「過去問完全マスター」で1次試験をマスターしよう! by どらごん
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どうも、どらごんです。
早いものでもう2回目の投稿です。
突然ですが、1次試験を独学で勉強されている皆さん、どんな教材を使っていますか?
今回の記事では私が「過去問完全マスター」をどのように活用したかを紹介します。だいぶ私個人の独断と偏見と過去マス愛があふれる記事となっています。
それではどうぞ。
過去問完全マスターとは
今更「過去問完全マスターとは」などと説明する必要はないとは思いますが、まあ一応。
また、昨日のくまの記事の「超アウトプット重視」「過去問至上主義」とあわせて読んでいただければ、より効果的かと思います。
過去問完全マスターとの出会い
まずは少しだけ昔話を。
私はシステムエンジニアで、情報処理技術者試験育ち。情報処理技術者試験にも中小企業診断士の1次試験と同様にマークシート式の問題があります。
そのマークシート式の問題のうち6~7割の問題は、過去問とそっくりそのまま同じ内容で出題されます。(マークシート式以外に記述式や論文式の問題があり、その辺りで難易度が高まります)
そんな情報処理技術者試験で揉まれた私は「国家資格の試験勉強は過去問が全て」と刷り込まれて育ちました。
国家試験は法律(診断士の場合は中小企業支援法)に基づいて試験内容が決められているため、試験内容から大きく逸脱した問題は作られない、はず。
そのため、毎年どうしても過去問と類似する問題となってしまう、はずです。
※ただし診断士試験は(情報処理のそれとは異なり)過去問と全く同じ問題は出題されません。
そして2020年1月。
独学で診断士試験に挑戦しようとした私は、過去問に比重を置いた教材をジュンク堂で探しました。(独学となった悲しい?理由は前回の記事で)
そして出会ったのが同友館社の過去問完全マスターです。
私は過去問完全マスターがなかったらまず間違いなく1次試験を突破していなかったでしょう。
過去問完全マスターの強み
過去問完全マスターの強みは以下の4点です。
- 論点別に学習ができる
- 頻出問題のみ学習できる
- 適度な解説
- 充実した問題量
最初の2点だけでお釣りがもらえるくらい十分な強みとなっています。
【論点別に学習ができる】
他の過去問題集が年度別に編集されているのに対して、過去問完全マスターは論点別に編集されています。『財務・会計』であれば「簿記」「財務諸表」「経営分析」「原価計算」などの論点です。
論点別の似たような問題を繰り返し解くことにより、短期間で体系的に知識を整理・習得することができます。
また頻出論点や不得意論点を把握し、それを克服することで効率的に学習することができます。
【頻出問題のみ学習できる】
過去問完全マスターには各問題に頻出度としてA~Cが設定されています。
過去10年間で同様の問題が繰り返し出題されているかよってA~Cが設定されています。
- (A)3回以上出題されている
- (B)2回出題されている
- (C)1回しか出題されていない
この頻出度を活用することで効率的に学習することができます。
例として「過去問完全マスター 企業経営理論 2022年度版」の頻出度の内訳は以下の通りです。
あくまで企業経営理論だけの数値ですが、
- AB問題で77%ある → AB問題で8割、C問題で4割取れれば70点以上取れる。
- A問題だけで54%ある → A問題で8割、BC問題で4割取れれば60点以上取れる。
などの学習計画(皮算用)が立てられます。
また科目や論点ごとに頻出度が異なるため、その辺りも考慮に入れた学習計画も有効です。例えば以下のような計画です。
- 経営戦略論は頻出問題が多いため学習時間がない場合はA問題のみを解く
- 組織論のうち労働関連法規、人的資源管理は頻出問題が少ないため、他のインプット教材で広く知識を強化する
【適度な解説】
だいたい1ページ内に問題が掲載され、ページをめくった裏の1ページに答えと解説が掲載されています。解説は的確な文章で端的に書かれているので理解しやすいです。
【充実した問題量】
過去10年分の過去問が掲載されており圧倒的なボリュームです。問題量が多いため頻出度の精度も高いです。
過去問完全マスターの弱みと克服法
過去問完全マスターの弱みは以下の9点です。(多いな…)
- 本が分厚い
- 問題の難易度が分からない
- インプット情報不足
- 問題量が多い
- 誤記が多い
- 時間配分が分からない
- ページの右側に答えがある
- 経営法務の法改正に弱い
- 中小企業経営に弱い
それぞれ克服法も合わせて説明します。
