令和3年施行 改正会社法 ~その2~

こんにちは!よがです!

本日は令和3年3月施行となりました改正会社法の内容の「その2」をお届けします。

その前に経営法務ってとっつきにくくて覚えにくいですよね。そんなあなたに経営法務の知識に触れられる漫画を少しご紹介します。

「夫が自殺したので会社はじめました。」という漫画なのですが初めの方の「会社ってどうやって作るの?」のお話では経営法務でも出てくる定款作成の部分の知識がチラッと出てきたり、会社ってどうやって作るのかがイメージしやすいので、オススメです。今、ピッコマなどで無料で読めるようですので、お時間に余裕があればご一読ください。

それでは、改正会社法の「その2」をお届けします。
※その1はこちらをご確認ください ⇒ 令和3年施行 改正会社法 ~その1~

改正会社法の全体像

改正会社法の全体像は「その1」でも掲載した下記の通りですが登記関連と議決権行使書面の閲覧等の権限の変更点は細かすぎて恐らく出ませんので、以前からランクを下げております。

【改正会社法の全体像】

中小企業診断士試験においてを出そうな内容を総合評価としてA~Cにランキングしていますが、私が勝手に判断しただけですので、予めご了承ください。

「その1」でもご紹介しましたが、Aランクにしている項目であっても出るか出ないかで言うと、出ない可能性の方が高いため、まずは皆さんお持ちの経営法務のテキスト・問題集・過去問の頻出項目への取り組みを優先いただくことをお勧めします。しかし、出ない可能性が高いまでも、知っておくことで経営法務への安心材料になりますので、ご紹介する【テキストにちょい足し】する部分だけでもテキストに書き込んで記憶の片隅に留めておいてください。

その2では、株式・債権と登記とその他の論点の改正点をご紹介します。では、1点ずつ見ていきましょう!!!

※3-2全部取得条項・株式併合の事前開示事項は細かすぎるので、紹介は割愛し、上記表のみの記載となります。

3-1. 株式交付制度の新設

【概要】

株式会社が他の株式会社を子会社化する際、完全子会社化ではないものの、議決権50%超であれば、株式を対価として他の株式会社を買収することが出来る「株式交付」という新しい組織再編の制度が加わりました。

 

【ちょこっと解説】

初っ端から「その2」の内容で1番大切な内容であり、本改正の中では1番試験にも出やすいのではないかと思いますので、じっくり書いていきたいと思います。

皆さんのテキストに記載があるかと思いますが、株式会社が自社の株式を対価として、他の株式会社を買収する方法としては「株式交換」という方法があります。しかし、この株式交換は、買収する会社が買収される会社の発行済株式の全てを取得する完全子会社化の場合でなければ利用できず、少し使いにくさがありました。

そこで、株式会社が自社の株式を対価として円滑に他の株式会社を買収する方法として新設されたのが「株式交付」です。「株式交付」制度では、完全子会社化ではないものの、議決権50%超であれば、株式を対価として他の株式会社を買収することが出来ます。つまり資金の少ない中小企業でも自社の株式を対価として他社を買収することが出来るのです!現在、日本のM&A件数は高水準で推移していますが、この株式交付で更に弾みがつく可能性もあると言われています。

そんなインパクトもあり、中小企業にも大きく関わり得る株式交付を株式交換を2つを図で比較するとこちらの通りです。

 

【株式交換】

【株式交付】

大きな違いは株式交換は株式100%保有して完全子会社化させなくてはならないところを株式交付は議決権50%超保有であれば株式を対価とする組織再編が可能な点です。

 

また、組織再編の一つとして株式交換と株式交付を比較すると下記の通りです。

※例外あり。例外内容は細かいので説明は割愛します。
特に注目いただきたい違いは下記の通りです。株式交付は株式会社でしかでしか出来ません。
株式交付は略式組織再編はありません。
③株式交付は株式交付親会社と株式交付子会社株主とのやり取りとなるため、
 「事前事後の書類の設置」「株主総会特別決議の要否」「株式買取請求権」は
 全て株式交付親会社のみとなります。

他の会社を子会社化する場合の選択肢が増える株式交付制度は、資金に余裕がない非上場の中小企業間での企業買収や事業承継でも利用できそうですね!

