『ふぞろい』との向き合い方 〜のきの場合〜

どうも、のきです。

なんだかジメジメした季節になってきましたね☔️
気持ちだけはジメジメしないように気をつけていきましょう!

去年のこの時期、自分は何をしていたかなと振り返ると試験1ヶ月前ということで、ひたすら過去問マスターを回していました。
これまでの学習を通じて明らかになった、怪しい論点を一つ一つ説明できないものがないように潰し込んでいました。

今年はまだ試験まで3ヶ月弱あるので、ペース配分が難しいとは思うのですが、1次試験でやるべきことは大きくは変わらないと思っています。
理解が不十分であったり、苦手な論点を一つ一つ丁寧に潰し込んでいき、試験当日まで自分の知識レベルを一つでも高いものにしていくことです。

私は1ヶ月前の時点で相当な時間(確か700時間くらい)を1次試験の学習に費やしていたので、これまでに解いた問題で答えを覚えてしまったものもありました。
そんなときに行ったのが「予備校講師なりきり学習」です。
予備校講師になりきって、初めて問題を解いた受験生に説明するつもりで、問題の解説を行うというものです。
この学習をすると、自分の理解が不十分な箇所はうまく説明ができないため、問題を解くというプロセスからは見つけづらい理解不十分な点を浮き彫りにすることができます。
問題演習に飽きたり、行き詰まりを感じている人は試してみてはどうでしょう?
あ、ただ周りには注意してくださいね。
一人で空に向かって話している姿を事情を知らない人が見たら、勉強しすぎて頭がおかしくなったと思われかねないですから笑

さて冒頭で1次試験の話をしましたが、今回は2次試験で鉄板の参考書と言われている『ふぞろい』の話をしたいと思います。
診断士の2次試験ではメジャーな参考書と言える『ふぞろい』。
試験の解答が公開されない2次試験において必須の参考書と言っても過言ではないと思っていますが、個人的にはいくつかの意識を持って取り扱う必要があるのではないかと考えています。

そんなわけで、今日は私、のきが考える『ふぞろい』との向き合い方をお話ししていきます。
ふぞろいを使ったことのある方は『ふぞろい』をご自身の使い方を考え直すご参考に、これまで『ふぞろい』を使ったことがない方はどのように活用していけば良いかの参考にしていただければと思います。

では、いきますよ〜

『ふぞろい』という書籍の性質

『ふぞろい』という参考書との付き合い方を考えるにあたり、まずは『ふぞろい』がどのような参考書なのかを確認していこうと思います。
書籍を構成する主要な要素であると個人的に感じたものを紹介します。

受験生から投稿していただいた再現答案をもとに分析

昨年発売されたふぞろい13であれば、274名の受験生の方から投稿いただいた再現答案を用いて分析しており、分析にあたって使用された再現答案が各設問ごとに4〜6個掲載されています。
また、後述のランキング作成において重要と思われるポイントが先生と受験生の対話という形式で述べられています。

合格者+A評価(60点以上)に多く使われたキーワードをランキング化

投稿いただいた再現答案と評価の情報をもとに試験で加点されたと思われるキーワードを抽出しています。

また、より多く使われたキーワードが極力高い配点になるように並べられているのも特徴だと思います。

合格者6名分の再現答案と属性、当日の思考を掲載

毎年発刊される『ふぞろい』の後半にはふぞろいを執筆したメンバーのうち属性や受験回数等がふぞろいな6人が試験当日までの勉強方法、試験当日の思考、再現答案を記載して、「80分間のドキュメント」として紹介しています。

学習時間や学習スタイル等が異なる6人がそれぞれに置かれた状況を書いているため、学習スタイルや勉強方法が参考になる一人を見つけることができるパートになっています。

試験に取り組む際のTIPSを紹介

各事例の分析の後に事例ごとの対策方法や、2次試験全般のノウハウなどが記述されています。
初めて2次試験に臨む人には、そもそもどのように2次試験に臨むべきかのヒントを得る記事が複数あります。

また、各ページの下には、試験をとってやりたかったことといった真面目なテーマや受験生あるあるといった少しゆるいテーマをふぞろいの執筆者が回答するコーナーがあります。

上記の4つが概ね『ふぞろい』におけるメインのコンテンツだと私は考えています。
これらのコンテンツがあることを踏まえて、私の考える優れた点・イマイチな点をあげていきたいと思います。

ちなみに複数出ているふぞろいシリーズの書籍で何を選べばいいかわからない方は、ふぞろいブログのこちらの記事を参考にされるといいと思います。
また、令和2年度の2次試験を収録するふぞろいな合格答案14は6月21日発売予定で予約受付中です。
1次試験が終わってすぐのタイミングは、2次試験の参考書が全体的に品切れになるので、今年1次を突破して2次に挑むぜ! という方は早めに購入しておくことをオススメします。
私は昨年1次試験後に本屋に買いに行ったところふぞろい13が手に入らなくて、その日1日の勉強のやる気が削がれた記憶があります笑

