今こそ考えたい2次試験の心得(完璧は目指さないという意識)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「お気に入り」「ブックマーク」に
ご登録ください!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
どうも、Tomatsuです。
(前回までの記事はこちら)
2次試験本番まで残すところ丁度1ヵ月となりました。
本日は、このタイミングにおいて個人的に超大切だと思うポイントについて解説したいと思います。
ココまで死に物狂いで対策を進められてきた方々向けに特に読んで頂きたい内容になっております。
完璧を目指さない
私が読者の方々にこのタイミングでお伝えしたいポイントと言うのはズバリ、
「完璧を目指さないこと」
です。
最近ではブログ(一発合格道場も含む)やYouTubeなど、あらゆる2次試験関連の情報が簡単にアクセスできるようになってきております。
受験生の方々にとってもちろん良いことだとは思いますが、時には弊害が起こることもあると感じています。
というのも、情報を浴び続けてしまうことで、意識すべきポイントが雪だるま式に増えていって、これらを全て完璧にこなさないといけないという「完璧主義的な意識が芽生えてくるから」です。
例えば下記のようなポイントです。
- 解答には、因果関係のはっきりしたキレイな日本語を使う
- 一つの解答要素を複数の設問で使いまわさない
- 設問間の内容を一貫したものとする(SWOTで挙げたポイントを後の設問に使う、など)
もちろんこれらは出来るに越したことはありません。
ただし、上記は「出来ていれば尚良し」というものに過ぎず、全ての設問に対して出来ていなければならない要素ではありません。
ご存知の通り、2次試験の合格の要件は
「事例I~IVで計240点を取る」
かつ
「各事例で足切り点とならない40点を切らない」
ことですよね。
ただ、これにはカラクリがあって、2次試験では合格者数におおよその枠が設けられているため実際の所は「受験生間の相対評価」となっており、例年上位20%ほどの受験生が合格します。
言い換えると、受験生の中で上位20%ほどのレベルに到達することが出来れば合格できるということです。
じゃあ、上位20%の実力ってどんなもん?
もちろん、上位20%のレベルは低くありません。
ただし、全然完璧じゃないんです。
例えば、11代目の再現答案を見て下さい。
私の令和元年度試験の事例I第4問を見ると、
令和元年事例I 第4問
<設問内容>
新経営陣が事業領域を明確にした結果、古い営業退室を引きずっていたA社の営業社員が、新規事業の拡大に積極的に取り組むようになった。その要因として、どのようなことが考えられるか。100字以内で答えよ。
<Tomatsu再現答案>
要因は、高齢社員削減で、①コストカットした部分を成果に応じて支払う賞与に回したこと、②若手社員への権限移譲でモラール向上を図ったこと。③自社の強みを農作物の乾燥技術と明確に位置付け、社員に共有したこと。
なんじゃこりゃ。。。
全然、キレイな日本語じゃないことが分かりますね。。。
因果関係もイマイチはっきりしているのかしていないのか分かりません。
もう一個みてみましょう。
事例IIの第1問のSWOTと、第3問の助言問題です。
令和元年事例II 第1問
<設問内容>
小型ショッピングモール開業を控えた2019年10月末時点のB社の状況について、SWOT分析をせよ。各要素について、①~④の解答欄にそれぞれ40字以内で説明すること。
<Tomatsu再現答案:Opportunity(機会)のみ>
O:成長は鈍化したものの一定の市場規模が存在し、週末には他地域からの来客が見込める事
令和元年事例II 第3問
<設問内容(一部抜粋)>
B社社長は減少するであろう顧客分を補うため、協業を通じた新規顧客のトライアルが必要であると考えている。どのような協業相手と組んで、どのような顧客層を獲得すべきか。理由と併せて100字以内で助言せよ。
<Tomatsu再現答案>
助言は、貸衣装チェーン店と組み、10代の子供を持つイベント好きな高級志向の主婦層を獲得する。理由は、①貸衣装チェーンの顧客層と合致しシナジー発揮②従業者と同世代②全国と比べ人口構成比が高いため。
うわ~~。
機会として「週末には他地域からの来客が見込める」って書いてあるのに、助言問題で全然使えてね~。
「解答の一貫性が欠如している」のが分かりますね。
以上で分かって頂けたかと思いますが、合格者の実力ってのはこんなものなのです。
私も昨年度、ふぞろいの合格者解答やA解答などのいわゆる模範解答を見て何度も自信喪失しましたが、あれは、ある合格者の一つの設問に対する解答に過ぎず、その合格者の方全問題に対してコンスタントに高水準をキープできていた訳ではありません。
中には、トンでも解答も含まれていたはずです。
もちろん9代目きゃっしぃや11代目CKのような270点~280点取るような化け物は例外ですが、ほとんどの合格者は「きれいな日本語が使えておらず」「解答要素の切り分けも中途半端」かつ「設問間の一貫性が無い」状態でも合格できているのです。
このポイントを理解しておいて頂きたいと思います。
抑えるべきポイントは実は少ない
完璧主義の弊害は多くありますが、一番ヤバいのが、完璧に固執するあまり「無駄な時間が過ぎ去っていくこと」です。
例えば先ほど挙げたポイントを例に考えてみましょう。
- 解答には、因果関係のはっきりしたキレイな日本語を使う
⇒きれいな日本語が思いつかなくて筆が止まるくらいであれば、気にせず書き始めよう - 一つの解答要素を複数の設問で使いまわさない
⇒ 解答要素の切り分けに時間を使いすぎるくらいであれば、気にせず重複させよう(その方がリスクヘッジにもなる) - 設問間の内容を一貫したものとする(SWOTで挙げたポイントを後の設問に使う、など)
⇒ これを気にする時間が一番無駄です。悩むくらいだったら意識するのはやめましょう。
上記を意識しすぎて、時間が過ぎるあまり時間が過ぎ去ってしまうと、何より焦りますし、本当に抑えておくべきポイントが頭から飛んでいってしまいます。
では本当に抑えておかないといけないポイントとは何なのでしょうか?
