【先代投稿】診断士になってからの3年間がもたらした変化

口述セミナー@オンラインのお知らせ
セミナー日:2020年12月12日(土)午後を予定
募集開始日:2020年12月11日(金)昼12時より
当日の時間などの詳細はコチラ

※今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、
直接対面による口述セミナーは行いません。
あらかじめご了承ください。

 

こんにちは。9代目のきゃずです。
11/29(日)に行われた受験スタートアップセミナーに参加いただいた方は、その時以来ですね。

前日のきゃっしいによる記事に引き続き、先代枠ということで久しぶりに筆を執らせていただきます。

僕は2015年秋に中小企業診断士を志し勉強を始め、2016年1次試験合格(2次筆記不合格)、2017年2次試験合格、2018年診断士登録しました。
現在、診断士3年目の37歳。都内の中堅システムインテグレーター(SIer)に所属している企業内診断士です。

体験記はこちら、過去記事はこちらにありますので、もし興味があればご覧ください。

今回の記事では、特に中小企業診断士になった後の活動実態や、具体的に起きた変化を知りたい30-40代の方に向けて、いち個人のケースを紹介します。
「3年経つとこんな感じになるんかいな~」というひとつの事例として、ご笑覧ください。

 

どんな仕事をしている?

ざっくりですが、以下の3つの顔で仕事をしています。

➀システムインテグレーターで、自社の新規事業開発

➁一般社団法人で、社会課題解決のための産学連携・オープンイノベーション創出
➂個人で、中小企業や個人事業主の新規事業・マーケティング支援、執筆、セミナー講師

いろいろ迷い模索しながらタネをまき水をやる中で、3年経ってようやく自分なりの方向性が見えてきたような状況です。

主に➀➁は本業として平日日中帯、➂は複業として平日夜や休日に活動しています。

診断士のスキル「診る・聴く・書く・話す・創る」

ここからは、1年目、2年目、3年目にそれぞれ何をしてきたかに触れます。

診断士のスキルである「診る」「聴く」「書く」「話す」「創る」に当てはめていくと、以下のようになりました(我ながらけっこう動いたなぁ…)。

 

ここからは、それぞれの年にどんな考えでどんな経験を積んでいったのかについて触れていきます。

1年目(2018):基礎固めのインプット

1年目はとにかくいろんな世界に触れ、基礎を固めさせてもらいました

何よりも多くの時間と情熱をかけたのは「一発合格道場」の活動でした。合格体験記を書いたのち、8代目のロックや世界の畠ちゃんからありがたいことに声をかけてもらえたおかげで、診断士としての第一歩が始まりました。
2次筆記を通過できた方は、ぜひとも体験記を寄せてもらえると、そこから未来が開けるかもしれません。

道場では1年間、定期的に2000~3000文字前後の記事を書き続けます(多いときはもっと)。限られた時間のなかで時流にあったテーマを選び、論理的に物事を捉え、分かりやすく伝える。この反復経験を徹底的に積ませてもらうことができました。

道場セミナーの企画・運営も、今となっては研修やワークショップの講師など人前で話をするときの大きな礎になっています。9代目のみんな(写真)とはいまでも大切な戦友として、毎日のように何かしら連絡を取り合い、刺激し合っています。

 

診断士のための取材・執筆専門スクールである「取材の学校」にも4-6月にかけてお世話になりました。ここでは聞く力(インタビュー力)を高めつつ、自分の文章を雑誌やWeb媒体に掲載するためのイロハを学び、修了後は実際に案件も紹介していただくことができました。

実績に乏しい駆け出しの診断士にとって、「取材・執筆」という表現のための武器を手に入れることは、何よりの名刺代わりになります。いまでは、初代ハカセから縁と機会をもらい、ゴルフ場経営者向けの雑誌に年数回の連載枠を頂いています。また、取材の学校に集まった同期は能力も意欲も高い人が多く、ここで診断士としてのネットワークが格段に広がりました。

 

コンサルティングの考え方・手法を会得するためのマスターコースのひとつである「BCNG」(東京都中小企業診断士協会 中央支部認定マスターコース)では、診断士としての実践的な知識を体系的に学びました。初代JCをはじめ、多くの道場のメンバーも所属している組織です。
BCNGでは毎月、先輩診断士から最新の理論・事例を叩きこまれ、また演習では「実際に活かす」ためのディスカッションを繰り返します。診断士試験の1次・2次の範囲より深く・広くしたイメージです。1年かけて修了したのち、こんどは自分たちが講師側に回ることで、知識や経験がさらにブラッシュアップされていきます。僕にとってはまさに「診断士活動のベースキャンプ」のような存在となっています。

