昨年度2次試験の最高齢合格者・M診断士インタビュー【中小企業診断士】

日時:2020年9月5日(土) 9:00~18:00

(18時以降、懇親会を予定)

場所:オンライン (zoom)

内容:1日で令和元年度の事例Ⅰ~事例Ⅳまでを扱う予定です

‐ 道場メンバーによるワンポイント講義

‐ グループに分かれてディスカッション

人数:12名程度

受付開始8月25日(火) 12:00~  ※先着順となります※満員御礼!

受付方法こくちーず

※タイムスケジュール等の詳細は、こくちーずにてご案内いたします

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twitterもよろしくお願いします。

 

 

おはようございます。岩塩です。いつも道場をご覧いただきありがとうございます。

もう8月も終わりですね。今週は1次試験の合格発表がありました。合格を確実にされた皆様、改めておめでとうございます! 昨年を更に上回る合格率に、「2次試験が熾烈な戦いに・・・」と不安になっている方も多いと思います。こんなときこそ冷静に! 「周りの受験生に勝つ」イメージで臨むと、周りを出し抜こうと超理論展開をして大外しする危険性があるかと思います。大事なのはいつも、与件から離れない&基本から外れないこと。いかに冷静に対処できるか、自分との戦いと捉えていただければと思います。2次試験まであと2か月、がんばってください!

 

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さて、道場は2次試験学習の記事をメインに受験生の皆様と伴走中ですが、本日は少し異なる趣向で、昨年の合格者であるM診断士のインタビュー記事をお送りします。M診断士は昨年の2次試験に最高齢で合格された方です。 岩塩は今年2-3月の実務補習で15日間ご一緒させていただきました。試験のこと、今後の活動などについてオンラインでお聞きしました。

 


 

岩塩:Mさん、お久しぶりです!お元気そうで安心しました。本日は色々とお話を聞かせてください。

M診断士:お久しぶりです。岩塩さんから連絡が来るとは思いもよりませんでした(笑)可能な範囲でインタビューにお答えします。

 

自己紹介&診断士を目指したきっかけ

M診断士:私は1945年生まれの75歳、神奈川在住歴70年です。昨年の2次試験の統計資料で、合格者の中の最高齢であるとわかりました。

(出展:中小企業診断協会Webサイト R1 2次試験 統計資料)

私は某大学の政治経済学部を卒業し、民間企業の管理部門(経理・人事総務分野)で約50年勤務しました。家族は妻、息子1人・娘1人。他の保有資格としては、MBATOEICスコア910税理士試験(財務諸表論、簿記論)日商簿記2級知的財産管理検定2級などがあります。

岩塩:錚々たる資格の数々ですね・・・ では、経営理論や財務、知財関係などの知識は既にお持ちだったのですね。

M診断士:そうですね。ちなみに資格マニアというわけではなく、その時々の仕事で必要なことを学習してきた結果、このような形になりました。

診断士を目指したきっかけですが、60歳を過ぎた頃に「生涯現役」を見据えて起業したいと考え、複数の創業セミナーに参加していました。そこで講師をしていたのが、著名な中小企業診断士の方々でして、経営コンサルティングに事業機会を見出したのです。他の事業に比べて、コンサルタントはこれまで培った自分のノウハウを活かせることに加え、資金面でのリスクも少ないと感じました。

 

受験歴

M診断士:最初に受験したのは2010年です。数年は独学でしたが、このままでは難しいと感じ、2013年からT○○(有名予備校)に通いました。2018年に1次試験の全科目に合格。2次試験はL○○が良いとの評判を聞いたため、1次試験合格後、直ちにL○○(有名予備校)に切り替えました。2回の挑戦の後、昨年2次試験に合格しました。通算10年。資格試験の勉強の中では一番長かったですね。

 

1次試験について

岩塩:1次試験は9回受験されたのですね。大変お疲れ様でした。1次試験の経験談をお聞かせください。

M診断士:受験校から「合格した科目は免除申請した方が良いとの指導があったため、それに従って受験した結果、多年度受験となってしまいました。年により難易度が変わるため、科目を絞ることは必ずしも正解ではないと感じました。経営情報システムと経営法務が苦手で、情報は4回、法務は3回受けました。

また結果論ですが、2次に直結する企業経営理論運営管理財務会計は免除申請せずに受験したのが正解だったと思いました。自分が1次に合格した年(2018年)の受験科目は経営、運営、財務、および法務でした。私は1次の最終年度にこれらの科目を受験していたことが2次試験の合格にも繋がったと思っています。経営、運営、財務が不得意な方は、得意科目となるよう、よく勉強する必要があると思います。

 

2次試験について

岩塩:2次に直結する科目を最終年に受験したことが合格に繋がったのですね。2次試験の経験談についても教えてください。合格のポイントは何だったと思われますか?

