りましょう!
さて今日は、戦略についての記事です。
僕は戦略について、にが~い思い出があります。
去年の事例Ⅰの最後の問題で、「競争戦略と成長戦略の観点から助言せよ」という問題があったのですが、的を射た解答がぜんぜん書けなかったのです。
下記の記事でたいしんが分析してくれていますが、7/20点とほぼ点数が入っていません。
とても恥ずかしいのですが、この問題を本試験で見たとき、

競争戦略と成長戦略ってなんだっけ?
と思ってしまったんですよね・・・。もうパニックになってしまって冷静に考えることもできず、苦し紛れに与件文から言葉を抜き出して「それっぽく」書いたのですが、やはりそれで得点が取れるほど甘くはなかったようです。
本試験での僕みたいにならないように、ぜひこの記事で戦略についての理解を深めていただければと思います!
戦略いろいろ
みなさんに質問です。
「経営戦略って、何でしょ?」
改めて聞かれると、少し考えてしまうと思います。
この問いに対し、チャンドラーは「事業成長のプランニングと実行を指す。具体的には、長期の目標設定と、目標達成のための経営資源配分などの行動のことである。」と言っていますし、ポーターは「自社と他社を差別化するもの。」と言っています。
「企業あるいは事業の目的を達成するために、持続的な競争優位を確立すべく設定された大局的な方針」
と書いてあり、2次試験を解くにあたってはこの考え方が一番わかりやすいのではないかと思います。
また、1次試験の企業経営理論「経営戦略論」では以下の戦略が出題されることになっています。

このうち、2次試験で重要なのは企業戦略と競争戦略の部分でしょう。
1次試験では各戦略の内容について、択一でなんとな~く○×を当てられればOKでした。
しかし、2次試験では事例企業がこれまで取ってきた戦略を見抜く、あるいは事例企業のこれからの戦略を的確に立てる必要があります。
まずは各戦略についておさらいして、それから実際の2次試験でどういう風に使っていくのかを見ていきましょう!(戦略には他にも「マーケティング戦略」や「ブランド戦略」などがありますが、今回は経営戦略に絞って解説します。)
ポーターの競争戦略
まずはみんな大好き、ポーターの競争戦略です。
ポーターは競争優位の源泉と、競争のターゲットに応じた3つの戦い方を提唱しています。

ポーターの3つの競争戦略
- コストリーダーシップ戦略:規模の経済や経験曲線効果を活用して、コスト優位を実現し、競争優位を確立する戦略
- 差別化戦略:他社に模倣されにくい製品やサービスで差別化し、価格競争を回避し、競争優位を確立する戦略
- 集中(焦点)戦略:特定のターゲットに経営資源を投入し、競争優位を確立する戦略(試験範囲には「焦点戦略」と記載されていますが、多くの参考書では「集中戦略」と記載されているので、本記事も集中戦略と記載します。)
集中戦略ですが、コスト優位に重点を置くコスト集中戦略と、特定ターゲットへの差別化に重点を置く差別化集中戦略にさらに分かれます。
1次試験ではこの3つがまんべんなく問われましたが、2次試験においてはほぼ「差別化(集中)戦略」一択になります。
なぜなら、資源に乏しい中小企業が、大企業に価格競争に勝つのは非常に難しいからです。
逆に言えば、価格競争という大企業の土俵にわざわざ上がる必要性は全くありません。
特定のターゲットに経営資源を集中し、差別化で競争優位性を得て、競合との価格競争を回避する。
この因果関係を覚えておきましょう!

クセつけておかないと、本番は本当に書けないです・・・
コトラーの競争戦略
次に、コトラーの競争戦略です。
コトラーは経営資源(ヒト・モノ・カネ)の量と質に応じた4つの戦略を提唱しています。

コトラーの競争戦略
- リーダー:業界No.1で、全方位への製品展開や市場そのものを拡大する戦略をとる企業
- チャレンジャー:リーダーとの差別化を図りつつ、リーダーの地位を奪い取ろうとする戦略をとる企業
- ニッチャー:経営資源をリーダーが扱わないニッチ(すきま)な市場に集中して戦う戦略をとる企業
- フォロワー:リーダーに追従した低~中価格帯の製品を扱い市場に生存することを狙う戦略をとる企業
こちらも、2次試験においては例によって「ニッチャー狙い」一択になります。
リーダーやチャレンジャーを狙うには経営資源の量が足りないですし、フォロワーだとなかなか儲かりません。
2次試験に出てくる企業の場合、何かキラリと光る経営資源がありますので(実際の中小企業にもあるはずです)、それを活用できる特定の市場を集中的に狙っていきます。
先ほどのポーターの競争戦略の「集中戦略」とほぼ同じニュアンスですね。
中小企業は、ニッチな市場に経営資源を集中させ、付加価値を高めて差別化する。
これも覚えておきましょう!
アンゾフの成長マトリクス
最後はアンゾフの成長マトリクスです。
アンゾフは企業の成長戦略について、市場・製品の2軸を既存・新規の2つに分けた、合計4つの戦略を提唱しています。

