診断士の兵法 & 中小企業のあるべき姿を、課題と施策から考える 事例Ⅰ編
!
受験の女王ティアラ × 一発合格道場コラボ
2次試験直前!
プラス20点を実現する最終チェックリスト
雑誌「企業診断 10月号(9月28日発売)」に受験の女王ティアラことTACの津田まどか講師と当サイト「一発合格道場 11代目(2020年度のいつものメンバー)」によるコラボ記事が掲載されることになりました。
4科目それぞれでプラス5点=計プラス20点を実現するための事例Ⅰ~Ⅳの最終チェックリストと銘打って、発売時期にピッタリな実用的コンテンツを雑誌記事にて公開します。
本試験1カ月前という超直前期の入り口に立った時、「来た道の点検」と「進む道の確認」に、よろしければ活用し倒して下さい!
本日もアクセスいただきありがとうございます。さいちゃんです。
今回は短めの内容ですが、今の時期にお伝えしたいことをぎゅっとまとめましたので、さらっと読んでいただければ幸いです。
contents
二次試験へ沸き立つ疑念
いよいよ、二次試験本番まで1か月と少し。去年の自分はひたすら問題を解いていた時期です。
ふと、こんな疑念がわいてきたことはありませんか。少なくとも、私は得点が伸びずにむしゃくしゃしていた時に感じていました。
上の疑念の末尾にはすべて怒りマークがついています。。今振り返ると、できないことを言い訳にした疑念で、当時はこの問いに対する解答を持ち合わせていませんでした。
先日、実務補習を受けてみて診断士の診断実務がなんとなくわかってくると、上記の疑念の中身にあるような二次試験に必要なプロセスや考え方が、実は診断士の素養を養うために必要だったと気づかされています。逆に言うと解答のテクニック論などの本質的でないノウハウは、診断士試験にも不要といえます。
以下に診断士試験に必要な考え方と、その考え方についての実務補習での体験から考えた意義をいくつかあげましょう。
「与件ファーストであるべき」 → 事例企業のあるべき姿に基づいた、課題設定と施策決定が必要であるため。
「80分で解く」 → 限られた時間で事例企業を理解し、適切な診断と助言を行うため。短時間で情報を整理して的確な診断を行うために、フレームワークや解答のフォーマットを持っておくと時間を短縮できます。
「手書きで解答を書く」→ヒアリングの途中などで社長から質問があった時に、その場でフレームワークを使って回答を組み立て、ロジカルな回答ができるようにするため。本当は筆記試験ではなくすべて口頭試験がいいのかもしれません。
「設問に正面から答える」→ 聞かれていることに対して確実に答え、あるべき姿とのギャップを埋めるために適切な診断を行うため。
「社長の想いに寄り添う」→ 提案する施策にモチベーション高く参画していただくため。基本的に社長の想いをアシストする方針ですが、リスクを確実に挙げておいて社長の判断材料にしてもらいます。
「アイディア解答を避ける」→ 一般的な観点で、まずは成功確率が高そうな当たり前のことを実行してもらうため。会ったばかりの社長に対して、すぐにできなそうなことを提案しても抵抗感が強いです。
さいちゃんがこの時期に伝えたい3つのこと
すでに同じ内容を聞いているかと思いますが、大切なことなので何度も繰り返させてください。
①事例企業に自分をあわせる。
診断士試験では、正確な現状分析により診断と助言を行います。
社長が診断士の助言を聞いたときに、刺さる提案ができるかということが大切です。少しでも飛躍があると、「それってどういうこと?」となってしまいますし、制限字数を超えるような長文では社長の頭の中に残らないでしょう。ロジカルに飛躍を少なく、ポイントを押さえてまとめることが大切です。自分も実践しましたが、他者に説明をしたときに、すっと理解できる内容にするために、勉強会でフィードバックをもらったり、常に自分の中に「他者の目」を持ち確実に言いたいことが伝わる内容かを反芻することが有効でした。
事例を解いていると、実際の中小企業への助言を求められているような気になってきますが、あくまでも与件文の範囲内で具体化されたあるモデル企業に対する助言をするという意識が必要になります。本当の中小企業はもっと人間臭く、時には見栄を張り、自社を過小評価しながらも、勢いと情熱、悩みや不安を併せ持つもっと複雑な存在です。実際の企業と比べれば、診断士試験に出てくる企業はより抽象化された存在に感じます。与えられた与件文の中の事例企業の具体度に合わせて、事例企業に寄り添った具体的な方法で対処したり、時には一般論で攻めたりといった臨機応変な対応を意識しましょう。