テキストにちょい足し

組織再編の説明箇所に下記を記載

「株式交付制度では、議決権50%超であれば、株式を対価として他の株式会社を買収することが出来る。」

※上記の株式交換と株式交付の比較表も転記してもらえると嬉しいです。

3-3. 社債関係

【概要】

(1)社債管理補助者

社債管理者の業務を補助する社債管理補助者を新設されました。

(2)社債権者集会

社債権者全員の同意により代替できる旨が明文化されました。

 

【ちょこっと解説】

(1)社債管理補助者

会社が社債を発行する場合には、原則、社債管理者の設置が必要ですが、一定の条件をクリアすると社債管理者を設置しなくても済みます。

 

社債管理者を設置しなくても良い場合の条件

①各社債の金額が1億円以上である場合
②又はある種類の社債の総額を当該種類の各社債金額の最低額で除した数が50未満である場合
(ここは試験でも問われる論点です)

社債管理者はなり手も少なくコストも高いため、日本で発行される社債の約 8 割は、社債管理者を置かない社債管理者非設置債として発行されているのです。ただ、何もなければ良いですが、債務の不履行が発生し、各社債権者が自ら倒産手続における債権届出等をしなければならなくなったりしたら大変です。

そこで、社債権者を補助する「社債管理補助者」を作ろう!ということになりました。社債管理者を設置する必要がないときは、社債権者が自ら社債の管理をすることを前提として、社債管理補助者を設置できます。

具体的に社債管理補助者の権利には、社債権者のために破産手続きで債権の届出をする権限、社債権者の請求等により社債権者集会を招集する権限等が認められています。また、社債管理補助者のなり手には、社債管理者になることができる者に加え、弁護士および弁護士法人が定められています。

 

(2)社債権者集会

社債全部に関する支払猶予や訴訟行為など、会社法上の一定の事項については社債権者集会という会議体の決議が必要とされてきました。しかし、実務上、機動的な意思決定のために、社債権者の全員の同意があるときは、社債権者集会の決議の省略を認めてほしいという要請が多々発生しました。

そこで、社債権者(議決権者)全員が、書面または電磁的記録により同意の意思表示をした場合は、社債権者集会の決議があったものとみなされることとなりました。

テキストにちょい足し

社債の説明箇所に下記を記載

「社債管理者を設置する必要がないときは、社債管理補助者を設置できる。」

「社債権者(議決権者)全員が、書面またはメール等により同意の意思表示をした場合は、社債権者集会の決議があったものとみなされる」

4-1. 登記関係

【概要】

新株予約権の登記事項が一部簡略化し、支店所在地の登記が廃止されました。

 

【ちょこっと解説】

新株予約権を発行した株式会社は、新株予約権の登記が必要であり、その中で新株予約権の払込金額の算定方法も登記する必要があります。しかし、実務上、詳細かつ抽象的な数式等の登記を要し、申請人にとって煩雑な事務が負担となっていたり、資本金の額に直接的に影響はあまりない点が指摘されていました。そこで、その登記事項は、登記申請時までに金額が確定していればその金額を登記すれば良いこととされました!

