知識と疑問は正の相関? by せーでんき
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会計士×診断士『せーでんき』です。Guten Morgen!
(ドイツ語は全く分かりませんが、謎の憧れがあります…)
まずは試験関連のご案内です!
令和6年度の中小企業診断士試験の試験日程が発表されています。
令和6年度の試験日程が発表されています。昨年とほぼ同じ日程感です。
詳しくは診断士協会のホームページをご確認ください。
試験日程
試験実施 | 試験案内配布・申込受付期間 | 合格発表日 | |
1次試験 | 令和6年 8月3日(土)・4日(日) | 4月25日(木)~5月29日(水) | 9月3日(火) |
2次筆記試験 | 令和6年 10月27日(日) | 8月23日(金)~9月17日(火) | 1月15日(水) |
2次口述試験 | 令和7年 1月26日(日) | ー | 2月5日(水) |
また1次試験の試験案内の概要も出ていますので、まだ見られていない方は確認しておきましょう!
令和6年度中小企業診断士第1次試験について (j-smeca.jp)
では本日のブログスタートです!
このブログで伝えたいこと
今回お伝えしたいことはシンプルに1点です!
分からないことばかりで勉強が進んでいる実感がない方、実は成長しています!!
一発合格道場15代目 せーでんき
タイトルの意味 ~知識と疑問は正の相関?~
タイトルの意味は分かりましたか?
おそらく初見ではタイトルの意味がよく分からないと思います。
おおまかに2点のひかかりポイントがあると思っています。
- 「正の相関」って何だっけ?
- 知識が増えたら疑問は減るんじゃないの?
では順に行ってみましょう!
①「正の相関」って何だっけ?
皆さんは相関係数は覚えておられますでしょうか?
バカにするなと言われそうですが、そうです。0から1の値をとるアレですね(すぐにつっこんでください!)。
相関係数について
正しくは-1から1までの値を取り、-1は負の完全相関(全く逆に動く・完全逆相関ともいいます。)、0は相関関係なし、1は正の完全相関(全く同じ動き)です。
負の相関の場合は負の比例関係(※)、正の相関の場合は正の比例関係(※)、値の絶対値が大きくなるほど比例関係(※)が強くなります。
(※)比例関係と相関関係:厳密にはこの2つは異なる概念ですので、あくまでイメージの話と考えていただければ。
相関係数の値 | 値の意味 |
-1 | 負の完全相関(全く逆に動く・完全逆相関) |
0 | 相関関係なし |
1 | 正の完全相関(全く同じ動き) |
なのでタイトルの「正の相関」の場合は正の比例関係(※)があるということで、「知識が増えること」と「疑問点が増えること」は関係しているということです。
②知識が増えたら疑問は減るんじゃないの?
そう感じられるのも当然のことだと思います。
あくまで考え方の一つとしてご紹介します。
これは私が公認会計士試験の際に通っていた「□の○原」という予備校があり(伏せ字にしています。)、そこで講師をされている方がおっしゃっていた話です。
例え話です。あくまでイメージの話であり、おそらく学説等がある話ではありません。
そこで言っておられたことを少し説明すると、以下のような状態です。
・知識(自分が知っている範囲)は円の面積である。
・円の範囲外のことは知らないことである。
・円に接している部分は知識の境界線であり、その線上(=円周上)にあるものが疑問に思う範囲である。
イメージ図
察しの良い方は気付かれるかもしれません。
そうです。疑問が円周上にあるということは、円が大きくなれば円周も長くなり、接する範囲が増えて、疑問も増えるということを言っています。
円が大きくなる=知識が増えるということであるため、これらを整理すると以下のとおりです。
知識が増える
円が大きくなる
円周も長くなる
接する範囲が増える
疑問が増える
こんな具合です。
イメージしていただけましたでしょうか。
「分からないことばかり」と思うことが実は成長の証
受験生の皆さんの中には、「勉強してるのに分からないことばかりで全然勉強が進んでる実感がない」
という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実は上の円の例えを使うと、当然のことであり、むしろ勉強が進んでいる状態と言えます。
例えば、上に書いた相関係数の細かい意味を忘れてしまった方。そもそも試験勉強を始める前から相関係数を知ってましたか?
