運営管理の過去問(令和5年度試験・沖縄再試験)解説&考察 by しん

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こんにちは、しんです。
ゴールデンウイークも終わり、1次試験に向けて理解系の科目は仕上げに入り、暗記系の科目にシフトし始めた方もいらっしゃるでしょうか。
そんな中ではありますが、他のメンバーが暗記系科目を理解系科目にすべくすごい記事を書いているため、自身は引き続き運営管理をメインに扱います。
今回は、過去問解説をメインとしますので、運営管理に自信がある方もそうでない方も、腕試しがてら解きつつ読んでもらえればと思います。
それでは本日の目次です。
本日の要約
本日の要約
- 概要:1次試験を受験される方を主なターゲットに、運営管理の過去問(令和5年度試験、沖縄再試験)より、時流を踏まえて重要と感じた問題をピックアップして解説・考察します。
- お伝えしたいこと:世の中の時流と知識を紐づけると共に、計算式の意味を理解することで、暗記していなくても正答できます。
- キーワード:アローダイヤグラム、クリティカルパス、経済的発注量、RORO船、鉄道輸送、HACCP
上記の内容で気になる部分やフレーズがありましたら、本編に進んでいただけたらと思います。
はじめに
冒頭でもお話した通り、今回は過去問をピックアップし、自身の解き方・考え方を解説します。
扱う過去問は、最新の運営管理(令和5年度試験・沖縄再試験)です。
きっかけとしては、知識の宝物庫から無限にネタが湧き出るサトシの
沖縄再試験は取り扱う参考書が少ないから、解説を見たい読者がいるかも