『ふぞろい』の優れた点

ここでは『ふぞろい』の優れた点を挙げていきます。

優れた点と書くとちょっと上から目線な気がするので、少し言葉を変えます。
私が学習を進める中で「これ、いいな」だとか「これ、便利だな」と思った2点だけ述べていきます。
(なぜ、2点だけなのか、ですか? そりゃ、私が全部書こうとしたら、それはそれは長々と書いて、結果誰も読まn ゜o(○==(゜ο゜)o p パーンチ!)

受験生の書いた再現答案が載っている

私が、2次試験の学習を始めた当初、予備校の出版した過去問題集の解答を見ながら復習をする中で思ったことがあります。

「どうやったら予備校の模範解答みたいな答案が書けるのだろうか?」
こんな芸術的な答案書ける気しないんだけど……。」

実際に過去問を解いて予備校の模範解答を見てみるとそれはそれは論旨明快な芸術的な文章の解答が記載されています。
自分の書いた答案と比べて天と地以上の差がありすぎて、正直「あー自分センスないからこんな答案書けないやー。絶対無理だわー。受かる気しねー」と思いました。要は途方に暮れたわけですね。

途方に暮れたところで、現実逃避のネットサーフィンをぶちかますなかでもやっぱり気になって診断士2次試験の攻略方法を検索してしまう受験生の性。そんな時に『ふぞろい』を見つけました。
なんか良いって書いてあるからという若干斜に構えた姿勢で、とりあえず見てみるかといことで本屋さんに行きました。(ちょっと心が折れてやさぐれていたんでしょうね。)
最新(当時)のふぞろい13は売り切れていたものの、とりあえず残っていた『ふぞろい』を見つけ、立ち読みしました。
そこには受験生の再現答案が載っていて、予備校の答案とは違って、まだギリ頑張れば書けそうな答案かもしれないという印象を受けました。(そして、そのままレジに向かいました)

予備校の模範解答を否定する気持ちは全くありませんし、コンサルとして最終的にクライアントに提出する成果物であるならば、予備校の模範解答レベルのクオリティであるべきとは思います。

しかし、ズブの素人が、80分という限られた時間でやるにはちとハードルが高いがするんです。
そんなわけで、実際に受験生の再現答案から学ぶ方が自分の実力にまだ近いので、得るものを見つけやすいような気がします。

そういう意味で、実際の個人紹介を掲載してくれている『ふぞろい』は学びを多く含んだ参考書であると考えています。(特に、始めて2次試験の学習をする人に)

合格者の再現答案をもとに合格答案の分析をしている。

中小企業診断士の2次試験では正解が公表されていないため、正式にどんな解答が試験として求められているのか推測はできるものの、絶対解は試験委員の先生以外誰も知りえません。

そのため、各予備校等では講師の総力を挙げて模範解答を作成しています。
しかしながら、予備校の過去問を見てみるとわかるのですが、実は予備校によっても解答が割れていて、何が解答としてあるべきなのかわからなくなり、混乱しました。

そんな中で、合格者や合格点をとっている受験生が多く使っているキーワードを集計して加点項目として、キーワードをベースに採点を行うという方向性が学習始めの時の自分にはすごくしっくりきました。暗中模索だった状態から解放されて少しだけホッとしたのと覚えています。(まぁ、ホッとしたのも束の間、その後の学習も大変だったんですけどね)

キーワードという理解しやすい要素にまで分解して分析している参考書は(私の知る限り)『ふぞろい』以外にないため、ここは2次試験の学習において重要なポイントだと思います。

『ふぞろい』のイマイチな点

メリットがあればデメリットもあるように、「いいな」と思った点があれば「イマイチだなぁ」と思ったこともありました。優れた点と同じく2点紹介します
(だらだら書くと読んでもらえn゜o(○==(゜ο゜)o p パーンチ!))
あくまで個人的な意見ですので、参考にされる程度に留めていただければと思います。