【本が分厚い】
一番ページ数がある『企業経営理論』は、800ページ超で厚さ約4cm、重さ約860g。ちょっとした鈍器です。持ち歩くのも、ページを固定するのも一苦労です。
- 克服法
私はこうしました。
ちょっと分かりにくいのですが、DIYで『企業経営理論』を「経営戦略論」「組織論」「マーケディング論」の3分割にしました。また『運営管理』も「生産管理」「店舗・販売管理」の2分割にしました。
「問題集を分割する方法」でググればやり方は出てきます。分割に使用したハサミと厚紙と製本テープは100円ショップで購入しました。自己責任でお願いします。
【問題の難易度が分からない】
過去問完全マスターには難易度は掲載されていません。正答率数%の激ムズ問題の理解に時間をかけたくないです。(他の過去問題集は「難易度が分かる」ことが強みです)
- 克服法
これはのちほど。
【インプット情報不足】
アウトプット教材であるため、苦手な科目などは本の解説だけでは十分な理解が得られずインプット情報不足になると思います。
- 克服法
インプットの教材を購入し、他の科目のアウトプットと並行して読み込みましょう。他にもWEBサイトやYouTubeなどの情報も有効に活用しましょう。
【問題量が多い】
強みでもありましたが、過去10年分ゆえに問題量が多いです。
- 克服法
基本的に頻出度ABの問題は全て解いておきたいです。『企業経営理論 2022年度版』はABだけで312問。1問あたり5分かけたとして26時間。1日2~3時間として約10日間で終わります。
ただし、本試験まで時間がない場合や1周目の場合は頻出度Aのみを解く、など頻出度を計画的に活用してください。
また、超頻出問題は同じような問題が続きます。そのあたりも臨機応変に省くことで調整が可能です。
【誤記が多い】
残念ながら記載内容の誤りが多い書籍です。
「レイト・マジョリティ」が「レイト・マジョョリティ」となっている箇所などは可愛いもので、中にはアイウエの解答が致命的に誤っているものもあります。
- 克服法
公式サイトの正誤表を定期的に確認しましょう。周回の解きはじめに必ず確認する、など意識しましょう。ちなみに2021年度は『経済学・経済政策』で一番誤りが多く、全体の約半分を占めていました。
【時間配分が分からない】
論点別であるがゆえに、年度全体を通した場合の本番試験を想定した時間配分が分かりません。
- 克服法
模試を受けましょう。模試を受けない場合でも、最低1回は本番と同じ時間で1年度分の問題を解いてみましょう。
真面目に解いてみたら意外と時間が足りません。本番のシミュレーションとして有効です。捨て問を判断する訓練にもなります。
【ページの右側に答えがある】
本の右ページの上部に答えが記されている場合があり、左ページで問題を解いている途中で右上に答えがチラチラします。(ページ構成が調整されているため数は少ないです。)
- 克服法
答えがチラチラ見れるページの答え部分はあらかじめ黒塗りしておきましょう。解説を最後まで読めば正答は分かります。
【経営法務の法改正に弱い】
私は1次試験の1年目にこの沼にはまりました。(というよりはただの情報収集不足)
過去問完全マスターは過去問に特化しているため最新の法改正に基づく新問題に弱いです。
私が『経営法務』で赤点(36点)となって1次試験不合格となった令和2年度は、100点中28点(7問)が最新の改正民法からの出題でした。そのうちあと1問だけでも…覆水盆に返らずです。
- 克服法
2年目はTAC社の「スピード問題集」をアウトプット教材として活用し、弱点克服として活用しました。「スピード問題集」は過去問ではなくオリジナルの問題集なので法改正にもバッチリ対応しています。
【中小企業経営に弱い】
『中小企業経営・政策』の『中小企業経営』は主に直近の中小企業白書からの出題です。よって『経営法務』の法改正と同じ理由で、『中小企業経営』の問題に弱いです。
- 克服法
こちらも他教材を活用しましょう。私は『中小企業経営』は「一発合格まとめシート」と「TBC特訓問題集」を活用しました。
過去問完全マスター活用例
以下、私の場合の過去問完全マスターの活用法を紹介します。一例としてご参考下さい。
まず過去問完全マスターはアウトプットからインプットのプロセスで学習の効率化を図りました。何も知識がない状態で『企業経営理論』の頻出度ABの問題を解き始めました。
当然に分からない問題が多く、1周目はしっかりと解説を読み込みマーキングや書き込みをして知識をインプットしていきました。
問題を解く際は本番を意識して“1問にかける時間は2分”と決めて取り組みました。
