悩むのは筆記用具の使い方ではなく、問題文に書いてあること
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カワサンです。
9月の中旬、私の地元北海道では山間部の初雪がニュースになる季節です。
「銀泉台」という付近では紅葉が見ごろになり、魚(秋サケ、サンマ)、新米やジャガイモなどの秋の恵みがお店に出回ります。
2次筆記試験は、昨日9月18日が申込締切日でした。
申込を決めた方、ここから10月25日まで突き進むのみです!
今年度は見送った方、来年に向けてしっかり計画立てて進めて下さい!
来年度1次試験から受ける方、今から全力だと息切れします。時々休憩、時々ストイックと、少しずつギアを上げていって下さい!
皆さん、それぞれの環境でそれぞれのご決断をされたと思いますが、皆さんの目標や夢に向かって、前に進むことには変わりないと思います。誤解を承知で言えば、それぞれの人生がありますので、そこに対して合格が早い遅いと言う考えは無いと思うのです。
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さて今日の本題です。
2次筆記試験、筆記用具の持ち込みのルールが以下の通り定められています。
(令和2年度中小企業診断士第2次試験案内より抜粋)
⑴ 試験当日に持参するもの
– 中 略 –
② 筆記用具等
ⅰ 黒鉛筆またはシャープペンシル(HB または B 程度)
ⅱ 消しゴム(プラスチック製)
ⅲ 鉛筆削り
– 中 略 –
注1 定規、マーカー・色鉛筆を使用しても構いませんが、マーカー・色鉛筆は解答用紙には使用できません。
– 以下略 –
そこで皆さん、黒鉛筆・シャープペン限定だった1次試験と違って、色ペン等の筆記用具で試験に臨まれる方が多いようです。
当ブログでも色ペンやマーカーを使った解法について多数の記事があります(検索バーから検索してみて下さい)。
しかし、私は色ペン使わない派でした。
また、勉強中の方で「ペンの使い方に悩んでいる」という方もおられるようです。
そこで今日は、ペンの使い方について参考になる内容をお届けしたいと思います。
1.問題用紙に色をつける必要があるのか?
そもそも、色で分ける必要性はあるのでしょうか。
人間は視覚から約90%の情報を得るという研究結果があります。
(深作秀春『視力を失わない生き方』より)
それを踏まえると、モノクロームの問題用紙を「見やすくしたい」という意図から色分けするのは、理に適っていると考えられます。
一方で「カラフルで見づらい」と思う方も居るのではないでしょうか?
いきなり理屈っぽいですが、色分けすれば良いのではなく、分かり易くするために色分けするというのが、問題を解く手段の一つでしかないのです。
合格者が色ペンやマーカーを使っていたからといって、頑張ってそれを模倣するではなく、参考にしながら自分にとってやりやすい方法を決める、というスタンスが良いと思います。
2.自分が今まで筆記用具をどう使ってきたかに合わせる
いろんな方法を試しました。しかし、どうも地に足がつかない。
という方もいらっしゃるかと思います。
であれば、やり方を変えるしかありません。
一番手っ取り早いのは、仕事や日常生活での筆記用具の使い方に合わせるというものです。
この時期から新しいやり方を試して、道具の使い方で迷走するのは時間がもったいないです。
皆さん筆記用具は日常的に使っているはずです。
「いつもどおりの使い方」で臨まれるのが身体にもフィットしやすいと思うのです。
~私の場合はこうでした~
私は日常生活で4色ボールペン(赤・青・緑・黒)とシャープペンを使っていますが、試験本番ではシャープペン1本で挑みました。お守りに4色ボールペンは机上に置きましたが。
4色ボールペンを使うことになったのは、高校生の時に齋藤孝さんの「読書力」を読んで、そのやり方を取り入れたためです。試したところ、それが型にはまったという感じです。
大学生や社会人になってからも、少しずつアレンジして以下の方法で使っています。
赤 一番大事なところ、今後取り組むべきコト、次回の打ち合わせまでにやること
青 他人が発言した重要なこと
緑 自分が考えたこと、思ったこと
黒 上記以外の、発言や要旨などのメモ
しかし、試験勉強で上記のやり方を試しましたが、あまりなじまず(強いて言えば緑が使えるかどうか)、シャープペン1本で片付けました(後述)。