M診断士:2次の学習時間は、1年目250時間、2年目(2次専念)1,000時間程度でした。2次試験は解答が公表されないため、難しい試験と捉えられていると思います。予備校の講師によると「出題者に忖度する解答が書ければ合格できる」ということでした。ポイントは過去問学習を重視することです。私は受験校でたくさんの受験生に出会いましたが、たしかに合格者の共通点は、徹底的に過去問に取り組んでいることです。2次試験を4回受けた人や7回受けた方にも会いましたが、合格年はやはり過去問を中心に取り組んでいました。

 

岩塩:具体的な学習プロセスについても教えてください。

M診断士:「忖度する解答」を書くため、受験校で教えられた方法は下記になります。

  1. 実際の設問と協会の発表する「出題の趣旨」を参考にしながら、自分自身の解答を80分かけて作成する。
  2. 予備校数社の解答を見ながら、自分の解答に不足する部分を補う。

予備校各社で解答が異なるので、3社くらいの解答を比較した方が良いとのこと。授業では6社の解答の比較をしてくれました。

また、私はふぞろいな合格答案も使っていました。採点の際には90%以上の点数になるよう、不足のキーワードを追加し、自分自身で「出題者の要求するであろう合格答案」を検討し作成していました。ただし、キーワードの取り込みはストーリー性が損なわれない範囲に留めます。

このプロセスで、事例IからⅢまでは、最新年度のものは残し、6年間分を繰り返し解きました。(事例Ⅳは過去14年間分)何回か同じ問題を繰り返し解くうちに、解答方法が身についたと感じる瞬間が訪れました。その段階で、初めて最新年度(前年度)の問題を解き、ふぞろいな合格答案で採点し、合格できそうか?のあたりをつけました。

また、T○○とL○○の模試を受験しました。2019年の8月にT○○の全国模試では「合格レベルA」の判定が得られましたが、その後も油断することなく本試験まで過去問を繰り返し解き続けました。講師によれば、「答練や模試は本試験に「似せた」試験なので、あくまでも過去問を重視する戦略をとって下さい」とのことでしたので、予備校の答練や模試は、単に「現時点で自分が持っている実力はこの程度のもの」と考える材料とし、あまり深く復習はしませんでした。(とはいえ得点レベルの低い部分は数回復習しました)

2次試験2年目は、不合格だったら再受験はせず撤退する覚悟で臨みました。崖っ淵、All or Nothingの状況のため、講師から得た合格のノウハウや、自分自身で考えた方法を徹底的に追及しました。どうしたら「協会に忖度した解答」が書けるかを考え続けた2019年の10か月間でした。

 

実務補習について

岩塩:合格後、実務補習はいかがだったでしょうか?

M診断士:これまで受験勉強のみにフォーカスしてきたため、実務補習を通して自分自身のスキルが十分でないことを実感し、今後活動するうえで補強すべきことが分かりました。例えば、PC、Web、マーケティング、補助金申請、事業承継、M&Aなどです。また、これまで共同作業というものをあまり経験していなかったため、実務補習を通して、役割分担共同作業の流れなどがよく理解できました。反省としては、最後まで周りの人に迷惑をかけっぱなしだったことです。タイトなスケジュールについていく実力が不足していたこと、試験で得たノウハウをうまく活用できなかったこと、体調管理が十分でなかったこと、Wordのスキルが不足し頻繁に人の助けを借りたこと・・・。反省すべき点が多々あります。

岩塩:「5日間」と言えど、その外枠で調査や報告書作成を行わなければいけませんから、なかなかハードでしたね。途中、少し体調を崩されていたようで心配でしたが、最後に全員で終了証を受け取ったときは安心しました。我々のグループにはWordが得意な方がいらっしゃったので助かりましたね(笑)診断士活動では連携や相互補完も重要だと感じました。

 

今後の診断士活動

岩塩:今後はどのような活動を計画されていますか?

M診断士:今年の6月に個人事業主として登録しました。得意分野である財務・経理人事総務英語(翻訳)の経験を活かしていきたいです。年齢的なこともありますので、あまり多くのことには手を出さない予定ですが、マーケティングについても研究会などで勉強し、支援できるようにしていきたいと思っています。

岩塩:これまでの知識・ご経験を活かしつつ、新たな分野についても更に勉強していかれるのですね。そういえば、Mさんの息子さんも診断士資格をお持ちだと伺ったような・・

M診断士:はい。息子は企業内診断士です。受験中は学習計画のマネジメントなどについてアドバイスをもらっていました。彼は朝早めに出社し、途中で喫茶店に寄って学習していたようですが、店員さんに顔を覚えられて、黙っていても同じコーヒーが出てくるようになったそうです(笑)また、協会支部からの情報誌は毎月見せてもらっていました。自分とは専門分野が異なりますので、ノウハウやリソース補完のため、ゆくゆくは一緒に活動するかもしれません。

岩塩:Mさんが合格されて、ご家族も喜ばれたことでしょう。今後、息子さんと一緒に活動されるのも楽しみですね。

 