知っていた方は素晴らしいですが、知らなかった方も今は知っていますよね。だからどういう意味だったか忘れたという状態になるのです。
知らなかった状態ではそんな疑問も湧きません。
「なぜ-1から1の間なのか」とかも、-1から1の範囲であると知っていないと湧かない疑問ですよね。
(こちらは共分散との関連を考えていただけると解決できる疑問だと思います。)
そのような疑問が多く出る方々も、過去の自分よりも知識を蓄えられた状態であることに自信をもっていただければいいと思います。
ところで
さて、上記の5つのステップ(知識が増える→・・・→疑問が増える)を見て、IS-LM-BP分析(マンデル・フレミングモデル)等のマクロ経済学の分析みたいだなと思った方は経済学もかなりしっかり定着していると思いますので、引き続きその調子で頑張ってください!
意味が分からない方も、今後の対策で何とでもなりますのでご安心ください。
せっかくの機会ですのでIS-LM-BP分析(マンデル・フレミングモデル)についても簡単にまとめておきます(R5年も出てました。)。
IS-LM-BP分析(マンデル・フレミングモデル)まとめ
結論だけ書くと以下です(資本移動完全を前提にしています。)。
財政政策 | 金融政策 | |
変動相場 | × | 〇 |
固定相場 | 〇 | × |
- 変動相場、財政政策→効果なし (G↑→IS曲線右シフト→金利上昇→円高→輸入増→IS曲線左シフト)
→財政支出したものの、円高で輸入が増えて意味がなかったイメージです。 - 変動相場、金融政策→効果あり (LM曲線右シフト→金利低下→円安→輸出増→IS曲線右シフト)
→円をばら撒いたら円が安くなって輸出が増えるイメージです。 - 固定相場、財政政策→効果あり (G↑→IS曲線右シフト→金利上昇→金利戻すため金融政策→LM曲線右シフト)
→財政支出したら金利が上がってしまったので、焦って円をばら撒いて金利を戻しに行くイメージです。
※財政支出したらなぜ金利が上がるのかですが、ケインズ経済学的には、財政支出増→国民消費増→資金需要増→金利上昇のイメージだそうです。
直感的にイメージしづらく、ちょっと分かりにくいですね…おまけコーナーの問題も参考にしていただければ - 固定相場、金融政策→効果なし (LM曲線右シフト→金利低下→金利戻すため金融政策→LM曲線左シフト)
→これは一番頭の悪いケースで、自分でせっせと撒いたお金を再度せっせと回収するイメージです。
凡例(色分けしています):IS曲線関係、LM曲線関係、変動相場・金利・為替、固定相場・金利・為替、効果あり、効果なし
IS-LM-BP分析(マンデル・フレミングモデル)について復習したい方は、以下のリンクのs.t.oさんの記事が詳しいです。おさらいにもぜひご活用ください!
ちなみに経済学のフレミング(マーカス・フレミング)は理科で左手の法則とか習うフレミング(ジョン・フレミング)とは別の方なのでご注意ください。
→この知識は役には立ちません。
ということでダラダラと書いてきましたが、ごりも自己紹介で書いてくれているとおり、自信を持って勉強に取り組んでくださいということです!
おまけ
今回、①相関係数と②IS-LM-BP分析(マンデル・フレミングモデル)が本文に出てきましたので、過去問を載せてみます。
基本的な問題かと思いますので、理解の確認のために挑戦してみてください!