という発言になるほどと思ったことでした。
また、自身が令和4年に1次試験を通過しており、令和5年度試験、沖縄再試験については一切の知識がなかったため、ある意味フラットな目線で解説できるかと考えました。
そのため、今回は運営管理(令和5年度試験・沖縄再試験)の過去問を解いた上で、時流を踏まえて重要と感じた問題を、次の章でピックアップします。
過去問を解いてみよう
それではこれより、運営管理の過去問(令和5年度試験・沖縄再試験)解説に入ります。
生産系の問題から1問、物流系の問題から2問ピックアップしましたので、腕試しがてら解いてみてください!
なぜ上記の問題をピックアップしたかについては、次章の考察で触れます。
(令和5年 第8問)
この四角い枠の中をタッチ(クリック)すると答えと解説が表示されます。
答えは↓
正解:オ
解説:
以前私のブログでも取り扱ったアローダイヤグラムについての問題です。
アローダイヤグラムと言ったらまずはクリティカルパスという流れで探したところ、
クリティカルパス・・・①→⑤→⑥→⑦→⑧(作業C→作業F→作業H→作業I)
所要時間・・・19時間
であることが分かります。
ここから各選択肢を確認すると、
ア.作業Cの所要時間が2時間短くなった場合、作業Cが存在しない、所要時間18時間の①→③→④→⑦→⑧がクリティカルパスとなり、プロジェクト全体の完了時刻は1時間しか早くなりません。→「×」
イ.クリティカルパス以外の作業を短縮してもプロジェクト全体の完了時刻は変わりません。→「×」
ウ.作業Fはクリティカルパス上に存在するため、所要時間が1時間短くなった場合は、プロジェクト全体の完了時刻も1時間短くなります。(①→⑤→⑥→⑦→⑧と①→③→④→⑦→⑧が共に所要18時間のクリティカルパスとなります。)→「×」
エ.作業Fはクリティカルパス上に存在し、所要時間が2時間短くなった場合は、①→③→④→⑦→⑧がクリティカルパスとなります。→「×」
オ.作業Hはクリティカルパス上に存在するため、所要時間が2時間長くなったとしても、クリティカルパスであることに変わりはありません。(この設問の場合、ダミー線は特に意識する必要なかったですね。)→「〇」
(令和5年沖縄再試験 第8問)
答えは↓
正解:イ
解説:
経済的発注量に関する問題でしたが、この問題は解いて面白いなと感じました。
自身、総費用の式等は正確に暗記していなかったものの、各記号の意味を考えることで、正答できたためです。
順不同となりますが、まず式をざっと眺めて、左辺が発注費用、右辺が在庫費用とあてをつけます。
その上で、ウとエが、a(1回当たりの発注費)×Q(1回あたりの発注量)となっていることに着目します。
発注費用=発注する人の人件費とざっくり考えると、Q(1回あたりの発注量)が大きいほど発注回数が減り、人件費が下がりますので、a×Qとなっているのは誤りであることが分かります。
次に残りのアとイに眺めると右辺(在庫費用)を2で割っているかどうかが異なります。
保管費は購入品が入庫した日は、Q個分の費用となりますが、次に発注するタイミングには前回購入した在庫はすべてなくなり、0円となります。
そのため、三角形の公式をイメージして2で割る方が正しいという考えで、正答のイにたどり着けます。
(アの、b(1個1期あたりの保管費)×T(期間)×Q(1回あたりの発注量)の式は在庫がまったく減らない場合の保管費用ですね。)
このように、発注業務や在庫管理のイメージを膨らませることで、式を覚えていなくても正答できます。
覚えていない数式が記載された問題が出た場合は諦めずに、式を冷静に把握できると得点アップに繋がることが可能です。
ただ、時間をかけすぎると、他の問題に影響が出るかと思いますので、時間配分にはご注意ください。
(令和5年沖縄再試験 第32問)
答えは↓
正解:エ
この設問では令和5年本試験に続いてRORO船の理解を求められており、対策されてでも出題したい知識なのかなと感じました。
一方で、特別積合せ運送等、聞きなれない単語が含まれており、作問される方が難易度調整に苦労されているとも思いました。
次章の考察でも述べますが、物流の2024年問題を意識した設問であると考えられ、引き続き抑えるべき知識だと感じます。
ア.RORO船はトラックが自走して乗り込める船(フェリーのトラック版のようなイメージ)であるため、クレーンは不要です。
(RORO船は英語で「Roll-on Roll-off ship」と書くことを覚えて、「タイヤを転がして乗り、転がして降りる船」とイメージしています。)→「×」
イ.トラック輸送(チャーター便)は荷主が時間を自由に指定することができる一方で、鉄道輸送は一般の鉄道と同じ線路で輸送するため、チャーター便程の融通はきかないと推測できます。(後半は正しい内容です。)→「×」
ウ.見慣れない用語ですが、複数の荷主の貨物を「積合せ」するのですから、どこかで仕分けが必要になると推測できます。(特別積合せ運送について調べたところ、定期運航で仕分けをする輸送方式でした。)→「×」
エ.「時間当たりの」という表現が頭に入りづらいですが、走行時間のうちの実車時間を長くすれば実車率は高くなるので、この選択肢が正解です。→「〇」
オ.「荷役作業」はトラックや鉄道等の輸送する乗り物から荷物を降ろしたり、逆に積んだりする作業です。トラックのみの直行輸送に比べて、トラック輸送と鉄道輸送を組み合わせた場合、荷役作業は増える(負担が増加する)こともあると推測できます。→「×」
キーワード説明
アローダイヤグラム・・・アローダイヤグラムとは新QC7つ道具の1つに数えられる品質管理の手法のことをさします。
以前の記事でも取り上げましたが、「何かを作る時のスケジュール管理を効率的に行うための図」です。
経済的発注量・・・在庫費用=発注費用となる発注量です。
経済的発注量の式は少し複雑で覚えづらいですが、過去問解説でもお話した通り、在庫費用や発注費用の式やその意味を抑えれば、正答できる可能性が高まると思います。
RORO船・・・過去問解説でもお伝えした通り、Roll-on Roll-off shipの略語です。
以下の写真のように、陸から船内への通り道があり、自走して(タイヤを転がして)船に乗り込めるため、クレーンは不要です。
(クレーンが必要となるのはコンテナを積み重ねて輸送するコンテナ船等ですね。)

鉄道輸送・・・文字通り鉄道で輸送する輸送方式です。電車に乗る方でしたら以下の写真のような光景を目にしたことがあるかと思います。
写真からもイメージできる通り、トラックと比べて1便での輸送量が圧倒的に多いです。(=低コスト、低CO2排出)
直前にご紹介したRORO船等の海運や、いかにも高コストな空輸とあわせて、各輸送方法のメリット、デメリットを抑えていただけたらと思います。