キーワード採点の不完全性

実はこの視点は自分自身で気づいたわけではなく、タキプロの勉強会に参加している時に昨年の合格者から指摘をされたものです。

ふぞろいの使い方がなんとなくわかってきた頃、解いた過去問をふぞろいで採点してかなり高得点だった答案を持って勉強会に参加しました。

良い点数が取れた答案は良い答案ですねと言われるに違いないと信じて疑わなかった、根拠のない自信を持った1年前の私。

その勉強会で参加していた昨年度の合格者に言われたことは

「何を言っているか分かりづらい

「キーワードの羅列で事例企業に寄り添って論理的に書けていない

「社長が聞いたら、知ってること、聞いたこと並べただけだなと思うだろうね」

と散々なものだったわけです。

『ふぞろい』を使っていく過程で『ふぞろい』で点数が取れる解答を書くことに焦点を合わせてしまって、2次試験において重要なことがすっかり頭に入ってなかったのです。

キーワード採点という誰でもできる方法ではあるものの、キーワードだけでは2次試験で重要なことを網羅しきれないということです。(私が重要だと考えることはまた別の機会で)

この点については『ふぞろい』自身も認識していて、書籍の冒頭、「『ふぞろいな合格答案』の理念」に不完全さの認識として書いており、採点方法や模範解答を完璧に想定することは不可能であるという事実があることを認めています。

そういった意味でも参考書を使う受験生側がどう向き合うかを考えないといけないと思います。

合格者答案の取り扱い

ある程度学習が進んできた時期(9月中旬くらい)にいつも通りふぞろいを見ながら自分で解いた過去問の採点をして復習をしていました。

ふぞろいの分析ページに載っている合格者の答案の中で、個人的にどうしても合格者の答案として受け入れられない文章があってモヤモヤしていました。

このモヤモヤの原因は「合格者」という括りに原因がありました。

『ふぞろい』では再現答案を「合格者+A 評価(不合格で60点以上)」、「B評価(不合格で50〜59点)」、「C評価(不合格で40〜49点)」、「D評価(不合格で40点未満)」に分類して分析しています。

勘の言い方はこの分類に違和感を持ち、その原因に気づいていると思います。

そう、「合格者」の点数のばらつきの存在ですね。

2次試験合格には1事例も40点未満がなく、合計240点取れていれば、それぞれの事例の点数はどんなに点数にばらつきがあっても「合格者」です。
つまり、ある事例では40点ちょうどの場合もあれば90点以上の超高得点の場合もあるということです。

そう言ったばらつきのある「合格者」という属性を取り扱っている以上は仕方ないところがあるとは思います。
おそらくそう言った答案が合格者答案として掲載されないようにフィルタリングされるものと思いますが、そこは模範解答が公開されていない2次試験なので確実に除去するのは困難ですよね。

なので、そういったことも踏まえて使い手側が取り扱いを考慮する必要があるなぁと感じました。

のきの考える『ふぞろい』との付き合い方

『ふぞろい』を使っていく過程で、上にあげたような特徴を認識していったので、自分なりにふぞろいの向き合い方を以下のように定めました。

のき のふぞろいとの付き合い方 4箇条
参考書はあくまで「参考」書。受け売りだけでなく、自分の頭でも考える。
合格答案は絶対解ではない。その中のいいところを盗む。
なぜそのキーワードが加点項目になり得るのか自分で考える。
キーワードを盛り込みつつも、読みやすい論理展開が明確な文章を意識する。

ここまで述べて誤解があるといけないので、最後に申し上げますが、私は中小企業診断士の2次試験において『ふぞろい』はマストバイと言える参考書であると考えています。

しかし、『ふぞろい』にはいくつかの前提が設定されている以上、参考書を使用する読者も盲信するのではなく、自分の頭で考えて「参考書を使う」ことが求められる参考書であると考えています。

これは診断士の2次試験の解答が公表されないという性質が故に必然的に生じる事象のため、書籍そのものを批判することは筋違いであると考えます。
なので、せっかくお金を払って買った参考書を「どうやってもとを取れるか」と考えて活用してみてください。

そしてぜひ、『ふぞろい』を活用して合格を引き寄せていってください。

最後まで読んでいただいた方はありがとうございます。
実は私がセミナーまとめ以外で2次試験の記事を書いたのは今回が初めてです。
次のネタは決まっていません。1次試験かもしれませんし、ゆるわだかもしれません。
乞うご期待!

ではでは〜ノシ

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『ふぞろい』との向き合い方 〜のきの場合〜”へ2件のコメント

  1. ロム より:

    今月に販売されるふぞろいは既に予約済でして、到着次第今まで取っておいた令和2年度の二次試験の過去問に挑戦してみようと計画を立てています。
    ただ、まだ自分の中でふぞろいをどのように活かしていけばいいのか、明確に定まっていない状況です。
    今回の記事でも紹介されていたように、自分の頭で考える分析に比重を置いてふぞろいを活かしていきたいと思います!

    1. のき より:

      ロムさん

      ふぞろい14を既に予約済みとのことで、仕事が早い!
      参考書はどのように使うかで効果が変わってくると思いますので、ぜひご自身の現状を踏まえつつ、どうやったら活用できるか考えていっていただければと思います。
      頑張ってください!

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