①相関係数(平成29年度 財務・会計 第19問)
答えは↓
正解:エ
解説:
この記事で上に書いたとおり、相関係数は-1から1の間を取ります。
今回は-1を問われているため、完全逆相関のケースです。
完全逆相関の場合には標準偏差が0となる点がありますので「エ④」が正解となります。
【逆相関のイメージが付きづらい方】
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のHPの例(アイスクリーム屋とおでん屋)などを参考にしていただけると少しでも理解できるかと思います。
【グラフの意味について】
このグラフは、縦が期待収益率(どれくらい儲かるか)、横が標準偏差(≒リスク。どれくらい確実に収益が得られるか(小さいほど確実に得られる))になっています。
そしてAとBに投資する割合に応じて期待収益率と標準偏差が変わるため、それを線で結んだものです(投資機会曲線と呼ばれるものです。)。
A点ならAに100%投資、B点ならBに100%投資、50%ずつ投資するならA点とB点の中間あたりです。④であればBに30~40%くらい、残りをAに投資すれば標準偏差が0となり、ポートフォリオ効果(≒証券の組み合わせで得られるリスク低減効果)が最大となりそうです。
例えば①の場合であれば、正の完全相関のケースのため、投資比率を変更したところで、リスクは軽減されずグラフは直線となっています。
②以降は少しずつポートフォリオ効果が得られ、リスクが低減されている様子が見てとれます。
【期待収益率と標準偏差の違いがイマイチがよく分からない方】※以下の具体の数字でイメージください。
例えば、期待収益率13%、標準偏差6%の場合:
だいたい13%くらい儲かりそうだけど、6%くらい上振れも下振れもありそう(結果は7%~19%の間になりそう)というイメージです
(厳密にはその可能性も1σで見ているため3分の2程度の確率ですが、理解のためですので深追いは不要です。)。
②IS-LM-BP分析(マンデル・フレミングモデル)(平成20年度 経済学・経済政策 第9問)
答えは↓
正解:イ
解説:
A:固定相場であることを前提とすると、為替レートは動かないため、経常収支(輸出-輸入)は変化なし、資本収支(資本流入-資本流出)は利子率上昇により流入方向となります(利率が高い方の通貨がいいですよね。)。その結果、国際収支(経常収支+資本収支)は黒字となります。
B:資本流入により外貨が増加しますが、固定相場維持のため、中央銀行はせっせと外貨を買って、自国貨幣を供給するため、結果として外貨準備高が増加します。なお、外貨準備高は日銀等が持っている外貨決済や為替介入用の外貨をイメージいただければOKです。
C:上記Bから貨幣供給が増加し、LM曲線右シフト→有効
以上の流れになります。IS-LM-BP分析(マンデル・フレミングモデル)は慣れるまでよく分からない用語が飛び交う(今回であれば外貨準備とか国際収支とか)ため大変だと思いますが、ある程度パターンが決まっているので取れるようにしておきましょう!
ちなみに私が実際に解く際は、C~Aの順で考えました。ご参考まで。
①C(有効) → イ・エ・オのどれか
②B(円高) → オは×、イかエ
③A(経常収支は動かない) → イが答え
【参考】BP曲線(Balance of Payment)の構成
国際収支=経常収支+資本収支
経常収支=輸出-輸入
資本収支=資本流入-資本流出
お疲れ様でした!
最後に
いかがでしたでしょうか。
なぜか問題の解説を充実させすぎてしまった気もしますが、
分からないことばかりで勉強が進んでいないと感じてしまう方に、少しでも届けばいいなと思っています。
ではいつもどおりの名言コーナーです。
満足な豚より不満足な人間がいい、満足な愚者より不満足なソクラテスがいい
J.S.ミル
(It is better to be a human being dissatisfied than a pig satisfied; better to be Socrates dissatisfied than a fool satisfied.)
ミルといえば功利主義で有名ですが、ベンサムが個の功利主義(最大多数の最大幸福)を唱えたのに対してミルの功利主義は全体最適のイメージが強いです。
そのため、「個人が良ければOKではない」ことを全面に押し出したこの言葉が出てきたのだと思います(質的功利主義とか言われていますね。)。
あえて現時点では不満足なソクラテスを選んだみなさまの選択が社会全体にいい影響を及ぼしていくことと思います。
改めて1次試験までまだまだ時間があります!
15代目には、意外にもこの時期はまだ学習を開始していなかったメンバーもいます(凄すぎますが…)。
長期間の試験勉強となるとモチベーション維持が鍵になるため、成長している実感を持つことができれば、少しでもやる気が湧いてくるのではないでしょうか。
ありがとうございました!
明日はAREです!学習スタイル的な話が聞けるんとちゃうかな?
おーん。
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