きっとみなさんの住む地域にも、「マスターコース」あるいは「プロコン塾」があると思います。合格後も学びを深める場はたくさんありますので、楽しみにしていてくださいね。

 

本業では、もともとSIerの法人営業として長らく従事していましたが、1次試験合格後に事業推進部門に異動。さらに2次試験合格後には経営企画部門に異動させてもらいました。

奇しくも経営企画の1年間は、自社がグループ統合を行うというタイミングでした。会社統合というのは、経営戦略・組織論、経営法務、財務会計、オペレーションマネジメントなどの知見が総合的に必要とされるリアルの場です。時にヒリつくようなこともありましたが、様々な部門の人たちと丁寧に会話を重ねながら、会社の組織も規則も、そして人々の想いも束ねていくというプロジェクトに携わらせてもらえたことは、代えがたい経験になりました。

2年目(2019):学びをコンテンツに昇華

2年目は自分なりの武器を磨くことに注力し、1年目の学びをコンテンツへと代えていきました
道場では、9代目としての活動の総仕上げとして「代替わり後も残るようなものを創ろう」というプロジェクトを走らせました。

中小企業診断士試験 一発合格』は、そうして道場の人気記事・重要記事を再編・加筆していった入魂の電子書籍です。Kindle Unlimited会員であれば追加料金なしで読み放題ですので、宜しければ手に取ってみてください(非会員の方も、スタバのラテ3杯分ですよ!)。

これから限られた時間を工夫して試験勉強に臨む方には、いまでも大いに役に立つ内容だと思います。

「話す力」の文脈では、ビジネスフレームワークの講師として経験を積みました。社内の若手・中堅向け研修に手を挙げたほか、社外でも「ストアカ」などの講師マッチングプラットフォームを活用して何度か講師の武者修行しました。自分のコンテンツやマーケティングメッセージがどの程度相手に刺さるのか、を仮説検証していったのです。

コンテンツを創り、実際に説明し、様々な方の反応を見て、フィードバックを貰う。そしてそれを踏まえてブラッシュアップする…といった作業の愚直な繰り返しは、診断士知識を自分の血肉にしつつ、普遍的に使える価値あるものにするために必要な時間でした。
「創る力」の文脈では、取材の学校を主宰する堀切先生からのご縁で「中小企業診断士ポータルサイト(シンポタ)」のサイト企画・開発プロジェクトに総責任者として携わらせてもらいました。
受験生にも、診断士にも、役立つ情報をお届けする」という想いで立ち上がったこのサイトには、受験生からは見えづらい「現役診断士の活動実態」の実名インタビュー記事が数多く載っています。診断士が何をやっているのかの具体ケースをもっともっと知りたい!という方には、価値を感じて頂けるのではないでしょうか。

 

そして本業では、副社長直下で新しく立ち上がる組織に手を挙げて異動しました。
副社長は長らくSI業界の中で請負型の産業構造を見つめる中で、SIに限らず日本の社会システムが抱える矛盾や課題を捉え、科学者や経営者の方々と議論を重ねてきました。
そして根本にある「社会システムデザイン」にベクトルを合わせバージョンアップをしていきたいという想いを強くし、最適な形を模索する中で2019年、社内での新組織を立ち上げと同時に、実行機関としての一般社団法人設立に至ります。僕もこの試みを前に進めるひとりになりたいという想いで、設立準備から加わりました。

3年目(2020):事業を創造する人の右腕として

3年目は2年目のコンテンツを活かしつつ、事業創造のための活動が大きくなりました
個人としては、主に社会人が最新の経営学やイノベーションを学ぶ「hintゼミ」の門を叩きました。
Z世代からバブル世代まで、業界も地域もまったく異なる人たちがオンラインで日々集い、コロナ以降の新しい価値観を共有し、新しい組織や事業のあり方を模索しているコミュニティです。本業にフィードバックできる気づきが大量にあります。
僕も3か月の学びののち、「自然にファンが広がる、いい事業を創りたい人」に伴走・ファシリテートする立場になりました。診断士としてはもちろんのこと、いち社会人として提供できる価値はなんなのかを自問しながら活動に携わる毎日です。
また、道場8代目ますけんや9代目へんりーとともに、診断士の中でも0→1の新規事業/イノベーション活動、それもいわゆるスタートアップ的な破壊的イノベーションに興味関心のある人たちに声をかけ、自主活動としての「アントレプレナーシップ研究会」を立ち上げました。
診断士試験においては、スタートアップに関する知識や知見の習得はあまり重要視されていないのが現状です。デザイン思考もジョブ理論も、リーンスタートアップもグロースハックも学びません。
ですが、現実の世界では、歴史ある企業でさえ、製品中心ではなくユーザー中心に課題を捉え、仮説検証を小刻みに繰り返しながら事業を革新/立ち上げていくのが当たり前の流れになりつつあります。このギャップを認識し、少しでも新しい事業に向かう人に伴走していきたいという想いで、活動もリーンに始めています。

