情報処理技術者試験と中小企業診断士試験

           

<よろず相談会のお知らせ>

日時:2020年8月29日(土)23:00~25:00

場所:オンライン (zoom)

・内容:独学者向けの「ユルいアドバイス」と「よろず相談会」
(相談会は6~7名/班を20~30分毎に入替形式)

人数:約20名(※応募多数の場合は抽選といたします)

・受付期間:8月11日(火)6:00~8月21日(金)24:00

・受付方法:Googleフォームにて必要事項入力

・参加確認:8月22日(土)までにEメール連絡
(※抽選の場合、外れた方への連絡は致しかねます)

           

twitterもよろしくお願いします。

 

皆様、こんにちは。3chです。
今日も道場Blogをご覧頂きありがとうございます。

暑い夏が続きますが、体調はいかがでしょうか。道場Blogも2次試験対策一色となってきていますが、今日は少し視点を変え、7月の道場オンラインセミナーに頂いたご質問にお答えします。

 

Q:3chさんへ質問です。私も高度情報処理技術者の資格をいくつか持っています。高度情報処理技術者のレベルを1としたら、どれくらいの勉強量や覚悟が必要でしょうか。

ご質問者様は、情報処理技術者試験とは比べ物にならないくらいしんどい思いをされて頑張っていらっしゃるとのことで、このご質問を頂きました。

回答は・・・25倍です!!

はぁ?半沢直樹でもこんなこと言わねぇよって感じだと思いますが、個人的に直感として情報処理技術者試験に比べれば、1次・2次合わせて比較できないほど苦労した印象です。ご質問者様のお気持ちは痛いほどわかります。

今回は、このご質問に関連して情報処理技術者試験と診断士試験との関連性・ギャップ、活用の仕方等についてお伝えします。

 

1.情報処理技術者試験と診断士試験の違い

私の診断士の総勉強時間は16カ月合計で1,260時間(1次730時間、2次530時間)でした。

私の情報処理技術者試験は全く記録もつけていないので定量的に表現できません。仕事の延長上でやっていることを除いて、純粋な試験対策としては、試験に申し込んだ後週末に半日程度×1~2カ月程度でした。1カ月で20時間前後とすると、診断士勉強期間の1年間、特に2次直前の9月、10月は毎日全力導入していましたので単純に月単位では5-6倍は勉強してました。さらに勉強に投入している期間が長かったのでそれが4-5倍程度ということで、直近の試験対策だけを1年間で比較すれば25倍というのもあながちウソではありません。

個人のバックボーンによって大きく異なりますのであくまで”参考”ですが、私の場合、情報処理技術者試験(特に高度区分)はIT業界での実務ベースがあっての試験で、診断士は経営情報以外(経営・運営の一部以外)はゼロべ―スでしたから相当苦労しました。

具体的な理由は以下の通りです。

(情報処理技術者試験に対する個人属性観点)

・仕事の延長上であり、入社以来社内研修等のOff-JT、実務上必要な知識習得等をOJT含めて日々触れてストックがある
・春・秋の試験を何度も受けいて試験自体に慣れていること(長年薄く積み重ねている)

(情報処理技術者試験の特性)

・高度区分は出題分野の範囲が狭く深いため集中して対策がしやすい(←→診断士と真逆)
・午前は過去問と選択肢も全く同じ問題が何問も出る傾向にある(←→診断士と真逆)

(診断士試験の特性)

・1次の科目・範囲が広い上、自分の場合は財務・法務をほぼゼロスタート。
・2次で求められていることの抽象度が高い(設問の意味解釈が難しい、予備校で解答がバラバラ)

IT業界で情報処理試験高度区分をお持ちの方は、実務経験やベース知識がありそこからのプラスの勉強で高度区分を取得された方が多いと思います。またその”プラス”の部分はある程度「情報技術の暗記に近い知識習得」でカバーでき、過去問演習の繰り返しでかなりブラッシュできます。(ちなみに私は情報処理技術者試験はほぼ過去問+論文添削のみです。)そのためあえて25培という表現をしましたが、診断士試験についてはそれくらいギャップがあると覚悟して臨んだ方がよいと私は考えます。

 

2.そもそも情報処理技術者試験(高度区分)って?

畑違いですが、情報処理技術者試験とは、「情報処理の促進に関する法律」に基づき経済産業省が、情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定している国家試験です。(引用:独立行政法人 情報処理機構(IPA)HP)。

IPAの公式サイトはこちら。昭和44年から累計でのべ1,300万人が受験している資格試験です。
応用情報以上の区分を取得すると診断士試験の1次経営情報が免除されるのはご存じかと思います。

通常ですと、春(4月第3日曜頃)と秋(10月第3日曜頃)の2回試験があります。(今年度はコロナの影響で、春→秋の日程で実施、秋→11月以降実施予定(詳細未定)となってます)

<情報処理技術者試験 の区分(黄色の箇所が高度区分と呼ばれる)>
(クリックで拡大)