受験生へのメッセージ

岩塩:最後に、受験生へのメッセージをお願いします。

M診断士:私は2次試験では、講師の話を参考にしつつ、それを妄信するだけではなく自分で必要と考えたことを組み合わせたことが、合格に繋がったと思っています。人により置かれた状況はそれぞれ異なるため、自分に足りないもの、合格答案を書くために必要なプロセスは何かを自ら模索し、自分に合った方法を実践することが重要だと思います。

また、1次試験でもう一歩及ばずに涙を飲んだ方もいらっしゃると思います。中小企業診断士試験では、知力もさることながら、何回失敗してもくじけず頑張る気持ちを持ち続けること、不合格が分かったらただちに気持ちを切り替え次の年の受験に向けての合格戦略を考え、早めにスタートすることが重要になると思います。私も諦めずに挑戦し続けたことで、最終的に合格することができました。皆様のご健闘をお祈りします。

岩塩:Mさん、お忙しい中、どうもありがとうございました!今後のご活躍をお祈りしております。

 


 

 

本日は、M診断士のインタビューをお送りしました。過去問学習を重視する、複数の解答を比較するなど、合格者の戦術には共通点が多いと改めて感じました。またM診断士も、予備校で教わったことを参考にして「パクってカスタマイズ」を実践していましたね。

「読み込みが○分で終わらない・・」や「○色ペンが使いこなせない・・」など、他の人のやり方を真似してもうまくいかないと悩まれている方もいると思います。他の人のやり方はあくまで「参考」と捉えて、カスタマイズを繰り返して、ご自身に合った方法を確立していっていただければと思います。

 

以上、岩塩でした(^^)

 

 

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昨年度2次試験の最高齢合格者・M診断士インタビュー【中小企業診断士】”へ5件のコメント

  1. サトシ より:

    記事を読んで、M診断士さんは素晴らしい方だなと率直に思いました。

    1次試験を何度チャレンジしても諦めない心、免除のことなど自分から考えて戦略を出している能動的な姿勢、息子さんからもアドバイスをもらう積極性、見習う点が多々あるなと感じました。尊敬します。

    それに、岩塩さんもそうですが、謙虚ですよね。おじいちゃんくらいの年上の方が若い方と話す場合、タメ口になって上から目線やごう慢な態度で話される場合が多いですが、M診断士さんは敬語で話していますし、話相手の岩塩さん視線を合わせて話をしていますし、自慢している感じもありません。

    僕も謙虚さを身につけたいと思っています。こういう方がまさに僕の手本になるような方なんだなと感じました。
    紹介していただき、ありがとうございます。

    1. 岩塩 より:

      サトシさん

      いつもご覧いただきありがとうございます!
      コメントをいただいたこと、Mさんにお伝えしましたが、「自分は人に褒められるような人間ではありませんので少々気恥しいです」とのことでした(^^) 確かに、謙虚さをお持ちだからこそ努力を継続されてきたのだと思います。私のような若輩者にも丁寧に対応してくださって本当に有難いことです(^^) 話しやすい雰囲気というのは診断士にとってポイントとなるスキルかもしれません。
      いつもサトシさんからは「どんなことからも学ぶ」という姿勢を感じます。私もそうなりたいと常々思っており身が引き締まります!

      1. サトシ より:

        岩塩さん、ありがとうございます。
        僕もいつも岩塩さんを含め道場のメンバーから良い刺激を毎日もらっています。ありがとうございます。

        M診断士さんへすぐに伝えてくださったのも、仕事が早くてさすがだなと思いました。

  2. 今年こそ より:

    まず、一言で表現すると、お幸せな人生をお送りです。これまでのキャリアを生かし、本資格を武器にして、さらなる社会貢献をなさる、素晴らしいことですね。

    それに比べ、私は60歳代。一次は二回、二次は初挑戦です。目的は、副業して少しでも昔のレベルのお金を稼いでの自己満足と、昔やった海外との関わりを再度持ちたい、行きたいために尽きます。

    このお方と比べ、なんと下世話なことか(笑)
    でも、ゴールに向かって最後の努力をするプロセスは同じ。受験生が多かろうが、己との挑戦と思い、頑張ります。

    1. 岩塩 より:

      今年こそさん

      いつもコメントいただきありがとうございます!
      今年こそさんは海外関係のお仕事をされていたのですね。私は現在の仕事ではなかなか縁がありませんが、興味があるので何かの折に関われたらいいなと思います。
      私自身、学習中は色々な雑念(肩書とかそういうもの)を持っていました(^^;) が、今は、人のためにやることと、自分のためにやることは、表裏一体にあるのではないかと思っております。人様のために何かをした結果、自分が得ることも多いですし、逆に自分がしたことも誰かの役に立っているのかもしれないなと・・(希望的観測)今年こそさんも根本的には利他の精神をお持ちなのだと思います。
      試験に関しては、必要以上に周囲を気にするより、基本に忠実に集中されるほうがよいかと思います!受験者数が多ければ、大外しをすることに例年以上にシビアにならなければいけないため、ご自身が外しやすいポイントを、演習を通して把握していってください。ご健闘をお祈りします!

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