※自身で写真を撮影しようと考えたものの、特にRORO船が難しく、共にフリー写真サイトの写真を使わせていただきました。
過去問を解いて感じたこと(考察)
過去問を解いて感じたことは、「令和5年度試験、沖縄再試験で共に出題された知識≒製造業や物流業で話題となっているテーマ」でした。
ピックアップしたアローダイヤグラム、経済的発注量、RORO船や、今回ピックアップできなかったHACCPに関する問題が特に印象に残っています。
また、沖縄再試験については、自身が受験した令和4年度の試験と今回解いてみた令和5年度の試験に比べて、傾向が異なる部分があると感じました。
それぞれについて、感じたことを書きます。
生産性向上
直近、多くの製造業で人手不足や人件費の高騰に直面しており、生産性向上を課題とする企業をよく見かけます。
また、半導体不足や原材料価格高騰により発注量や在庫数量の設定に悩む企業が数多く存在すると思います。
(半導体のような供給が不安定な材料の在庫を多くして欠品リスクを減らしたいものの、保管費用が増えるデメリットもあり、経営者や調達担当の方は本当に頭を抱えていると思います。。)
元から頻出の知識ではありますが、アローダイヤグラムや経済的発注量に関する問題が令和5年度試験、沖縄再試験の両方で出題されたのは、こういった時流も一因としてあるのではと感じました。
物流の2024年問題
令和5年度の両試験で真っ先に感じたことが物流2024年問題でした。
詳しくはweb等で調べていただければと思いますが、大雑把にいうと、ドライバーさんの労働時間の制限が厳しくなります。
そういった背景から、RORO船や実車率の問題等を通して、ドライバーさんの運転時間を減らして、貨物を効率良く運ぶための知識を問われているように感じました。
過去問解説でも触れましたが、今年はまさに2024年であり、抑えておくべき知識だと思います。
沖縄再試験問題の傾向
沖縄再試験問題を解いてみて感じたことは、
令和5年度試験と同じ知識を問う問題が多く、また見慣れない(やっかいな)問題も多い
でした。
特に生産系で見慣れないと感じた問題が多く、自身は令和5年度試験より明らかに正答が少なかったです。
小売り系や物流系の問題については、シンプルな問題で特に難しくは感じませんでした。
総じての感想は「試験対策としてトライする価値はあるものの、まずは本試験を優先したい」でした。
沖縄再試験問題については、サトシが7科目すべて解いたようですので、全科目を考察した記事を1次試験までに書いてくれると思います!
過去問の自己採点結果
最後に令和5年度試験と沖縄再試験(運営管理)の難易度のバランスが取れているかの一つの尺度として、自身の採点結果を書きます。
1次試験学習から離れて1年半程が経ったものの、製造業一筋とうたってしまった手前、60点を下回ったらヘルメットを脱ぐ覚悟で臨みました。
その結果は・・・
令和5年度試験:73点
沖縄再試験:67点
都市計画法を全く覚えていない(受験時代から諦めて勉強していない)ので当然の結果ではありますが、やはり憧れの高得点(なんとなく80点以上なイメージ)には縁がないようです。。
ただ、ヘルメットは脱がずにすんだので、勝手にほっとしています。
ヘルメットをかぶり続けることを許す!!


ありがとうございます!!
冗談はさておき、自身の結果を踏まえて難易度のバランスについて触れます。
我流なカテゴライズとなりますが、私の得意分野と不得意分野は以下の通りです。
生産:得意
都市計画:壊滅的に苦手
小売:普通~得意
物流:得意
沖縄再試験の生産系の問題で、見慣れない(やっかいな)問題が多かったことが、令和5年度試験をわずかに下回る得点となった要因だと感じています。
ただ、点数の差も一桁であり、再試験問題を受けられた方は令和5年度試験の学習・対策ができたことも踏まえると、私としては難易度のバランスはある程度とれていると感じました。
ただ、生産系以外の問題が得意!という方が解いたらもちろん異なる結果になると思いますので、ご参考までに。
終わりに
以上で運営管理の過去問(令和5年度試験・沖縄再試験)解説を終わります。
両試験共に問われた知識について、世の中の時流や課題と関連付けて覚えていただけたでしょうか。
また、計算問題や見慣れない単語が含まれる問題について、「正確に暗記していなくとも2択まで絞り込めたり、正答できる」というイメージを持っていただけたら幸いです。
もし、運営管理の過去問で、参考書の解説等に納得できない問題等がありましたらコメントください!
自身、参考書の解説に納得できず調べまくって時間を使ってしまったため、もし似たような方がいたら微力ながら協力したいと考えています。
明日はちょっとお出かけ感覚で東京に出没してメンバーを驚かせる、サトシの順番です!
4回にわたる、長編の最終回をお楽しみに!!
新幹線に乗ると回復するので楽勝です♪
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