②診断士試験に自分をあわせる。
①に加えて、診断士試験にも自分をあわせていきましょう。そのために、自分の経験や知識といった一般的には当たり前でないものを排除し、診断士試験の当たり前をしみこませていきます。診断士試験の当たり前とは、各事例のフレームワークです。それぞれのフェーズにおいて自分に求められていることを把握して、適切に役回りを演じることが必要だと考えています。実務補習では、特定の事例企業にピンポイントで刺さる尖ったことを助言することが求められていましたが、診断士試験では、一般的な事例企業に確実にあたるような当たり前のことを助言する必要があるため、診断士試験での自分の役回りを守って、事例企業に対してTPOに応じた対応をしていきましょう。実務補習と診断士試験で求められている事のイメージを以下にまとめました。
③診断士になっても使える、本質をとらえた自分の型を磨き上げる。
小手先のテクニックでは、試験本番の大事な時にぶれます。なぜこの解き方をするかを、惰性でなく必要性や有効性を考える時間を取って試験本番まで自分の型を磨き上げていきます。診断士試験の段階では、「当たり前のことを当たり前に答えるロボット」になりましょう。与えられた与件文に対して、問われる設問に誰でもわかりやすい内容で的確に答えます。
実務では、与件文もなく、設問もなく、解答の制約も明示されていません。与件文の内容を適切にヒアリングする能力、設問を適切に設定する能力、模範解答を設定できる能力、それらは社長・会社を適切に導く能力に繋がるため、将来的に身につけなくてはいけないものだといえます。診断士試験の段階では、診断士の基本を押さえることを意識して、合格後に実務を意識したフェーズに移行していきましょう。
中小企業の実例から見えてくる課題と施策(事例Ⅰ編)
人材確保・育成に関しては、以下のパネルのような施策がありました。多い順に、女性活用や教育制度、働き方改革、IT活用といった施策が目立ちます。少数ながら、インターンシップ、従業員のモチベーション向上、評価制度といった人事施策の鉄板ワードが出てきます。今後の試験では、定番の「茶化」に加えて、働き方改革といった新しい話題が出てくるかもしれません。気になる施策がありましたら、ぜひ「はばたく中小企業」の本文を読んでみてください。
以上さいちゃんでした。最後まで読んでいただきありがとうございました。
☆☆☆☆☆☆☆
いいね!と思っていただけたら
にほんブログ村
↑ぜひ、クリック(投票)お願いします!↑
いつも情報提供ありがとうございます。励みになります。
さいちゃんさんが今回提示していただいた事例Ⅰのキーワードもコレクションさせていただきました。こちらもありがとうございます。
僕のほうでも「はばたく中小企業300社」を読ませていただきました。さすがに隅々まで読むと疲れますね。1日では読めませんでした(笑)
19年と18年の2年分を読みましたが、だいたいの企業が一定の路線上にあって、2次試験もその路線から外れた設定はないし、ましてや解答はもっとありえないということがわかってきました(僕はその「もっとありえない解答」を書いていました)。
ちなみに、商店街については(企業を読むのですでにバテバテだったので)読んでいないのですが、こちらも読んでおいたほうがいいですか?
サトシさん
コメントありがとうございます!私も励みになります!!
はばたく中小企業、2年分読まれたんですね。相当なボリュームで大変だったと思います。
サトシさんの感想通り、わたしも二次試験の事例企業に通じる、一定の路線のようなものが見えてくると思っています。個人的には、成功事例をフレームワークにして、できるだけ多くの中小企業に適応してもらいたい、といったような意図も感じています。
実務では、路線から外れたあり得ない解答もありだと思いますが、試験では、はばたく中小企業に示されているようなフレームワークに沿った解答が求められていることを認識されて、試験に出てくる事例企業に寄り添うモードに頭を切り替えていってくださいね^ ^
さてご質問の件。私は商店街は全部読んでいないのですが、個別性が高い尖った内容が多く、一般化が難しいと感じました。
過去問では商店街の事例もあったようなので、商店街の課題や施策のイメージがついていない場合は、いくつか読まれると良いと思います。