診断士と事業再生 ~事業再生の方法~ by s.t.o
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お疲れ様です!
地方受験生の味方、s.t.oです!
本日は事業再生シリーズ第2弾!
企業がどのように事業再生を進めるのか、診断士試験の知識を使って説明します。
事業再生シリーズはこちらから。
最終章 ~診断士と事業再生~
2 事業再生の方法 ←今回はコチラ!!
(改めて)事業再生とは
改めて事業再生について説明します。
事業再生とは
広い意味で言うと、経営難に陥った会社を立て直すこと。
厳密に言うと『会社の再生』ではなく『事業の再生』。つまり、会社の事業を立て直すこと。
それでは本日のテーマ「事業再生の方法」について話していきます。
まずは事前準備からです。
少しボリュームがありますがお付き合いください。
私的整理と法的整理
事業再生を進めるには周囲の協力が必要です。
そのためには、事業再生が必要な経営状況(借入金の返済が困難、債務超過など)であることを周囲に知ってもらう必要があります。
私的整理
これは1次試験の『経営法務』の知識です。
私的整理とは
裁判所の力を借りず、自力で倒産に向けて債権者(主に金融機関)に返済の猶予などの交渉を行うこと。
【メリット】弁護士費用などのコストが不要、手続きが簡潔で迅速
【デメリット】債権者が増えると交渉が困難
法的整理
続いて法的整理ですが、これは私的整理の対になるものです。
法的整理とは
裁判所の力を借りて債権者(主に金融機関)に返済の猶予などの交渉を行うこと。
【メリット】裁判所の協力で債権者への交渉力が高まる
【デメリット】弁護士費用などが必要、手続きが長期化する傾向にある
法的整理には「再建型」と「清算型」があるぞ。
法的整理 再建型と清算型
以下の図は非常に重要です。
再建型:民事再生と会社更生
「再建型」とは事業の再生を目指す手続きです。
「再建型」には「民事再生」と「会社更生」があります。
他にも色々と違いはありますが、主なポイントは上表のとおりです。
清算型:破産と特別清算
「清算型」とは事業の継続を断念することです。
2つの違いは「民事再生」「会社更生」の違いに似てますね。
それじゃあいよいよ事業再生の方法について紹介しよう。
事業再生の方法
合併
まずは令和5年度の2次試験にも登場した「合併」です。
合併とは
2つ以上の会社のが1つになること。
一般的に対価として株式を支払う。対価の柔軟化で金銭等でもOKとなった。
合併には「吸収合併」と「新設合併」があるぞ。
ここでは合併に協力してくれる会社(スポンサーという)の支援を受けて再建を目指すことになります。
株式譲渡
続いて「株式譲渡」です。
株式譲渡とは
既に発行済みの株式を別の者に譲渡すること。
株式の保有割合が変わることで会社の支配者も変わる。
新しい代表者の下で再建を図る方法です。
合併や他の事業再生方法と比べて利用しやすい方法と言われているぞ。
事業譲渡
事業譲渡とは
会社の事業の全部または一部を他の会社に移転すること。
一般的に対価として株式を支払う。対価の柔軟化で金銭等でもOKとなった。
例えば、経営不振の株式会社Aの中で、事業Yだけ再生の可能性があるとします。
この時、事業Yが無くなった株式会社Aは再建困難となり清算されますが、事業Yは株式会社Bのもとで存続し、事業再生を目指します。
今回は事業再生の話なので、事業譲渡した全ての会社が清算される訳ではありません。
会社分割
事業譲渡に似た方法で会社分割があります。
会社分割とは
会社の事業に関する権利義務の全部または一部を他の会社に包括的に承継させること。
一般的に対価として株式を支払う。対価の柔軟化で金銭等でもOKとなった。
会社分割には「吸収分割」と「新設分割」があるぞ。
吸収分割は既に存在する企業に事業Yを承継させます。
事業譲渡と同様、事業Yが無くなった株式会社Aは清算となります。
新設分割は承継する会社を新たに設立して事業Yを承継させます。
こちらも株式会社Aは清算となります。
ここも事業再生の話なので、株式分割した全ての会社が清算される訳ではありません。
事業譲渡と吸収分割って何が違うの?
良い質問だね。
簿外債務とは決算書に載っていない負債のこと。
知らずに引き継いだらたまったもんじゃないよな。
労働者や債権者の保護も重要ですね。
次回予告
次回はより実践的に事業再生の事例について話していきます。
さいごに
明日はおのDです。
Let’s スタD!!
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