個人差あると思いますが、私は下記が抑えられていたら「合格」と考えて本番に挑んでいました。
重要度順に並べています。
[本当に抑えたいポイント]
- 氏名・受験番号をキチンと書く
- まずは解答欄を埋める
- 設問の内容に答える(理由を聞かれたら理由を答える。ターゲットを問われたらターゲットを答える)
- 与件文の情報を使用する
[できていれば尚良いというレベルのポイント]
- 多面的な解答(参考記事:3chの「多面的解答の切り口について」)
- 因果関係のはっきりした解答
めちゃくちゃ当たり前のことしか書いてないですよね。
ただ、これが意外に出来ない方が多い。
特に3番なんかは特にそうですよね。
実際、私は横浜近隣企業の受験生を対象とした勉強会にサポーターとして参加させて頂いておりますが、そこの議論内容の深さに関心しつつ、「少し完璧主義に走りすぎていて、最低限おさえておかないといけない要素が疎かになっていること」に気付きました。
「キレイな因果関係の整った日本語を書く」ことや「一貫した解答」などを気にして上記のどれかを外してしまうようであれば、「一度初心に帰って上記のポイントを毎回再現性高く抑えられるようなトレーニングを行うこと」をお勧めします。
あくまで肌感覚で統計データはありませんが、上記の3番(設問内容に答える)を全ての問題に対して抑えられている受験生は全体の50%もいないと思います。
言い換えると3番を徹底するだけで合格率が20%から一気に40%まで上がるということなのです。
まとめ
完璧主義を目指すことは決して悪いことではありません。
ただし、それによって本当に意識したい「設問内容に答える」「与件情報を使う」という基本中の基本が疎かになるくらいであれば、きっぱり忘れることも重要です。
診断士2次試験は「80分」という常軌を逸するほど短時間で評価される試験です。
なのである程度割り切りも必要です。
2次試験対策において目指すべき姿は「時々100点取れる状態」ではなく「毎回60点取れる状態」です。
残り1ヵ月間は再現性を意識して、コンスタントに60点取れる状態を目指しながらトレーニングを進めていって頂ければと思います。
明日は1日お休みを頂きますが、明後日のべりーの記事でお会いしましょう^^
それでは最後まで読んで頂きありがとうございました!
☆☆☆☆☆☆☆
いいね!と思っていただけたら
にほんブログ村
↑ぜひ、クリック(投票)お願いします!↑
Tomatsu様
貴重な記事ありがとうございました。
直前期の今、合格者の等身大の内容で、
とても参考になりました。
ふぞろいの合格答案を見ていて、とてもこんな
完璧にかけないなあ、と少々落ち込み気味でした。
励みにして頑張ります!
匿名様、
コメント頂きありがとうございます!
ふぞろいの合格答案はホント自信失ってしまうレベルですよね。
記事でも取り上げたように、合格答案はある受験者の最も良い解答が取り上げられているものですので、全てあのレベルを目指す必要はありません。
ぜひ、良い意味で気を抜いて基本(設問に答える、与件に忠実)をしっかり押さえることに集中して頂ければと思います。
残り一か月間ぜひ頑張ってください。応援しております!
今の自分がそんな感じだなと思った内容でした。
・因果をきっちり
・設問間の関連性も気にする
・文もきれいに書く
といったことを気にすると骨子はあるのに全然文が進まず、何度も解いている過去問でも時間ギリギリになっている状態です。
去年は本試験でも時間に追われている感はそんなになかったのですが、何で今さらこんな感じになってるんだろう?とすごくもやっとしていました。
少し楽になりました。
いい意味で気を抜いてみようと思います。
ありがとうございます。
先日の除却損や売却損の記事も大変勉強になりました。
今まで食わず嫌い状態で点を捨てていたNPVにも積極的に取り組めるようになり、解答精度も上がっています。
ゆうたろう様、
コメント頂きありがとうございます!
やはり本試験経験者の方が知識がある分、良い解答を目指して手が止まってしまう傾向があるようです。
ぜひ良い意味で気を抜いてみて頂ければ幸いです。
除却損、売却損の記事に関してもお役に立てたようで道場メンバー冥利につきます。
他にもご質問等ありましたらドシドシコメントよろしくお願いします!
残り1か月間も頑張って下さい!応援しております。
確かにそうですね。過去問を解く際、時間がオーバーすることがまだ多いです。残り1か月は80分以内で60点を確保する手順の確立が重要だと考えておりました。参考になりました。
栗秋様、
コメントありがとうございます!
私も最初の方は80分では全然解けませんでしたが、意識すべきポイントを絞った所、一気にスピードアップできました。
再現性を意識して毎回60点を取れる手順を確立することを念頭に過去問に取り組んで頂ければ幸いです。