問題に対する個々の解答は「〇:選択肢を含め全部理解できた」「△:なんとなく答えは分かる」「×:答えが分からない」に分類し、オリジナル管理用紙に記録しました。
1科目あたり10日間前後で終わらせます。全科目1周目が終わった後、2周目、3周目と解いていきます。
その際2~3周連続「〇」だった問題は対応済みと認定し、次周目からは対象外として「△」「×」のみを解いていきました。
逆に3周連続「×」だった問題は難問・奇問と認定し、次周目からは対象外として段階的に問題を絞り込んでいきました。
(弱みの「問題の難易度が分からない」の克服)
イメージとしては「理解が必要な問題を絞り込む」です。
解いていった科目の順番は各予備校が推奨する以下の順番です。
- 企業経営理論
- 財務・会計
- 運営管理
- 経済学・経済政策
- 経営情報システム
- 経営法務
- 中小企業経営・政策
なお『経営法務』の英文問題や『経営情報システム』の統計に関する問題は、労力の割に点数が低いと判断し、最初から対象外としました。(本番では鉛筆を転がしました。)
最後に
1次試験に合格する条件は「7科目の総点数が60%以上であること」かつ「1科目でも40%未満でないこと」です。「各科目100点を取ること」でも「受験者の上位20%に入ること」でもありません。
上記の条件を踏まえ、1次試験で合格するためには「理解が必要な問題を絞り込む」作業が重要だと考えます。勉強時間を有効活用したいため、「容易に理解できる問題」や「全くチンプンカンプンな問題」にあまり執着しないようにしたいです。
過去問完全マスターで過去問を効率的にマスターし、1次試験を突破しましょう!
…と、ここまで紹介していて何ですが過去問完全マスターも万能ではありません。私が紹介した活用法も万人受けするものではありません。
一昨日のhotmanの記事にもありましたが、重要なことは「自分に合った学習法を見つけること」です。
学習法もパクるだけでなくカスタマイズすることがより重要です。
過去問完全マスターも最適な用法・用量で活用してもらえればと思います。
あとせっかくなので「おみやげ」というほどでもないのですが、今回私の活用例で紹介した「企業経営理論 2022年度版」のオリジナル管理用紙のExcelファイルを置いておきます。
パクってカスタマイズしてご活用いただければ幸いです。(他科目は同じ要領で皆様自身で作ってみてください)
明日はまよです。お楽しみに。
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こちらの記事を参考にさせていただいてます。こちらの管理用紙は大変便利です。使わせていただきありがとうございます。他の科目もこれを使って管理したいと思います。
よしのりさん
コメントありがとうございます。
ぜひ有効活用して合格に結びつけてください。
応援しています。
過去問マスター活用参考になりました。
科目によってはAB問題に集中して解答するのも良さそうです。
グラスホッパーさん、コメントありがとうございます。
私個人の話をすると、全科目、AB問題のみを集中的に解ていました。
C問題はとりあえずダウンロードしてザっと斜め読みした程度です。
C問題は1回しか出題されていないこともあり、奇問・珍問が多いですからね。
引き続き、勉強頑張ってください。
ダウンロードして使わせていただきました。
すごく便利でとても重宝してます!!
とても見やすいですし。
ぜひ他の科目も作っていただきたいです!
たろさんへ
オリジナル管理用紙、使っていただき光栄です。
今後の記事執筆の励みになります。
私自身、この管理用紙と記事に書いている勉強法で
一次試験を突破したので、ぜひたろさんも頑張って
頂きたく思います。
なお当方が他科目の管理用紙も対応するためには
その科目の過去問完全マスターを購入しなければ
ならず、個人的にハードルが高いです。
より多くの声が挙がれば具体的に検討します。
期待させて大変申し訳ございません。
お待たせるのも心苦しいので、企業経営理論と
同じ要領で、たろさん自身で作ってみてください。
以上、宜しくお願いします。
勉強法、試験合格への考え方に感銘を覚えました。
是非他科目の管理用紙も欲しいです。
ご検討よろしくお願いします。
ようすけさん
感銘していただき恐縮です。
私も記事執筆の励みになります。
なお当方が他科目の管理用紙を作成するためには
その科目の過去問完全マスターを購入しなければ
ならず、個人的にハードルが高いです。
より多くの声が挙がれば具体的に検討します。
期待させて大変申し訳ございません。
お待たせるのも心苦しいので、企業経営理論と
同じ要領でようすけさん自身で作ってみてください。
以上、今後とも宜しくお願いします。