高度区分の試験は以下のような感じです。高度区分の合格率は概ね10%台前半~半ばくらいです。※なお、試験区分は長ったらしいのでアルファベット2文字で略します。
詳細はこちら。(試験要綱2020.8現在 常に最新のをご確認ください)

◆午前Ⅰ 50分 (免除制度あり)
情報処理全般(高度区分共通)30問4択マークシート 60点未満足切り

◆午前Ⅱ 40分 
各専門分野知識 25問4択マークシート 60点未満足切り

◆午後Ⅰ  90分
各専門分野記述 3~4問から2問選択して解答 60点未満足切り

◆午後Ⅱ 120分 
各専門分野記述(NW,DB,ES,SC) 2問から1問選択して解答 60点以上で合格
各専門分野論述(=論文)(ST,SA,PM,SM,AU) 2~3問から1問選択して解答 判定A以上で合格

とにかく午後Ⅱが最大の山場です。

記述試験
10ページ前後の与件文(図表多数)と20問程度の小設問(試験区分によって違うが、NWの場合穴埋め記述~40~80文字程度の記述が多い)

論述試験
問1:800字以内、問2:800字以上1,600字以内、問3:600字以上1,200字以内 最低2,200字以上必須。

と結構なボリュームです。まずこのボリュームに腰が引けるのですが、高度区分は専門性が高く範囲が狭いため、区分との相性にもよりますが、診断士2次試験と比べて時間を掛けて過去問ベースに積み上げれば突破できます。

 

3.情報処理技術者試験の経験(応用情報・高度区分)→診断士受験(1次試験)に活かす

1次では経営情報以外にも波及効果があります。経営情報以外にも企業経営理論、運営管理にもプラスに働きます。(情報関連の知財と不正競争防止法関連では法務も少し。)

応用情報以上は経営情報システムを免除でき、1次の経営情報が確実にクリアできることだけでなく、企業経営理論、運営管理の一部の得点源にもなります。ただでさえ広い分野を1次試験から勉強するわけですから、情報処理試験の知識で診断士試験の一部をカバーできるということは、苦手科目にに自己資源を集中できることになり、1次試験全体を見ても優位になるのは間違いありません。並行で勉強されても有効だと私は思います。

4.情報処理技術者試験の経験(高度区分)→診断士受験(2次試験)に活かす

情報処理技術者試験と診断士試験で共通する重要なことが1点。その試験が求めている役割を試験解答上で演じることです。

高度区分でよくある話が、プロジェクトマネージャマネージャ試験なのにアプリケーションエンジニアの視点でテストのことを切々と書いても不合格です。同じく診断士試験はあくまで診断士試験なので中小企業の成長戦略をどのように具現化するか、がポイントです。

(1)記述系:NW,DB,ES,SCを合格した方

これらの試験の午後Ⅰ、午後Ⅱ(特に午後Ⅱ)は与件文がとにかく長いです。一見、午後Ⅱと比べると、診断士2次試験の方が読みやすいように見えますが、情報処理試験の方が問題や課題が圧倒的に具体的で、解答もほぼ一意に決まります。まずは専門領域の知識を知っていないと解けません。逆に知っていれば解ける問題も多くあります。診断士2次試験をこれと同じような感じの感覚でいると危険です。

情報処理試験の場合、長い与件文の中に課題となる具体的なポイントが明確に書いてあります。例えばNWの構成変更が必要なビジネスモデルの変更や、DB設計で履歴蓄積で不整合が生じる新たな要件等。これを見つけて解答につなげる。問題や課題がある前提で逆算して与件文を読めば捉えやすいです。

一方、診断士試験も与件から課題を拾うプロセスは同じですが、その後の解答作成へのプロセスで経営全般に渡りより高い視座からの分析力が求められ、戦略等の抽象的な概念の思考を求められるため、専門知識の暗記を軸としていても乗り越えられません。より一層、高度な現場処理能力が求められます。

情報処理試験に慣れていると、診断士試験で戦略レベルで問われている設問に対して、レイヤーを無視して具体的な機能別戦略に寄せて捉えがちです。2次をはじめたころの私がまさにそうでした。例えば、事例ⅢでIT化推進のための施策を問われたとき、キター!!得意なIT分野で稼いだろっ!!と思って、「5Sの徹底」や「マニュアル化・教育」といった中小企業の生産現場での重要な施策を無視して、「ユニークキーの付与」や「DBのリアルタイムな一元管理」等情報システム上の課題解決策しか見えずに突っ走って書いてしまうこと。もちろんその設問で問われているレイヤ・題意にもよりますが、大半は題意から外れ、診断士としてそもそも俯瞰した戦略面の考慮がなく、分析が多面的でない解答として×となります。

この点は意識しておいた方がよいです。専門性が2次試験では足を引っ張ってしまうことがある。要注意です。

 

(2)論文系:ST,SA,AU,PM,SM,SCを合格した方

2時間で2,200字以上も書ききって合格していることは大いに強みです。

ただ、論文試験はどうしても長く書こうとしますし、ある程度書きながら補正もできます。情報処理試験の午後Ⅱが走り続けるハーフマラソンみたいなものとすると、診断士2次試験は3,000m走を4回走るイメージです。よくわからないたとえですが、要はしんどさやペース配分が全く違います。

