【合格体験記】独立自尊の精神で~うちあーのさん~
今日はクリスマスイブ。こんにちは、JCです。
2012年目標で勉強をなさっている皆さんに、本日はクリスマスプレゼントをお届けします。
診断士受験生の人気ブログ「独立自尊の精神で目指す中小企業診断士」でおなじみの「うちあーのさん」に合格体験記をお願いしてしまいました。
最終合格発表前にも関わらず、僕の無理なお願いを快く引き受けてくださった、うちあーのさんにとっても感謝です。
それでは、うちあーのさんの合格体験記をお楽しみください。
(※注: 色・太字やハイライト等の修飾はJCが勝手につけておりますのでご了解くださいませ。)
======寄稿ここから======
「私の合格体験記」
1.自己紹介
はじめまして!うちあーのと申します。
私は、2010年度に1次試験4科目合格、そして今年2011年度に1次試験の残り3科目及び2次筆記試験に合格しました。
今回は、受験勉強期間中に幾度もお世話になった一発合格道場への恩返しの気持ちを込め、合格体験記を寄稿させて頂くことになりました。
上記の通り、私の場合はストレート合格を果たせず2年がかりでの合格となった経歴ですので、初学者の方々はもちろんですが、特に、今年残念な結果に終わり、これから1年間どう過ごすか悩まれている受験生の方々に少しでもお力添えできればと思います。
2.中小企業診断士の資格取得を目指した理由
私は、商社や外資系メーカーで主に営業職として長年業務経験を積んできました。営業のみならず海外駐在や購買、生産管理や品質管理など幅広い業務に携わってきましたが、それらは無形式知であり、このまま漫然と過ごせばいずれは陳腐化してしまう、という危機感を感じるようになりました。
「何かを変えなければ」と模索する中、診断士の資格を知り、「これなら今までの経験を体系的に学べ、国家資格取得となれば見える化できる」と考え、受験生生活をスタートする決意をしました。
3.1年目の軌跡と失敗
複数の受験校を検討した後、2009年9月よりTAC1・2次ストレート本科の通学生として学習を開始しました。
それまでは毎晩のように飲み歩く生活だった為、生活のリズムを変えることが最初の課題でした。
当初は、飲み友達からの甘い誘惑を振り切るのが大変でしたが、そもそも「変わらなきゃ」と自己啓発的に始めたことであり、かつ学習そのものも非常に楽しく感じました。
その結果、最低20時間/週 に設定した学習時間を確保し、継続できるようになりました。
「毎週土曜日の講義」 と 「WEBフォローでの予習若しくは復習」 を中心にコツコツと学習を重ね、答練でも安定的に60点超えしており、順風満帆といえる1次試験対策でした。
しかし、2010年8月の1次本試験では経済学でまさかの足切りに会い、「一発合格」はあえなく夢と消えたのでした。
4.再起のきっかけ
1次対策に約1,200時間を費やし、「1次試験は大丈夫だろう」と高を括っていた私にとって、1次敗退はとても堪えました。
「十分勉強したし、もういっか 」と思ったこともありました。
そんな時、ある先生が1次試験前の講義で仰っていた言葉が頭によぎりました。
「診断士試験の勉強は普段の仕事にも役に立つし、勉強しているだけでも楽しい。でも、試験に合格しなければ何も得たことにはならない。試験に合格して自分の人生を変えてほしい」
この言葉は本当に心に響き、そして初心を思い出しました。
幸いにも1・2次本科生ということで2次対策のカリキュラムが残っていたので、差し当たり9月のTAC2次公開模試で上位20%以内を目標とすることでモチベーションを維持し、学習を続けました。
1次試験合格者と同じように真剣に講義や演習を受け鍛練した結果、公開模試でランキング入りを果たすことができ、これが大きな自信となって再起のきっかけとなりました。
そして、それ以来1年間、ほとんど心が折れることなく、ポジティブに、そして無心に、受験勉強に取り組むことができました。
5.2年目にやったこと(1次対策編)
1次科目は経済学以外に60点に届かなかった財務・会計と経営法務の、合計3科目が残りました。
「なぜこの3科目を落としたか」、と原因を熟考した結果、「多くの論点に関して理解が浅く、応用問題に対応できなかった為」との結論に至りました。
これを克服する為に、次のような学習方法で対応しました。
1つめは、「作問合戦」。
手順は、
- 1次試験に関連する問題を作問してSNSにアップ
- 学習仲間がそれに解答
- 作問者が解答解説を行う
これを1サイクルとして週2問ペースで10月から6月まで続けました。テキストやスピード問題集であやふやな論点を抽出しカスタマイズした問題を出題し、かつ解説まで行うことで理解が深まりました。
更には新聞から時事問題を拾ったり、テキスト以外の書籍から出題したりすることで周辺知識の補充もでき、絶大な効果がありました。
2つめは、「3つの質問」。
TACのテキストには各章の始めに「本章のポイント!」というページがあります。これを活用して、
- 朝起きがけに1科目1論点ずつを抽出し、人に説明するようにノートに書き出す
- テキスト本文で内容を確認する
- 理解はできていても説明が不十分な点は青字で加筆
- 説明できない、理解が違っている点は赤字で修正
- これらの論点をその日のテーマとして反芻する
私の場合、3科目だったので「3つの質問」と名付けた訳です。この方法により、自分の中で何が理解できていないかが浮き彫り になり、補正するのに役立ちました。
その他にも、購読紙を日経新聞に変え、「経済教室」や「やさしい経済学」を愛読する等で経済学に対する苦手意識を払拭し、親近感を持つように努めました。
このように、2年目の1次対策に関しては、受験校に頼らず独学で対応しました。
ただゴールデンウィークまでは2次対策中心で学習割合は「2次:1次 = 8:2」くらいでした。