また、これまでは支店を登記しようとする場合には、本店所在地における登記のほかに、支店所在地を管轄する法務局へ支店登記を申請しておりました。しかし、今回の改正によって、支店所在地での登記は廃止されます。登記実務的には影響の大きな改正ですが、支店登記自体が不要となるわけではありません。

登記内容までは試験に出ないかなぁと思うので、頭のほんの片隅の片隅に置いて頂ければと思います。この項目に関してはテキストちょい足しも必要ないかと思います。

4-2. 代表者の登記住所の扱い

【概要】

代表者住所の登記事項証明書等への開示を一部制限されることになりました。

 

【ちょこっと解説】

登記事項には、株式会社の代表者の住所が含まれています。この代表者住所が登記簿謄本等に記載されることについて、プライバシー保護の観点から従前より議論がありました。そこで、簡単に請求できるインターネットで提供される登記情報においては代表者住所を記載しないものとなりました。

ここもかなりマニアックな内容で試験では問われないと思いますので、テキストちょい足しは必要ないかと思います。

5-1. 責任追及の訴訟における和解

非常に細かい論点で、試験には出ないかと思いますので、詳細は割愛します。

簡単に説明しますと、株式会社が取締役等の責任を追及する訴訟において和解をするには、機関設計に合わせて監査役、監査等委員、監査委員の同意を得なければならないことになりました。

5-2. 議決権行使書面の閲覧等の権限

【概要】

個人情報保護の観点から閲覧拒否事由が新設されました。

 

【ちょこっと解説】

株主総会の議決権行使書面は、株主が閲覧を請求することができます。議決権行使書面の閲覧請求に特に拒絶事由が定められていませんでした。一方、株主名簿の閲覧については、会社のオペレーション負担や情報保護に配慮した一定の閲覧拒絶事由が規定されています。

このため、議決権行使書面の閲覧請求が業務妨害目的でなされているのではないかとの指摘や、株主名簿の閲覧を拒絶された場合に株主の住所を確知するために濫用的に議決権行使書の閲覧請求がなされる懸念があるとの指摘がありました。

このような指摘を踏まえ、今回の改正では、議決権行使書等について、株主名簿と同様の閲覧拒絶事由が追加されました。

ここもかなりマニアックな内容で試験では問われないと思いますので、テキストちょい足しは必要ないかと思います。

5-3. 成年被後見人等の取締役等欠格事由の廃止

【概要】

成年後見人、被保佐人の欠格事由を廃止し、成年後見人、被保佐人の就任の際には、成年後見人等による同意が必要になりました。

 

【ちょこっと解説】

もともとは成年被後見人や被保佐人は取締役や監査役などになることができないとされていましたが、成年後見制度の利用の促進に関する法律などを踏まえて、この欠格事由条項が削除されることになりました。

ただし、成年後見人・被保佐人を取締役等に就任させる場合は、成年後見人・保佐人が同意等をしなければなりません。

テキストにちょい足し

取締役の欠格事由の説明箇所に下記を記載

「成年後見人、被保佐人の欠格事由が廃止。ただし、成年後見人・保佐人の同意等が必要。」

さいごに

本日は会社法改正の後編として株式・社債と登記とその他の論点についての改正内容をご紹介しました。

特に重要なのは「株式交付」です!
株式交付だけでも【テキストにちょい足し】の部分を新たにテキストに加えて経営法務に備えてもらえればと思います!

次回は独学受験サポーターのアヤカです!お楽しみに♬

Follow me!

令和3年施行 改正会社法 ~その2~”へ2件のコメント

  1. ロム より:

    勤めている会社でも、ここ最近2つの会社を買収したようなのですが、
    ①一体どういった方法なのか
    ②関連会社なのか子会社なのか
    など、よく分からなかったし自分の業務に関係ないと思って読み飛ばしておりました。
    しかし今回の記事を読んで、色々な条件によって手法が変わってくるんだなぁ、とちょっと興味が湧いたので時間があるときに調べてみようと思います。

    1. よが より:

      ロムさん
      コメント頂きまして誠にありがとうございます。
      企業規模問わず企業買収による成長は重要な選択肢となってますので、
      株式交付含む組織再編の内容は社会人としても知っておくと役立ちそうですね!
      ロムさんの場合はお勤めの会社の事例で勉強できれば素晴らしい相乗効果ですね!
      経営法務は馴染みにくいですが、自社事例などで身近なものとして勉強がんばってください☺

コメントを残す