診断士では100字~120字くらいで的確にまとめる能力と、圧倒的に足りない80分の試験時間の感覚は意識して別モノとしてトレーニングしておかないと、論文系で鍛えた能力が足を引っ張りかねません。的確に字数に短時間に要約できるトレーニングで時間感覚を身に付ける、診断士試験で合格者が使っている表現・フレーズパターンを習得して使いこなす、2次対策ではこの2点を特に意識していました。(この点は2次試験対策で苦労した点の一つです)

 

私も診断士の勉強を始めたころは、情報処理試験の経験をもっと2次に有効に活用できると思ってましたが、下手に活用するより別モノと割り切って臨んだ方がよいです。何回も情報処理試験を受けていて”試験慣れしていたこと”自体はプラスでしたが、ITストラテジストを取得してたから2次試験の解答がスムーズだったとか全くそんなことは一切感じませんでした。当初、ちょっとは活用できるだろうと高をくくってましたが、事例ⅢなどでITに絡んだ設問で、自信を持って書いた解答は「視座が低い」「多面的でない」「●●の観点が抜けてる」とかでことごとく予備校で×を食らい凹みました。

(1)の繰り返しになりますが、ITに限らず、ご自身の得意分野・専門分野の問題が出たときは、逆にいつも以上に慎重に診断士のセオリーに沿って気をつけて解答したほうがよいです。私は情報処理技術者はとしての自分は忘れ、診断士になりきって解くように心がけてました。試験勉強中はあまり情報処理技術者試験の経験活用を考えず、診断士試験対策を徹底することです。(なお、その専門性を存分に発揮するのは合格後で。)

 

5.情報処理技術者試験の経験→診断士合格後に活かす

本人次第ですが、活かせるチャンスは多数あります。

経営とITは切っても切れない関係にあります。ITの知識・経験を軸に診断士の知識体系を加味した活動は十分可能です。そのためには幅広く経営戦略と結びつけてITの専門知識を整理しておく必要があります。

ただ、実際には資格そのものより、それ以外の要素(特に人間性)の方が大きいですね。資格を持っていればある程度はITに強いと周囲から思われるので、当該分野の期待値はいやでも上がりますし、知らない人よりはある程度ITに関する気づきや知見は広いはずです。そういう意味で、診断士内でも注目を浴びやすく差別化しやすいことは間違いないです(実際にできるかどうかは別として)。

本人次第と言ってしまえばそれまでですが、IT系に限ったことではないですが行動と努力次第で自分の専門分野の強みを活かすことも、活かさないこともどちらにも振れます。

実務補習等で感じたことは、ただITのことを知っているだけではダメで、体系的に整理されて使いこなせる状態で、社長が困っていること(=設問)に対し、その中小企業の状況(=与件)に応じた施策を提言(=解答)できないと全く活用できません。2次試験で求められている与件ファーストで答えを出すというこの思考プロセスが重要なのは試験でも実践でも同じです。(ただ、実践の場合は与件そのままではなく、これに自らの知見を加えて助言する点等、大きく異なる点が多々ありますが。)

ITを組み合わせれば活躍の場は広がることは間違いないです。ただ、合格後も勉強は必須です。私も日々精進であります。

 

6.診断士試験の勉強(2次)→情報処理技術者試験(高度区分)に活かす

こちらは、メッチャ活かせます。

特にITストラテジストはおススメです。診断士試験と親和性が高く、診断士の勉強で得た知識をフルに活用できます。午前Ⅰが苦手でなければ、午前Ⅱは診断士試験からすれば余裕です。詳しくは10代目Soyaの記事を参照ください。午前Ⅰがクリアできるレベル(=経営情報が70~80点以上余裕で取れるくらい)or免除なら一気に合格可能性が高まります。私の肌感覚ですが、診断士2次試験で鍛えた人は、情報処理技術者試験の受験生の中でも十分上位層にいると思います。これだけ勉強して受けないのはもったいない。

今年はコロナの影響で、ITストラテジストが含まれる秋の情報処理技術者試験は、11月以降に開催される方向で検討中とのことです。(最新情報はIPAのHPを必ず参照ください。)今年は診断士2次試験筆記とは重なりません。場合によっては口述試験と重なる可能性がなくはないですが・・

これはまたとないチャンスです。2次試験勉強のピークくらいに申し込みや案内が来るかもしれませんが、忘れずにHPをチェックし是非受験してみてください。2次試験で鍛えた知識とスキル、そしてこの勉強習慣と頭の回転の勢いのまま情報処理技術者試験に攻め込めばかなり強い。自分が逆の立場なら来ないでほしいと思います。1年先に受験を検討するより、今年度は一気に攻め切ったほうが絶対によいです。ダブルライセンスも夢ではありません。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。
日本列島が暑さのピークになってます。くれぐれも熱中症にはお気をつけて。

以上、3chでした。

 


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