ちなみに、私がシャープペン1本でいいんじゃね?と気づいたのは以下の記事を読んでからでした。
ちょうど去年の今頃にこの記事を読んで、シャープペン1本で解くやり方を確立しました。
様々な方法を試した結果、色分けに時間がかかってしまい「これじゃ問題文を理解できない」となったのです。
私の場合は、4色ペンや蛍光ペンを試しましたが「この文言は何色で分けるべきか」という所に力が入りすぎて、最も大切な与件文の理解がおろそかになってしまいました。
また、ペンを持ちかえる動作が(たった数秒とはいえ)非常に煩わしく感じられ、集中力も削がれていました。
そういう意味では、ゴルフ場でのアイアンを選びも私は苦手です。
(そもそも、基礎がおろそかで下手過ぎるんですが…)
3.シャープペン1本で、私の80分の過ごし方
【劇薬注意】の記事にありましたが、私の場合も常に書いていないと頭が回らない性格でして、読みながら、考えながら、余白にメモやべん図を書いておりました。
(1)試験開始~2分:与件文の1段落目を読む
・企業の概要を把握(業種、資本金、社長のパーソナリティ等)、下線ないし余白にメモして把握
・次の段落に読み進めたい衝動を抑えて設問文へ
(2)2分~5分:設問文を読み、答案の構文を決める
・第1問から順番に読む
・2回読んで理解できない設問文は「☆」マークを付けて要注意
・設問文を読み、答案の構文を決めて設問文の横にメモ
構文パターンの例
「60字以内で説明せよ」⇒「①~、②~」
「理由を60字以内で」⇒「理由は①~、②~だから」
「140字以内で助言せよ」⇒「現状は~である。今後は①~、②~により●●●を強化する」
(3)5分~20分:与件文を精読
1段落目から読み進め、とにかく線を引いたりメモしたり、筆を動かす。
・設問に登場した文言:下線を引いて番号を振る(第1問なら”①”、第2問設問1なら”②-1″)
・接続詞:丸く囲う(”しかしながら” ”さらに” など)
・会社組織や製造工程:フリーハンドでべん図、表を描いて理解
・思った事や推定されることは余白に書きだす
(4)20分~65分:第1問から順番に解く
・出題順もまた出題側の意図がある、与件文で使う所と出題順はおおむねシンクロすると思ったため、☆マーク以外は順番に解くと決めていました
・前回の記事に書いたように設問文の図化、因果の図化をベースに答案骨子を余白上で作成
・骨子が決まったら、清書せずに答案に記入
・☆マークの設問は最後に着手し、(5)の確認時間を意識しながら熟考
(5)65~80分:答案の確認(因果、言葉づかいを意識的にチェック)
下書きをせずに、骨子だけ作り答案に書き込んでいたので、過去問で試験勉強していた際から、因果がおかしい事がありました。
これはクセで直しようがないと思ったので、残り時間で因果や誤字脱字をチェックし、収まり良くなっているか見直すようにしていました。
試験本番では、この時間は鉛筆で答案を書く音が会場中に響き渡る「カリカリタイム」であり、会場の空気というか、雰囲気には今まで経験したことのない独特なものがありました。
(さすが国家試験という感じがした)
では、また!
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1988年生まれの、育児・家事しながら初学独学で勉強に励む者です。
近況の近さに親近感を感じ、いつもカワサンさんの記事を参考にさせて頂いております
私もカワサンさんと同じほぼ解法プロセス(「全問の骨子作成を終えてから回答用紙記入」の定番法ではなく、「清書せずに、ざっくりした骨子のみで、順に1問ずつ取り組む」方法)で取り組んでおり、現状、一番しっくり来ております。
私も書かないと頭が回らないタイプのようです。
一方で、本方法は解答欄を短時間で埋めるのには適しているものの、
①骨子をまとめて作らずに、解答用紙に記入していくので、与件根拠の使用漏れが生じやすくなる事
②今回ご指摘の通り、因果整理が甘くなる事
③与件文通読後の解答作成フェーズのタイムマネジメントがおろそか(というかほとんど成り行き)になりがちで、最終確認の時間がまちまちな事
といったデメリットを感じております。
そこで、質問なのですが、
・カワサンさんの骨子作成の内容(具体例等)について
・65~80分での答案確認フェーズでやられていた事の具体例について
(例えば、因果の修正や要素の追加しようと思うと、字数調整が入り、大幅に大胆な答案修正になると思うのですが、その辺いかがでしょうか?)