逆に、ゴールデンウィーク以降は一気に1次対策中心にシフトして、過去問、スピード問題集、模試(TAC及び他社)、前年の答練や模試などでひたすらアウトプット中心の学習を行いました。
特に、1年目の経済学で時間が足りなくなってしまった反省点を踏まえて、「60分のプロセス確立」にも注力しました。
6.2年目にやったこと(2次対策編)
2次試験対策は、TAC2次本科生として池袋に通学しました。
ご存知の通り、診断士の2次試験は正解が公表されない試験であるが故に、独学での対応は非常に困難です。一方、通学や通信で受講するにしても、受験校により、更には講師により指導方法を千差万別です。また、一度スタートを切ってしまうと途中での変更には大きなリスクが伴います。
よって、2次試験対策では、
①いかに自分に合った講師と出会えるか、
と、
②その講師を信頼して継続できるか、
の2点が重要なキーとなると考えます。
その意味では、情報収集を行い、ガイダンスや体験講義を受けた上で、自分にあった講師に師事するのがよいと思います。
私の場合は、池袋の辻井先生のやり方がベストフィットでした。
どのようによいのかを書き出すと、1冊の本がなってしまうくらい合格の為のノウハウがありますので、ここでは詳細は割愛させて頂きます。
1点だけ特徴をご紹介すると、インフォーマルなグループ学習の仕組みが充実している、ということが挙げられます。
2次本科生クラスでは、1次科目の有無、目標学習時間別に4つのグループに分かれていて、講義終了後、グループごとに勉強会を行います。内容は、各グループにて自主的に決めますが、その日の演習に関するディスカッションが中心となります。また折々で過去問分析、事例作成等といった課題に取り組んだりします。とにかく土曜日に限れば家族よりも一緒に過ごす時間が長くなるので、とても気心の知れた学習仲間を得ることが出来ます。
2次試験直前期には、この学習グループの仲間と日曜日に集まり「セルフ模試」を実施しました。過去5年分の過去問はやり尽くしてしまっていたので、このセルフ模試では初見事例として平成15年や平成16年の過去問を使い、本番と同じスケジュールで80分x4事例を解き、ディスカッションを行いました。奇しくも、今年の2次試験では200字問題や事例Ⅳの経営分析で改善点を問われる問題等、近年の過去問には無く古い過去問で出題されていた形式がありましたが、このセルフ模試で経験済みだった為、本番でも焦らず、逆に余裕を持って対応することができました。
TAC以外の2次対策としては、特に「編集の練習」を継続的にやりました。日経新聞1面のコラムを40字にまとめる春秋要約を学習仲間と共有しコメント交換していました。また、あるセミナーで合格者の方から、J-Net21の「元気印中小企業」という連載記事を要約するのがよかったと聞き、すぐに試してみて、自分なりのやり方で取り入れました。
7.最後に
今年の1次合格率や2次合格者数を見ると、診断士試験は明らかに「狭き門」となってしまっています。
1次試験においては基礎知識とその応用力が問われ、2次試験においては分析力が今まで以上に問われるようになっているように感じます。
その意味では学習量もさることながら、学習の質の重要性が益々増しているように思えます。
「自分が今年なぜ合格できたか」を1年目と2年目の取り組みの違いという観点で考えると、1年目の失敗を踏まえて、2年目の学習方法の随所に自分なりの工夫を凝らし、学習の「質」を向上できた点が非常に大きかったと思います。また、それを達成することができたのは、色々な方の話を聞いたり、ブログを拝見したりと、幅広くアンテナを張り、貪欲に試してみて、それが自分にとって合格に結びつく方法であれば、取り入れて継続する、というプロセスがあったからだと思います。
そんな中、私が、ここ、一発合格道場を、「お気に入り」として参考にさせて頂いたのは、正に「質」でした。
科目数が多く内容も多岐にわたる1次試験、そして不確実性の高い2次試験を、最短距離で効率的に突破した先輩賢者たちの語る言葉は、私にとって「道しるべ」となり、「モチベーションの源泉」となり、また「ペースメーカー」となりました。更に質の高い学習資料等も惜しげもなく提供して頂き、とても助かりました。
玉石混淆の情報から、いかに質のよい情報を獲得できるかで、場合によっては合否を分けることもさえもあると思います。
その意味で、一発合格道場は、ストレート受験生のみならず、私と同じ複数年受験生にも力を与えてくれるサイト だと思います。
末筆ながら、一発合格道場の執筆陣の皆様には心からの感謝を申し上げます。
=====寄稿ここまで=======
うちあーのさん、ありがとうございました。参考になる部分が多いと感じます、激しく。
「作問作戦」や、「3つの質問」は、深い理解をしないと成立しないものですね。基礎を押さえた方がさらに確実に1次試験をものにするために、すごく良い方法だなと感じます。
それから、他人から聞いたものをすぐに取り入れるだけじゃなくて、自分なりの工夫をしてから取り入れるということはとても大事なことだろうと思います。自分なりの工夫を凝らすことで真に自分用にカスタマイズされた、自分に合ったやり方になっているんだと思います。僕自身の経験からも大いに納得してしまう部分です。
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うちあーのさん、年末のお忙しい中にも関わらず寄稿いただき、本当にありがとうございました!。
さて、一発合格道場では引き続き、合格体験記・未合格体験記を募集しております。すでに、約10名の方から合格体験談を執筆頂ける旨、ご連絡を頂きました。ありがたいことです。
みなさまの体験記、心よりお待ちしております
by JC