診断士になってからの3年間がもたらした変化

ここまで振り返ると、僕自身の中ではこの3年間で図のような変化が波のように相互作用しながら起こっていったように思います。

少しずつですが、自分のできること・やりたいこと・稼げることが一致しつつあるのかなとも感じています。とてもとてもありがたいことです。

以前よりも髪の毛には白髪が少し混じり、生え際は寂しくなりましたが、それはご愛嬌ということで…

いわゆる公的機関の相談窓口や補助金支援、経営革新計画策定などの「The診断士」とは少し異なる事例をお届けしました。

ロールモデルになるのかはわかりませんが、企業に所属しつつパラレルワークを行うひとりのケーススタディとして、この記事が何かのお役に立てれば幸いです。

 

このような機会をくれた11代目、道場という場を与えてくれた先代や9代目、繋がることのできた仲間、仕事の縁をくださった方…そしていつも支えてくれている家族には感謝しかありません。

そして最後まで読んで頂いた方へ。ありがとうございました。

いずれ診断士として、未来に責任を持つ社会人として、リアルにお会いしてともに活動できるのを楽しみにしております!!

 

以上、きゃずでした。

 


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【先代投稿】診断士になってからの3年間がもたらした変化”へ2件のコメント

  1. サトシ より:

    診断士合格後のプランや取り組みがどうも曖昧だったので、今回の内容はとても参考になりました。ありがとうございます。
    それにしてもすごいですね。素晴らしすぎます。僕が曖昧ながら認識していたプランよりはるか上をいっていると思います。きゃずさんの積極性がにじみ出てきますね。僕もマネしたいです。
    「プロコン塾」と「取材の学校」は僕も合格したら(と言っても僕は来年2次試験を受ける身ですが)受講しようと思っています。でも他にも「師志塾」とか「フレッシュ診断士研究会」というのもあるんですね。知りませんでした。勉強になります。
    これらによる1年目の取り組みが、2年目や3年目の取り組みの幅を広げているということでしょうか?

    1. きゃず より:

      サトシさん
      コメントありがとうございます。少しでも参考になったようであれば本当に嬉しいです!
      1年目の取り組みが、2年目3年目に影響していったことは間違いありません。というよりも、ほとんどの活動が「縁」で繋がっていったのだなということをしみじみ感じています。
      僕自身が意識していたのは「直感を大切にすること」「まずは踏み出して、変化を受け入れること」くらいです。怖がらずに前に飛び込んでみると、道は開けます!
      以下、参考までに補足しますね。

      ■フレッシュ診断士研究会
      東京都診断士協会認定の研究会です。
      プロコンとしての哲学・常識・行動規範を学ぶ場として、先輩診断士からの話をじっくり聴くというのが中心でした。参加者の平均年齢はやや高めですが、複数の方から話を伺う中で、テクニックや知識よりも「心構え」「在り方」を学んでいった記憶があります。
      https://www.rmc-chuo.jp/master/outline/post_30.html

      ■志師塾
      診断士に限らず、士業・コンサル・講師・コーチなどの「先生」と呼ばれる方が、集客や独立開業のノウハウを実践型で学ぶスクールです。
      塾長の五十嵐さんという方は診断士でもあり、取材の学校経由のインタビュー案件で卒業生の方を取材させて頂いたことをきっかけに僕も門を叩きました。
      講座の受講料は決して安くはありませんが、幅広い属性・バックグラウンドの方々が集まるので、「そもそも自分の成し遂げたいこと、提供できる価値は何なのか」「尖がれるポジションはどこなのか」を考え、磨いていくには非常に良い場だと思います。
      https://44jyuku.com/

      サトシさんと、診断士としてお会いできることを楽しみにしていますね。頑張ってください!
      きゃず

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