・20~65分の解答作成フェーズのタイムマネジメントについて
ご教授頂けますと幸いです。
たくさん質問してしまい申し訳ございません。
自分と近い解法プロセスを行っている合格者の方ということで、恐縮ながら、大変参考になる良いきっかけと感じ質問させていただきます。
よろしくお願い致します。
matsu様
いつも読んでいただきありがとうございます。
ご質問への回答、以下の通りです。
・骨子の具体的な例
私の場合は、設問見てすぐ答案の構文を固めてましたので、構文にはめ込む要素を箇条書きする感じでした。
→いま実務補習で数日家を離れており、去年の具体的な例は後日、現物見ながら回答します
・65分以降の対応内容
仰るように書き直しは実質無理です。なので、大幅手直ししたいと気づいても、残り時間見合いで途中になるようなら、割り切っていました。
基本は誤字脱字(脱字は以降の文字まで書き直しなので痛いです)を見つつ、与件文に残っている要素は入れ込めないかを見ていました。個人的には最後まで書ききらないのはまずいと考えていたので(採点への影響は分かりませんが)、直しても答案を書ききれるなら、直しました。
・答案作成時間のタイムマネジメント
設問数からすると、1問約10分がベンチマークです。短いですが、与件の精読時にどの設問に引っ掛かるかは下線を引いてますので、そこから清書させるイメージですね。
最初の設問を見たときに、設問解釈がややこしい、過去問にない問われ方があれば、それは時間を要しますので意識的に時計を見ました。
コンパクトにまとめたつもりですが、さらに気になることありましたら、遠慮なくお願いします。
実務補習でお忙しいところご回答ありがとうございます。
「骨子作成で、構文にはめ込んでいく」、パクッて試してみたいと思います。
その他も理解致しました。
正直なところ、いわゆるタッツー式、かわさん式の解法プロセスを実践している方をあまりお見受けしておりませんでしたので、
このままでも良いものかと少し葛藤していたところもありました。
今回具体的にお話を聞かせて頂き、少し自信を持てました。
80分で解答するには、自分には一番適した方法だと思っていますので、引き続き、研鑽していきます。
matsu様
遅くなりましたが、参考までに実際の私の一例を以下にお示しします。
■令和元年 事例Ⅰ設問1
【骨子…問題用紙の余白に以下のメモ】
・最大の理由は…サービス対象の市場が縮小した
・たばこ市場の縮小の中で機器そのものの売上減により顧客減
・健康志向の高まり、受動喫煙の社会問題
・…のため、成功しなかった。
【再現答案…↑に基づき書きながら成文化】(95/100字)
最大の理由は、健康志向の高まりや受動喫煙問題、耕作面積の減少によりたばこ市場が縮小する中で、機器の売り上げ減により顧客そのものが減少したため、サービスの対象となる市場そのものが縮小したため。
■考えたこと&初見
・構文は最初に固めてしまい、あとは箇条書きにした要素を因果に応じて記述
・メモには無いが、字数の見合いで本文中の「耕作面積の減少により」も本文から参照して追加
・「したため」が続いており日本語としての体裁が悪い(が、気付いたときには時すでに遅し)
ご参考になれば幸いです。
いつも拝見しております。
何気ないアドバイスが初心者には助かります。
筆記具をどう効果的に使いこなすかも、当日に向けたシミュレーションの一環として大事なことを実感しました。
更に本試験対策として気になっていることが、マス目の使い方です。具体的な不安要素を以下にお示ししますので、ご経験上から判定いただければ幸いです。
1.”小文字”や略式単語の字数カウント
例:”オフセット印刷機”、CNC木工加工機、HACCP の使用マス目は?
2.”理由は、①~、②~である。”と書く場合に、〇数字の前に句点は必要か?(普段は入れるが、字数が厳しい場合に)
今年こそ様
いつもありがとうございます。以下回答です。
1.字数カウント
何かで勉強したり、見解が出ているようではないので個人的解釈としてご理解ください。
これは小学校の頃に習った作文のルールに準じれば良いと思います。なので”オフセット印刷機”だからといって小文字を詰め込んではNGではないでしょうか。
アルファベットも1文字1マスとしました。大文字は1文字1マス、小文字は2文字1マスで書くのが原稿用紙上のルールのようですが、記述上の注意でそこまで言われないので、どちらでも認識してもらえると思います。
2.句点の打ち方
私は①の手前で句点を打たなかったです。
禁則ではないと思いますし、「●●●なのは①~、②~。」でも日本語として通じます。
字数が厳しいときは単語の言い換えで帳尻が合わないか(ロイヤルティ⇒愛顧)考えて記入しておりました。
今日も有益な情報をありがとうございます。手順も開示していただいて、助かります。
僕も常に書いていないと頭が回らない性格で、余白にメモ書きは必須ですね(僕のメモは新QC7つ道具の連関図や系統図のような形になるようにしています)。
1つ質問なのですが、色をつける・つけないの差もあるかもしれませんが、事例Ⅱの経営資源は何かマークをつけていましたか?どのようにつけていたかも聞かせていただけると嬉しいです。ちなみに、僕はピンクの蛍光ペンで塗っています(他にも強みはオレンジ、問題点は青のように色ペンで線を引いているので、カラフルになりすぎることが懸念ではありますが)。
よろしくお願いします。
サトシ様
早朝より読んで頂きありがとうございます。
ご質問について。事例Ⅱに限らず、SWOTに係ると思ったものは下線を引き、下線の横に丸囲みで”S” “W”等と書きました。
なお去年の事例ⅡについてはSWOT自体が設問だったので、下線に加えて余白に4象限で書きだしました。
モノクロなのか、カラーなのか、蛍光ペンか、色ペンか…これらは、人ぞれぞれの好みやセンスの問題ですので、試しながら自分にしっくり来る方法を編み出して、本番に臨んで欲しいと思います。