アンゾフの成長マトリクス
- 市場浸透戦略:既存市場に既存製品でアプローチする戦略
- 新市場開拓戦略:新市場に既存製品でアプローチする戦略
- 新商品開発戦略:既存市場に新商品でアプローチする戦略
- 多角化戦略:新市場に新製品でアプローチする戦略
また、多角化戦略は、既存事業との関連性が深い事業に進出する関連多角化と、既存事業との関連性が薄い事業に進出する非関連多角化に分類することができます。
多角化は、「既存事業とのシナジー発揮」「経営リスクの分散」などのメリットがありますが、同時に「経営資源の分散」「進出先の事業での損失可能性」といったデメリットもあります。
こちらは2次試験において鉄板の戦略といえる戦略はないのですが、「新市場開拓戦略」や「多角化戦略」に繋がる問題がよく出てくる印象があります。(社長の想いだったり、経営リスクの分散などの要因で、新製品を開発したり新市場に進出といったストーリーが多いように思います。)
参考ですが、コロナ禍で小規模事業者が取り組んだ成長戦略としては、市場浸透戦略が7割弱と最も多かったようです。

コロナ禍という特殊な状況であったことや、小規模企業のみに対する調査であることを加味しても、試験とのギャップを感じますね。思い切って新商品や新市場に舵を切るというのは、思っている以上に難しいのでしょう。
過去問コーナー
これまで説明してきた経営戦略の知識を、2次試験でどう活用すればよいかを実際の問題を使って解説します。
今回は令和3年度事例Ⅰの問題を使います。ネタバレ防止のため下記をクリックして開いてください。
※初見の過去問は本当に貴重です。ぜひご自身で一度解いてみてから解説を開いてください。
こちらをクリックして解説を開く
※与件文はふぞろいや過去問のPDF等を参照ください。
第1問(配点 20 点)
2 代目経営者は、なぜ印刷工場を持たないファブレス化を行ったと考えられるか、100 字以内で述べよ。
ファブレス化をした理由を問う問題です。
このような聞かれ方をされる理由ですが、今までの事業でずっと儲けられればよかったものの、何かしら経営環境に変化があり、儲けられなくなったからだと推測されます。
その「儲けられなくなった理由」が、4段落目に書いてあります。
4段落目には、「印刷のデジタル化」や「技術革新による参入障壁の低下」のせいで、「印刷単価が減少した」という内容が書かれています。SWOT分析的に言うと自社に悪影響を及ぼす外部環境の変化なので、脅威ですね。
この脅威に対応した内容が5段落目となっています。
5段落目の内容ですが、やっていることをまとめると、「ファブレス化により顧客の細かいニーズに対応できる分業体制を構築」し、「多工程にわたり高品質、高精度な印刷を必要とする美術印刷分野へ経営資源を集中」することで、「高精度な仕上がりが求められる美術分野の需要を獲得していった」という内容になっています。
これは、特定のターゲットに経営資源を集中し差別化し、競争優位性を得るという「差別化集中戦略」そのものズバリであることがわかると思います。
4段落目、5段落目の内容をまとめて、脅威に対して差別化集中戦略で対応したというストーリーの解答を作ると、
「①印刷のデジタル化や、技術革新による参入障壁の低下で印刷の単価が減少する中で②顧客の細かいニーズに対応できる分業体制の構築や美術分野への経営資源の集中で差別化し、競争優位性を確保するため。」
というような解答となります。

解答はあくまで一例ですので、皆さんもぜひ自分なりの解答を作ってみてください!
おわりに
今日は経営戦略について書かせていただきました。
特に、「差別化」や「競争優位性」、「経営資源の集中」「価格競争の回避」といったキーワードは戦略の根幹であり、配点が高いことが予想されます。
もちろんこれらのキーワードをただ入れれば点数が入るという訳ではありませんが、いざという時にパッとキーワードが出てくるようにしておきましょう!

明日はおーちゃんです!オールAの猛者は何を語ってくれるのか!?
“ネコ”について語ります!

(ぼくも出るかな!?わくわく✨)

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